陳情審査:岩倉証明書発行コーナーの存続を(2022年3月17日/文化環境委・文化市民局・やまね)

*京都市説明

(→平賀・地域自治推進室長)陳情の要旨でございます。令和4年3月25日に営業終了を予定している岩倉証明書発行コーナーについて、「岩倉地域は左京区役所までの便が悪く、また、最近は毎年のように豪雨などの災害が起こり、新型コロナウイルス感染症拡大も続いている状況であることから、地域へのきめ細やかな支援をおこなうためにも、岩倉証明書発行コーナーを存続するとともに、役所としての機能を充実するよう求める」ものでございます。

本市では、住民票の写しなどの各種証明書について、区役所・支所や出張所、市内9カ所の証明書発行コーナーで取り扱うとともに、近年マイナンバーカードを活用したコンビニ交付サービスを開始するなど、市民サービスの向上に努めてまいりました。カードの普及が進むなか、コンビニ交付サービスと大半の機能が重複する証明書発行コーナーを一部見直し、西院・向島・嵯峨・岩倉の4カ所について、令和4年3月25日をもって、営業を終了することとしております。

本市の令和4年1月末時点のマイナンバーカード交付率については、申請率51.4%、交付率42.8%となっており、今後も更なる普及が見込まれます。住民票の写しや印鑑登録証明書等の証明書発行が可能なコンビニ交付サービスの利用率につきましても、令和2年度4.86%だったところ、令和3年4月から12月では9.2%と2倍近くに増加、9月以降は毎月10%を超えており、多くの方にサービスをご利用いただいております。

さらに多くの方にコンビニ交付サービスをご利用いただけるよう、現在市内各所の商業施設等に職員が出向き、無料での写真撮影や申請書記入のお手伝いをしながら、本人確認の上マイナンバーカードの申請を受け付けることで、窓口に出向くことなく郵送でカードが受け取れる出張申請窓口の取組を実施しております。とりわけ岩倉地域においては、今年度すでに商業施設における出張申請サポートを、複数回実施しているほか、3月5日6日の週末2日間、岩倉地域交流センターにて出張申請窓口の取組を実施致しました。来年度におきましても学区ごとに出張申請窓口等のカード取得促進の取組を実施してまいります。また、設置の際には、対象地域の皆様に、周知チラシを各戸配布することにより、お知らせ致します。

コンビニ交付サービスにつきましては、申請用紙に記入いただく必要がなく、コンビニのマルチコピー機のタッチパネルに表示する案内に沿って簡単にご利用できるサービスであり、引き続き、土曜日日曜日も含め、早朝から夜間までご利用いただける便利なコンビニ交付サービスの周知に努めるとともに、マイナンバーカードの普及促進に一層取り組んでまいります。ご説明は以上でございます。

*質疑

◆やまね/よろしくお願いします。陳情者の方にお聞きしたんですけれども、これまでに447筆の賛同署名が集まっているということでありました。

それであの、岩倉地域の証明書発行コーナーはですね、元々あった出張所が2015年に廃止された際に設置されたものでありますので、私重要なのはですね、この岩倉地域における出張所や証明書発行コーナーをめぐる議論というのは、今回が初めてではないっていうことなんですね。

過去いろいろ振り返ってみますと、2010年(平成22年)3月には、当時の地元自治連の方から京都市会へ「岩倉出張所の存続」を求める請願が提出されておりまして、5月22日の本会議で採択をされています。そこでは「平成20年(2008年)8月22日に左京区長に、12月9日には文化市民局長に、出張所の存続を強く要望した」ということが書かれております。で、その時の請願内容はですね、「岩倉出張所を廃止しないこと」「岩倉地域の市民が誰でも利用できるコミュニティセンター(会議場)を増設すること」というものでありました。で、同じ時期に、他の住民グループの方からも、いま述べた二点に加えまして、「出張所の取扱業務の拡充を図り、市民サービスの向上を図ること」を求める陳情が提出されております。

出張所が廃止される前の時期にはですね、2013年(平成25年)12月にも住民グループの方が京都市長、左京区長あての要望書を提出されておりますし、2014年(平成26年)9月には京都市会各会派への要望書、そして公開質問状が出されております。

今年度も市長あての要望書が出されているとお聞きしました。そして、今回の陳情書ということでですね、私全部見させていただいたんですけど、過去の分も含めて。すると、やはり地元のみなさんから出されてきた請願・陳情というのは、いずれも「出張所や証明書発行コーナーの存続」を求めてる。そして「役所としての機能充実」を求めておられる。そして「市民の誰もが利用できる会議場などの施設」を求める内容となっております。私はこれが、この地域にお住まいのみなさんの共通した願いじゃないか、こんなふうに思うんですが、まずこの点ご認識いかがでしょうか。

(→平賀・地域自治推進室長)はい、あのー、地域のご要望、ま、過去の経過も含めてあのご紹介いただきました。で、まあ今回の陳情としては、今おっしゃるように証明書発行コーナー存続と機能の充実ということを求めておられる、ま、署名も合わせていただいておるということでございます。

で、あのー、ま、今回ですね、えー営業終了するにあたりまして、あの9月の委員会報告させていただきました。えーその時に、えーその理由としては、えー、そのマイナンバーカードの普及が大きく伸びていると、まあ大きくはこういった状況を踏まえての営業終了ということで、ご説明をさせていただいております。でまあこの委員会報告に先立つ形でですね、えー地域の自治連の会長さんはじめ、えー地域の代表の方に、えーこの間の京都市の経過ですとか、えー今後のその証明書発行コーナーについての我々の考え方のご説明を致しまして、えーまあマイナンバーカードの普及と合わせてしっかり取り組むということもご説明するなかで、一定ご理解をいただいておるということでございます。

えー出張、証明書発行コーナーの存続、あるいは機能の充実、こういったことを求める声があるというのは、えーこれはあの承知をしておりますけども、あのーこれがまあ地域の総意であるというふうには考えておりませんで、えーしっかりと、今回の取組について、まあ引き続き、えー証明書発行コーナーの、失礼しましたマイナンバーカードの普及に取り組む中で、まあご理解を求めていきたいというふうに考えております。

◆やまね/「声があるとは承知してるが、総意ではない」という、まあ大変ちょっとね冷たいお話だと思います。

で、あの岩倉地域の人口動態についてもお聞きしておきます。2010年当時の請願文書表を見ますと、1974年(昭和49年)当時13300人だった岩倉の人口が、2010年当時には「26000人強」となったことが紹介されております。今回の陳情文書表にはですね「3学区で28000人ほどの人口」というふうにあるわけですけれども、この地域では、やはりその、2015年に出張所が証明書発行コーナーになった後もですね、人口が増え続けているんじゃないかなと思うんですが、最新の数字、分かりますでしょうか。

(→平賀・地域自治推進室長)はい、ええと、令和2年に実施されました国勢調査の時のあの数字でご紹介をさせていただきたいと思います。えー岩倉地域、ま、3学区ございます。で、その3学区の合計が、えー28922人、ということでございます。

◆やまね/分かりました28922人ということですので、あのー、ま、昨年9月のですね、先ほどもありましたけれども、当委員会で議論した際には、それぞれの証明書発行コーナーについて「みなさん便利にご利用いただいているのではないか」と室長から答弁もありました。で、今も人口が増え続けている地域であります。そういう地域で、2015年に出張所が廃止されて、それに伴い設置された証明書発行コーナーがですね、そのわずか7年後に廃止されるというのは、あまりに住民のみなさんに冷たい対応ではないか、ということであります。

で、現在の証明書発行コーナーはですね、元々の出張所の1階に設置されて、2階は地域住民のみなさんが使える場所となっているとお聞きしているんですけれども、今回、その証明書発行コーナーが廃止されたら、「住民が使ってる2階部分も使えなくなるのか」と、ちょっと不安の声も寄せられているんですけれども、この点今後、1階部分、2階部分それぞれどうなるか、教えていただけますでしょうか。

(→平賀・地域自治推進室長)はい、えー、まずあの、出張所からまあコーナーに移行してから、えー、年数もあまり経ってないなかでの廃止については、えー早すぎるんじゃないかという点ですけれども、まああのー、従来から申し上げておりますように、まあコンビニ交付サービスを開始しておりますことですとか、えーマイナンバーカードの普及の状況、まあ状況の変化を踏まえた、えー営業の終了であるということでございます。ちょっと重ねてご説明をさせていただきます。

で、えー今現状ですね、あの2階は今ご紹介いただきました通り、岩倉の地域交流センターとしてご利用いただいております。で、まずこちらにつきましてはあの、ま、左京区役所が所管をしておりますけども、まあ地域とのお話し合いの中で、えー令和6年度中(令和7年3月末)までを、おー使用期限として、お貸しするということに致しておりますので、えーその点は、えーそこまではあの変わりなくご利用いただけるということでございます。

で、1階部分につきましては、えーまあ地域からの声もございますので、えーまあどういった活用が、あーできるのかということについては、えー左京区役所中心に、検討させていただきたいと考えておりまして、現時点では未定でございます。

◆やまね/あのーやはり地域のみなさんが、使える場所というのは今後も、しっかりと確保していただく必要があるというふうに思います。

それであの、陳情文書表にありますように、出張所だった時からですね、「乳幼児健診をできるようにしてほしい」とか、それから「保険証の手続きをできるようにしてほしい」とかですね、証明書発行コーナーの廃止ではなくて、むしろその機能を充実させてほしいとの声がたくさんあった。で、今回ですね「色々な手続きをする際、岩倉から松ヶ崎の区役所まで行くには、バスを乗り継がなければならず、市バスも1時間に1本で大変だ」という声ですとか、それから「毎年豪雨などの災害も起こり、地域へのきめ細やかな支援が求められ、そのためにも住民に身近なところに役所があってほしい」という声もあるわけですけれども、本当に重要だと思います。こういった声にこそですね、応えるべきだというふうに改めて強調しておきたいと思います。

で、向島の議論の際もそうだったんですけれども、あのまあ今の説明もありましたように、とにかく「マイナンバーカードを取得すればコンビニ交付サービスが利用できるんだ」と、これの一点張りと言いますか、あーなんですね。で、そこでちょっと改めて確認しておきたいんですが、その後、マイナンバーカードの取得率と申請状況、先ほど、ご説明の時に、市全体の数字は、申請率が51.4%、で、交付率が42.8%ということでしたけれども、左京区の数字についてちょっと教えていただきたいというのが一つとですね、それから向島の陳情を議論した際にはですね、「コンビニ交付サービスではいくつかの証明書が発行できない」ということもお答えになっておられまして、「向島の場合、コンビニ交付では対応できないのが、全体の発行件数の11%余り」というご答弁もありましたけれども、岩倉の場合は、コンビニ交付で対応できないものは発行件数のうち何%ほどあるのか、この点はいかがでしょうか。

(→臼山・マイナンバー・業務改革推進担当部長)はい、まずマイナンバーカードのあの交付率、申請率ですけども、1月末現在でですね、あの左京区ですけれども、交付率が43.3%、申請率が52.4%となっております。

であの、先ほどあのコンビニ交付で対応できないサービスというところで、えー岩倉出張、あ、岩倉証明書発行コーナーのほうで、えー発行できない証明書のほうがですね、えーこちらで把握している数字としてはだいたい、えー1割、約1割となっております。

◆やまね/えっと左京区の数字としては、えー交付率が52.4、あ、えっと申請率ですね、申請率が52.4、交付率が43.3ということでありました。で、約1割ほどは利用できないということで、コンビニではですね、利用できないということでした。

で、あのー国もですね、京都市も「令和4年度末までにほとんどの住民がマイナンバーカードを取得していただく」ということを言っておられる。で、国が普及のためにこれまで税金を数千億円投入して、さらに今後数兆円投入してですね、必死になって誘導して普及しようとしても、今お答えいただいたように、ま、半分程度の申請率、交付率、であります。私はですね、この程度の到達っていうね、現状を見ればですね、これこそ、もう税金のムダ使いじゃないかと。で、この、こういうお金の使われ方に対してですね、むしろ私は、自治体は、批判的な視点を持つべきじゃないかというふうに思うんですね。現状はとても普及したとは言えない状況ですので、これ京都市の説明がですね、説明になっていないということも改めて指摘しておきたいと思います。

今回の岩倉をはじめ、嵯峨、西院、向島など、多くの住民、そして事業者の方がですね、証明書発行という最も基本的な行政機能を利用しにくくなるということは、私は重大な後退だというふうに思います。行政の責任放棄だと言わざるをえないということも言っておきたいと思います。

最後に紹介して終わりますけれども、混雑が非常に激しい右京区役所ではですね、あのこれまで毎年この時期になりますと、「証明書発行コーナーをご利用ください」というですね、案内の貼り紙までして、お知らせをされてたということもお聞きしまして。ですからこれまで、そうやって区役所で案内してきたこととも矛盾する。さらに住民の願いとも矛盾する逆行することを今やろうとされてる。改めて証明書発行コーナーの廃止は撤回をしていただきたいということと、そしてやはり防災の観点で見ればですね、行政機能の統廃合とか集約化っていうのはね、もはや私は時代遅れだというふうに思うんです。これからの時代は、細かい単位できめ細やかに行政機能を充実させていくことこそ必要だと。改めてこの点を厳しく指摘をして、終わりたいと思います。以上です。

2022年3月17日【文化環境委】文化市民局/陳情審査「岩倉証明書発行コーナーの存続」

(更新日:2022年03月17日)