◆やまね/よろしくお願いします。まず私からはですね、スポーツ基本法についてのご認識、うかがっておきたいと思います。スポーツ基本法は、その前文で「スポーツは、国民が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活を営む上で不可欠のもの」「スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは全ての人々の権利」ということを明記しております。そこでお聞きしたいのはですね、京都市も、当然この立場でスポーツ行政にあたっていると思うんですけれども、この法の趣旨から言えば、「お金を出せる人しかスポーツを楽しめない」、こういうことではいけないと私は思うんですが、その点のご認識はいかがでしょうか。
(→平松・市民スポーツ振興室長)まずスポーツ、どなたでも、市民含めですね、平等にスポーツを楽しんでいただける、それは、男女もそうですし、年齢的にもそうですし、障害の有無も含めてそうですけども、そういったことが大事だと思っておりますので、我々もそういった、誰もが楽しめる、スポーツ振興というのが大事だというふうに考えております。
◆やまね/今言っていただいた通りだと私も思います。今日色々スポーツ施設についてのお話もいくつか議論ありましたけれども、少なくともこのスポーツ基本法の趣旨というのはですね、スポーツ施設の整備やその利用にあたって、「受益者負担を進めるべき」というものではないと、いうことを強調しておきたいと思います。
次に、市民スポーツ振興に関わって京都マラソンについてお聞きしたいと思います。新年度も1億5200万円の予算が計上されておりますけれども、党議員団の要求資料として「これまでの京都マラソンにおける外部委託経費と委託先一覧(平成23年度~令和2年度分)」を提出していただきました。その資料によりますと、総事業費は毎回約6億数千万円規模、そのうち外部委託費が4億数千万~5億数千万円規模となっていると思います。その外部委託費のなかで目立つのがですね、大手広告代理店・電通への支出であります。第1回目は外部委託費の100%(5億5300万円)が電通に支出されていると。その後少しずつ分割発注されるようになっておりまして、令和元年度の大会では12の業務に分けて発注されております。
そこでお聞きしたいんですけれども、一つは、電通への委託料の総額は、これいくらになるのかということ。それから二つ目に、2回目以降(平成24年度以降)は、分割発注を増やしてこられたわけですけど、その理由が何かということ。それから三つ目にですね、その分割発注を増やした後も、「運営業務」についてはずっとこの電通が委託されているわけですけれども、これプロポーザルでされていると思うんですが、この運営業務について応募されているのは電通の他にないのかどうか、この三点いかがでしょうか。
(→川口・京都マラソン・ワールドマスターズゲームズ担当部長)はい、京都マラソンの運営に関する、外部への委託業務についてでございます。まず一点目の、電通へのトータルでの発注金額、今手元に詳細な数字はございませんが、だいたい40億円ぐらいじゃないかなというふうに想定致します。
二点目の、分離発注の理由でございます。こちらにつきましては、第1回のマラソンを実施した際にですね、歳出超過が問題であるということで、市会からも付帯決議をいただいたことを深く受け止めまして、私たちとしてできる改善策はないかということで取り組みました。すなわち、できるだけ競争性を導入することによって、支出を削減しようという趣旨で取組を始めたものでございます。
三点目の、電通への運営業務についてなんですが、これあの、ランナーの受付、それから競技の運営、それを支えるボランティアの仕事、こういうことを中核とする、非常に一体的な業務となっております。これにつきましては、プロポで、受託者を受け付けるわけですが、現在のところ、えー、エントリーは電通のみとなっております。以上です。
◆やまね/分かりました。あの電通へ委託された総額、これまあいただいた資料足してみたんですけれども、だいたいこれまで総額35億6417万円ということでですね、総事業費の合計約57億円の62.5%、委託費の合計約45億円の79.1%ということになっております。で、今ですね、2回目以降に分割発注を増やしてきたという理由のお話の中でですね、「歳出超過」の問題、それから「競争性」の問題ということでふれられたんですけれども、つまりこれ、第1回目はですね、電通に全て委託したことが結果的に高額な運営経費につながったというご認識なんでしょうか。いかがでしょう。
(→川口・京都マラソン・ワールドマスターズゲームズ担当部長)はい、第1回目の発注が、まあ高額なあの結果につながったかどうかということでございますが、まず明らかなのはその、えー1社だけに発注したというところはその通りですが、それが高額であった理由になったかどうかというのは、様々な観点があると思いますので、そのことが直ちに結果に結びついたとは、まだあのそういう分析はしておりません。
◆やまね/それでもう少しだけお聞きしますけれども、電通には分割発注を開始した平成24年度以降も毎回「運営業務」として3億5000万円前後が委託されているわけですけれども、一番割合の少ない令和元年度でも委託費全体の3分の2以上ということになっておりまして、であの資料としていただきたいと思います。この電通がおこなっている「運営業務」とは具体的にどのような業務なのか。企業への協賛金集めも含まれてると思うんですけれども、内訳というか詳細というか、分かるような資料、まあ出せるんであれば契約書なんかを資料として出していただきたいというのが一つとですね、今後も分割発注を広げていこうということは考えておられるのかどうか。この二点いかがでしょうか。
(→川口・京都マラソン・ワールドマスターズゲームズ担当部長)はい、まずあの一点目の資料要求の件でございますが、えーどのようなものを出せるか、あの当然あの何某かのものをお出しする方向で検討致しますが、ただし内容について、公表できるかどうかについては十分検討する必要があるかと思いますので、検討のうえ提出させていただきます。
二点目の、分割発注についてでございますが、あのー、ま、現状で良いということでなくてですね、基本的にどのようなことが一番合理的なのか、今後も検討してまいりたいと考えます。以上です。
◆やまね/あのやはりですね、これまでの委託料の7~8割を占めるこの「運営業務」の応募が、電通1社のみということは、私はこれでいいんだろうかってことは率直に思いますし、やはり京都市が主催する市民参加型のですね、マラソン大会ということですので、より多くの市民が気軽に参加をしていただける、そして、より多くの地元企業のみなさんに支えていただけるような大会にすべきだということを思っています。
この間はですね、この1年2年は「オンライン開催」なんかで工夫もされてきたと思うんですね。本当にコロナ禍でのスポーツイベント開催に多くのみなさんが苦労されていると思いますし、それは文化市民局のみなさんもですね、本当に苦労されているというふうに思います。改めて、スポーツというのが、けっして不要不急なものではなく、冒頭申し上げたように、健康で文化的な生活に不可欠なものである、この立場でですね、市民のみなさんのスポーツをする権利を保障するためにがんばっていただきたいと、要望して終わります。以上です。
2022年3月7日【予算特別委】文化市民局/スポーツ基本法への認識と京都マラソンについて
(更新日:2022年03月07日)