京都市が「奨学金への補助」「テキスト代補助」「家賃補助」に初めて踏み出す!(2022年6月16日/予算特別委・総合企画局・かまの議員の質疑文字起こし)

◆かまの議員/よろしくお願いいたします。まず最初に学生支援に取り組む大学応援事業ということです。この大学応援の事業ということで言いますと、2年前の7月の特別市会でこれ補正予算が組まれております。この中で「不安や困難を抱える学生への支援等に対する補助」ということで1大学あたり500万円で合計1億9500万円の予算が組まれたと。また「市立芸大における感染対策」2000万。まあ、こういうこともございました。そして先ほども質疑ありましたけど、これまでのこういう応援事業についてはですね、メンタルケアだとか、コミュニティ形成の支援だとか、授業の理解促進、学生寮の安全安心の確保、あと感染防止対策ですね、こういったことが組まれておりまして、主に感染対策だとか、学びの環境を支援するということでした。これまで。

ただ今回は、学生に対する経済的な支援も一部含まれております。で、これまでよりも、こういう経済的支援のとこまで、ちょっと拡大をして踏みこんだ内容になっているというふうに受け止めているわけですけども、そういうふうに広げた、踏み込んだその理由は、どういうような認識に基づくものなのか。またこれ、市として何かこうリサーチといいますか、そういうことをやって必要と判断したのか、この辺ご認識をまずお伺いしたいと思います。

(→三木・大学政策部長)はい、先ほどの一連の質疑の中でも少しお話をさせていただいたんですけれども、京都で学ぶ学生さん、大半3/4が京都府外から来られているということ、京都の高校生の半分が府外の大学に進学されている。こういった進学状況を踏まえまして、これまでから、こういった経済的支援については国において統一的に対応する必要があると、このように申し上げてきておりますけれども、その考えは変わっておりませんで、この点については引き続きに国に対して要望をおこなっていくと。

で、今回についてですけれども、まあそうした中で、国においてですね、原油価格や物価高騰に直面する生活者の負担軽減等を目的とした臨時交付金が措置されたということ、また、各大学との意見交換において、経済的な面も含めまして学生の学習環境を取り巻く状況は厳しいとのご意見を頂戴したこと、こうしたことを踏まえまして、ニーズに対応した事業を臨時的に実施するということで考えてございます。

◆かまの議員/いまおっしゃった「大学との意見交換の中で」ということおっしゃられましたけど、非常に大切なことだと思ってます。まあ、そういうことを踏まえて、判断の一因になっているということは、今お聞きを致しました。

これも先ほどお話、説明の中で、答弁などで少し出されておりましたけれども、まあ京都府が昨年の令和3年度の11月補正予算で、「学生の食料品や食事提供等の支援」だとか、「生活必需品への支援」ということで、府としてはこういうまあ経済的な支援をおこなっているということでした。で、本市は先ほどありましたように、その学習環境のことを中心にしてきたと。それで府市で合同だということだったわけですけれども、この点についてはやはり本当に学生生活の困窮、まあご両親も含めてですね、保護者の方々も大変なことがございますので、今後はぜひとも引き続き検討を深めて頂いて、この経済的な支援という点では、支援を求めておきたいと、そういう支援を求めておきたいと思います。

で、次にですね、補助内容について、少しお聞きしたいわけですけれども、国の文部科学省の「学生等の学びを継続するための緊急給付金」というものがありまして、この中ではですね、対象が専門学校や日本語教育機関も対象になってるわけですね。で、本市はちょっとそこまでいってないと。今回の補正の対象は大学・短大っていうふうになってると思うんです。で、これをぜひともこうした文部科学省の制度に合わせて、こうした学校等ですね、これも対象とすべきであるという点についていかがかということと。

それから先ほどもありましたように、補助対象となる取組ですね。まあこれがどこまで認められるのかというご答弁が先ほどもありましたけど、例えば、大学の裁量で出されてきたら、こういうことやりたいというふうになったら、それはもうそのまま認めるのか。それではなく、また、いやいやこれはちょっと優先してやってくださいよというふうに本市のほうからですね、一定優先するような事業などを設定するのか、この辺の以上二点ですね、この点はいかがでしょうか。

(→三木・大学政策部長)まず最初の学校種の話でございますけれども、緊急給付金の場合は、専門学校ですとか日本語学校ですとか、そういうところが対象になっていてというようなお話かと思います。で、今回ですね、そうした学校種、特に専門学校なんかでいけば認可権限を持つのが京都府ですし、そうした令和3年、先ほど話あった11月補正などですね、京都府が補正予算よって実施してきた各支援策についても、市内のそういった学校も含めまして、京都府が支援を実施してきているという形でございます。今般の支援においても京都府において、一部補正予算が計上されているということを聞いてございます。

本市としてはですね、京都市基本計画にも政策分野にですね、大学を掲げてございまして、こうした政策の実現に向けまして、今般市内大学等の補助制度を創設することを提案させていただいておるということでございまして、そうした他の学校分のところも含めまして、府としっかり連携しながらですね、府市協調で取組を進めていきたいと、いうのが一点でございます。

もう一つ、取組の事業内容の点でございますけれども、先ほど申し上げてたように、学生のですね、学習環境の確保にかかる部分、この点を中心に、先ほど申し上げたその奨学金事業ですとか、あるいはテキスト代ですとか、PC、Wi-Fiの貸し出しですとか、まあそういったものが入っていると。同じく府のほうで今回補正で計上されているものが、生活支援にかかるということで、学習環境の確保とその生活支援の部分で役割分担をしっかりやっていきながら、今回補助を進めていく予定にしてございます。

で、あのどういったものを細かい所をどう対象にしていくかというところはですね、今後の府との細かな調整もございますけれども、今申し上げたような趣旨の中でしっかりと府市の中でですね、連携して説明会も開かせていただこうと思ってございますので、そうした中で大学にはですね、ご理解をいただきながら進めていきたいと、このように考えてございます。

◆かまの議員/ぜひともですね、府市協調ということは非常に大切だと思うんですけれども、その今までのその棲み分けというんですかね、市がやってきたことと府の考え方っていうことは、基本はまああるとは思うんですけれども、まあ、今後実際問題、学生の状況に応じてですね、それについてはぜひとも固定的なものではなくて、柔軟にぜひとも考えていただきたいというふうに思います。

補助金額のことについて少しお聞きしたいんですけれども、今回その学生の人数によって上限が決められておりますけれども、8000人以上の学生がいる場合で、もうこれ上限500万ということになっています。まあこうなると、その実際問題、困窮している学生にすべて行き渡るような、なかなか額ではないというふうに率直に感じるんです。で、やはりその、一人一人の学生の実態に焦点を当てて、この支援策、この上限の金額も考えるべきなんではないかという、このことのご認識はいかがでしょうか。

(→三木・大学政策部長)今ご指摘いただいたようにですね、本事業においては、学生数の規模に応じて大学を区分しまして、区分ごとに補助上限額を設定をさせて頂いてございます。で、お話にあったような学生数8000名以上のですね、大規模大学の場合ですと、まあ補助上限額500万円となるということですので、例えば、奨学金なんかで年額20万円を配りましょうというふうになりましたら、当然そこにまあ、新たに25人の給付可能となると、そういうぐらいの規模感でございますが、他方でより多くのですね、学生を対象とする取組を大学側がしたいというふうに考えれば、学生が使用するテキスト代の割引などによるですね、活用、こういうものが想定されますけれども、こうした取組のニーズについてですね、大学により様々ございました。これまで各大学においては長期化するコロナ禍の中で、学生の学びを保障するため、様々な工夫がすでに講じられてきておりまして、国においても給付型奨学金など行う、高等教育の修学支援新制度ですとか、あるいは先ほどお話のありました緊急給付金などが実施されてきております。

さらに、本市や京都府においても、学生の学びの支援、生活支援等を行ってきたところでございまして、今回も本市及び京都府が連携しまして、コロナ禍における物価高騰等の影響を受ける学生を支援するために各大学が実施する取組に対して補助を行うこと、これを想定してございます。各大学においては、これまでの取組の積み重ねに加えまして、本市及び京都府の今回の補助を活用していただきたいと考えてございまして、今回の補助額においても、一定程度学生支援の取組の実施・充実につながるものだと考えてございます。

◆かまの議員/先ほどからも、京都は本当に学生のまちというふうなこともあったと思うんですけども、まあ本当にあの、多くの府外から来ているということにしても、学生の方々が、この京都の街を作る一つの主役であることは間違いありませんので、ぜひともですね、そこに寄り添った対応、引き続き検討を求めたいと思います。

で、まあその点で言いますと、先ほどこれも答弁ありましたけれども、「今回の取組はあくまで臨時的なものだ」というようなことでございました。この点も、今回、国の臨時交付金を使ってということですけれども、これだけに止まらず、ぜひとも引き続き本市としての一般財源の活用も含めて、これはやっぱり今後とも求めていきたいというふうに思います。ぜひともこのことは求めておきたいと思います。

それからあの、いま言ったこととも少し関連するんですけども、次に「学生生活の実態把握」についてということなんですけれども。先ほども大学との意見交換をこの間されてきたというお話があったかと思います。奨学金の利用状況だとか、例えば先ほども出ました学生等の学びを継続するための緊急給付金の状況とか、これ例えばつかんでおられるのか。これ結構、こういうのが分かれば、学生生活の一端がかなり把握できるかと思います。で、2年ほど前に府・市・大学の連携でですね、この「新型コロナウイルス感染症による雇用への影響調査」というふうなことで、バイトのシフト減少や、それから就活、それから学生生活の影響についての実態調査をこれ実施しております。これは産業観光局がおこなった取組ですけれども、今後ですね、ぜひとも新たな取組として、こうした大学への聞き取りだけじゃなくて、学生からぜひ直接アルバイトの実態や学生生活の実態について、声を集める取組を行って、大学・学生政策を所管する総合企画局としてですね、ぜひとも直接つかんでいただきたいと思いますけれども、この点についてはご認識どうでしょうか。

(→三木・大学政策部長)令和2年度にですね、実施をいたしました、学生の実態調査についてでございますけれども、こちら京都市及び京都府において、新型コロナウイルス感染症による企業の採用活動や学生の就職活動の影響について調査をおこなったものというのは認識をしてございます。学生の実態調査、これまでも議会の中でご意見をいただいているところでございますけれども、我々としまして、学生の置かれている生活状況などについてはですね、まずは学生のことを一番身近で理解をしていただいている各大学において把握していただくと、こういうことが必要であるというふうに考えてございまして、本市としてはこうした観点から日頃から大学ですとか、あるいは大学から出向者等々で構成されております大学コンソーシアム京都などと意見交換を行う中で、学生の状況把握を行っているというような状況でございまして、今後もこうした形で状況把握に努めたいというふうに考えてございます。

先ほどご質問の中にございました緊急給付金ですけれども、これ令和3年度に国において実施されてございますが、こちら昨年の12月から募集が開始をされておりまして、年度末のですね、もう最後の最後ですね、3月31日までの間で4回募集が実施されてございます。支援が必要な学生に対して、こうした最後の最後まできちんと募集をかけるということを国として実施されているということからも、給付が行き届いていると、このように考えてございます。

◆かまの議員/大学はそもそも学生で成り立っておりますので、そこを所管する総合企画局として間接的ではなく、直接的に実態をつかむこと大事だということは申し上げておきたいと思います。ぜひとも今後ともそういう点で実態調査の検討をお願いしたいと思います。

2022年6月15日【予算特別委】総合企画局/補正予算「学生支援に取り組む大学応援事業1億100万円」

(更新日:2022年06月15日)