◆やまね/よろしくお願いします。私からはですね、「資産の有効活用」についてお聞きしたいと思います。「資産の有効活用」という時に、ま、どうもこの、市有地の売却、お金に換えるということが優先されていないかという印象を受けます。例えばですね、公園など都市の中のオープンスペースというのは、災害時にも非常に重要な役割を果たしますし、住民が使える公共施設というのは、サークル活動、町内会の会議、ボランティア活動、学習会や講演会など、市民のみなさんの自主的な活動を保障してですね、そしてそのことが京都市が言っている「地域コミュニティの活性化」につながっていくんじゃないかと私は思うんですけれども、そこでまずお聞きしたいのはですね、この「資産の有効活用」という時に、公園や公共施設として使うことも「有効活用」じゃないのかと。そういうご認識があるのかどうか。あくまで京都市は売却優先なのかと、いうことをお聞きしたいのとですね。それから二つ目に、平成24(2012)年6月に「京都市資産有効活用基本方針」、策定されましたけれども、このもとで、市有地を売却以外で活用した事例があるのかどうか。例えば公園や公共施設などで活用した事例があるのかどうか。この点、うかがいたいと思います。
(→大八木・資産イノベーション推進室長)はい、まずあの議員ご指摘ございました、その「資産の有効活用」について、財源確保が主眼になっていないかというふうなお尋ねでございます。あの、これにつきましては、あのー資産の有効活用にあたりましては、売却収入、貸付収入、そういうまあ直接的なと言いますか、短期的な財源確保というだけではありませんで、その活用によって街に賑わいが創出をする、また活性化していく、そして税収の増なんかにもつながっていく、そういうようなことも考えながら、まー、ま、それと、財政の健全化、あー双方を検討しながら活用を進めていくと、いうようなものでございます。
それで、えー、え、まあ、公共的な活用をしないのかというようなお尋ねでございますけれども、その資産の有効活用を検討するにあたりましては、まずは、公共性とか公益性を重視した本市による政策的な活用と、そういうことを検討していくと、おー、いうことでございます。ま、その上で、ま、本市による活用が十分見込めない資産につきましては、えーそういう地域の活性化とかに資するためにも、おーまあ民間の事業者等の力も得ながら有効活用することにしていると、いうようなものでございます。
で、えーこの間の中で、えー本市の活用の事例でございます。あのーその当然民間事業者による活用ということであってもですね、ま、ちょっと、何をもって、その公共的な活用というふうにくくるか難しいところではありますけれども、例えば、その福祉施設でございますとか、民間による福祉施設でございますとか、ま、保育所、または医療機関、ま、大学施設、そういうようなことについても活用いただいていると、そういうような事例はございます。以上でございます。
◆やまね/まあ公共性・公益性をまず検討されるということお話がありました。それから、福祉施設とか保育所とか、というようなお話もありましたけれども、えー、例えば公園だとか、会議室なんかで使える公共施設、こういうものについてはですね、ちょっと言及がなかったと。で、例えば学校跡地なんかはですね、ホテルに変わっていくというようなことがあったわけですけれども、それまで地域の方がイベント・行事で使われていた場所が使用できなくなったという事態もですね、実際には起こっておりまして、「民間活用」ということが、地域活性化につながるどころかですね、地域に困難をつくり出している事態も起きているということを私は指摘をしておきたいと思います。
で、あらためてこれ確認しておきたいんですが、行政財産の管理及び処分について定めた地方自治法238条の4ではですね、「行政財産は(中略)、これを貸し付け、交換し、売り払い、譲与し、出資の目的とし、若しくは信託し、又はこれに私権を設定することができない」というふうにあります。そこで、「行政財産」、直接公の目的に供用される財産を処分する際には、そのままでは売却できないので、財産区分としては「普通財産」に変更する必要があるという理解でよろしかったでしょうか。
(→大八木・資産イノベーション推進室長)はい、あの、先生ご案内の通りでございます。地方自治法238条の4と、いうことでございまして、その、原則として売り払いや貸し付け等も含めて処分を禁じている。ただ、一定の要件に該当するものにつきましては、貸し付けなり私権の設定、それは認めていると、いうところでございまして、ただ、売り払いを認めるというような規定はございませんので、行政財産を売却することは不可能であると。よって、売却の際には、普通財産に、ま、振り替えると言いますか、変えた上で売却をしていると、いうような状況でございます。
◆やまね/そこでですね、もう少しお聞きしたいのが、京都市が公開している「売却も含めた活用方法の検討を進める市有地」についてですけれども、ここにはですね、売却が可能な普通財産だけではなく、現に公共用の施設として使われている施設ですとか、財産区分が公共用(行政財産)となっているものも含まれております。これはですね、法律上は売却できない行政財産を、売却も含め検討するリストに入れてるというのは、地方自治法の趣旨に反しないんでしょうか。
(→大八木・資産イノベーション推進室長)はい、あのー先ほどのご答弁で申し上げたところとも、おーま、重複しているところもあるんですけれども、あのー、ま、現在、えー利用しているような、えー公共、行政財産、そういうところでありましても、えー基本的にはやはり今後活用するにあたりましては、一定の、ま、時間を要するものでございますので、早い段階から、ま、検討を開始すると、おー、いうようなことで、えーそういう検討を開始する資産については、ホームページに掲載をして、広く情報発信をさしていただいているところでございます。
で、あの、当然あのー、売却時においては、あー普通財産に、変えた上でということになりますけれども、あの、検討段階では今も申し上げたように、当然行政として引き続き、えー、行政財産として活用していくっていう選択肢も含めて検討を進めておりますので、えー直ちに普通財産に振り替えるということではなくて、行政財産のものについては、あー基本的にはその状態で活用を検討していく。で、結果、京都市が再び行政財産として活用する場合については、あーそのままの財産区分の中で活用をしていきますし、えー京都市の活用の、おー、が見込めないというものについては、民間による活用ということになりますので、その段階で、売却する場合については、普通財産に振り替えていると、いうような状況でございます。
◆やまね/ま、「早い段階から検討するんだ」という話と、「検討段階なので、売却だけじゃなくていろんな活用の話があるんだ」っていうことだったと思うんですけど、しかしまあ「売却を含めて検討する」ってことは、やはり売却がですね、えー、より強調されてるんじゃないかなというふうに思いますので、どうなのかなと思っております。
で、しかも京都市のホームページで紹介されているのは、このリストと合わせて、市民や事業者から市有地の有効活用に関する提案を常時受け付ける「京都市資産有効活用市民等提案制度」ですね、これ平成24年7月からですので、資産の有効活用基本方針とほぼ同じ時期に策定されたものですけれども、ま、これが紹介されていると。で、やはり私はですね、売却できない行政財産であっても、事実上の売却も含めた、対象リストに入れてですね、事業者から申し出があればその相談にのる仕組みがつくられていること自身が、やはり問題ではないかと思います。
そこでもう一つお聞きしますが、これまで、「売却も含めた活用方法の検討を進める市有地」のリストに載っている公共用の財産(行政財産)について、「市民等提案制度」にもとづく相談をした事例があるのかどうかですね。もしあるなら何件ほどあるのか。それから問い合わせが寄せられた事例が何件ほどあるのか。この点いかがでしょうか。
(→大八木・資産イノベーション推進室長)あの、資産の活用に関しましては、その行政財産であるかどうかにかかわらず、またあの「市民等提案制度」に則るかどうかにかかわらず、まあ様々なちょっと問い合わせがございまして、あのその区分ごとに問い合わせが何件あった、あの、というのは、ちょっと申し訳ございませんが、件数については把握してございません。
◆やまね/あの問い合わせについては把握していないということでしたけれども、実際に、相談にまで至った事例はないんですか。
(→大八木・資産イノベーション推進室長)あのこの間「市民等提案制度」を創設をいたしまして、えー区分としてまあ公共用の財産の中で、ま、提案に至った件数、こちらについては、えー9件でございました。以上でございます。
◆やまね/実際に9件あったということであります。で、市のホームページ見ますとですね、「市民等提案制度」を活用する市民・事業者は、「提案の前に必ず資産イノベーション室へご相談ください。事前相談がない提案は受付できません」というふうにあります。そして「事前相談は面談にて行います。第1号様式に必要事項を記入の上お申し込みください」ということで、「事前相談書」を提出することになっていると思いますが、その中にはですね、「買受け、借受け金額に対する希望」を記載する欄もある。で、9件さきほど相談あったということですけど、この9件というのは、この買受け・借受け金額についても記載をされているということでしょうか。
(→大八木・資産イノベーション推進室長)えー、あくまでもまあ事前相談でございますので、あのその様式についても、あの必ず、あの全ての所について、記載をしてくださいというふうに求めているものではございませんので、えー記載をされている事業者様もいらっしゃいますし、記載をされていない事業者様もいらっしゃると、いうふうな状況でございます。
◆やまね/まあ記載をされている事業者もあるということですので、つまり京都市はですね、売却できない現時点で、売却できない公共用の財産(行政財産)について、金額も明らかにしながら話をしているってことですよね。ですから私はこれは重大な問題だというふうに思います。
で、やはり本来行政が、その地域にどういう社会資本が必要なのか、市民の財産を公共的にどう使うのかってことが、やはり第一に考えられるべきだと私は思うんですけれども、本気で、そういう調査・検討がされてるのか。冒頭、そういうお話はおっしゃいましたけれども、しかし結論的にはですね、どんどん売却の話が先行していないかと、言わざるを得ないと。そして、こういう「市民等提案制度」のようなやり方で進めていけばですね、「お金を出す人しか公有地の活用について提案できない」ということになるんじゃないでしょうか。これは公有財産の管理・処分、活用のあり方としておかしいと、いうことを申し上げておきたいと思います。
それから、このリストにある、売却も含めた検討のリストにある伏見工業高校跡地についてもお聞きしておきます。33000㎡の土地ですけれども、「令和6年3月まで一部使用中。令和6年4月以降は、敷地東側の上下水道局所管敷地(約6000㎡)と一体的な活用が可能」とありまして、少なくともこれは再来年以降の話なんですけれども。リストにも「今後の検討によって本市が新たな目的で活用する場合があります」ということもあるんですけれども、そういう意味ではやはり社会情勢も変わる可能性もあるわけで、現在使用中の公共施設、財産区分が公共用となっているものまでですね、こういう形で売却を含め検討するリストに入れているというのはやはりおかしいと、いうこともこの点も指摘をしておきます。
で、この跡地活用についてですね、いま、環境政策局が主導する形で、国の「脱炭素先行地域」に応募して、「脱炭素仕様の住宅を400戸整備する」ということでですね、そしてそれについて国がどう言ってるかといいますと、「ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)エネルギーマンション建設を条件として売却する姿勢を評価」したということであります。まさに売却ありきの計画になってるわけです。それで、仮にですね、これ文化環境委員会で質疑をした時に、ですけれども、脱炭素先行地域に仮に選定されれば「どの程度、再エネ推進交付金の内示があるかを踏まえ、計画の詳細を固めていく」「活用について当然プロポーザルをかけていく」という答弁ありました。どんどん既成事実化してですね、進められようとしていると。
地元では多くの方がこのことを知りません。そこでですね、文化環境委員会で、環境政策局が国に提案した資料の提出を求めますと、「関係する企業の皆様の事業内容に関連するところがあり、公開となると混乱を招く恐れがある」という答弁がありまして、結局ですね、多くの住民が具体的内容を知らされないまま、意見を言う機会もないままですね、議会にきちんとした資料も提出されないまま、行政財産の売却の議論が進められていると、私は大問題だと思います。順序がめちゃくちゃだと。まずですね、市民の声を、活用のあり方について、聞くべきじゃないかと思うんですがいかがでしょうか。
(→大八木・資産イノベーション推進室長)はい、あのいま先生のほうからご案内ありました通り、伏見工業高校につきましては、その国の脱炭素先行地域、それの、ま、創出の取組に、本市としても積極的にチャレンジしてると、いうような状況でございます。いま現在、国に対して、ま、計画案を提出しておりまして、ま、その採択を目指していると、いうようなところでございます。
あの、先生ご案内ございましたように、あの資産の有効活用を進めていくにあたりましては、当然のことながら、地域の理解が得られるように努めていくと、というところがまあ大切であると、いうふうに考えてございます。あのー今回の活用におきましても、当然地域の声に真摯に耳を傾けながら、あー取り組んでまいりたいというふうには考えてございます。
◆やまね/「地域の理解」と言う時にですね、あくまで「京都市が考えたものを理解してください」ということでいいのかということなんですよ。まず市民のみなさんの、地域住民のみなさんの声を聞くべきじゃないのか。そのうえで京都市としてどういう提案するかというですね、やはり順序が私おかしいと思います。
で、もう一点だけ聞きます。この「売却を含めて検討を進める市有地」リストに載っている七瀬川市営住宅についてですけれども。これ当該地域は藤森学区でありまして、「子どもたちのために児童館設置を」という要望が、もう何十年も前からある地域でございます。で、京都市はですね、「藤森には土地がない」ということで、周辺学区(藤城、住吉、竹田、深草など)に児童館を設置した経緯があります。ところがその後、伏見消防署跡地、これ2010年に売却されました。消防学校跡地は2012年に売却されております。上下水道局伏見営業所跡地は2018年に長期貸付の契約をしてると。いずれもですね、児童館設置には活用されなかった。しかもひどいのは、藤森小近くにあった中ノ島町の土地、これはですね、市民の方が「児童館のために」と寄付されたものですが、ここは10年以上ブルーシートをかけたままにして最後は売却されました、これも。2017年のことです。合わせて21億円以上になります。で、どんなに市有地が売却されてもですね、児童館は実現しないわけですね。「いい加減にしてくれ」というのが地元の思いです。こういう経過の中で出てきているのが、今度「七瀬川市営住宅」の話なんですけれども。
都市計画局・住宅室は、藤森学区の地域要望に対して「市営住宅や市営住宅跡地の利活用に当たっては、引き続き、地域の方の御意見も踏まえつつ、地域のまちづくりに資する活用方法を検討してまいります」と正式にこれは回答しておりますが、やはりですね私こういう経過を考えれば、今こそ地元の要望が生かされるような活用が検討されるべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
(→大八木・資産イノベーション推進室長)えー七瀬川市営住宅の跡地の活用についてでございます。えーいま現在活用の方向性については、あー所管局のほうで、検討が進められているというところでございまして、あの地域の方々からは、先生ご案内ありましたように、「児童館を設置してほしい」というような要望をいただいていると、それについて、都市計画局のほうから聞いてございます。あの先ほども申し上げた通りでございます。あの、地域の皆様の意見・要望、これについては真摯に耳を傾けていくと、そういう必要があるというふうに考えてございますけれども、あのご要望の児童館の設置と、いうようなことに関しましては、あのーま、その、学童クラブの機能とか、そういうのも含めまして、全市的な設置状況、また、個々の施設の定員の状況等を踏まえまして、えー所管の局において、えー適切に判断されるものと、いうふうに認識してございます。
◆やまね/まあ個々の定員の話が出ましたけれども、周辺の児童館はもういっぱいいっぱいなんですね。どんどん子どもたち、人口が増えているところ、地域でありますから、あの全市的にそういう状況考えてもですね、この地域には、やっぱり児童館が必要なんだというのが実態だと、私は指摘しておきたいと思います。
で、京都市はですね、「財政が厳しい」と言いながら、市庁舎整備は370億円以上かけてやってると。市民の方からは「和室や地下通路までわざわざつくる必要があったのか。そんなところにお金をかけるのであれば、地域の自治会館の改修なんかをもっとお金出してほしい」と、こういう声もありますし、「待機児童ゼロ」の話もありますけれども、まさに藤森地域はですね、待機する児童館さえないということですので、私はこれからの時代、公共施設というのは拠点化・集約化ではなくてですね、より細かな単位で求められるというふうに思います。公共施設の拠点化・集約化というのは、人口減少を加速させるだけだと。この考え方をやはり転換しないとですね、負のスパイラルに陥っていくだけだと、いうことで、「資産の活用」という時、しっかりと考えていただきたいと、このことを求めて終わります。
2022年10月7日【決算特別委】行財政局②/「資産の有効活用」について
(更新日:2022年10月07日)