◆やまね/今の、みちはた委員(自民)のやり取りの中で、寄付の経緯に関わって、「サッカー大会も多く老朽化している施設の改修について提案し承諾いただいた」「合わせてアーバンスポーツ施設の設置も提案しこちらも承諾いただいた」「残額が生じた場合は他のスポーツ施設や市民スポーツの振興に使ってもいい」とのことだったが、一点確認したいのが、寄付をいただいたなかで、最初に15.4億円という総額があったのか、それとも寄付をいただけるということで、文化市民局として「こういう施設を改修したい、これくらいになります」とお金がこれくらいになりそうだと示したなかで「いいですよ」ということだったのか、そのあたり教えていただけるか。
(→平松・市民スポーツ振興室長)ご指摘いただいたことで言うと後者になる。寄付者からは「スポーツ施設、取り分けサッカー関連への寄付に興味関心がある」とお申し出をいただき、私どもから具体的に「こことここについてこういう改修をしたい。つきましては15.4億必要になります」とお話させていただいて、内容とともに金額も承諾いただけたという経過。
◆やまね/あらためて聞くが、市民の方から総額15.4億円の寄付、氏名も匿名で非公表にされているとのことだが、この寄付者の方は、今回のご寄付にあたって、それに見合う対価や特典を求めておられるわけではないということでよいか。
(→平松・市民スポーツ振興室長)ご本人は匿名で「氏名の公表も控えていただきたい」とのこと。今回の寄付にあたって対価なり対応を求めていることはない。
◆やまね/京都市美術館の再整備時には「ネーミングライツ」で、お金と引き換えに通称として企業の名前を公共の美術館に付ける、レセプションなどをおこなえる特典を付けるということで「一企業が公共施設を私物化していいのか」「表現の自由が侵されるのではないか」など、大きな議論があった。その点で今回は、一切の対価を求めずご寄付いただいて、市民のみなさんのスポーツ施設整備が行われるということで、このような形があることに励まされる思い。
議案説明資料を見ると、今回の整備事業の財源内訳は「京都みらい夢基金繰入金」となっているが、これは例えば、この使い道ということでいうと、今これも改修がいくらかかるか問題になっているヘルスピアの改修費用など、他にも使う余地があるのかどうか。仕組み上使えないのか。仕組み上は使えるけれども、今回は寄付者のご意向でスポーツ施設にということでこういう判断になっているのか。
(→平松・市民スポーツ振興室長)大枠としては「本市のスポーツ施設の改修、市民スポーツの振興に活用していただきたい」という趣旨であるし、そもそも今回予定している宝が池と下鳥羽の球技場の全面改修、宝が池のアーバンスポーツ対応施設、この整備をさしていただいた後、寄付金に残額が生じた場合は、その他のスポーツ施設の改修や市民スポーツの振興に活用する、そういう流れになっている。
◆やまね/この間説明していただいているように、私は寄付者のご意向を尊重することは本当に大事だと思う。過去には伏見区の事例だが、児童館のない地域で「児童館のために」と市民の方が京都市に土地を寄付したにもかかわらず、京都市がずっとそのままにしてしまって、最後は売却して終わったこともある。「サッカー関連に」「スポーツ施設整備のために」とおっしゃっているということなので、ぜひその思いがしっかり生かされるようにしてほしい。
そもそも、公共施設の整備・改修は、寄付のあるなしに関わらず、それを設置した国や自治体(京都市)の責任でおこなわれるべきものだと考えているが、今回、総額15.4億円の内訳は、宝が池公園運動施設12.3億円、下鳥羽公園球技場3.1億円と示されているが、今回の整備費は文化市民局から提案されたということだが、これまでなかなか改修できなかったからこういう金額になっているのか。もしこれまでも節々できちっと改修が進んでいたら、もう少し安い費用で済んだ可能性があるのかどうか。
(→平松・市民スポーツ振興室長)宝が池は、メインスタンド等はこれまでからも部分的な補修で対応している。人工芝は耐用年数が来ているということで、これまでからも耐用年数迎えた時に全面張替えをしている。下鳥羽も人工芝は同様。LED、夜間照明は今回初めてさわる。これまでも最小限の、必要最低限の手は入れているので、全面改修ということで今回やるので、(費用は)それほど変わらないとは認識。
◆やまね/我が党議員団の要求資料で、宝が池公園の球技場について、「軟弱地盤が原因で沈下が発生し、都度修繕で対応している」とのこと。①これは球技場のフィールド内の話か。②「都度修繕」とのことだが実際にはどういう作業・対応をされているのか。③修繕費はどれくらいこれまでかかってきたのか。分かるかどうかも含めて教えていただきたい。
(→平松・市民スポーツ振興室長)①宝が池球技場のフィールド内。②直近では令和元年度に実際に改修しているが、おおむね3m~6m四方ぐらいの部分で6ヵ所沈下を補修。人工芝をめくって地盤に土を埋めるなりの対応。令和元年度の補修で約200万円かかっている
◆やまね/令和元年度の補修は200万円とのことだが、これは京都市が負担したのか、指定管理者が負担したのか、どちらか。
(→平松・市民スポーツ振興室長)本市側で負担している。
◆やまね/100万円を超えるか超えないかが、市の負担か指定管理者かというところだったかと思うが、100万円に満たない形でこれまで指定管理者が修繕した事例もあるのか。
(→平松・市民スポーツ振興室長)具体的にいま把握できていないが、おそらくこれまでからも元年度以前にも何度かあったとは承知しているので、金額によっては指定管理者のほうで対応していただいた部分もあるのではないかと考えている。
◆やまね/それではこの沈下の関係での都度修繕されてきたものに対して、京都市が負担したもの、指定管理者が負担したもの、出せる範囲でけっこうなので、金額や記録を資料としていただきたい。
それから「スケートボードをはじめとするアーバンスポーツ対応施設を整備」について。文化市民局として、スケボー、インラインスケート、3×3などの競技人口はどれぐらいの方がおられるかはつかんでいるか。
(→平松・市民スポーツ振興室長)明確に個別の人数まで把握できていないが、関係の協会・団体からもニーズがあるということはうかがっている。
◆やまね/人数が多い少ない関係なく、マイナースポーツであっても、ニーズが強いものは、ぜひ今回のように検討し前進させていただきたいと思っている。
もう一つアーバンスポーツ対応施設に係る問題でランニングコストの問題があったが、「公費負担がないように、使用料や自主事業の収入等で(確保する)」とのことだが、これは、利用者や運営者がすべて負担するという意味か。
(→平松・市民スポーツ振興室長)その通り。
◆やまね/そうすると、アーバンスポーツ以外の施設(球技場やこども体育館)とは料金設定の位置づけが違うということになるのか。
(→平松・市民スポーツ振興室長)公の施設なので、料金も合わせて条例で規定することになる。その料金をどこからというか、維持管理費をどこからどうやって負担するかというところがちょっと異なるかなと。
◆やまね/アーバンスポーツ、新しいスポーツ、いろんなものが広がっているが、こういうスポーツは若い方々が比較的多いと思うので、できる限り低料金で使えるようにしていただきたいと要望する。
スケボー場については、朝日新聞(5/13)によれば、「市北部にも常設の練習場の整備を求める声が上がった」とある。これは、昨年市内3ヵ所の公園に試行設置したスケボー場の利用者アンケートのなかで出されたのか。あるいは競技団体等との懇談・意見交換で出されたのか。今回の整備はそういった声に応えたものか。
(→平松・市民スポーツ振興室長)火打型公園が唯一現状で自由にスケートボードができる公園だが、それは南区にあるということで、一般的に市民の方からも「中心部、あるいは北部にもつくっていただきたい」「身近でできるようなところをつくっていただけないか」との声もいただいているし、京都市スケートボード協会との意見交換の中でもそういった声をいただいている。そういった声を踏まえ、今回宝が池、知名度や利便性も含め、遊休地の活用も合わせ、適切じゃないかと判断した。
◆やまね/いずれにしても、そういったスポーツ関係者の声を反映して、南のほうだけじゃなくて、「中心部や京都市の北のほうにも常設の施設をつくってほしい」という声に応えていただいたのは非常に大事なことだと思う。市内1ヵ所ではなく、いろんな場所で練習できるという環境があってこそ、競技の普及が進み、底辺が拡大することになる。ここにスポーツ行政の大事な役割があると思う。
3月29日付の文化市民局の広報資料(スケートボード練習場所の試行設置期間を延長します!!)によれば、試行設置した3カ所のスケボー場の利用者アンケートの声も紹介されている。「他に練習場所がなく困っていた」「安心して利用できる」「継続してほしい」など。これも資料提出を求めたい。①試行期間中の利用者は何人ほどか。②利用者アンケートで寄せられた声や数、まとめて資料提出いただきたい。
今回ご寄付をいただいた方は「サッカーに関心」をお持ちとのことで、一つ紹介したいのが、サッカーと卓球を合わせたような「テックボール」というスポーツがある。「台の上のサッカー」とも言われる。2017年に国際的な協会が発足し世界で競技人口が増えている新しいスポーツ。オリンピック種目入りも目指し、すでにアメリカではプロ選手も。現在は伏見桃山城運動公園内にあるミズノスポーツプラザ京都伏見店さんに台がいくつか置かれているということで、関係者の方の要望を受け、懇談・練習見学もさせていただいた。「身体全体を使うので、サッカーの練習にも」「台の大きさは卓球台ほどなので、小さなスペースでできる」「少人数でも楽しめるので、チームスポーツが苦手な子どもでも、年配の方が気軽に楽しめる生涯スポーツとしても」などのお話。ご寄付いただいた方の「サッカー関連に」というご意向を尊重されるなら、このお話も紹介いただき、今回の「アーバンスポーツ対応施設の新規整備」の中でもぜひ検討いただけないか。あるいは、今回に限らず、京都市の公園や公共施設の中で、台を置くことができないか、この辺りのお考えをお聞きしたい。
(→平松・市民スポーツ振興室長)台を置くとなると、管理の話にもなるので、うかがった内容についてはご要望として承っておきたい。
◆やまね/関係者の方は「世界でも競技人口がどんどん増えている注目のスポーツ。ぜひ京都をテックボールの聖地にしたい」という気概で取り組んでおられるのと同時に、「誰もが気軽にスポーツを楽しめる環境をつくりたい」との思いでがんばっておられるので、ぜひ検討いただきたい。今のところ高校サッカーの強豪校などに台を入れられているそうだが、「サッカー部の備品として入れているので一般の生徒は使えない」とのこと。なので「一般の人が入れる公園や公共施設に台があって、誰でも気軽に楽しめるようにしていただきたい」とも。広大な敷地や多額の費用がかかる話でもない。この間がんばっていただいている3×3のゴール設置と同様にぜひ検討をお願いしたい。
最後にもう一点。建設タイムズ(5/9付)で報道されていたが、「京都市が5月6日に宝が池公園を拠点としたエリアマネジメント試行業務を公告した」と。宝が池公園全体のマネジメントについて。「公園関係者、専門家、周辺団体、民間企業等で構成するプラットフォーム準備組織を結成し、試行事業をおこないながら、持続可能な運営の仕組みづくりを目指している」とある。6月上旬に審査結果を通知し、業務期間は2023年3月末まで。今回の補正予算、今年度分は設計のための予算と思うが、エリアマネジメント業務との関係は何かあるのか。球技場やアーバンスポーツの施設整備がどうなるかは公園全体を考えると重要な要素だと思うが、これとは全く別物として今整備をしようと思っているのか。それとも、エリアマネジメントとも連携しながら、今実際に連携していることがあるのかどうか。この点最後教えていただきたい。
(→平松・市民スポーツ振興室長)おそらくおっしゃっていることは建設局のほうで対応されているのかなと思う。実際この球技場等の整備にあたって、宝が池公園マネジメントと関連することはない。
2022年5月24日【予算特別委】文化市民局/補正予算「球技場等運動施設整備事業」1億2600万円
(更新日:2022年05月24日)