◆やまね/よろしくお願いします。私からはですね、南部クリーンセンターの運営に関わって、特に新しくつくられましたバイオガス化施設について、お聞きしたいと思います。建設費はですね、約30億円ということが言われていたと思います。事前の聞き取りの中では、「南部クリーンセンターの大規模改修は建替から20年後」「その後15年以上は動かしたい」ということで、トータルで35年以上は動かしていきたいというふうにお考えだと思うんですけれども、そこでまず現在ですね、稼働開始から約2年半ぐらいだと思いますけれども、ここまではこのバイオガス化施設、トラブルなく順調に動いているということなんでしょうか。いかがでしょうか。
(→藤原・適正処理施設部技術担当部長)南部クリーンセンターのバイオガスの稼働状況です。令和2年度が丸々1年分、実績が出てございますので、令和2年度で言いますと1万8400トンの紙・生ごみを処理して、発電量が7500MW/H、稼働日数は364日ということで、ほぼパーフェクトに運転をしております。稼働日数平均にしますと、1日当たり50.5トンの処理、発電量は2万500KW/H、ということで、売電収入1.9億円収入しております。
あの、細かなトラブルというか、えーごみが詰まったり、いろんなものが出てきたり、いうような状況はありますが、この稼働実績を見ますと、順調に稼働しておりました。ただまあ令和3年度におきましては、4月5月6月で一部改修工事を実施しておりますので、令和3年度の処理実績はちょっと令和2年度よりも下がるものと思っております。
◆やまね/私どもですね、共産党議員団としては、この施設の導入前にですね、他都市の先行事例なんかを踏まえたうえで、いくつか問題点を指摘をさせていただいてきました。
例えば、家畜の糞尿とか生ゴミとか、ごみをかなり限定した形でやる、バイオガスを発生させるのじゃなくてですね、「家庭ゴミとか木くずとか、そういうものをそのまま機械選別にかけるやり方」ですよね。これは「ごみ分別の流れに逆行するのでは」ということを一つ指摘してきたのと。それから、そのことによってですね、破砕・破袋施設や選別装置のところでですね、例えば「100円ライター、最近多いリチウムイオン電池とか、こういうものが爆発したり発火したり、そういうことが起きるんじゃないか」とかですね、「長い布状のものが機械の中にからまったり」だとか、あるいは「砂が詰まったりするんじゃないか」ということも指摘をしてきましたし。それからメタン発酵槽、あるいは配管の中にですね、そういう砂だとか、残渣なんかが詰まったりするんじゃないかということも事前に指摘をしてきたわけであります。
今もおっしゃっていただいたんですけれども、今回党議員団が要求した資料「南部クリーンセンターのバイオガス化施設の稼働実績」によればですね、稼働開始から1年半後の、先ほども言っていただきました令和3年4月~6月、昨年ですね、「脱水機の移設のために計54日間停止」をしてると、いうことであります。ちょっとその中身を教えてもらいたいんですけれども、一つは、「なぜこの脱水機の移設が必要になったのか」ですね。脱水機に何かトラブルがあったのか。それとも他の理由なのか。それをまず教えていただきたいということと。それから「移設後は順調に稼働してるのかどうか」ということ、これが二つ目。三つめは、資料として出していただきたいんですけれども、「脱水機は元々どこに設置していて、それをどこへ移設したのか」、このビフォーアフターが分かるような資料を出していただきたいと思いますがいかがでしょうか。
(→藤原・適正処理施設部技術担当部長)あの脱水機の移設、まずあの脱水機の移設後の状況ですけれども、だいたい1月当たり1500トン~1800トンの処理ができております。あの、順調に稼働しているということを先に回答させていただきます。
で、脱水機移設の元々の原因なんですけども、先ほど議員から指摘ありました、他都市でのトラブル事例を踏まえまして、設計を進めてきました。ということで、その部分についてはうまいこといってるんですが、少し調子にのりすぎまして、そのルートをですね、長くしすぎた、長くしすぎた。あの、ジュースを飲む時に、ストロー、普通のストローだと飲めると思うんですけど、これおもちゃの長―いストローなんかになると、かなりあの、吸うパワーがいると思います。それがあの、その、発酵槽のところの汚泥を排出するラインですので、ドロドロなんですね、ジュースではなくてシェイクみたいな状況なので、まさにこれ長いストローだと、かなりしんどい。その、動力のパワー、あの電気的パワーもいるし、人間のパワーもいると、いうことで非常に効率が悪かった。
で、なぜそうしたかと言いますと、脱水機は工場棟の中に設置してまして、その真下に排水処理があります。つまり脱水機で絞った水が、自然流下で排水処理に行くということで、機器点数が減らせるということで、このほうが効率がいいだろうという設計思想のもとに配置を進めてきたんですけども、先ほども言いましたように、少し配管を長くしすぎまして、非常に効率が悪いということで、100mのルート、半分のところに脱水機を持ってきて、で、脱水機で絞った水というのは液体ですので、ハンドリングが簡単です。ポンプがあればさっと動かせます。ということで、効率面、を考えて、えー移動させたということです。あの、機器の元あった箇所と、現在動かした箇所の図面については、あの資料で提出させていただきます。
◆やまね/えっと今そしたら、脱水機というよりも、そこに至るまでの過程のところですかね、ちょっと問題があった。で、「非常に効率が悪かった」というお話ありました。つまりそのメタン発酵槽から出てきたものを、脱水機に送るまでの配管ですかね、そこ、脱水機に届くまでの効率が非常に悪かったということだと受け止めましたけれども。であの、冒頭のご答弁では、「令和2年度は丸々パーフェクトだった」ということだったんですけれども、その時にはそういうトラブルというのはなかったんでしょうか。それとも少しずつ少しずつ悪くなっていってしまったのか。この辺りいかがですか。
(→藤原・適正処理施設部技術担当部長)はい、あのこのプラントをつくりましたメーカーと現在運転委託を、これ瑕疵期間ですので、同じメーカーに運転監視を委託しております。つまりあの、効率が悪い部分はですね、あの非常にその運転委託の業者ががんばったということで、あのちゃんと性能を出したと、いうことです。あの、いろんな効率が悪い中でも、えー電気はちょっとようけ使ってますけども、現場の職員、委託の職員が、かなりがんばったと、いうことで性能を発揮したということでございます。
◆やまね/あの、ちょっと今のお話を聞いていると、効率が悪い中でがんばって運転をしてきたってことですので、私はちょっととても「順調にいっていた」とは言えないんじゃないかなと、今お話を聞いていて思いました。やはりその2カ月近くも運転を停止して、わざわざ脱水機を移設せざるをえないようになったと、いうことですので、これあの、おそらくそういうふうに脱水機を移設したいというのは、請負業者のほうからの提案というか、こうしたいんだけれどもというのがあったのかなと思うんですが、京都市の判断を少しお聞きしたいんですが、京都市は、京都市としては、脱水機の位置がそのままだったらやはり運転は難しいだろうという、京都市もそういう判断をしてるっていうことなんでしょうか。いかがでしょうか。
(→藤原・適正処理施設部技術担当部長)はい、あの発注仕様書では「効率的な機器配置にして、効率的に運転できるようにしなさい」ということを求めておりますので、京都市としても、この効率の状況では、いかがなものかと、いうことでございました。ただまああの、クリーンセンターの運転において、その、いろんな詰まりが発生したり、機械が順調に動かないっていうのは、日日発生、あの我々の感覚から言うと、普段普通に起こってることなので、その辺の考えはちょっと違うかもしれません。
◆やまね/もちろんね、色々小さな不具合が起こるということは当然だと思うんですね。それを直しながら、いろいろメンテナンスしながらやっていくというのは当然ですけれども、少なくとも設計段階では、もっと別のところに脱水機を置いていたわけですよね。設置していた。当然それでできるはずだということで設計をされたと思うんですね。ところが、そのままの位置では正常な運転がやはり難しくなっているということは、私は極めて重大な問題ではないかなというふうに、お話を聞いて思います。
やはりですね、そういうまあドロドロしたその汚泥というんですかね、出てきたものがなかなかうまく運ばれないという問題はですね、まさに施設導入前に私たちが指摘をしてきた問題であります。で、「脱水機を移設した後は同様の問題は起こっていない」ということなんですが、「順調に」ということなんですけども、しかし、こういう汚泥というか砂というか残渣というか、こういうものが詰まるというのは、脱水機に行く前の段階で起こっているわけですから、私はこれ脱水機の場所を移設したとしても、根本的には解決しない問題じゃないかということは指摘しておきたいというふうに思います。
次に京都市の財政負担についても少しお聞きしたいと思います。こういう事例がありますとやはり今後のランニングコストが、少し心配になってくるわけですけれども、日常の保守管理費用というのはこれ、京都市なのか、請負業者は日立造船だったですかね、どちらが持つことになっているのかというのは一つ教えていただきたいのと。それから二つ目にですね、今回の脱水機の移設というのは、あのちょっと日常の管理、保守管理の範囲とは言えないんじゃないかと思うんですけど、これ「脱水機の移設」にはいくらくらい費用がかかっているのかですね、分かれば教えてほしいのと、これは京都市、日立造船どちらの負担なのかということです。三つ目にですね、先ほどもありました瑕疵担保の期間があると思います。施設の設備・部分によって違うと思うんですが、「最大5年」くらいの瑕疵担保が期間が設定されてたと思うんですけど、仮に瑕疵担保期間を過ぎた後にですね、どういう場合に京都市の費用負担が発生するのか、ちょっと教えていただけたらありがたいと思います。
(→藤原・適正処理施設部技術担当部長)はいあの、運転監視は委託しています。あの軽微な修理っていうのはその中に入っています。けれどもオーバーホールですね、令和2年度だと、ガスエンジンの点検とか、いわゆるそういう法定点検の部分が保守管理の経費になります。そういう部分については京都市負担ということでございます。
それとあの、金額の負担割合なんですけれども、これ脱水機の移設については、発注仕様書で言う効率の部分で問題があるだろうということで、当初から日立造船のほうが、プラントメーカーのほうが、負担をするということで話がついておりましたので、あのこれにかかった経費というのはすいません我々承知をしておりません。
それと、瑕疵担保期間5年、通常の設計をして発注する業務でありますと瑕疵担保期間1年でございます。で、今回、この南部クリーンセンターの建設にあたりまして、性能発注ということもありまして、1年は無理ということで、京都市からは3年を要求しておりました。最終的にその契約の中で、プラントメーカーから「5年」という提案がありましたので、5年の瑕疵担保期間を設けております。ということで、この5年の瑕疵担保期間を超える部分については、当然のことながら京都市ということになります。また、この5年の中におきましても、そのトラブル、要するに摩耗とか、そういうことで「経費がなかったので、かなり摩耗してるのは分かってるけれども、整備しなかった」というふうな箇所の修理についてはまた京都市になります。
ただし、5年を超えてもですね、どう考えてもこの設計は間違いじゃなかったのかということで、先方と協議をすることは可能だと思っておりまして、事実あのどこのクリーンセンターかちょっと言えませんが、あの、稼働8年くらいだったかな、経ってから、ここの設計というのは本来稼動部品を使うべきところが固定部品使われていまして、その部品の交換なんかにつきましては、京都市負担せずに、プラントメーカー持ちでやっていただいたというような事例もございます。
◆やまね/分かりました。瑕疵担保としては5年だけれども、設計に瑕疵がある場合は、それはメーカー負担になる場合もあるということですよね。分かりました。まあ注意深く見ていきたいと思います。
もう一つ確認しておきたいんですけれども、破砕・破袋施設や選別装置で除去されたものですね、それから脱水機で出る残渣、これはどれぐらいの量が出るものなのか、それが一点。それからもう一つはその出てきたものですね、残渣ってのは最終的にごみピットに戻るという理解でよろしかったでしょうか。いかがですか。
(→藤原・適正処理施設部技術担当部長)はい、あの先に言ってしまいますと、残渣は、脱水残渣、あの水分絞った残渣はごみピットに返って、ごみピットに入って燃やされます。まああの、そこで再度、熱エネルギーの回収が行われるということです。
選別装置であの選別されるもの、基本的に、生ごみ紙ごみを発酵槽に送りたいという目的を持ってますので、選別装置、ごみを入れますと選別装置から出てきた弾かれたごみのほうはプラスチックとかその他の部分が約60%ぐらいになってます。あの発酵の原料になる生ごみも残り4割ほど含まれていますが、ほぼあの不適合なものは除かれてると。で、発酵槽に入るほうは、生ごみ紙ごみが7割と、プラスチックごみについては1割ぐらいまで、あの選別機の機能は非常に優秀に働いております。
またあの京都市の燃やすごみ袋に入っているごみを対象に処理をしているわけですけれども、ええ、まああの、ボーリングのボールとか、漬物石とか、フルフェイスのヘルメットとか、あのとんでもないものも入ってまして、まあそういうものも入ってるだろうという前提で設計を進めてますので、そういうものは選別機に入る前に弾かれる、えっとまあ最終的には人間が取り除かないとダメなんですけど、そういうところで機械を壊さないように安全に停止するというふうな仕組みを取ってございます。
◆やまね/そうすると、そういう選別で弾かれたものですね、バイオガス化施設の中に入れるのは好ましくないもの、あるいは最後の最後出てきたものは、これはピットのほうにもう一回戻って、焼却のほうに回るっていうことだと思うんですけれども。
あのこのこれ、今ですね私手元に南部クリーンセンターのパンフレットがあるんですけれども、このバイオガス化施設のフロー図ですね。これ見ますとですね、要は残渣だとか、選別装置で弾かれたものが、先ほども言いましたようにごみピットに戻るってことになってるわけですよね。で、ということは、選別装置でバイオガス化施設に適さないとしてはじかれた、最終的に残渣になったものが、再びごみピットに戻って、それがまたバイオガス化施設の中に投入されるってことになるのかですね。少なくともこの図ではですね、グルグル回っているようなですね、図になってるわけです。これあの残渣も含めて、もう一度バイオガス化施設に投入するってことになればですね、それこそ目詰まりの原因を自ら作っているようなことになりかねないと思いますし、もしそういうことになっているのであれば大もとの構造に問題があるんじゃないかということになるんですけど、少なくとも先ほど言われたようにですね、残渣だとか出てきたものは、焼却に行くとかリサイクルに行くとかですね、そういうふうにならないとおかしいんじゃないかなと思ったんですが、その点はいかがでしょうか。
(→藤原・適正処理施設部技術担当部長)すみません先ほど一つ忘れてましたあの、発酵残渣がごみピットに返るんですけど、その量というのはすいません、投入するほうはクレーンで測ってますので分かるんですけども、発酵槽から出てきたものについては測る方法がないので、すいません量は分かりません。
で、先ほどの選別の残渣、発酵の残渣は、ごみピットの、あの広いエリアの、入る、落ちるところが分かってます。だから、そこは、えーバイオガス化施設のホッパーに入れる時には、そこはつかまないような工夫というか、そういう自動運転の、ごみクレーンの自動運転のシステムになってますので、もう一回入ってしまうというようなことはございません。
◆やまね/もう一回入るようなことはないと。当然だと思うんですよね。ですので私ちょっとこれも資料でいただきたいんですけども、選別残渣はごみピットには戻るけれども、バイオガス化施設の中にもう一度入ることはないってことですので、選別残渣がですね、ごみピットのどの場所に戻って、バイオガス化施設に投入するごみはピットのどの部分から取っているのか、ちょっとそれが分かるようなですね、図で示していただくか、また資料でいただきたいと思います。
それから、これは最後申し上げて終わりたいんですが、やはり私は家畜の糞尿だとか生ごみだとか、そういうごみの種類をですね、内容を限定したものであれば、トラブルってのはもっともっと少ないんじゃないかなっていうふうに思いますし、この間増えているリチウムイオン電池だとか、瓦礫だとか、木くずだとか、本当にその分別の不十分なごみを機械選別しているなかではですね、どうしても今後も同じような問題が起きざるをえないんじゃないかと、いうことを指摘しておきたいと思いますし、このような施設をですね、瑕疵担保期間が過ぎてから30年以上動かせば、これはとんでもない金食い虫になる可能性があるのではないかと、このことも指摘して、今後もしっかりした検証が必要だということを求めて、最後終わりたいと思います。
(→藤原・適正処理施設部技術担当部長)はいあの、要求のありました資料については提出させていただきます。あのついでに言うとあの、リチウムイオン電池はですね、あの非常に問題なので、その分の対策っていうのは、非常に念入りにさせていただいております。以上です。
2022年3月4日【予算特別委】環境政策局/南部クリーンセンターのバイオガス化施設について
(更新日:2022年03月04日)