交通アクセス向上、会議室確保など、区民の要望を反映した西京区役所に(2022年7月27日/文化環境委・文化市民局・やまね)

◆やまね/我が会派の西京区選出・河合ようこ議員から声を預かっているので、それに基づいて質疑する。私どもの議員団要求資料によると「執務室の配置」について、現庁舎1階部分にある障害保健福祉課、保険年金課、市民窓口課が、新庁舎に入る予定となっている。この点で、現庁舎の1階部分の空きスペースについては今後どのように活用されていくのか。

(→平賀・地域自治推進室長)ご指摘いただいた3つの所属が現庁舎から移転する、合わせて別館のはぐくみ室で1階2階部分を構成する予定。ご指摘のように現庁舎1階部分のスペースが空く。一方で現庁舎については、2期工事、すなわち令和20年のURとの賃貸借期間を目途に実施する予定としている。相当期間があるので、それまでの間は有効に活用するのが大前提。今ご指摘いただいたスペースについては、現時点でこう活用するということは決まっていない。今後の検討事項だが、区民のニーズ、資産の有効活用ということ、行財政改革の視点も踏まえ、西京区役所としっかり連携して有効な活用策を検討したい。

◆やまね/有効活用については「区民のニーズ」「資産の有効活用」の観点で、「これから検討」されるとのこと。有効活用にあたって、これまで何度もワークショップ等取り組まれてきたが、こういった地元のみなさんの声を反映していくということで、①これから新たに改めて有効活用について区民のみなさんのご意見をうかがうようなことは考えておられるのか。②区役所の中のスペースであることを考えれば、民間よりも公共的な役割を持った使い方を考えておられるのか。

(→平賀・地域自治推進室長)①「行財政改革」あるいは「区民のニーズ」を踏まえてということでご答弁申し上げた。特にこの跡地検討について新たな枠組みを設けて広く議論するということは今のところ想定はしていない。

②各区役所、税業務の集約によりスペースが空いたのをどう活用していくかということは、先ほどの「資産の有効活用」という観点で各局とも連携して、例えば農業振興センター、あるいは他団体だが区の社会福祉協議会、そういったところに入居いただいて有効活用を図っている。基本的には我々の中でしっかり議論して、その活用内容については改めてお示しし、ご意見等をお聞きしたいと考えている。それと使用する内容だが、留意すべき点は、区役所業務を並行して引き続きおこなっている庁舎であるということなので、個人情報の管理とかセキュリティ面は十分留意したうえで、また、セキュリティ上の、庁舎管理上の制約諸々あるが、そういったことを照らし合わせて活用したいと考えており、この機能に限るということは現時点では限定的には考えていない。幅広く検討する中で最も最適な内容としていきたい。

◆やまね/ぜひ区民のみなさんのニーズに応えた活用の検討をいただきたいと思う。

それから現在「子どもはぐくみ室」がある保健福祉センター別館についてだが、先ほどのお話の中では、耐震性に問題がある「売却も含めた活用が可能になる」「行財政改革の観点からも着実に」とのことだったが、①総合庁舎完成までは、耐震性が確保されていないところで乳幼児健診や、保育所入所はじめ、子育て相談等の業務が行われる。小さな子どもや保護者が来庁される。地震等災害が多発している時。安全対策に万全を期すべき。この点の考えはどうか。②「売却も含めた活用が可能になる」との話あったが、この保健福祉センター別館の問題についても、やはり住民・区民のみなさんのご意見を聞いて検討するべきではないか。

(→平賀・地域自治推進室長)①保健福祉センター別館だが、ご案内の通り耐震性には課題がある。現状もご利用いただいている中で、安心、安全にご利用いただくのは重要かと思っている。そのためにも今回議会のほうで提案させていただく。速やかな順調な進捗をまず図りたい。16ヵ月は少なくともこの場所での執務が続く。安全(対策)ということではないが、ご利用いただきやすいようにということで、昨年度トイレもちょっと改善させていただいた。現状の中でできるだけご利用いただきやすいような配慮はしていきたいと考えている。

②跡地活用に関してだが、今回多額の費用をいただいて建設を進めたいという提案をさせていただいている。一方でやはり「行財政改革」大切。「資産の有効活用」はしっかり進めていくということでご説明もさせていただいた。具体的には今の(市営)住宅部分の住み替えも完了しているので、しっかりと進捗を図ったうえで、スケジュール通り、令和5年度中に活用が可能な状態になる。具体的な活用方法は住宅部分を所管している都市計画局で検討されるとうかがっているので、都市計画局において適切に検討なされるものと承知している。

◆やまね/西京区総合庁舎整備に当たっての3つのコンセプトとして「安心・安全を守る防災拠点となる庁舎」「気軽に立ち寄れ、区民の交流を育む庁舎」「すべての人にやさしく快適な庁舎」が掲げられており、これは私も大切なことと思う。今後の2期工事も含め、現庁舎2階にある大中小の会議室は、新庁舎の中にもしっかり整備されるのか。現在の西京区役所の会議室が、土日も含め区民のみなさんによく利用されていると聞いている。会議室の面積が後退することのないようにぜひしていただきたい。

(→平賀・地域自治推進室長)今回の庁舎の特徴として、「区民交流スペース」を設けさせていただく。これを木造部分1階2階に配置する計画。こちらについては、気軽に交流してただける、あるいは、いろんな団体が情報を発信する、そういった機能を想定しており、こちらは閉庁している時間帯でもご利用いただけるような計画。合わせて、3階4階は主に子どもはぐくみ室の健診機能。諸室あるが、5階に多目的室を用意させていただいている。こちらも区役所の業務で使用することも当然あるが、区民に開かれた形でご利用いただくように、要項に沿って、適正に管理しながら、ご活用いただきたいと考えている。

◆やまね/区民交流スペースができるのは非常にいいことだと思うが、現庁舎にある大中小の会議室の面積、交流スペースは除いて新庁舎の中に2期工事も含めて会議室のスペースはきっちり確保されるということなのか。

(→平賀・地域自治推進室長)2期工事については、相当先ということもあり、その時点での社会情勢や区民ニーズを踏まえて検討していくということ。最大で合わせて7700㎡(全体)という想定はしているが、最終形どういった規模にするかというのは先ほど申し上げた視点で改めてしっかりと検討していく予定。したがって諸室、会議室をどのような形で配置するかという詳細の検討にはまだ至っていないが、区役所が区民に開かれた施設であると、基本計画で定めてある機能・役割をしっかり果たせるような形でしっかり検討していきたいと考えている。

◆やまね/いま会議室大変よく利用されているということなので、面積が後退することの内容にぜひお願いしたい。

交通アクセスの問題について。周辺にはウエスティや土木事務所、行政機能が集まっている。さらに今回、子どもはぐくみ室も入居し利便性が向上するのはいいことだと思うが、だからこそ「西京区のどこに住んでいてもアクセスしやすい区役所にしてほしい」との声が強いと聞いている。ワークショップでも「阪急桂駅と区役所を結ぶバス路線がないので不便」「公共交通のアクセスが良くなればよい」との声。私の担当する伏見区でも向島地域のみなさんからは「区役所へのアクセスが大変」との声が根強くあり、総合庁舎化した区役所へのアクセス向上は非常に重要な課題ではないか。この点の認識はどうか。

(→平賀・地域自治推進室長)今回の西京区役所現庁舎に子どもはぐくみ室の機能を移転する。現庁舎での機能を拡充する。全然場所が変わるということではない。いま現庁舎には市バス29号系統、69号系統、西京区役所前に停車。千代原口では73号系統で、市バスが3路線接続している。「西京区内のどこからでもアクセスしやすいように」との声があるということは承知しているが、こういった市バスの既存路線を有効に活用していただき、区役所のほうにお越しいただきたいと考えている。

◆やまね/「市バスが3路線接続している」とのことだが、やはりいまおっしゃっていただいたように「どこからでも来やすい役所にしてほしいという声は認識している」とのことなので、ぜひとも今後もさらなるアクセス向上ができないかどうかをぜひ考えていただきたい。「気軽に立ち寄れ、区民の交流を育む庁舎」「すべての人にやさしく快適な庁舎」を掲げている。そこへ行くことにハードルを感じるようではいけない。期日前投票も区役所でやる。ワークショップの中でも「コミュニティバス」「シャトルバス」という声もあった。市バス路線・経路の改善、区内を走る循環バスなどもぜひ検討していただきたいという声をいただいている。それを「交通局が考えます」ということでなく、文化市民局として「区役所へのアクセス向上が必要だ」という立場で、都市計画局や交通局とも議論していただきたい。要望しておく

駐車場・駐輪場の確保について。バス路線の改善はもちろんだが、遠くから来られる方もおられる。車やバイク・自転車で来られる方も多いとのこと。現在、西京区役所の東側に10台分、立体駐車場に56台分駐車できるようになっているが、工事中、庁舎整備後も区役所東側の駐車場は使用できないということ。10台分であっても駐車場スペースが減少することは来庁者が不便になるのではないか。①駐車場の確保についてどのように考えているか。②特に東側の10台分の中に、移動負担が軽くなるよう配慮すべき障害者の方のスペースもあるということで、せめてそういうスペースはどこかに確保すべきではないか。

(→平賀・地域自治推進室長)①庁舎の東側と立体駐車場ということで現庁舎は賄っている。令和元年にご利用状況を調査。キャパシティに対して実際どれくらいのご利用があるのか。その時点では、用意している能力を超えるような利用はほぼなかったという結果。特異日が当然あるかと思うので、そういった場合は少し外での駐車場整備も必要になってくるかもしれないが、基本的には子どもはぐくみ室の機能が移転してきても、現行の駐車場の能力で処理できるのではないかと考えている。

②確かにその東側は駐車場としては基本的には機能をなくす想定になっているが、やはり車椅子の方にご利用いただきやすいということなので、いわゆる思いやり駐車場、車椅子の方のご利用に適した駐車場は庁舎の東側に2台程度確保したいと考えている。

◆やまね/また、現在、自転車や原付等は、区役所西側、また東側の入口付近に多数停められている。駐輪場については、庁舎整備の中ではどのように考えられているか。工事期間中は確保されるのか。

(→平賀・地域自治推進室長)駐輪場についてもご利用状況踏まえしっかり設置したいと考えている。今現状79台の設置予定。いま本館、あるいは保健福祉センター別館も含め、ほぼ同等のキャパシティを持った駐輪場を設置したいと考えている。工事期間中については基本的にご利用に支障ないように努めてまいりたい。どうしても工事を進める過程で一時的に使えなくなることはあろうかと思うが、その辺はしっかりご案内をして、支障の内容に進めたい。

◆やまね/以前の委員会で、西京区役所の総合庁舎化と同時に「洛西支所の機能の見直し」も報告され、洛西地域の方が洛西支所の機能が縮小・後退するのではと心配されている。洛西支所の所管地域は広範囲に及んでいる。総合庁舎化によって、現在の洛西支所の機能が後退させるようなことがあってはならない。この点も確認したい。

(→平賀・地域自治推進室長)総合庁舎化を進めるにあたって、委員会報告した際、合わせて「洛西地域のまちづくり機能の強化」ということで報告。本所支所の役割分担の見直し、一方で洛西のまちづくりを一層進める機能や権限、こういったことについて考え方をお示しして、今後検討進めるとさせていただいた。これが平成30年ごろの話だが、この間に社会情勢大きく変わってきて、特にコロナ禍を契機に「行政手続きのデジタル化」「社会全体のデジタル化」を強く推し進めようという機運になっている。ICTを活用してより便利に、例えばオンライン申請の各手続きを拡充する、こういう選択肢が新たに生まれてきた。したがって、まちづくり機能の強化や区役所機能のあり方については、区役所・支所全体、京都市の区役所・支所全体で、まずしっかりとスマート区役所を実現していこうと現在注力している。洛西支所のあり方についても、しっかりとスマート区役所に取り組んだうえで、改めてしっかりと検討してまいりたいと考えている。

◆やまね/最後に環境への配慮という点についてお聞きしたい。再生可能エネルギーや省エネについてはどのような努力・工夫がされているかということだが、①本市の公共施設における再エネ導入のための設備設置基準について少し説明いただきたい。②今回屋上には太陽光パネルも置かれると思うが、発電量としてはどれくらいになるのか。

(→平賀・地域自治推進室長)「2050年CO2正味ゼロ」を目指す本市において、公共施設の省エネについてどう取り組んでいくか。指針としてはまず一つ「条例」がある。これは市民・事業者にお願いをする内容。公共建築物に関しては、現状令和3年4月以降「公共建築物の脱炭素仕様」という基準・指針があり、それに基本的に即していくという考え。

条例自体は令和2年12月に改正されており、この基準、改正後の基準で申し上げると、今回の庁舎規模だと約11kwの発電量確保ということだが、今回予定しているのが3.6kw。これは事業着手・設計着手のタイミングが条例改正以前なので、改正前の条例の基準で見ると2.8kwなので条例の基準を満たした内容。また、脱炭素仕様も令和3年4月以降だと15kwが必要とされているが、これも設計着手が令和2年度なので、それ以前の指針である「低炭素仕様」は満たしている。

北側に勾配屋根を設置する、これは日照確保の関係でそうなっているが、そうした関係で屋上部分のスペースが非常に限られている中で、できる限り太陽光パネル、再生可能エネルギーを設置したいという中で、この容量を確保している状況。

◆やまね/条例改正前と改正後の基準と今回の3.6kwの関係についてご説明いただいた。おっしゃっていただいたように北側の勾配屋根もあって制約もあるということだが、やはり「防災の拠点」ということを考えれば、3.6kwという数字はまだまだ小さいんじゃないか。今後2期工事も行われるということなので、増築する際にはもっと増設していくということが必要じゃないかと思うが、計画や発電規模など、そういう目途はいま立てているのか。

(→平賀・地域自治推進室長)先ほど申し上げたように、「2050年CO2正味ゼロ」、我々の果たしていく役割は大きいと、もとより認識はしている。第2期工事の概要は今後の検討事項にはなるが、仮に想定通りの最大規模で建築・増築するとした場合に、必要な容量は、それを上回る容量はしっかり確保したい、こういう認識でいるので、しかるべき時期が来たらしっかりその辺りも念頭において検討したい。

2022年7月27日【文化環境委】文化市民局/付託議案審査「議第139号・京都市西京区総合庁舎新築工事請負契約の締結について」「議第140号・京都市西京区総合庁舎新築工事(電気設備工事)請負契約の締結について」

(更新日:2022年07月27日)