救急搬送は第7波で過去最悪!国の病床削減に反対を(2022年10月12日/決算特別委・消防局・やまね)

◆やまね/よろしくお願いします。私からはですね、救急搬送困難事案と新型コロナ患者の方の救急搬送についてお聞きしたいと思います。それであの、午前中からの議論をうかがっておりまして、やはり感染拡大の時期にはですね、特設隊もつくったりして対応されていると、休日の職員さんも呼び出して対応されているというお話も合って、本当に大変なご苦労があるんだなってことを改めて私も感じまして。で、やはり今、改めて思うのは、救急隊も含めた消防職員さんの確保というところもですね、しっかり力を入れていただきたいと、改めて思いましたので、まず冒頭申し上げておきたいと思います。

それでまずあの、これも議論がありました「#7119」なんですけれども、令和3年の時ですね、昨年度17500件あって、1日当たり48件という数字がありました。そして、今年の8月までで17700件、1日当たり73件という数字があったかと思うんですが、あのそこでちょっと教えてほしいんですけれども、まずあの、この件数の中で、コロナ関連の相談が何件ほどあったかというような数字が分かるのかどうか、ということとですね、それから、コロナ感染の拡大時期にはやはりこういう問い合わせが増えるという傾向にあるのかどうか、それからですね、③こういう「#7119」に問い合わされた方が、その後救急へつないだけれども、やはり搬送が困難な事案になってしまったということがあるのかどうか。ちょっとこの辺りもし分かれば教えていただきたいと思います。

(→鈴木・警防部担当部長)はい、①「#7119」の相談のうち、コロナに関する相談の件数です。まず京都市内におきまして、令和3年中の合計が260件。で、令和4年の1月から8月末までがですね、約1600件となっております。で、議員ご指摘の、③その実際に「#」をかけた後に、まあ119番をして、その結果搬送困難事案となった例があるかまでは、ちょっと把握はしておりません。以上です。

やまね/あの、傾向としてはやはりコロナ感染の拡大時期のほうが、それに比例するような形で多いというか、そういうことでよろしいですかね。

(→鈴木・警防部担当部長)失礼しました。議員のおっしゃる通りで、②コロナの流行期に合わせて、まあ「#7119」の相談件数も増えている傾向がございます。以上です。

◆やまね/分かりました。それから予算議会の際にはですね、第6波の状況についてお聞きしたんですけれども、その時に、①救急搬送困難事案、つまり「受入交渉4回以上かつ現場滞在30分以上」というこの事案について、救急隊の現場滞在最長事案が4時間39分ということがあったと。で、加えて、②コロナ患者の方ですね。自宅で療養されている方が、救急搬送を要請した場合に、4時間36分という数字がその時ありました。この現場滞在最長事案がですね、この夏の第7波ではそれぞれどうだったかということでお聞きしたいんですがいかがでしょうか。

(→鈴木・警防部担当部長)はい、①救急搬送困難事案における救急隊の現場滞在時間の最長時間、第7波はですね、2時間55分でした。で、また、②新型コロナ患者の救急搬送事案における救急隊の現場滞在時間の最長時間の第7波は、これも2時間55分でした。以上です。

◆やまね/分かりました。そしたらその数字を見る限りでは、ま、これでもかなり長いわけですけれども、4時間半というところよりは少し改善されているということですが。それではですね、この①新型コロナの患者の方や、あるいはコロナの疑いのある方が、他府県から搬送された事例というのがあるのかどうか、分かるのかどうかですね。それから、逆に②この京都から他府県へ搬送した事例があるのかどうか、この点はいかがでしょうか。

(→鈴木・警防部担当部長)まずあの、新型コロナ患者やコロナ疑いにしぼった京都府外への搬送人員ていうのはちょっと集計はしていませんけども、全体の搬送人員で見た時に、まずですね、あの①他府県からの受け入れ件数っていうのは把握しておりません。ただその、②京都市から、あの京都府外への搬送人員につきましては、第7波の令和4年7月8月はですね、全ての搬送人員のうち、ま、約0.3%の48人を京都府外へ搬送しております。で、なおですね、コロナ禍前の令和元年の同時期では、全ての搬送人員のうち、約0.1%、18人を京都府外へ搬送しております。以上です。

◆やまね/分かりました。そうしましたら、えっと、決算年度、2021年度以降でけっこうなんですけれども、他府県へ搬送した事例について、時期や件数が分かるような形で、ちょっと資料をいただけたらと思います。後ほどお諮りいただきたいと思います。

それからもう一点確認しておきたいんですが、①救急搬送困難事案の件数ですね、そのうち発熱・呼吸苦の件数、それからもう一つが、②新型コロナ患者の救急搬送の件数について、これは自宅療養だとか、高齢者施設などからの救急要請などがこの間もあったと思いますが、実際に搬送された件数、不搬送となった件数も含めてなんですが、それが第7波でそれぞれ件数がどうだったかということをちょっと教えていただけますでしょうか。

(→鈴木・警防部担当部長)まず、①救急搬送困難事案ですけども、令和4年7月中が496件、8月中が650件です。で、その搬送困難事案のうち、コロナ疑いの件数ですけども、令和4年7月がですね、162件、で、8月が245件となってます。

で、また、②新型コロナ患者の救急搬送件数ですが、令和4年7月が319件、8月が391件。で、最後に新型コロナ患者からの救急要請があって結果不搬送となった件数ですけども、令和4年7月が232件、8月が414人件、となっています。以上です。

◆やまね/はい、分かりました。あの、本当に、第6波の中身をお聞きした時も大変多い数字だなと思ったんですが、やはりそれに匹敵する、あるいはそれをさらに上回るような数字だったということであります。で、これ事前に要求資料で我が党議員団から求めていたところで出していただいているんですけれども、先ほど言っていただいた、例えば8月の救急搬送困難事案の、650件のうちですね、自宅からの方が414人、それから高齢者施設が97人、その他139人と、こういう数字も出していただいております。

それから今のお話、数字をうかがってですね、私感じるのは、特に新型コロナ患者の方の不搬送の事例がですね、大幅に増えているということです。で、不搬送事例は、一昨年(2020年)は一番多い月でも3人ということでしたが、昨年(2021年)は一番多い月で77人、それが今年は7月だけで232人、8月に414人ということですので、8月はついに不搬送の方のほうが多くなってしまっているということで、コロナ患者の方が救急要請をしても搬送されない事例のほうが多いということですので、これ自宅や高齢者施設等でですね、症状が重くなって救急要請をされたのだと推察されますけれども、ほんとに患者の方々、ご家族のみなさんの不安を思うとですね、ほんとにいかほどかっていうことで思いますし、救急隊のみなさんも本当に歯がゆい思いで奮闘されているのではないかなと思います。

それであの、この、不搬送となっている場合ですね、これどういう場合に不搬送になるのかですね。これ例えば、現場に救急隊が到着して、観察をしてですね、入院コントロールセンターに連絡をするということになると思うんですけれども、その不搬送となる基準などがあるんでしたでしょうか。ちょっとその辺り教えていただけますか。

(→鈴木・警防部担当部長)はい、不搬送なる基準につきましては、京都府の入院医療コントロールセンターの、まあ医療側サイドで決められてるものになります。えー聞いている話では、そのあのまあ、実際発熱がどれくらい続いているかとかですね、まあ酸素飽和度とか、ま、様々な、あの症状から、判断してるらしいんですけれども、ま、そこはちょっと医療サイドで判断してることですので、ま、消防で、まあこれについて言及することは控えたいと思います。以上です。

◆やまね/あの、医療サイド、ま、ドクターがですね、そこは判断をされてると思うんですけど、いろいろ既往症だとか、今言われたバイタルの数字なんかも見て、判断されるということなんですけども、ちょっと気になったのがですね、あのそういう不搬送なる場合に、その不搬送の基準という時にですね、通常なら搬送できるんだけれども、やはり病床が埋まっていることで搬送できない、そういう場合がやはりあるっていうことなのかどうかなんですけど、その点はいかがでしょうか。

(→鈴木・警防部担当部長)はい、今回7波のケースとしては、やはり膨大な数のコロナ陽性者、自宅療養者が出ましたし、あと発熱呼吸苦があったけどまだ検査を受けてない、コロナ疑い者も膨大な数が出ました。で、その多くから、そのまあコロナ相談センターとかですね、フォローアップセンターに問い合わせをしても、なかなか繋がらない。それでもう不安が増してですね、どうしようもなくなって119番ってケースも一定数あったかと思います。ですので、議員が心配しているような、本当に入院しなきゃいけない方が行けなかったというわけではなく、不安に思った方が119番、最後の手段としてですね、で、うちも119番受けたら、基本あの現場に救急隊向かわせます。そこで観察をして、そのコントロールセンターの医師とも連絡を取って、これは入院までは要しない、医療機関での診療までは至らない症状ですねってことで、まあちょっと安心して自宅療養してくださいっていうケースが多かったと認識しています。以上です。

◆やまね/まあやはりその入院が必要な方が入院できないということがあっては、もう本当にこれはね、いけませんので、医療サイドの問題ですけれども、いまお話を聞いてやはりそういう意味では、フォローアップセンターだとか、保健所の体制だとかですね、陽性者の方へのフォローというのもしっかりしておかないといけないなっていうことも改めて感じました。

そこでもう少しうかがいたいんですが、8月15日にですね、市立病院含め、新型コロナ重症患者を受け入れている京都の13医療機関の共同メッセージというのが発出されました。その内容は深刻なものであります。一部を紹介しますと「検査体制が必ずしも行きわたっていないため、報道されている感染者数より、実際の感染者は多いと考えられる」「軽症が多いように報道されているが、呼吸器症状が軽症であっても、高熱やのどの痛みというかなりつらい症状を呈する」「感染時の症状は軽症でも、その後様々な後遺症で苦しんでおられる方もおられ、それが若い方に多いことが報告されている。決して単なる風邪のような病気ではない」、こういうメッセージをですね、医療機関のみなさんが発出をされているわけですけれども。

で、そこで消防に関わる部分としてですね、こういうことも書いてあります。「確保病床は京都府においては実質的に飽和状態。どの病院もすぐに受け入れることができない状態」「新型コロナウイルス感染症自体は軽症でも、もともとほかに病気がある場合には重症となり、ICUでの治療が必要になることがしばしば。毎日のように報告されている病床稼働率や重症病床使用率は正確な実態を反映していない」、ここまで書いてあります。そして「特に救急医療はすでに崩壊といってよい状況にあり、救急要請数は通常持の数倍、搬送困難となる事案が著しく増えている。新型コロナだけでなく、事故によるけがや脳卒中や心臓病などになっても搬入できる病院がなかなか見つからず、救急隊が現場で長い時間立ち往生するような状態」ということも書いておられます。そして「現在は救えるはずの命が救えないという、医療崩壊となっている」と、ここまでメッセージを発信されているわけですけれども、救急搬送のですね、現場で奮闘されている消防局のみなさんの実感としてはですね、この辺りどうだったのか。こういう厳しさがあったということで、問題意識共有されているということなのか、いかがでしょうか。

(→鈴木・警防部担当部長)日頃からですね、あの医療機関関係者の方とは密に情報共有を図っております。で、実際にあの病床が非常に厳しいということも聞いていたんですが、議員ご紹介の文書を見まして、その、厳しさを改めて、あの痛感したところでございます。でまあ、実際には、救急隊のほうも、よくその報道される病床使用率を見て、その100%いってないのになぜ搬送先がないんだっていう声も、まあ聞いたところではあります。ただ、病院の状況を見ますと、病院内のスタッフの、やはりクラスターなどで、病床があってもスタッフがいないとかですね、そういった実情もあるんだなあということは認識しておりました。以上です。

◆やまね/本当に改めて大変なですね、実態の中でみなさんも活動されていることだと思います。で、あの、こういうもとでですね、あの救急隊も、改めて特設隊をつくって、休日の方も呼び出して対応されているということで、現場の本当にみなさんの奮闘があると思うんですけれども。

そこで最後にもう一点お聞きしたいのがですね、国が消費税を財源とする給付金を使ってですね、新型コロナに対応する急性期病床なども含めて、病床の削減をこの間進めております。「病床機能再編支援」というものなんですけども。病床を減らした数に応じて1床あたり114万円~228万円を医療機関に支給するというものなんですが。これが2020年度に56億7000万円が交付され2846床削減をされました。全国で。それから2021年度はですね、57億9000万円が交付されて2770床が削減をされております。で、今年度ですね、2022年度もすでに40億8000万円が交付予定で、この交付額はさらに増える見込みだと言われております。で、さらにですね、今年度、いったいどこが多いのかということなんですけど、大阪府が最も多くて7億9000万円。兵庫県が6億円で続いているわけなんですね。ですからあの、近隣府県の病床が削減されていくというのは、私はこれ京都にとってもですね、大変心配な話だなというふうに思っております。それでやはりこのことが、コロナ禍に毎年50億60億のお金使って病床を増やすんじゃなくて削減しているという話なので、これがやはり救急搬送にとってもですね、影響を及ぼすんじゃないかっていうことも心配してるわけですが。

そこで最後にお聞きしたいのは、やはり市民の命を守るために奮闘されているみなさんからですね、「救急医療を崩壊させないために、病床削減はやめるべきだ」と、あるいは「病床確保や救急医療の体制強化のためにこそ予算充実を」と、こういうことをですね、ぜひ国に迫っていただきたいと思うんですがいかがでしょうか。

(→鈴木・警防部担当部長)議員ご紹介のいま病床の話は「地域医療構想」の話かと思いますが、そういったあの、病院のベッドの確保であったり、あとはそのベッドの効率化とかですね、病院経営のなんかいろんな効率にかかるところにつきましては、当然その消防ではなくて、医療衛生部局の所管かと思っておりますが、ま、消防としてはこのコロナの波ごとにですね、どんどんあの、救急の、搬送の、ひっ迫状況というのがより厳しいものとなっておりますので、そういった現状もリアルタイムで、そういったあの医療衛生部局に共有しております。ですので、今後も救急搬送先をしっかり確保してくださいというところは、関係部局に強く申し続けていきたいと思っております。以上です。

◆やまね/はい、あのぜひがんばっていただきたいと思います。それであの、日々救急の現場で奮闘されているみなさんには改めて敬意を表したいと思っております。それで、同時にいま言っていただいたように、受け入れる側ですね、病床が確保されていない、あるいはスタッフがいないためになかなか受け入れづらいという事態も起こっているということも事実でありまして。これはかなりショッキングなニュースで、8月に新型コロナ陽性と診断され自宅で療養されていた妊婦の方が、搬送先が見つからず救急車の中で出産されるという事例もあったということで、その後京都市内の病院への受け入れが決まったということですが、通報から約2時間後に入院されたということで、これも本当に大変な事態だと思います。高齢者施設でとめおかれて入院できないまま亡くなられた方も少なくありませんし、やはりあの、救急要請を出された市民のみなさんの命をしっかり守っていけるようにですね、今も言っていただきましたように、ぜひ国に対しても、医療サイドに対してもですね、ぜひ声を上げていただきたいと。このことを重ねて要望して終わります。よろしくお願いします。

2022年10月12日【決算特別委】消防局/救急搬送困難事案と新型コロナ患者の救急搬送について

(更新日:2022年10月12日)