京都市立学校の教育現場に統一協会系団体・京大原理研(CARP)が入って活動?市教育委員会は徹底調査を(2022年10月12日/決算特別委・教育委員会・くらた議員の質疑文字起こし)

◆くらた議員/常任委員会でもですね、質疑をしてまいりました、本市の教育実践と今大きな問題となっている統一協会関係団体の関与についてです。9月7日の教育福祉委員会で調査されましたかとお尋ねしましたら、「報道されている範囲の関係団体について調査したが問題はなかった」と。こういうご答弁でした。報道されている範囲での関係団体とは何団体について調査をされたものだったか。まずこれ端的にお答えください。

(→樫木・総務部長)ちょっと今、明確にその団体、何団体というのを持ち合わせておりません。あの、わかる範囲の、言葉といいますか、あのキーワードといいますか、まあそうしたもので、あのイベントへの出席だったり、後援名義であったり、あの祝辞の祝電の有無、まあ、そうしたものについて把握出来る限り調べて結果該当がなかったと、まあ、そういうあの調査でございます。以上です。

◆くらた議員/はい、当初であったとしても、何団体について調べたっていうご答弁が明確にされないっていうのはね、ちょっとあの腑に落ちないですね。全国霊感商法対策弁護士連絡会が公開している関係団体は75団体あります。少なくともこの75団体との関係を調査すべきですし、また、調査の範囲がイベント出席、後援名義、祝電・祝辞の範囲ではまったく不十分であります。京都市の例えば教育活動へのボランティア団体登録や、あるいは京都市教育委員会が様々に各個人や団体を表彰されておられますが、そうした対象まで調査すべきですが、いかがですか。

(→樫木・総務部長)ええ先ほど申し上げました通り、把握できる限りで調べた結果、あの該当はなかったという状況でございました。ええ、ただいまの再調査といいますか、あの調査広げてというようなことがございましたけれども、ええ、現状で改めて調査する考えについては、あの今はないというところでございます。以上です。

◆くらた議員/はい、あのボランティア団体登録や、各種表彰の対象まで調査されたんですか。

(→樫木・総務部長)ええ、ただいまあのご指摘ありました。あの対象者ということでございますけれども、あの相当数ございます。で、まあ、それぞれ関係法令に則りまして、あの適切に運用してきたところでございますので、ええ、改めてあのただいまご指摘ありましたようなことについて、調査する考えはないというところでございます。以上です。

◆くらた議員/はい、あの驚きですね。あのね、ええ、要するに、どの範囲を調査したかということを明確にされないし、そしてこちらが提示しても調査しないとおっしゃる。しかし、この間、兵庫県教育委員会が示した資料によりますと、ええ、兵庫県内の県立高校2校が、2017年~22年計5回にわたり、世界平和統一家庭連合の関係団体に所属する大学教員に性教育をテーマとする講演を依頼していたことが分かっております。この件について兵庫県教育委員会は認めております。そして「今後は講師の選定含め関与しない」と言明したと、これ報道もすでにされています。一方、本市においても、この兵庫県で指摘された同じ人物が「心を育てる性教育」を本市の学校やPTA研修会等でおこなっていたことが分かりました。私どもの調査です。この講師は「心を育てる性教育研究会」の所属と紹介されていますけれども、これ把握、認識しておられますか。調査が必要だと考えますが、いかがですか。

(→樫木・総務部長)ええ、研修会での講師ということでございます。あの一般的に各学校における外部講師の選定、講演会の実施、こういうことにあたりましては、あのまあ、その講演会とかごとに子どもたちにつけたい力、またあの教育活動の目的が達成される内容となりますように、学習指導要領、また本市が定めております指導計画等も踏まえながら、各学校で適切に判断され講師の選定をされているところでございます。え、これらにつきまして教育委員会としてええ、個別の講師選定について把握はしていないという状況でございます。以上です。

◆くらた議員/はい、あの各学校がお選びになったというご答弁なんですけれどもね。しかし、この同研究会は、各地で講師を出していまして。調べると焼津ロータリークラブの週報。ここにですね、静岡県島田市立の初倉中学校でやはり同じように「心を育てる性教育研究会」の講師が「思春期講座」、これ2018年3月8日であります、というふうにまあ書いております。で、この講師はですね、紹介しておりますWFWP、これ世界平和女性連合・静岡第一連合会議長、まあすなわち統一協会関係団体の幹部とご紹介しているわけです。

また、これだけじゃありません。京都大学の原理研究会のメンバーが、学びプロジェクトとして京都市教育委員会が10年前から取り組んでいる活動、「私たちカープ(CARP)は、2年前、2015年からこの活動に取り組んでいます」と、これブログ、京大CARPに掲載し、インターネットに広報していることも、これあの私どもが、これ調査で、えー事実を確認しました。

で、しかもですね、あ、もちろんこの原理協会というものですけれども、これあの統一協会の、文鮮明(ムンソンミョン)氏自身がですね、これアメリカの上院公聴会でこれ証言しております。ええ、文氏はですね「私は国際勝共連合を設立し、さらに大学に原理研究会を作った」と、こうあの言明しています。その原理研究会であります。で、さらにこの原理研究会のメンバーですが、2015年にはfacebookページで「メンバーが週2回の頻度で小学校に行って、担任の先生の補助をしているんです、生徒が分からないところを教えてあげたり、給食を一緒に食べたり、掃除を一緒にしたり、休み時間に遊んだりしています」と記載をされております。

これぜひね、きちっと事実関係調べていただきたいんです。これがあの事実ならですね、京都市教育委員会の公式な教育ですよ。教育そのものを統一協会関係団体がその団体の活動を行う場にまあ一定開け放しているということになりますし、そのことによって反社会的カルト集団に京都市教育委員会がお墨付きを与えていると言われても、これ仕方がないんじゃないですか。そうなりますと、これは極めて重大で、本市教育に対する、まあ信頼、失墜する重大な事態です。ぜひ事実関係について調査をしてください。そして、その結果を議会、委員会に報告することをきちっとお約束いただきたいです。いかがでしょう。

(→稲田・教育長)あの京都市の教育を、様々な方が、あのボランティアの形ですから、学生さんとして補助として入っていただいたりしております。ただ、その人、方、自身が、学校教育の中でその政治的信条ですとか、宗教的信条を子どもたちに教える、教えているっていうのであれば、これはあの学習指導要領違反等で、ええ厳しく指弾しなければならないと思いますし、排除していかなければならないと思いますけれども、そういう背景のある人でも、特にそのええ、通常の教育活動に何かそういう信条的なものを出していない時にですね、それを排除する、あるいはそれを調査するというのは、私どもとしてはできないと思っております。例えばですね、ええと統一教会の問題、霊感商法等として社会的に問題にはなっておりますけれども、例えば、学校の現職教員に統一協会の信者があれば、その人は教壇に立てないんでしょうか。あるいは、教員採用試験で信者の方が受験するのは拒否するんでしょうか。そういうことはできないと思いますので、やはりそういうことは法令できちっとした根拠がないとできないと思います。あのそういういわゆるその戦前の宗教弾圧、思想弾圧はそういう形で行われていたのであって、そういうことは決してやってはならないというのは、戦後の私は民主主義の信条だ、あの原則だと思いますので、おっしゃってるようなことはできないと思っております。以上でございます。

◆くらた議員/あの私ね、じゃあね、今教育長がそういう教育へのその団体の思想や心情や、あるいはそういう原理については吐露されていない、子どもへの教育への影響はなかったとおっしゃいましたが、それはどうやって確認できたんですか。いかがですか。

(→稲田・教育長)まあですね、そういう形で保護者からの苦情等出ておりません。それを徹底的にその統一協会関係だけじゃなくてですね、調べるというのはできないと思います。あの京都市はあの教育の歴史でええ、昭和29年に旭ヶ丘中学校事件というのがございまして、これはあの、ええ赤旗を教材にして授業をしたという事件でええ、ありまして、これはあの国会に当時の教育関係者、校長、教育委員会の者も全部参考人招致されて全国的な問題となりました。これもただ、その先生は共産党員であるからそうなったわけじゃなくて、共産党の信条を学校の教育の中に持ち込んだから問題なのであって、それをあの同じようなことをやれというのは共産党の先生としておかしいと私は思っております。ですから今回の件については先ほど申しましたように、具体的に、ええ、苦情が出てたり、こういうことをしていたのが問題なのではないかというご指摘であればですね、それを是正することはしますけれども、それを、ああ、非常に曖昧な中で未然防止をせよというのは、あの全くできないことだと思っています。今の、日本のこの法令の関係でですね。それはしてはならないことだと私ども思いますので、決してあの統一協会の信条とか、ええ、あるいはおこなっていること、私ども正当化している事では全くはないんですけれども、それ、大きいですね、あの他にも及ぶようなことをしてはならないと私は思っております。以上でございます。

◆くらた議員/教育長、それは今の社会的な常識からしても逸脱したご答弁だと思いますよ。あの統一協会というものが、これ、あの宗教の自由っておっしゃいますが、これは宗教ではありませんよ。霊感商法のあれは、まあ被害の一端ですけれども、この間、信者2世と言われる方々からも、あれも氷山の一角でしょう。色々な吐露されている中身、あのことをどう受けとめるんですか。やはりね、ここはカルトとは教育は一切無縁だという立場をなぜ取れないんですか。そんなね、まったくね、違ったことをね、論理のすり替えをするような答弁をされて、それで教育者ですか。あの統一協会ですけれども、まあ家庭を破壊してますよ。子どもの人権も迫害してますよ。霊感商法による巨額の消費者被害を生み出している。このことを取っただけでも反社会性は明らかですよ。だから、このことを何とかしようというのが、今、全国の努力なんですよ。じゃあ例えば、これどうですか。他の県教育委員会が「もう一切断絶する」とおっしゃった。これは異常だとおっしゃるんですが、いかがですか。

(→稲田・教育長)まああのよその教育委員会がどうしたっていうのが私ども教えませんけれども(笑)、ただあの、今まで申し上げました通り、やはりあの、全くあの統一協会の霊感商法とか、あるいはそれがどういう社会的、大変大きな社会的影響を及ぼしていること自体は全く否定しているものでないし、私どももそれが学校に中にもそれ自体がですね、持ち出す持ち込まれる事自体は絶対あってはならないと思いますけれども、実際にあの「具体的にこういう問題があるから是正せよ」っていうお話であればわかるんですけれども、「こういう影響があり得るから、そういうものを一切教育から排除せよ」というのは、やはり危険な思想だと私は思っておりますので、そういうことはできないと思っております。

◆くらた議員/あのう、あれこれおっしゃいますけれども、具体的な私は提示をしました。こういう状況証拠として、ええ、すでに県教育委員会が認められた。そして、その教育委員会が出された公文書、その中にある資料をもとに物を申しております。まず事実関係を調べるということは、なぜなさらないんですか、いかがですか。

(→稲田・教育長)同じ答弁になりますので、これ以上くり返しませんけれども、ええ、兵庫県の教育委員会ですか、兵庫県の教育委員会のあの私、あの管理下にあるわけではないので、そういうことは同じことをするということはないと思います。以上でございます。

◆くらた議員/そういう同じ団体から派遣されている、そして、ええ、あえてその個人のお名前を伏せておりますけれども、同一の人物であるということまで特定したうえで、ぜひお調べください。そして、京都市内の学校でそういう講演が行われていたかどうか、その事実確認をしていただきたいと思います。いかがですか。

(→稲田・教育長)ですから、今まで何回も申しましておりますように、これ以上のあの調査等する考えは、今現在あの無いと言うことを申し上げているので、これ以上同じことを聞かれても同じでございます。以上でございます。

◆くらた議員/はい、それでは、ええ、どれだけ、例えば、市民や、そして私どもからそういう指摘があったとしても、何らかの苦情や事件や事故が起こらない限り動かないってことですか。

(→稲田・教育長)まあ、あのう市民の方から具体的に、ええ、指摘あるかないかに関わらず、正しいことであればやりますけれども、私どもはその今おっしゃったことは正しくないと思っておりますので、やらないということも申し上げている訳です。

◆くらた議員/それでは全く調査をしないと、そのことが正しいというご認識だということを確認したいと、お答えください。

(→樫木・総務部長)もちろんあの事例として出していただきました、講演会等であの不適切な内容での研修、まあ、そうした事実があるのであれば、それはあの法令違反等の疑いもございますので、それを調査する必要があるというふうに思っております。で、あの講演会の講師選ぶ時に基本的にその統一協会の関係者にお願いすることはございません。あの例えば、大学の研究者でありますとか、その専門の専門家の方にお願いするのが、あの基本的な考え方でございますので、あの、そ、それも含めてですね、あの、つながりといいますか、あのおっしゃってるような事例というのはないというふうに認識しております。以上です。

◆くらた議員/あの調べもしないのにね、問題がないという。おかしいですよ。全く科学性がない。全く説得力ないですよ。何を隠したいんですか。いや、本当に、ちゃんと調べた結果こうでしたと、なぜ言えないんですか。だって、いくつの団体について調べたのかと聞いても、それも曖昧にする。調べてないってことですね。それとも調べる気がないってことですね。そう取らざるをえません。いかがですか。

(→樫木・総務部長)あの具体的な事例ですね、あのそのあたりにつきまして、あのまたご指摘いただきましたら、それにつきましてはあの、確認はさせていただくことがあるかというふうに思いますけれども、あの現状、お話聞いてる限りはあのそうした部分についてのお話ありませんでしたので、あの調査、現時点で広く全体について調査する必要はないということを申し上げているところでございます。

◆くらた議員/今の京都市教育委員会としては、それでは京大の原理研のこれからもサポーターというのは受け入れるということでおっしゃったというふうに受け止めます。以上です。

(→樫木・総務部長)いまおっしゃいました京大の原理研のサポートを受け入れ、そんなことは一言も申しておりませんので、それについてはよろしくお願いいたします。

2022年10月12日【決算特別委】教育委員会/本市の教育実践と統一協会関係団体の関与について

(更新日:2022年10月12日)