御香宮前の公衆トイレ撤去について(2021年11月9日/文化環境委・環境政策局・やまね)

◆やまね/10月に環境政策局から「御香宮前公衆トイレの撤去について」という説明資料をいただいた。現在、御香宮神社の前にある公衆トイレを、歩道拡幅・バリアフリー化工事に伴って、それに先立つ形で、来年1月にトイレを利用停止し、3月中旬までに撤去するというもの。

まず確認したいのは、過去にバリアフリー化を理由に公衆トイレを撤去した事例があるのかどうか。それからもう一つは、今回の公衆トイレ撤去は「行財政改革計画」とは関連があるのかどうか。この二点いかがか。

(→張田・廃棄物指導・生活環境担当部長)過去にバリアフリーを理由に公衆トイレを撤去した事例があるかということだが、過去、公衆トイレ、民地を京都市以外の方から土地をお借りして設置しているようなものについて、その土地の所有者からの要請で撤去したり、そういう事例はあるが、バリアフリーというものを直接理由にして撤去した事例というのはない。

次に本件の撤去が、行財政改革計画と関連するかということだが、これは議員もご紹介いただいたように、今現在その公衆トイレがある大手筋通りのバリアフリー化の工事を建設局で進めており、いま当該トイレが歩道上に位置しているが、歩道を約90cmほど広げると、新たな広げた後の歩道のちょうど真ん中に公衆トイレが来るということで、この場所では歩道の通行の支障になるということで撤去するものであり、直接、行財政改革計画によって撤去するというものではない。

◆やまね/そうすると、バリアフリー化に伴って公衆トイレを撤去した事例はないと。行財政改革計画とも直接関係ないとのこと。だから公衆トイレを環境政策局としてこれからどんどんなくしていく方針を持っているわけではないと思う。ただ、いまおっしゃられたように、今回の撤去の判断となったのは、「建設局からバリアフリー化工事に伴い撤去を求められた」ということだと思うが、私は、ただこれ本来は、バリアフリー化工事の問題と、公衆トイレを存続させるかどうかというのは別の問題じゃないかと思っている。

もう一つ確認したいのは、建設局から環境政策局に話があったのは「昨年度」ということはお聞きしているが、昨年度のいつの時点か。それからその時に、環境政策局として「トイレを存続させる」あるいは「少しずらして移設する」というようなことを議論されなかったのかどうか。この点いかがか。

(→張田・廃棄物指導・生活環境担当部長)まず、建設局といつ頃からそうした話をしてるかということだが、昨年の6月頃からそうしたようなお話は建設局との間でもさせていただいているが、その中で何とか残せなかったのかという趣旨だが、先ほど申し上げたように、バリアフリー工事で車椅子等も通行できるように道路を拡幅するわけだが、そのまま今現在の位置にあると。道路の真ん中になるが、仮にこれをどちらかに寄せるというふうにしたとしても、十分な幅が確保できないという状況なので、この道路上、現在の位置の近くに移設するのも難しかろうということで、もう撤去せざるをえないという判断をしたもの。

◆やまね/まあちょっと今日ね、写真持ってきたらよかったが、現在もトイレの北側は1m以上スペース空いている。今回、いまおっしゃったように車道側に90cmほど歩道を拡幅するということだから、トイレを私は南北どちらかにずらせば、歩道を拡幅したうえでトイレも存続させることができるんじゃないかと。また、「今のトイレがなかなか使いにくい」という声もいただいてはいる。地元のみなさんから。だから、「それを使いやすいものに改善することこそバリアフリーじゃないか」という声もいただいており、やはりなぜトイレもバリアフリーをして移設しようという話にならなかったのかが残念なところだ。

今もあったように「車いすが通れるように」ということでおっしゃられてるのが「だいたい2mの歩道幅を確保したい」とのこと。ところが今回、トイレの場所の東側にタクシー乗り場を新たに設置する。さらにその東側には御香宮さんの灯篭がある。二つ大きな。それも実は今回移設をしていただいて歩道を確保するということだが、その場所は2m幅確保できているのか。

(→張田・廃棄物指導・生活環境担当部長)申し訳ございません。灯篭については建設局のほうからご指摘のように「場所をずらして移設をする」とは聞いているが、幅がどれくらい確保されているかというのはちょっと存じ上げていない。

ただ本件については、議員もご紹介いただいたように、このトイレ自体元々かなり古い、当初できたのは昭和12年からのトイレということで、小便器が1器と男女共用の個室が1器しかないというようなもので、快適に利用していただくためには、バリアフリー化をするとさらにトイレをもう少しスペースを取らなければならなくなるということで、なおこの歩道上に設置をした場合に、十分な通行幅が確保できないということにもなろうかと思うので、そうしたことも踏まえて撤去という判断をしている。

◆やまね/御香宮さんは非常に大事な灯篭をセットバックして歩道を確保してくださる。建設局に聞くと、「1.5mの幅です」と。「2m取れない」と言う。そうすると、今回のトイレがある場所は、南北に移設すれば、少なくとも1.5m以上のスペースは確保できるんじゃないかと。なのにトイレは撤去となってるのは、やはり説明になってないと思う。

局として、この間「公衆トイレの新設はしない」とおっしゃってるが、ただ今回の件は新設ではなく「移設」というか、「現に存在するトイレを無くすかどうか」という話なので、性格が違うと思う。私は結局のところ、環境政策局が財政的な理由で、移設をせず撤去するという判断をしたということじゃないかと思うが、その点いかがか。

(→張田・廃棄物指導・生活環境担当部長)先ほど来申し上げている通り、あくまでバリアフリー工事の結果、歩道の支障になるということで撤去するもので、財政上の理由ではない。

◆やまね/ちょっとそれはなかなか、先ほど私は歩道の幅を指摘したように、説明にはなってないんじゃないかと思う。

この場所はご承知の通り、毎年秋には御香宮さんのお祭りも開かれて、大変賑わいも生まれる場所。現在はコロナ禍で2年連続でお祭りが中止になってしまったが、当該トイレは、お祭の関係者のみなさん、さらに桃山御陵方面へウォーキングされるみなさん、伏見区を訪れる観光客のみなさん、地域のみなさんが使ってこられた公衆トイレだし、京都市としても市内中心部や伏見稲荷だけでなくて、伏見区の南部地域にもぜひ観光客のみなさんに来てもらいたい、そういう戦略と思いを持っておられると思う。そういう時にこの観光地にある公衆トイレを撤去してしまうというのは、いかがなものかという思いはやはり述べさせていただきたい。

最後に、やはり地元のみなさんのお声も非常に大事だと思うので紹介をしておきたいが、「そんなこと知らなかった」「なぜ撤去するのか」という思いもたくさんある。確かにバリアフリーは大事だから歩道はぜひ拡幅してほしいということももちろんあるが、地元のみなさんからきちんとご意見をいただいたうえで出した結論なのかということについて私は少し疑問があるので、資料を要求したい。

この間説明資料をポスティングしていただいた地域もあると聞いたので、説明資料をポスティングした地域がどの辺りか地図で示していただきたい。学区としては板橋学区・南浜学区・桃山学区、三つの学区が関係しているわけだが、そういう地域のみなさんにどう説明されたのか。それから商店街、御香宮さん、お祭り関係者のみなさんに、地元説明の状況が分かるような資料をまとめていただけないかと思うがいかがか。

(→張田・廃棄物指導・生活環境担当部長)地元の住民の方へのご説明の状況については取りまとめて資料として出させていただく。

2021年11月9日【文化環境委】環境政策局/一般質問「御香宮前公衆トイレの撤去について」

(更新日:2021年11月09日)