請願審査:女性差別撤廃条約選択議定書の速やかな批准を②(2022年6月21日/文化環境委・文化市民局・各会派の質疑文字起こし)

*議員の質疑

富議員(自民)/え、ま、資料頂戴しました。で、その中でも前回も申しましたように、請願書がまあ都道府県から出た、その状況見ますと、えー7都道府県で採択3件。で、また、不採択が3件。で、審議未了1件ということで、あの、まあ全会一致が1件で賛成多数が2件ということになっております。それからまた意見書が、あの、意見書の発議があった都道府県が11件あって、えーそのうち可決が8件、否決4件。で、全会一致が7件で賛成多数1件ということになってるんですが。あの、で、また、政令市の場合ですね、えー政令市は、請願書で出てきたのは、ええ、京都市がこれ初めてやね。ね。で、えー、まだ採択が0、不採択も当然0でありまして、ただ、意見書としてあがってきたのが、あの6市で、えー発議があった政令市ですね、これ6市で、そのうちまあ可決が、これ7件あるのかな、可決が6件、否決1件。全会一致が3件で賛成多数が3件と、いうことでございます。

まあこういう状況から見てですね、えーまあ私どもとしては、ま、大変これあの、それぞれ、まあ各都道府県によっても政令市によってもですね、各市町村によっても、ま、意見がね、今のところそのまとまっていないというか、まだ整理がついていないという感じがするんですけれども、まああの皆さんとしては、この点についてどういう具合に、まず見られてるかということですね。あの当局としては、どういうご感想お持ちですか。

(→北條・真のワークライフバランス推進・働き方改革担当部長)あの5月の委員会でもご説明したんですけれども、国において「真剣に検討を進めているところ」と、あの答弁されているものでございますので、京都市といたしましては、国の動向を注視してまいりますというところは、あの変わりはございません。

富議員(自民)/そこであの、私どもあの、それぞれの、おお、ええ、県のですね、ええ、ま、出てきた、この先程の、おお、7都道府県のちょっとその内容を少し見せていただきました。調べさせていただきました。で、ええ、一つは、あのこれまあ兵庫県のほうなんですが、ええ、まあ、私どもの自由民主党のまあ検討しましてですね、ええ、こういうことになってるんですね。ええ、「女子差別撤廃条約の選択議定書が定める個人通報制度については、司法権の独立を含め我が国の司法制度との関連で問題が生じる恐れがあり、慎重に検討すべきであるとの指摘もあることから、現在のところ、わが国は当該選択議定書を締結していない状況です」と。で、えー国の第5次男女共同参画計画において、これ閣議で決定されることなんですが、「女子差別撤廃条約の選択議定書については諸課題の整理を含め、早期締結について『真剣な検討を進めている』とされている」と。ま、目下検討中ということでございまして、で、結局は、まああの、この本請願の趣旨には、今のところ時期尚早であって賛同できないという、で、不採択を主張するという意見も片一方あります。

そしてまた、東京都は一応採択されてるんですが、またあのそれぞれのあの意見でありまして、わが会派、わが、その自民党の意見も、ほぼ兵庫県と同じ意見も出ておりまして。ええ、この、おお、「人権弾圧が厳しい国や地域などにおいて権利が侵害された被害者などが、条約に基づき設置された委員会に通報すると委員会が見解または勧告を各…」、ええ各…、「締約国などに通知する制度である」と。で、その場合ですね、「委員会の見解には法的拘束力はないけれども、基本的に」、締結国と言いますか、「締約国は見解へのフォローアップが求められる」と。「そうなれば」、ええ、個人通報、なれば、あのやはりええ、「我が国の司法制度や立法政策に大きな影響を及ぼすことになる」と。で、そういったようなまあ大きな課題があるために、やはりええ時期、これも尚早であって、ええという、うー意見もあるわけです。

で、片一方では、あの、いやもう20年ですね、国会で、ええ、この国においては、選択議定書の早期批准を求める請願が、まあ採択しておるので、それから相当時間がたっているから、そろそろ結論を出して、もう批准に持っていったらどうだという意見もありましてですね。なかなかその意見が今集約されていないという状況でありまして、で、そこであの各その、先ほど申しましたように、ええ採択された、また、不採択されたところの県のその内容を見ますと、ええ、私どもの自由民主党でも、やっぱり二つに分かれていると。まあ大変は「まだ時期尚早や」というんですが、なかには「やっぱり批准すべきや」と。で、各いろんな政党もですね、あの、えー反対をしている政党、同じ政党であっても、反対をしている政党であっても、他の県にはですね、あのその同じ政党が「やっぱり批准すべきや」というようなところで、まあ要は、今まだいろんな多様な意見があって、集約されていないということが今の状況であります。

そこで、まあこういう状況を、そのまあ皆さんもご承知やと思うんですが、じゃ、今まで京都市がいろいろ取り組んでまいりましたけれども、まあ京都市の意見としてですね、まあどのような見解を先ほどのちょっと意見とちょっと重複するかもしれないけれども、まああのずっといろんなあの男女共同参画の中で、まあいろんな京都市の中にも問題がいろいろあったと思うんですが、それで解決もされてきた、で、また、議論もされてきた。そういうことを踏まえて、まあ京都市としてはですね、まあ、こういうこのことについては、一応どういうこのお考えを持ってるのか、もう一度再度お聞きしたいと思います。

(→北條・真のワークライフバランス推進・働き方改革担当部長)あのこれも5月のあの委員会でご答弁させてもらった内容と重なるんですけれども、あの国がえっと基本計画を定めて、あの閣議決定されたもので進めていくように、京都市はあの第5次男女共同参画基本計画をあの市会の先生方と一緒に、あの考えて、それを今実践しているところですし、まあ国の役割とあの京都市の市民に最も近い京都市の役割がそれぞれあの果たしていくべき役割があるんじゃないかなっていうふうには考えております。

富議員(自民)/まあ、あの、そうしか言えないんでしょうね。例えばあの、高知県なんか見ますと、1回目はあの採択されて、2回目は今度不採択になってたりとかですね。まあ非常にこの問題については、あの、やはりなかなか、あー難しいんだなあという気がします。しかし、いずれにしても将来はですね、やっぱりあの、そのせっかく国は、あの国やなしに、そのこういう女子差別撤廃条約の選択議定書ですね、が、こうしてええ、この批准をまあ、向こうからも言われているわけですから、最終的にはあの色々整理をした上で、日本政府はそういう形でもっていくんだろうなとこのように思うんですが、まあ、要するにその様子をといいますか、そういう議論をまだ見定めたいということですね。局長、さっきからずっと黙ってはりますが、局長はね、まあこれについてもまあいろいろ、勉強はされていると思うんですけど、局長の見解、いっぺんあの聞かしてください。

(→古川・文化市民局長)あのご答弁さしあげます。ありがとうございます。あの先ほど来からあの部長のほうがご答弁しておりますが、今回あの他の都道府県や政令市の状況ということで取りまとめさせていただきまして、あのまあ、先生からるるご紹介ございましたように、まあいろんな考え方があって、まあ議会それぞれの考えがあるかなということで、まあほんと様々なあのお立場なんだなということは思います。で、まぁ、あのこれも先ほど来からの部長の答弁ともあの重なる部分がございますが、この個人通報制度の受入れにあたっては、わが国の司法制度や立法政策との関連での問題の有無、個人通報制度を受け入れる場合の実施体制等の検討課題があると、認識をしているというふうなこれ、あの外務省のワーキングの説明資料にもございまして。まあそうしたことを踏まえて、国においては真剣に検討しているというような状況でございますので、あの私どもと致しましては、あのこの真剣な検討というのを、あの引き続き注視をしていきたいという考えに変わりはございません。

◆富議員(自民)/はい、あの、私たちもですね、あの、おー、まあ、私どもの政府の今の考え方なり、それからあの党本部の考え方なんかですね、もう少し精査した上でですね、精査さしてもらって議論さしてもらった上で、ええ、またあのー、理事者のみなさんと、いろいろまた議論をさして今後いただきたいと思いますので、またよろしくお願いしたいと思います。今日はこの辺りであの質疑終わらせてもらいます。

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井坂議員(共産)/今の富委員と部長のやりとり聞いててあの、率直に言いましてね、やっぱそういうものなのかなという気がするんですけど、局長の答弁もそうなんだけど。改めてね、あの、蒸し返すわけじゃないんだけど、前々回のこの委員会で、ええ、富委員と私が資料要求して、ま、他都市、で、京都府内の都市の請願や意見書の採択状況について教えてほしいと、ま、こういうふうに言ったわけなんですけど、その時にあの思いで言えば、その結果だけじゃなくて、どういうような中身で、えー請願が出され、で、議論がされて、意見書という形になっているのか、そこのところの経過を教えてほしいという趣旨でもあったんですよ。それについてはどないかの分析はされてますでしょうか。

(→北條・真のワークライフバランス推進・働き方改革担当部長)あの、議員要求資料いただきまして、あの検討はしたんですけれども、あの議論の過程や課題について、各議会であの公表されているもの以外を、まあ本委員会の場で、あのー、私どもがご説明することは適切でないというふうに考えまして、提出のあったものをあの取りまとめて、あの今回提出させていただいた次第です。あの確かに、あの請願、あの本日のこのような委員会の場で、やりとりをされている部分もないわけではないんですけれども、あの会議録の一部分だけを切り取って、またご提出するということもまあ不適切かなというふうに考えまして、公表されている資料を、あの今回揃えて提出させていただきました。

井坂議員(共産)/ちゅうことは、その議論の過程ではなくて、結果としての成果物を資料として出していただいたということですよね。だったらもう、ねえ、私らが自力で、そこの自治体、あーそこの議会の議事録をホームページなりで検索して読んで、ああこういう議論がされたのか、というのを受け止めて理解するしかないということになるんですよね。やっぱり二元代表制の下で、皆さん方が議会の記録について、それを切り取って報告したり、紹介するっていうことはできないというのであれば、そういうふうにさしてもらいます。またそれを紹介したいと思います。

で、ま、出された意見書なり、あるいは請願のあの結果を読みまして、で、本市の議会に出されている請願とよく共通しているところがあると思うんですね。そういう中身がやはり女性差別の解消しなければならない、男女間の格差を解消しなければならないという点で、各党会派が一致をして、で、これの成果物を作られたということについては、感銘をしたいと思うんです。そういう中でね、先ほどもやり取りありましたけど、第5次の国のね、男女共同参画基本計画の引用部分ですよね。「女性差別撤廃条約の選択議定書について、諸課題の整理を含め、早期締結について真剣な検討を進める」と、まあこう書いてあるんですよね。この「諸課題の整理」っていうことと「早期締結に向けた真剣な検討」ということの、もう少し踏み込んだ中身とかってのが分かれば紹介して頂きたいんですけど。

(→北條・真のワークライフバランス推進・働き方改革担当部長)あの前回の委員会でも、あの国の議論をご紹介したと思うんですけれども、あの国会で議論されている以上のものを、京都市にあの資料として提出があるわけではないので、あの今回お答えできるものは何もございません。

井坂議員(共産)/その答弁がつらいんですよね。ま、先ほどあの富委員のほうから、あのいくつかの具体的な事例というのは紹介されてましたよね。で、そういうのを含めて、何が足枷になっているのか、あるいは、何は一致しているのかというところの国の進捗ですよね。で、これはね、もうちょっとリアルに知りたいというふうに思うんです。だから、そういう点での、第5次基本計画の今紹介した部分の中身に関わる資料的なものがあれば、それを資料として提出をお願いしたい。これ一つ。

その上で、これはね本市の問題なんですけど、京都市が、女子差別撤廃条約に批准をしました、数年が経ちました、そういう中で男女間の格差の問題とか、女性差別にかかわる問題で、何がどう議論をされて、解消の方向で解決しているのは何で、なおかつそれでも課題として残っているものは何なのか、これを簡単に説明していただいて、で、及び、資料として提供いただきたいんですけど、いかがでしょうか。

(→北條・真のワークライフバランス推進・働き方改革担当部長)えっとまず1点目。あの中身に関わる部分っていうところがございましたので、えっと、男女共同参画基本計画の国際分野のところを、あの抜粋して提出をしたいと思っています。で、それとですね、あの直近でですね、えーと令和4年の6月3日にあの政府のほうで、「女性活躍・男女共同参画の重点方針2022」っていうのをあの政府決定をされまして、そこでですね、例えば「男女間の賃金格差に係る情報開示の義務化」や、「女性の視点も踏まえ」まして、「社会保障制度、税制等の検討を進めていく」と、いったことが決められておりますので、あのそういった資料を提出したいと思っています。それとですね、あのこの間、女性差別をまあ、あのどうやってあの解消してきたかという国の取組にあの掲げるものとしまして、いま第9回の女子差別撤廃条約実施状況の報告書が提出されておりますので、そちらをあの提出したいと思います。以上です。

井坂議員(共産)/まあ提出できるということなので、後であの取り計らいをお願いしたいと思います。

で、最後に、あの、前々回のやり取りの時に、私がその撤廃条約とこの議定書の関係について、車の両輪、つまり両方を批准してこそ、この撤廃条約で言われている中身が、実効性があるんじゃないかというのをお聞きしたんですけど、その時のあの部長の答弁で次のようなとこがあったんですね。「自分の国の法律を持っており」、これ外務省ですね、外務省が言っている。「自分の国の法律を持っており、必ずしも条約の見解が我が国で受け入れられるかどうかと検討している」と。まあこういうあの紹介があったんです。これがどういう中身なのかなって思うんですよね。つまり、あの国際条約に批准するっていうことは、その条約が持っている拘束力ですよね、で、これに同意をするから批准をすると思うんですよ。だけどそれが、あのおっしゃった、我が国で受け入れられるかどうかというね、ということになると、これわざわざ批准する意味があるのかなっていう気がするんですけど、この辺りもう一度説明いただけますか。

(→北條・真のワークライフバランス推進・働き方改革担当部長)あのこれもあの重複して大変申し訳ないんですけれども、あのその時にあのご紹介したかったことをもう一度改めてあの述べさせていただきますと、あの、国会においては、「選択議定書では個人通報制度が規定されており、この制度は条約の実施の効果的な担保を図ると、こういう趣旨から注目すべき制度だと考えております。他方、加入にあたっては、女子差別撤廃条約に基づき設置をされております女子差別撤廃委員会からの個人通報制度に基づきます通報に関して、例えば国内の確定判決とは異なる内容の見解であったり、通報者に対する損害賠償や補償を要請する見解、そして法改正を求める見解等が出された場合に、我が国の司法制度であったり、立法制度との関係でどのように対応するかなどの検討すべき論点があるのは事実でありまして、このため個人通報制度の受け入れの是非について、各方面から寄せられている意見等も踏まえて、関係省庁と連携をして、真剣な検討をしているところであります。早期締結に向けて真剣に検討を進めていると、こういう考えには変わりはございません」という答弁がなされているんです。で、そのため、あの検討を進めているとされている、あの国の動向を注視してまいりたいと、いうことをあのその時にお答えさせていただいたんです。以上です。

井坂議員(共産)/で、ちゅうことはやっぱりその撤廃条約と議定書を批准するっていうことの、メリットもあればデメリットもあるという点で、たぶんねその辺りが諸課題の整理というところにね、行きついているんじゃないかなとは思うんですよね。だから、そういう議論を進めながら、で、私どもはこれ議定書に批准すべきだという思いは持っています。ですけれども、やっぱり我々が議会の中で、それをどういうふうに受け止めて、京都市からメッセージを発信していくのかっていうのはね、合意形成が必要だと思いますので、これは引き続き十分議論をしていきたいなというふうに思います。以上です。

◎かわしま委員長(公明)/ただいま井坂委員から要求のありました政府の第5次男女共同参画基本計画に基づく検討状況と課題の資料については理事者提出できますでしょうか。

(→北條・真のワークライフバランス推進・働き方改革担当部長)提出させていただきます。

◎かわしま委員長(公明)/提出できるということですので、委員会資料として提出を求めることにご異議ありませんか(異議なしの声)。ご異議ありませんので、委員会資料として提出を求めることに決定いたします。理事者におかれてはなるべく早く提出していただくようお願いいたします。他にございませんか。なければ取り扱いはいかがいたしましょうか。

*請願の取り扱い

◆みちはた議員(自民)/留保でお願いします。

◆井坂議員(共産)/ま、先ほど資料をお願いしましたし、引き続き協議を進めたいと思いますので、留保でお願いします。

◆兵藤議員(公明)/留保でお願いします。

◆くぼた議員(維新)/留保でお願いします。

◆小島議員(民フ)/留保でお願いします。

◆小山田議員(無)/留保でお願いいたします。

◎かわしま委員長(公明)/それでは本請願については留保とすることにご異議ありませんか(異議なしの声)。それでは本請願については留保と致します。以上で請願審査を終わります。

2022年6月21日【文化環境委】文化市民局/請願審査「女性差別撤廃条約選択議定書の速やかな批准の要請」

(更新日:2022年06月21日)