住民合意のない「通学路の信号機撤去」はやめよ(2021年11月9日/文化環境委・文化市民局・やまね)

◆やまね/通学路の安全対策についていくつかお聞きしたい。まず「ゾーン30」というのがあるが、この設置基準みたいなものがあるのかどうかを教えていただきたいのと、実際いろんなところで設定されてると思うが、「朝の時間帯に見守り活動の方がおられるような時は、一定配慮するような車があるが、そうじゃない時はあまり守られてないんじゃないか」というような声もいただいており、実効性をどう担保していくか、お考えがあれば聞かせていただきたい。

(→津嶋・くらし安全推進部長)すいません、ゾーン30の設置基準については、今お答えがすぐにできないので、また改めて確認させていただきたい。

「時間帯で守られていない」ということについて、ちょっとその情報自体、直接入ってきている状況ではないので、その辺のお声もお聞きして、情報共有、担当部局含めて共有図っていきたい。

◆やまね/大事な施策だとは思うので、どういうふうにそれが守られていくか、その点もぜひ見ていっていただきたいと思う。

資料・別紙2「別冊」p14に「通学路等における交通安全の確保」のところで、「通学路安全プログラム等に基づく定期的な合同点検の実施や対策の改善・充実等の継続的な取組を支援する」とあるが、本市において「通学路安全プログラム」は今どういう枠組で実施されているか。警察・土木事務所・教育委員会などが連携している体制だとは聞いているが、本市において参加している部局・部署、どういうふうに連携しているか。

もう一つ、ここで言われている「定期的な合同点検」とはどのように行われているのか。何をされているのか。定期的な会議があるのか、現地視察がされているのか、活動内容あるいは議論の中身が分かるような記録だとか議事録だとか、そういうものがあればぜひ資料でいただきたいと思うがいかがか。

(→津嶋・くらし安全推進部長)「通学路・児童の移動経路交通安全プログラム」については、この数年間の、大津市であるとか、小学生等が犠牲になる大きな事故があったりということであったりとか、この前6月末にも八街市のほうで大きな事故がったというようなことも踏まえ、本市でも国からの指針も踏まえ、「通学路・児童の移動経路交通安全プログラム」を作成し取組を進めているところ。

その中で、いま組織的には、「通学路の安全推進部会」とか「児童の移動経路交通安全推進部会」というのを立ち上げ、構成者としては、学校関係者(教育委員会)であるとか、道路管理者(建設局や京都国道事務所)、警察署、あとオブザーバーとして区役所の地域力推進室、くらし安全推進課(文化市民局)、交通安全の関係団体とか地元の方にも入っていただき、あとは学識の方にも入っていただいたり。もう一つの部会「児童の移動経路交通安全推進部会」では、今言ったメンバーに加え、京都府の文化スポーツ部(私立幼稚園を所管)とか、子ども若者はぐくみ局(京都市)も新たに加わって、プログラムの遂行にあたっているというような状況。

直近で言うと、八街市の事故を踏まえて、大掛かりな点検、学校関係者の意見も踏まえるような形で、教育委員会中心になって集約して、今後それを取りまとめて対策に順番にあたっていくというような中身で今進められている状況。

◆やまね/直近の活動はそういうことだが、例えば年に定期的に会議をやって、その辺りの議事録とか、資料でもし出せるのであればいただきたいと思ったのだがいかがか。

(→津嶋・くらし安全推進部長)すいません、資料ちょっと出せるかどうかも含めて一度確認してお返事させていただきたいと思う。

◆やまね/この「通学路安全プログラム」ができた時、私は警察・土木事務所・教育委員会、こういうところが連携するということなので、タテ割りのいろんな対応が改善される、非常にいいことじゃないかと受け止めたが、まあところが、実際にこの通学路安全プログラムというのが、どういう活動をしているのかってのが、ちょっとあまり見えてこないということで、地域のみなさんからもご意見をいただいているので、ぜひそれが見えるようにしていただきたいと思う。

例えば、参考資料、京都府の計画中間案に寄せられた意見で、「毎朝、通学路で見守り活動をしているが、車やバイクの運転が荒く、離合しにくい場所は、車が道路幅まで寄せてくるので路側帯の意味がない」というような声もあるが、私の担当する伏見区の桃山地域でも同じような場所がある。JR桃山駅の南側、立売通は桃山小学校への通学路だが、外環から24号線に出る抜け道になっていて、朝の時間帯は車がスピードを出して通行していく。以前、見守り活動をしておられた方は「せめて路側帯を黄色で目立つようにしてもらいたい」と話されていたが、学校から200mまでのところはカラー舗装で路側帯していただいているところあると思うが、一番危険なところがそこから外れてしまっていて白線のみ。それを改善してほしいという要望もあるが、こういう色々学区によってこの場所が危ないとかあると思うが、そういう地域の学区のみなさんが心配しておられる場所について、どういう議論が京都市の中で、あるいはこういうプログラムの中でされているのか、やはりもっと地域のみなさんにも見えるようなものにしていくことが大事じゃないかと思うが、その点はいかがか。

(→津嶋・くらし安全推進部長)交通安全という点で言えば、交通安全条例を所管している文化市民局が担当になると考えている。様々な部局の中で交通安全に寄与する、あるいは交通政策に寄与する取組されている中で、それが交通安全にプラスになっていくということなので、今おっしゃったように、当然、共有して、地元の声を吸い上げる仕組み、そういったものを重要視して、ちょっと順番というのもあるかとは思うが、何ができるか、スピード感を持って取り組んでいく、安心安全のために取り組んでいく、そういう部分をこのプログラム、このメンバー活用して取り組んでいきたいと考えている。

◆やまね/もう一つ、通学路の安全対策に関わってお聞きするが、信号機の問題について。別冊p22「交通安全施設等の整備事業の推進」ということが書かれてある。そこには「令和3年1月に『持続可能な交通安全施設整備等の在り方に関する研究会』でまとめられた提言を今後の交通安全施設整備計画に反映する」とある。「整備事業の推進」ということだが、これは信号機がどんどん充実していくということじゃなくて、むしろ少し逆というか、この「提言」を読むと、「厳しい財政状況も踏まえ(中略)交通安全施設の整備や維持管理方法についての見直しが求められる」と、「信号機の設置、維持管理の在り方についても、より一層の合理性が求められる」ということで、「状況によっては撤去も選択肢として、その総数を適正に管理することを提案する」と。「総数を適正に管理する」ということが書かれてある。そこで聞きたいのは、京都市として、通学路にある信号機についても、場合によっては撤去対象となることを良しとされるのかどうか。この点のお考えを聞きたい。

(→津嶋・くらし安全推進部長)交通安全施設の関係については、京都市の計画の中で言うと、p7「重点施策の2」の中にも「交通安全施設等の高度化による視認性の向上」というようなことを主な取組として書かさせていただいており、やはり事故を減らす、そういった意味で言うと、交通安全施設、信号機や道路標識といったものを例えばLED化、そういったものの中で、視認性を高めていくということは必要だということは、この5年間の計画でも書かさせていただいており、その方向で調整等進めていきたいと考えている。

ただ、元々、今おっしゃったような、「総数の適正管理」という部分で言うと、やはり全体として、交通安全を維持しながら、どうやって高めながらそういう財政状況も乗り越えていくか、というような話になると思うので、通学路の信号機についても、やはりそこの場所が、どういった効果があって、必要、まあ不必要とは言わないが、必要かどうかというのを点検してこと自体は必要かなというふうに考えている。

◆やまね/通学路の信号機についても撤去ということを否定は今されなかったと思う。昨年5月に我が党の塩川鉄也衆院議員が国会でこの問題を取り上げ、昨年5月時点で「全国で2883の信号機撤去計画があり、中には通学路の横断歩道の信号機もある。これは住民理解が得られない。少なくともどこが撤去対象となっているか、住民に周知し、説明会を開き、意見を聞くべきだ」という質問を国会でやった。当時、警察庁交通局長は「『撤去等は地域住民や道路管理者等の関係者と十分調整を』『特に地域住民には撤去の必要性や撤去後の安全性を説明し理解を求めること』と指示している。不徹底であればさらに徹底したい」と答弁があった。私は、京都市でも通学路の信号機撤去が計画されている場所がどれぐらいあるんだろうか、もし住民合意なしにそういうことが進められているとしたら大変心配しているが、文化市民局として、通学路の中にある信号機撤去が計画されている場所とか、そういうものは把握されているのか。

(→津嶋・くらし安全推進部長)すいません、そういったものを把握している状況はない。

◆やまね/把握されていないということなので、ちょっとそれは、私は、交通安全、地域のみなさんと一緒に安心できる歩行空間つくっていくうえでは重要な問題だと思うので、それはしっかり把握していただきたいと思う。

一つだけ事例で言うと、私の地元の伏見区の藤城学区でそういう事態が起こっている。藤城小学校への通学路で墨染通と上板橋通が交差する丁字路に点滅信号があるが、これが撤去対象ということで聞いている。「交通量が多く大変危険な場所でなぜそんなことになるのか」と地元の交通安全の役をされているみなさんも困惑されている。少なくとも「地元のみなさんの同意がなければ信号機撤去は行わない」ということとか、「信号機設置や維持管理のための予算を、ちゃんと国や府が措置してほしい」ということを、ぜひ京都市から要望していただきたいと思うが、この点最後に答弁求めて終わりたい。

(→津嶋・くらし安全推進部長)交通安全の推進にあたっては、地元のご協力というか、市民ぐるみでやっている取組なので、住民の理解という部分は重要かと考えている。必要に応じて当然国にも予算内容含めて声上げていきたいと考えている。

2021年11月9日【文化環境委】文化市民局/理事者報告「『第11次京都市交通安全計画』最終案について」

(更新日:2021年11月09日)