京都マラソンの大会ボランティアに統一協会系団体が参加(2022年9月26日/文化環境委・文化市民局・やまね)

統一協会と霊感商法をめぐる消費者相談について

◆やまね/よろしくお願いします。前回に続いて統一協会の問題についてお聞きします。9月6日にですね、全国霊感商法対策弁護士連絡会が記者会見をおこないまして、統一協会関係者が全国の消費生活センターへ「相談事例があれば連絡してほしい」などと、被害相談の情報提供を求める問い合わせをおこなっているとのことでありました。それでまず端的にうかがいますが、京都市消費生活総合センターにも同様の問い合わせというのはあったんでしょうか。

(→津嶋・くらし安全推進部長)はい、えーとまああの、京都市においても、9月2日になるんですが、統一協会の関係者と名乗る方が、えー、からの連絡がございまして、えー、まあ連絡というか来訪されたという事実がございます。

◆やまね/そしたら、統一協会の関係者が、京都市でも来訪されているということであります。それであの、9月7日付朝日新聞によりますと、統一協会関係者によるこの消費生活センターの訪問はですね、「44都道府県にまたがっていた」と。それで、いま9月2日というお話があったんですが、「消費者庁が霊感商法対策の有識者検討会を開いた8月29日から数日間に集中」したということが報道されております。明らかに組織的なものだと推察をされます。私は今回の統一協会関係者の行動はですね、ちょっと異常なものではないかと思っておりますが、そこで二点お聞きします。

通常、消費者被害を起こしている当事者の団体や企業などが、消費生活センターを一斉に訪問する、そして、被害者の情報を聞き出そうとするようなことは、あることなのか。これ教えていただきたい。それから、今回京都市としてはですね、どのように対応されたのか。情報提供したのか、拒否されたのかですね。どういうやり取りがあったのか教えていただけますでしょうか。

(→津嶋・くらし安全推進部長)はい、まずあの一点目のご質問でございます。あのまああの、えー、団体で、手分けしてと言いますか、各消費センター、総合センターのほうを、訪問する事例があるのかということですが、ちょっとあの、全てあの、全てそういった事例把握してるわけでございませんので、ちょっとあの正確に、いま存じ上げている部分ではないということは言えるんですけど、ちょっとあの以前のことまではちょっと分からないというようなことが一点目でございます。

あとまああの、二点目のどのような対応したかという点ですけど、あのまあ、えー、新聞記事にもありましたけど、あのまあ、「自分とこの団体の苦情等が寄せられたら教えてほしい」というような申し出があったんですけど、当然まああの、これ別にあの、この団体に限らずですけど、当然消費センターのほうを信用して相談いただいた方の、そういった情報をお伝えすること、当然ながらその相手方となる団体にお伝えすることはできないと、いうことでまああの対応をしているところでございます。

◆やまね/この被害対策にあたっている弁護士の方はですね、こういうふうに指摘をされてます。「教団の狙いは、相談者に直接連絡を取ること。公的機関や弁護士を入れずに当事者間で解決を図り、被害の『火消し』をするため」「教団は元信者らから献金の返金を求められた場合、それまでの献金総額より少ない額を返金し、残額の請求権を放棄させる合意書への署名を求めることが大半」「なるべく少額で解決を図り、少しでも被害を表面化させないようにしている」ということを指摘されています。ですので、私今回の一件はですね、やはり不安に思っている市民の方、被害者の方もおられるんじゃないかと思いますので、こういう弁護士の方の指摘も踏まえてですね、やはり京都市として「相談情報の提供などしません」「秘密を厳守するのは当然のこと」「統一協会関係者はこのような動きはやめるべきだ」ということをですね、そういう姿勢をぜひ明確に示していただきたいと思うんですがいかがでしょう。

(→津嶋・くらし安全推進部長)はい、あの、明確に示すというか、これまでも当然明確にその辺はもう、えー守秘義務にかかる部分ですので、まああの相談センターの継続に関わるような話ですので、まああの当然、今さら言うまでもなく、そういったことをしているし、今後もしていくと、いうことがお答えかなというふうに考えます。

◆やまね/「言うまでもないことだ」と言っていただきました。もう本当にこれはですね、毅然とした対応を求めていきたいと思います。

統一協会をめぐっては、7月以降に全国で相談が急増しておりまして、国のほうもですね、被害救済を進めるための関係省庁連絡会議も開いて、9月5日から30日までを被害相談の「集中強化期間」として、電話相談を集中的に受け付けているとお聞きしています。それであの、法務大臣の会見ではですね、初めの5日間で1000件超の相談があったということも明らかにされているわけですけれども、あのーこれ、京都市での、こういう霊感商法というか、相談件数というのを、この間増えているのかどうかですね。

それと、京都市もこの国の相談窓口の周知の強化だとか、市独自の相談体制の強化、こういうものをぜひ行うべきじゃないかということを思うんですが、すでにおこなっているのかどうかも含めて教えていただけますでしょうか。

(→津嶋・くらし安全推進部長)はい、えーとまずあの、えー、ま、9月以降と言いますか、あの、相談の増加と言いますか、そういった部分ですけど、あの、先ほども申し上げましたように、ちょっとあの、個別の事業者・団体に対する具体的な内容等については、これまでもお答えしておりませんので、あのちょっとまああの、消費者庁もその辺、公表という形ではしておりませんので、回答は差し控えさせていただきたいというふうに考えております。

あともう一点あの、旧統一協会問題の相談集中期間というような、窓口の開設の関係ですけど、まああの総務省を中心となって、各省庁協力のもと、そういった相談窓口を9月5日から30日まで立ち上げられているということにつきましては、あの、うちの消費総合センターのほうでも、ホームページのほうでご案内のほうをさせていただいているところでございます。

◆やまね/あの、ホームページで案内がされてるということなんですけど、ぜひですね、市独自でも相談体制の、例えば、土日、夜間、こういうところでもこの霊感商法の関係の問題、ぜひ相談してくださいというような形でですね、あの、体制の強化もぜひ図っていただきたいということを、求めておきたいと思います。

で、いまホームページのお話ありましたけれども、私も見させていただいて、確かに京都市消費生活総合センターのホームページで、「旧統一教会問題相談集中強化期間」を知らせておられるんですけれども、私はですね率直に言って、ちょっと姿勢が、弱いんじゃないかなというふうに感じました。というのは、国の相談窓口の紹介の後にですね、「以下のようなトラブルは消費生活センターへ御相談ください」としてですね、市独自の対応についても書いておられると。ところがですね、こういうふうにあるんです。「なお、以下のいずれかに該当する場合は消費生活総合センターでの対応は困難であるため、弁護士が行う法律相談を御案内させていただきますので、御了承ください」と赤字でわざわざ強調して書いてあるわけですね。そして「契約から一定期間(10年以上経っている契約など)が経過してしまっている場合」「寄付や献金が主なトラブルになっている場合」「以前、消費生活総合センターに相談したが解決しなかったという場合」という事例をあげてるわけですよ。こういうふうに言われたらですね、あの、相談しようかな、被害を受けている方が、相談をためらってしまうんじゃないかと。これ京都市の姿勢が後ろ向きだと捉えられかねないと思うんですが、これ改善が必要ではないでしょうか。

(→津嶋・くらし安全推進部長)はい、あのまあ、ご指摘いただいた点ですが、あの、ま、あの、今回あの、こういった、えー関係で、あの、いろいろ相談したいと、いう方がおられる場合に、えーまああの消費生活に関わることであれば、まあ消費生活総合センターの対応になるんですが、やはりまあどこに相談していいか分からないままかけられる方、相談先を探される方、その方に、たらい回し含めて、まあ極力スムーズに、えー相談ができるように、消費センターでお答えできない部分をあらかじめ例示として書かさしていただいていますので、そこはあの特に問題ないかなというふうに認識しております。

◆やまね/全国の自治体が今どういう広報がされているかっていうことを私少し調べてみたんですけれども、例えばですね、沖縄県のうるま市というところはですね、「旧統一協会問題とは」というところからですね、丁寧に説明されてるわけですよ。「世界平和統一家庭連合、世界基督教統一神霊協会が、社会的に指摘されている、悪質商法(霊感商法・開運商法)などの不法行為、多額の寄付・献金などの様々な社会問題に対し、被害者の救済を目的として、関係省庁が連携して対応していくこととなりました」ということで、9項目ですね、こういうことあげておられるんです。「①身体的被害及びその危険・行為の強制、②多額の献金による生活苦、③悪質商法などの金銭的被害(財産被害)、④誹謗中傷や嫌がらせ、⑤個人情報が悪用されないか不安、⑥心の悩み、⑦親族関係に関する悩み、⑧脱会したい、脱会させたい、⑨行政に関するご意見・ご要望」、まあこういう形であげているわけですね。

それで具体的な相談例としてですね、「母が世界基督教統一神霊協会から壺を買ったり、多額の献金をしてきたが、返金してほしい」「息子が借金をして高額な絵画を購入していた。債務整理の相談をしたい」「知人に誘われ、悩みを解決するために勉強会に1年間通った。最近、世界平和統一家庭連合だとわかり、献金が必要だと言われている」というようなケースをあげて、悩みを抱えている方へ「ひとりで悩まず、まずはお電話ください。お話をうかがい、ご案内します。相談の秘密は固く守られます」ということで、「集中強化期間」を紹介していると。

加えて、さらにですね、「霊感商法・開運商法の被害相談などはうるま市消費生活センタ-でも受付けています。相談の秘密は固く守られます」ということで、「期間:期限なし」として案内されています。ですから私は、こうした形で、被害者の方に寄り添う発信、「集中期間が終わった後も、10月以降も対応します」という広報をですね、京都市やる必要があるんじゃないかと思うんですが、ぜひそういう方向で改善をしていただきたいと思うんですがいかがでしょう。

(→津嶋・くらし安全推進部長)はい、あの、今の集中強化期間の合同電話相談っていうのは9月末までとなっている中で、あのまあ、これまでからも消費生活総合センターにおいては、あの霊感商法を含めて様々な消費生活相談をおこなっているところでございますので、当然10月以降もおこなっていくことにはなるというふうに考えております。まあ今ご指摘もありましたが、今後より多くの皆様が、安心して相談いただけるような、ホームページ上の文言含めて、より分かりやすい発信っていうのは、常に工夫していきたいというふうに考えております。

◆やまね/今言っていただきましたけれども、より分かりやすい発信ですね、ぜひ改善をしていただきたいと思います。

京都マラソンと統一協会とのかかわりについて

◆やまね/続けてですね、京都マラソンと統一協会との関わりについてお聞きしたいと思います。京都マラソンの大会公式プログラム(冊子)の中で、「大会を支えるボランティア」として、統一協会の関連団体「世界平和女性連合・京都第1連合会」というところがですね、2017、2018、2019、2020大会ですね、紹介されています。それから「世界平和青年学生連合・京都連合」、これが2020大会で紹介されているんですけれども、京都市は京都マラソンの主催者でありますし、大会の会長は京都市長です。たとえボランティアであったとしても、京都市の取組に霊感商法等で巨額の消費者被害を引き起こしてきた団体の関係者、関連団体が公式に関わってですね、「大会を支えるボランティア」の一つとして紹介されているというのは問題じゃないかなと思ったんですが、この点のご認識いかがでしょうか。

(→川口・スポーツ活動京都マラソン担当部長)えーはい、京都マラソンに関する、統一協会の関連団体との関係についてでございます。いま議員からご紹介のありました、団体が、過去に、ボランティアとして活動に従事いただいたという事実はございますが、えー、その団体が、関連団体かどうか、ということについては、本市として特定はしておりません。以上です。

◆やまね/いやちょっと驚きですね今のは。世界平和女性連合、あるいは世界平和青年学生連合、これが統一協会との関連団体かどうか分からないと、ちょっとね、驚きの答弁ですよ。あの、ま、統一協会が、反社会的団体であることはもう明らかでありますけれども、その関係者、関連団体が、京都マラソンに関わっているというようなことでですね、市民のみなさん安心できるかどうか。私大変危惧をしております。

この件は「誰が関係者か分からない」という話じゃなくてね、統一協会の関連団体が、明確な関連団体がですね、京都マラソンのボランティア募集に団体として申し込んでいるわけですから、京都市も当然その名前を見る機会があったと思います。やはり京都市主催のイベントをPRする公式の印刷物に名前が登場すれば、それは当然ですね、統一協会・関連団体にとっては格好の宣伝材料となる。これだけ社会問題になっている時に、今のような、ご答弁で、いいのかどうか。本当に驚きました。

で、ちょっと質問の角度を変えますけれども、そしたら今後ですね、京都市は「統一協会との関連が明らかな団体でも、ボランティアとして申し込みがあれば喜んで手伝ってもらいます」ということなんでしょうか。

(→川口・スポーツ活動京都マラソン担当部長)えー、はい、えー今後、えー、あ、えー、統一協会関連団体と明らかな団体が、えー参加するとしたらどう対応するかということについてでございますが。これは先のご回答とも重なる問題でございますが、いかなる団体が関係団体であるかということについて、どのように明確に判断をするか、基準を設けるか、そこの問題だと思います。過去の問題については、えー、最終的に参加いただいたのは2020大会、ま、今から3年前のことでございます。また今後についての、あの、関連団体がどうあるかと、いうことにつきましては、えー今のところそのような仮定の問題については、お答えするのは難しいと思っております。

なお、えーボランティア様につきましては、えー、私たち実行委員会事務局と致しましては、えー全ボランティア様に対して、それぞれの役割を的確に果たしていただくことを、まずお願いして、従事していただいております。で、その意味からも、ボランティア活動中は、常時ボランティア指定されたボランティアウェア、それからキャップを身に着けていただきまして、えー活動していただくと、いうことを義務付けております。例えば団体名やスローガンなど、呼称するようなことは禁止をしておりまして、何らかの不当な行為があった場合には、毅然として対応してまいります。

◆やまね/あの重ねて本当に驚きのご答弁だと言わざるをえないです。巨額の消費者被害を引き起こしてきた団体、そしてその関係者に、そういう姿勢でいいのかと。えー前回もこれは指摘をして、重ねての私、話になりますけど、統一協会という団体がですね、様々なフロント団体をつくって、行政や政治家との接点を持って、被害をつくりだしてきた、継続してきた、根絶できなかった、こういうこの問題の特徴もですね、全く無視した今のは、議論だというふうに思います。

加えて、この統一協会及び関連団体との関係を、もう、今まではね、そういうことがあったかもしれない、しかし、これだけ社会問題になっている、多くの市民からも批判が寄せられている、そういう中で、今後はやっぱりそういう関係は持たないようにしようということをですね、宣言している自治体はいくつもあるわけでしてね、そういう自治体とも比べて、他都市と比べてもですね、あまりに、あの弱い姿勢だと思います。

で、最後に改めてその点お聞きしますが、「少なくとも、統一協会、そして明確にその関係が明らかな団体と、京都市は関係を持たないようにします」と、いうことを言えないんですか。いかがですか。

(→川口・スポーツ活動京都マラソン担当部長)えーはい、あの、ま、私は京都市を代表してお答えする立場にはございませんが、京都マラソンにつきましては、走る人・応援する人・支える人、みんなが主役と、まあそういう観点から、えー組み立てておりまして、まあボランティア団体につきましても、えー適切な活動をおこなっていただけるよう、お願いして、その適切な活動に従事いただける団体にご参加いただくと、まあそのような観点で取り組んでまいります。

やまね/そんなね、無責任な答弁あります? 京都市を代表して答弁されてるんじゃないんですか。あのーほんとにね、市民のみなさんこの議論聞いててね、どう思われるか、私ほんとにあの心配です。統一協会の布教活動そのものが違法と、これはですねもう裁判例で断罪されているような団体ですよ。そういう団体関係者を利するようなことを京都市がおこなったりですね、市民から疑念を持たれるようなことがあってはならないと。改めて私はこのことを申し上げたいと思います。市民の不信不安を強めるような発言はやめていただきたいと思いますし、反社会的カルト集団に毅然とした対応を取っていただきたいと。終わります。

2022年9月26日【文化環境委】文化市民局/一般質問「統一協会と霊感商法をめぐる消費者相談について」「京都マラソンと統一協会とのかかわりについて」

(更新日:2022年09月26日)