請願審査:「学生のまち京都」で学生へのPCR検査を求める請願が「不採択」に(2022年4月22日/教育福祉委・保健福祉局・請願審査の文字起こし)

*紹介議員からの趣旨説明

◆くらた議員(共産)/本請願にあたり代表する学生お二人からの手紙文を読み上げさせていただきたい。「学生へのPCR検査を求める有志 陳情審査にあたって訴えたいこと」。

①「私は学生です。今年の新学期が始まり、キャンパスに通えています。対面授業を受けられること、図書館などの学内施設を利用できること、友人に会えること、とても嬉しいです。しかし同時に、もしかしたら自分は無症状感染者で既に他者に感染しうつしているかもしれない、と常に不安を感じています。この3年間で、PCR検査を簡単に受けることができず、自身が感染しているかどうか分からないことがとても怖かったです。最近の感染者数は再び増加の傾向にあり、まだまだ感染の危険が高いと認識します。私が京都市に求めるのは、感染を早期に発見・治療して感染拡大を防ぎ、命を守ることです。そのために、京都市独自の検査体制を整えて、定期的なPCR検査を実現していただきたいです」

②「私は声楽を学ぶ学生です。コロナの影響で個別のレッスンや合唱の授業など不織布マスクを着けたまま歌うことを求められています。体の感覚を鋭くして歌いたいのですが、どうしてもマスクが邪魔になってしまいます。声楽を学ぶ環境を守るために、定期的なPCR検査を行い陰性証明とすることでマスク無しでの実技授業実施をぜひ実現していただきたいです。また、濃厚接触者にはならないものの不安を持つ学生、コンサートや大会前にコロナになっていないか確認したい学生が気軽に検査できるように大学内で無料のPCR検査を出来るようにしていただきたいです」

以上が私のほうに預からせていただいた学生からの訴え文でございます。これをもって趣旨説明に代えさせていただく。

*京都市理事者から補足説明

(→志摩・医療衛生推進室長)新型コロナウイルスにかかるPCR検査は、症状や経過等から新型コロナウイルスの感染の疑いのある方について、検査段階でのウイルスの有無を調べ感染しているかを確定し必要な医療につなげるため、医師の判断のもと、医療や公衆衛生の観点から実施しているもの。

本市では、感染しているかどうかをいち早く見つけ、必要な医療等につなげていく感染対策のため、令和2年5月から濃厚接触者に該当しなくても、少しでも感染の可能性のある方を幅広くとらえて実施する本市独自基準の検査をおこなっており、とりわけ医療機関や福祉施設、保育園や小学校等において感染者が発生した場合は、感染拡大を防ぎ、また、通常の活動が早期に再開できるよう、必要に応じて幅広く検査するなど、必要な検査を確実に実施している。

さらに、京都府および京都府医師会と連携し、府内997ヵ所の医療機関で検査が実施できる体制を確保し、症状がある場合はまずは身近な医療機関に相談いただき、医師が必要と判断した場合は、速やかに検査が受けられる仕組みを構築している。また、京都府から指定を受けた診療検査医療機関については、令和3年10月から、京都府のホームページにおいて公表し、受診しやすい環境を整えている。

一方、国主導により、各都道府県において、新型コロナウイルス感染症の拡大防止と日常生活の回復の両立を図り、社会経済活動を進めていくため、飲食・イベント・旅行・帰省等をおこなうにあたって必要な場合や、感染拡大傾向時の感染不安者などの無症状者に対する検査が、市内114ヵ所において無料で実施されており、保健所や医療機関以外で検査を受けていただく体制も十分に確保されている。

感染対策にはワクチン接種も重要。本市では、希望される市民の皆様が早期に接種できるよう、身近な診療所や病院、集団接種会場での接種体制を確保している。特に大学生をはじめとする若年層のワクチン接種をさらに進めるため、一部の集団接種会場に10代20代の方に限定した接種枠を設けているほか、各大学等を通じた接種会場や、予約方法などの情報提供、SNSやメールマガジンによる情報発信に取り組んでいる。こうした取組とも連動しながら、引き続き感染拡大防止対策に取り組んでまいる。

(→三木・総合企画局大学政策部長)大学に対する支援について。新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、未だに多くの学生が不安や困難を抱えながら日々を過ごさざるをえない、このように認識している。そういったなか文部科学省からは、各大学が学生に寄り添い学生が安心して学習に専念できる環境を確保するよう、感染防止対策を十分に講じたうえで対面授業の実施に取り組むよう通知が出されており、この間、各大学においては感染防止対策や学生支援など、学生の学びの保障に向けて取り組まれている。

本市としては、大学等との意見交換を通じ、国に対し修学にかかる経済的負担軽減策の充実を重ねて要望するとともに、大学において実施する学習環境の整備、課外活動・学生寮等における感染防止対策及び学生教職員のPCR検査実施に対する財政支援を要望している。

また、本市独自の施策として、学生の安心安全を確保しながら多くの学生がここ京都で学び暮らし充実した学生生活を送ってもらえるよう、各大学が実施する不安を抱える学生向けの相談体制の充実や新入生のコミュニティ形成等への支援、また、医療体制を確保することが難しいなどの理由から2大学において職域接種を実施することが困難な大学の学生に対して、大学コンソーシアム京都や京都大学等の協力のもと、京都大学医学部附属病院において、新型コロナワクチン接種の機会を提供するなど、様々な取組を進めてきた。今度も大学や関係局等とも連携し意見交換を行いながら、学生の支援に全力で取り組んでまいる。

*質疑

◆椋田議員(自民)/これ〇〇県から出てますね。何が言いたいんやろうなと思うんですよ。京都ね、無料のPCR検査機関いっぱいある。心配やったらそこ行きゃええやん。これ定期的て、中華人民共和国みたいやね。ほんまに全員検査しろとかね。しいひんかったら逮捕するぞ。こんなん、こんなん請願趣旨考えてもね、検査したい人が、しに行ったらええやん心配やったら。するとこいっぱいあるでしょ。ねえ。郷ひろみが宣伝しているとこやってるわねえ。おん。だから、うちらかて心配な人は、事業所持ってますからね、「行け」、「心配やったら行け」、「でも強制じゃないよ」、何かこれ見たらね、強制みたいに見えんねん。「定期的にするべきだ」、何考えてんのかなと、思いますので、ちょっと意見だけ、述べさせてもらいました。

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◆くらた議員(共産)/時間がありませんので端的にうかがいたい。いま非常に感覚的なご質疑だったと思うが、強制的とかそういうことではなくって、非常に大学生活、そして学生の活動に多大な影響が及んでいる、不安を持っているということは認識しているというふうにお答えがあった。

そこで、こういう切実な学生の思いをどう受け止めてサポートしていくかということだと思う。「あれこれやっている」ということだが、一般論ではなくて、これだけ「学生のまち京都」とうたっているわけだから、各大学で定期的な、「定期的な」というのは、要するに、大学構内できちっとしたそういう無料検査の機会をつくる、目に見えた形でこれを具体化してほしいという求めだと思う。これをぜひ実践していただきたいと思う。検討を進めていただきたいと思うがいかがか。

(→志摩・医療衛生推進室長)この、請願で求めておられる趣旨の、安心して学生生活を楽しみたいと、また、安心して学びたいというようなことは、お気持ちとしては分かるが、それをPCR検査を行うことによって実現果たしてできるのかというところは、けしてそうではないと思っているし、「定期的な」っていうのが先ほどもご指摘遭ったが、どれだけの回数、どれだけのペースでやれば、それが防げるのかと、けして検査が感染を防止するものではない。まったく、ワクチンでも予防薬でもないので、ここでおっしゃっているお気持ちは分かるが、PCR検査を実施することによって実現するということは、まあできないと考えているので、ご指摘の点、実施する考えはない。

◆くらた議員(共産)/今のもね、一般論にすり替えておられると思う。つまり、「大学のまち」、これだけたくさんの大学を有している本市として、「学生好きなとこ行け」っていうふうに学生をわざわざ移動させなくても、その大学構内できちっと検査が受けられる機会を設けると。そういう発想がなぜ持てないのかというふうに思う。

それからもう一点だが、例えば、4月2日3日に「第18回京都さくらよさこい」が行われた。これについては私は産業観光局で質疑をしたが、当初、踊り子、参加者、5000人を目途として、また、目標、観客の増員数を延べ20万人見込むというものだった。今日せっかく三木さん(大学政策部長)お見えなので、これ共催は京都府・京都市・京都市観光協会だが、学生が実行委員会形式をつくって学生が主体的に取り組んでいるものだが、これ総合企画局、大学学生課としてもこれはきちっとコミットしてたのか。いかがか。

(→三木・総合企画局大学政策部長)「さくらよさこい」について、今回の趣旨と少し異なるかなと思うが、当然我々横で連携しながら情報は聞いている。

◎平山委員長(自民)/請願趣旨に則った質問してくださいね。

◆くらた議員(共産)/これは関係する。なぜかと言うと、この時も、参加者からも、「やはり今の感染傾向の中で、これだけの規模が果たして安全と言えるのか」「きちっとせめて検査をやれるような体制をつくれないか」というご意見を私は賜っていた。ですからそういった意味も含め、もう少し積極的な、やはり学生が求める安全対策として、私はこれ寄り添って検討をいただきたい。このことを求めて本日は終わる。

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◆安井議員(民主)/今回の請願の内容を見ると、「PCR云々」と書いているが、先ほど答弁あったように、やっぱり防止するにはね、ワクチンの接種がまず一番。学生の方がどれぐらい接種率あるかはちょっとそこまで存じてないが、本来はやっぱり「ワクチンをみんな打とうで」と。まあいろんな個人差あるから、これはまあ別として、総合的にはやっぱりそういう呼びかけをね、本来やっぱりやってほしいなあと。防止するためにね。みなさん学校でやってほしいですわ。ですからPCRについては先ほど来ご答弁にあるように、無料で、街角で、繁華街でも全部やっておるわけですから、当然学生の方、繁華街へねえ、出ておられるはずですわ。おそらく、リモートの、学習はされとるけども、まあ街見たら学生の子ようけ歩いてはりますわな。だから全体的なやっぱり評価としては、やっぱり今まちで行われてる無料検査を積極的に受けると同時にワクチンの接種を逆に呼びかけていただきたいなあと、こう思いますわ。

それと二つ目に「学ぶ権利を保障」と。これはね、大学が保障しとるんでしょ。テレワークかどうか知らないが、やっぱり学費納めてるのは学校に納めてるわけやから、そら学校がそういう判断をされてるわけだから、だからそれはけして権利は奪われてないということであるし、これもやっぱり学校に言うてもらわなあかんし、「学生の命を守る」ということ、これはですね、やっぱり自分自身の行動、そしてやっぱり学生である限り、やっぱり大学も、ね、学生は大学の宝ですから、大学がやっぱりきちっとやっぱりそういうことをしてくれないとね、行政がやっぱりやる仕事と、当事者がやる、大学がやる仕事は、きちっと分けていかないと、何もかも何でも行政にやれと、こういうことになると、ちょっと大変なことになるので、行政は行政で、例えばコロナの予防についてワクチンの接種とか、また、PCRの検査も今無料でやってることも広くやってるわけですから、ちょっとやっぱり趣旨が違うんではないかなと、こういう意見を持ってるので、意見だけですけども、ちょっとそう言うときます。

*請願の取り扱い

◆自民党(田中たかのり議員)/京都府内にもたくさんの無料検査場できているので、そちらのほうでと思うので、「不採択」で。

◆共産党(くらた議員)/その無料検査でどれだけ学生が受けられているのか全く不明。ぜひこれは継続的にもう少し検証して、議論をする必要があるんじゃないか。学生の安全を守るという、やっぱりこれだけ切実な声が出てるわけだから、1回で不採択というのはあんまりだと思う。ぜひ「継続審査」を求める。ご議論、ぜひご検討いただきたいと思う。

◆公明党(湯浅議員)/このPCR検査を、ともかくやみくもにやれとか、やるべきだとか、もうこの議論はもうずっとこのコロナから続けてこられている会派さんもいらっしゃるが、我々はその立場には立っていない。やっぱりきちっとしたエビデンスのもとで必要なところでまずしっかりやることが大事だというふうに思うし、PCR検査(感度)もやっぱり「7割だ」というふうに言われてるので、やっぱり症状、それとまあそれ以外でもまあ今かなり環境的には整ってきているので、心配な方は受けれるという状況もあるから、ここはもう引っ張るというよりは「不採択」でお願いしたい。

◆民主・市民フォーラム(安井議員)/先ほど意見は意見で述べさせていただいた。やっぱり市当局がいろんな施策を打ってる状況、それとまあこの請願内容は、乖離どころかもうちょっと真逆の状況ですんで、我々としては「不採択」でいきたい。

◆京都党(神谷議員)/「不採択」で結構だと思う。

◆維新の会(こうち議員)/定期的なPCR検査となると、まあかなりの多分、回数を実施していかなければ意味がないのかなと思うし、あとは無料検査場ももちろんあるということで、「不採択」とさせていただきたい。

◎平山委員長(自民)/「継続審査」は少数により、本日結論を出すことにする。

自民党、公明党、民主・市民フォーラム、京都党、日本維新の会は「不採択」でよろしいでしょうか。次に共産党はいかがいたしますか。

◆共産党(くらた議員)/「採択」の立場を取ります。

➡意見が分かれているため表決を取り「不採択」多数のため、請願は不採択に。

2022年4月22日【教育福祉委】保健福祉局/請願審査「学生への定期的なPCR検査実施等」

(更新日:2022年04月22日)