売却ありきでいいの?伏見工業高校跡地の活用へ「情報公開」「市民意見募集」「地元要望の反映」を(2022年8月9日/文化環境委・環境政策局・やまね)

220524脱炭素地域創出促進事業業務委託仕様書

220524脱炭素地域創出促進事業への質問に対する回答

220601脱炭素地域創出促進事業受託候補選定に係る評価調書

◆やまね/どうぞよろしくお願いいたします。旧伏見工業高校の跡地活用に関わって、京都市は国が進める「脱炭素先行地域」の取組に応募されましたけれども、第1回目の選考に漏れ、第2回目の募集ですね、これが期間が7月26日~8月26日にあるので、これに再度提案されるということでお聞きしていますが、6月21日の当委員会で質疑した際にですね、京都市が第1回目の時に国へ提案した中身について資料出していただけないかってことを私申し上げたんですが、その時にですね、「関係する企業の皆様の事業内容にも関連するので、公開となると、混乱を招く恐れがある」「公開は控えさせていただきたい」との答弁がありました。この「混乱を招く」というのは、具体的にどういうことなのかですね、ちょっと説明いただけますでしょうか。

(→永田・地球温暖化対策室エネルギー政策部長)はい、前回提案の計画内容につきましては、第1次の選定結果を踏まえて見直しているところでございますが、現在2回目の申請に向けて変更も含めて検討中でございます。この計画には伏見工業高校跡地等以外の地域の内容も含まれるところでございまして、それぞれ関係する企業等の事業計画に関する事項も含まれております。それらの関係者とも調整中である中で、旧提案がまだ生きているような誤解が生じると企業等に混乱が招く恐れがあるというふうに考えております。

また、第1回でもですね、79件の応募があったように、第2回選定に向けて各自治体が他の自治体と比べた先進性・モデル性という点をうたえるか、競って検討しているところでございます。これらのことから、検討中の計画の詳細の内容を公開すると、選定への影響が懸念されるということで、公開を控えさせていただきたいという趣旨でございます。

◆やまね/その、いま「関係する企業」というお話があったんですけれども、あの例えば伏見工業高校跡地の問題で言いますと、「400戸ほどの脱炭素仕様の住宅をつくる」というまあ概要的なことはこれ言われてるわけですよね。で、ということは、すでに、そういうことについて京都市と相談している企業がある、あるいは、国へ提案した資料にはそういう具体的な企業名が出てくるということなんでしょうか。いかがですか。

(→永田・地球温暖化対策室エネルギー政策部長)はい、具体的な企業とはサウンディングの一環ということでご相談さし上げているところがございます。

◆やまね/えっと、まあそれで私はですね、そういうまあお話を聞いてますと、やはり市民の知る権利よりも、あるいは議会での議論よりもですね、そういう企業の利益が優先されてるんじゃないかっていう印象を持つわけです。で、これあの上下水道局の所管部分も合わせますと3万9000㎡という本当に広大な土地であります。で、これはですね、あの地元への説明ってのは当然なんですけれども、あのそれだけじゃなくてこれ京都市総体として、全庁的課題のはずだと思うんですね。で、やはり大切な市民のみなさんの財産をどう活用するかという時にですね、やはり市民や議会に情報を出せないっていうのは、私ちょっとおかしいんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。

(→永田・地球温暖化対策室エネルギー政策部長)本市の資産の有効活用にあたりましては、その資産の地域の関わりですとか、これまで果たしてきた役割踏まえまして、地域の方の理解も得ながら進めていくこと必要だというふうに理解しております。脱炭素先行地域はじめまして、地域における脱炭素というのは、環境配慮のみならず、地域の住民の方々の暮らしの質の向上、それから様々な地域課題等を同時解決をして、地域の魅力と質を向上させる地方創生に貢献するものとしていく必要がございます。脱炭素先行地域の計画を推進していく際には、その要件の中で市民・事業者の意見も伺いながら、市会のほうにもご報告しつつ、取り組んでいきたいというふうに考えております。

◆やまね/あのまあ「地域の方の理解を得ながら」ということはおっしゃるんだけれども、議論の中身が分からないのでですね、市民のみなさん、地域のみなさんも、おそらく分からないと思うんですね。

それであの、6月21日の委員会質疑の際には、「伏見工業高校跡地周辺の活用について、区役所とも連携し、砂川学区の方々には、それぞれ跡地活用の考え方の概要について、国に提案することについてご説明をさせていただき、ご意見をお伺いしている」との答弁もありました。それならばですね、この地元の方に説明された内容、あるいは配布資料など、あるようでしたらそれ提出していただくことはできるでしょうか。

(→永田・地球温暖化対策室エネルギー政策部長)はい、周辺の学区の方には区役所とも連携しながら検討案の概要につきましてご説明させていただいているところでして、その資料につきましては提出させていただきます。

◆やまね/それでしたら後ほど資料提出をお諮りいただきたいと思います。

あのやはり私はですね、最低限、市民のみなさん、あるいは議会に情報を公開しながら、広く市民意見を聞きながらですね、その是非も含めて検討すべき問題ではないかというふうに思っております。一つ目のテーマは以上で終わります。

◎かわしま委員長(公明)/ただいまやまね委員から要求のありました地元への説明資料については理事者提出できるということですので、委員会資料として提出を求めることにご異議ありませんか(「異議なし」の声)。ご異議ありませんので委員会資料として提出を求めることに決定致します。理事者におかれてはなるべく早く提出していただけますようお願い致します。

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◆やまね/続けてお願いいたします。この旧伏見工業高校の跡地活用に関わって、今年5月13日~27日に「脱炭素地域創出促進事業」の業務委託の公募が行われて、5月30日にイー・コンザルという事業者が選定されております。で、ここでちょっとお聞きしたかったのが、これは京都市が「脱炭素先行地域」の1回目公募の選考から漏れたことを受けておこなったっていうことなのかですね、ちょっとその目的について教えていただきたいのと、それから応募された事業者というのは他にもあったのかどうか、この二点いかがでしょうか。

(→永田・地球温暖化対策室エネルギー政策部長)京都市脱炭素促進事業につきましては、京都のまちの特性を生かした地域分散型のエネルギーモデルのあり方を検討し、本市の脱炭素先行地域の計画について、2030年までにそのモデルを実現するために必要な調査及び実施に向けた検討等を行うため、その業務を委託する事業者を選定したものでございます。現在、脱炭素先行地域の提案に向けまして、第1回の選定地域の結果を踏まえ、同社とともに検討を進めているところでございます。

また、二点目のあの、・・・、あ、はい、応募事業者につきましては、1事業者のみでございました。

◆やまね/それからもう少しだけお聞きしますが、その関連資料としてですね京都市のホームページで公開されているものに、事業者からの質問に対する京都市の「回答」があります。それを見ますと、「地域自治会や地域住民へのヒアリング等は本業務に含まれるでしょうか。ヒアリング及びワーキング回数等ご指定ありますでしょうか。その場合、頻度ならびに、想定人数なども御教え下さい」との質問が出されて、京都市からは「質問の内容は本業務に含みます」「回数、頻度、想定人数等については、本業務の遂行に必要な内容を提案内容に含めてください」と回答されています。つまり、この地元へのヒアリングなどについて、回数や人数なども、これ事業者が提案するということになっているんでしょうか。で、京都市はこの地元へのヒアリングについては事業者に「丸投げ」っていう言い方があれかどうか分からないですけど、そういうことになってるのかですね。

それからもう一つ。ここで言われているヒアリングというのはですね、6月21日の当委員会で答弁された「砂川学区の方への説明」とは別の話なのかどうか。この点いかがでしょうか。

(→永田・地球温暖化対策室エネルギー政策部長)はい、このプロポーザルの際の質問の回答につきましては、住民説明会を受託事業者に実施させるという意図ではございません。事業のプロポーザルにあたって、事業者から質問がございました点について、脱炭素先行地域の提案の内容の検討の中で必要に応じて実施する関係者のヒアリング等も、仕様書には記載はされておりませんけれども、委託内容から排除せず、幅広い内容を提案いただくことを意図して回答したものでございます。関係者のヒアリングにつきましては、本市と受託事業者と連携しまして、提案の検討において必要と思われる企業、地域自治会、地域住民等について、受託先からの紹介ですとか、本市が必要というふうに判断したところについて、共同で行わせていただいております。

◆やまね/あのすみません二つ目の質問のお答えいかがだったでしょうか。6月21日にこの委員会で答弁された「砂川学区の方へ説明した」というお話ありました。その説明したというお話は、ここに今私が申し上げた業務委託のヒアリングというものとは別の話なのかどうか。いかがですか。

(→永田・地球温暖化対策室エネルギー政策部長)はい、こちらについては本市のほうで説明させていただいておりまして、この業務委託におけるヒアリングの中には含まれてございません。

◆やまね/はい分かりました。ということは、6月21日に答弁いただいた「地元への説明」とは別の話ということですので、それではこの脱炭素地域創出促進事業の業務委託の中で、あらためていま、ヒアリングが行われているということでしょうか。

(→永田・地球温暖化対策室エネルギー政策部長)はい、先ほども申し上げましたけれども、本市と受託事業者と連携しまして、提案の検討において必要と思われる企業、地域自治会等について、この本市と受託事業者のほうで共同で改めておこなっているところでございます。

◆やまね/そうするとですね、砂川学区の方に、6月21日に答弁された「説明」というのはいつ行われたのか、それから今新たにヒアリングをされているのは、だいたい何回ほど、どれだけの人数の方に行われているのか、あるいはこんな意見が出てるとか、そういうことは答弁いただけるでしょうか。

(→永田・地球温暖化対策室エネルギー政策部長)はい、前回のご答弁の中で申し上げました第1次提案に向けた砂川学区等の方へのご説明というのは、2022年の2月から3月にかけましてご説明をさせていただいている点でございまして、この事業については今年度予算ということでおこなっておりますので、その前に行われているというものでございます。

また、あの、いまどのくらい行われているかと点については、各事業者の賛同が、最終回答まだのところもありますので、個別のやり取りは差し控えさせていただきたいですけれども、約80の事業者や地域の方々にヒアリングを進めております。

◆やまね/「約80の事業者、地域の方」ということでありましたけれども、あのまあそうであればですね、やはりできるだけその地域へのヒアリングなんかでどんな声がやっぱりあったのかっていうのもですね、ぜひともできる限りオープンにしていただきたいというふうに思うんです。

そもそも、旧伏見工業高校の跡地は、現在もまだ教育委員会の土地でありまして、普通財産ではなく行政財産と。財産区分で言うと「公共用」の土地でありますので、地方自治法上は、貸し付けたり、売却したり、交換したり、こういうのは今のままではできないというふうになっていると思います。にもかかわらず、まだ普通財産にもなっていない公共用の市有地について、いろんな企業の事情をあげられて、情報が公開できない、議会にも出せない、民間活用ありき、あるいはその先には売却ありきで話が進んでいるっていうのは、これどうなのかなというのが私の率直な思いであります。

市民の財産の活用についてですね、やはり表に出せないような決め方、やり方で進めることはやめていただきたい。伏見工業高校跡地の活用についてはですね、くり返しになりますけれども、情報公開と合わせ幅広く市民意見募集を行いながら検討されるべきではないかと。そして地元の要望ですね、「スポーツ施設をつくってほしい」とか、「やはり住民が気軽に使える会議室が伏見区の北部に必要だ」と、こういう声もありますし、それからやはり「防災の拠点にぜひしてもらいたい」こういう声もありますので、そういうものもしっかり反映したものにしていただきたいと、この点を重ねて指摘をして終わりたいと思います。以上です。

2022年8月9日【文化環境委】環境政策局/一般質問「脱炭素先行地域の取組について」「脱炭素地域創出促進事業について」

(更新日:2022年08月09日)