(→久保・保健福祉部長)それでは、陳情第57号福祉・公衆衛生を守り向上させる保健医療施策の検討についてでございます。
まず、1点目でございます。本市では、9月7日の教育福祉委員会において御報告いたしました後、医師会や保健協議会をはじめとする幅広い関係団体に対して、子ども若者はぐくみ局の設置及び区役所、支所の再編に係る案について大枠をお示しし、今後の更なる検討に反映させるため、丁寧な意見聴取に努めてきております。また、現場の専門職からも、各職場の責任者である職制や、あるいは職員団体等を通じて意見を聴き、継続的な協議を行っております。
今後も引き続き、あらゆる機会を通じて地域の関係団体や、また、市内部では職制などとの協議を重ねていくとともに、区役所、支所の再編に係る目的や、その内容について、丁寧かつ分かりやすい説明に努めてまいります。
2点目についてでございます。健康危機事案等の発生時については、これまで行政区ごとに対応していたことから、区域をまたぐ、あるいは広域的な事案等に対して各区の職員の応援体制が必要となっておりました。今後は、集約化することにより職員の専門性を高め、区役所、支所の窓口職員と一体となって迅速かつ的確に対応し得る柔軟な体制を構築することで、健康危機管理事案への対応力を更に高めることができるものと考えております。
一方で、市民からの相談や継続的な家庭訪問を必要とする事業などについては、これまでどおり市民の身近な区役所、支所で実施し、地域に密着したきめ細やかな対応を引き続き行ってまいります。加えて、地域医療の連携については、地区医師会等関係団体と幅広く連携して、区役所、支所に設置する保健福祉センターの健康長寿推進課を中心に地域に根差した取組を進めてまいります。その中で、健康危機管理事案発生時の連絡体制の在り方や、あるいは顔の見える関係など連携体制も整備し得るものと考えております。
3点目です。基本的な考え方として、今回の区役所、支所の窓口の再編に当たっては、新規事業を除いて保健福祉局、子ども若者はぐくみ局、保健福祉センターの総職員数について、増減することなく円滑に業務が行えるように適正な配置に努めていくこととしております。今後、医療衛生部門における業務の在り方を更に検討のうえ、集約化部門及び窓口部門に配置する専門職の人数を検討してまいります。これについては先ほど来の議論にもありましたように、4月ぎりぎりまで検討すべきものであるという風に考えております。
4点目についてでございます。現在、各保健センターの衛生課においては、最小の区で課長以下7名、最大の区では同じく12名の職員が配置されており、おおむね平均では8名の職員構成となっております。しかしながら、例えば民泊に対する苦情対応について、最小の区と最大の区では直近の実績で8倍の開きがあり、また、飲食店の許認可施設数についても、最小の区と最大の区で5倍の開きがございます。その他、理容・美容所やクリーニング所、公衆浴場などの生活衛生関係許可施設についても許可業種ごとに行政区によって大きな地域偏在があることから、これらの許認可業務や苦情対応件数を考慮した職員配置に努めてきているものの、今回の見直しを通じて、更に効率的、効果的な指導等を行っていくべきではないかという風に考えております。こうした課題を踏まえまして、急増する違法な民泊指導や医療監視、営業許可などの業務について、1箇所の拠点に集約することでより専門性を高め、機能的かつ重点的な対応が可能な体制を構築し、取組を強化してまいります。
一方で、市民からの身近な生活衛生や食品、犬猫等に関する相談や簡易な届出については、11の区役所に加えて新たに三つの支所でも窓口を設置し、全市で14箇所に充実し、地域に密着したきめ細やかな対応を引き続き行ってまいります。
最後に、5点目ですが、2点目の説明と同様に、健康危機事案等の発生時については、これまで行政区ごとに対応していたことから、区域をまたぐ広域的な事案等に対して各区の職員の応援体制が必要となっておりました。今後、集約化することによって職員の専門性を高め、区役所・支所職員と一体となって迅速かつ的確に対応できる柔軟な体制を構築して健康危機事案への対応力を更に高めてまいりたいと考えております。
今後とも、来年度当初の区役所、支所の窓口再編に向けて、関係者の皆様との意見交換を十分に重ねながら、組織の見直しに係るメリットを最大限に発揮し、デメリットについてどのようにすればよいか対策をしっかりと考えながら、更に具体的な検討を進め、地域福祉、地域医療が後退しないよう、維持向上するように努めてまいります。以上でございます。
◆玉本委員/陳情者である京都府保険医協会の皆さんから、議会への陳情と共に、京都市長宛てに京都市の保健医療施策についての意見というのを提出されておられます。加えて、市内の地区医師会に賛同を呼び掛けられたところ、第1次分として四つの地区医師会が賛同書を添えられまして京都市に提出もされているところであります。保険医協会や地区医師会の医師の意見を私は重く受け止めるべきだという風に思います。各行政区の保健部門での再編が計画される中で、地区医師会等の御意見はどのように聴いてこられたのか、もう少し詳しくお伝えいただきたいと思います。
また、今回の保健センターの再編について、医師会の先生、保険医協会の先生はどのように周知されているのかも加えてお示しいただきたいと思います。
(→久保・保健福祉部長)9月7日以降の医師会関係の取組でございます。まず、府の医師会につきましては、何度か説明をさせていただいて、意見書を頂く、あるいは副市長以下で意見交換等を重ねさせていただいております。基本的な医師会のスタンスとしましては、組織改正については京都市がすべきものではあるけども、そこで生じるデメリットについては医師会としてしっかり解決策を求めていくということで、るる意見を頂いております。それらの意見を踏まえて、私ども、遺漏がないようにその対応を検討あるいは医師会の皆様と協議をしながら進めていくということで、現在も引き続き協議をするという状況でございます。
各区につきましては、保健センターを通じて各関係の医師会にも説明をしていっているという状況でございます。今後更に詰まった中身で引き続き検討を進めていくということで考えております。
◆玉本委員/各行政区に保健所があった2010年までは、保健所の所長は医師であられて、行政の代表として地区医師会の会合に出席されていたと聞いています。そこで行政の施策についてその都度御報告もなさってきた経過があると思うんですが、現在は所長が医師でないということで、保健センターに医師はおられるんですが、地区医師会と保健センターの連携というものが常時どのようにされているのかということをちょっと懸念しております。保健センターには医師は必ずおられるので、その先生が所長でなくても、地区医師会の集まりなどには参加され、行政の報告などをされているということなんでしょうか。
(→久保・保健福祉部長)組織的な位置付けにつきましては、保健センター長が出るということでございますので、それは医師あるいは保健師、薬剤師等ございますが、それぞれの責任者が責任者として出席しております。
◆玉本委員/医師でなくても医師会の会合には参加するということになっているということでよろしいんでしょうか。
(→久保・保健福祉部長)私も以前設置しています保健センターの運営会議等のそういった公的な会議については当然出席をいたしております。
◆玉本委員/なので、今の御説明で言えば、保健所の医師が医師会の会員として参加していたというやっぱりつながりはなくなっているということかなという風に思ったときに、やっぱりその連携をいかにしていくかということが問われるんじゃないかという風に思うんです。地域の医師の協力なしに市民の医療や保健は守れないわけです。連携を強調されるならば、私は日常の交流や意見交換などが本当に重要ではないかという風に思います。
集約部門では、より専門性を高めて機動的かつ重点的な対応を図るとありますが、その集約部門での医師の役割、そして、どの程度配置されるかというのがどうなっているのか、今の段階で分かっていたら御説明いただきたいのと、どのような専門職種が何人配置されるかというのは、ぎりぎりまでやられるというのがずっと答弁なんですが、やっぱり、でも、その説明なしに納得のいく議論も私はできないですし、市民にも理解されにくいという風に思います。したがって、陳情にあるように、具体的に実際のシミュレーションに基づいての説明をと求めておられるのは、私たちと同じ思いだなという風に思うんですが、いかがですか。
(→久保・保健福祉部長)すいません、地区医師会につきましては、現在も各保健センターに配置されている医師の職員が入っておりますので、地区医師会という枠の中では誰かが医師が出席しているということでございます。
それと、医師の体制についてでございますけれども、それぞれ担当区の医師についても明確にしようと思っておりますので、そういう意味では混乱がないように進めてまいりたいという風に考えております。
それから、非常に申し訳ないですが、大まかな職種でしたら現在の時点からお示しはできますが、人数についてはできません。それと、職種については互換性の高い職種が幾つかございます。例えば児童福祉センターであれば、福祉職、事務職、保育士、保健師といった者が児童福祉司になりますので、それらのいわゆる互換性の高い職種について最終入替えがあることもございますので、これで絶対やということにならない範囲であればお示しはしますが、最終的にそのことを示すということにはなりませんので、そういった点も含めて4月ぎりぎりまで考えさせていただきたいという風に思っております。
◆玉本委員/4月ぎりぎりまで考えていただいて、こうなりましたというお示しをされたときに、それでは現場際ではどうだろうかというような意見がやっぱり出しにくい段階になるわけでして、やっぱり早いうちに一定のもう少し分かりやすいものがあってこそ議論ができると。保険医協会の先生たちの思いもそういうことではないかという風に私は思いましたので、やっぱり議論しやすい資料は随時出していっていただきたいという風に考えています。
地区医師会の方に保健センターの医師が参加しておられるということであれば、やっぱりそこでの役割というのは非常に重要だと思いますし、そこで意見を聴いていただいたものをどんどん吸い上げる仕組みをやっぱりしっかりしていただきたいというのは要望しておきたいと思います。
各区役所の支所にも専門職を配置するという御説明がありました。これもどんな専門職が何人配置されるのかというのが先ほど来の報告の議論の中でもよく分からなかったんですが、ここでも医師の配置というのはどうなっているのか。保健センターに残る、もちろん保健福祉センターとなっても医師は必ずいると思うんですが、どの部署で医師の役割が果たされるのかというのがやっぱりちょっと見えにくいと。集約化のところでも同じなんですが、そこは説明していただける範ちゅうでお願いしたいのと、あと、11の区役所に加え三つの支所が増えることは充実というのを昨日からも繰り返し聞いているわけなんですが、全体として増えることは充実なんですが、11の区役所の窓口がとりわけ充実するわけではないわけで、何かちょっと数が増えることだけが充実という風に言われるんじゃなくて、もっと中身の、各区役所の充実がどのようにされるのかということが必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
(→久保・保健福祉部長)まず、新たに設置する支所の部門につきましては、現在保健師さんを既に配置しておりますので、衛生部門の専門職である薬剤師、獣医師になるかという風に思っております。
それから、ドクターについては、先ほど先生がおっしゃっていただきましたように、必置ではございませんので、今、保健所長が1名、私どもの保健医療課の部屋にいまして、そして、それぞれの区に医師がそれぞれのポストにいます。今回の見直しに伴いまして、先日の資料で申し上げましたようにスタッフとして、そして、それぞれの区の役割を明確にしたうえで対応していくという、そういう仕組みを考えております。
それから、先ほども議論にございましたが、窓口については新たに3箇所を増やします。それから、相談に専念できるような体制を作ったうえで相談を行いますので、そういった意味で言うと維持向上が図れるような形で14箇所に設置いたします。
◆玉本委員/全体像がもう一つ分かってない中でお聞きしている中でいつもちょっとどうなのかなと思うのが、窓口体制はしっかりするということはいいんですけども、先ほどからアウトリーチ型と、なるべく出掛けていって市民に寄り添うような形での取組をしていくということをおっしゃっていますよね。そうしたときに、身近な衛生部門等の相談を受けた人たちも出ていくことが私はあると思うんですが、窓口にずっと座っているということではないということだと思うんですね。ちょっとその辺も全体像が分かりにくいなという点の一つであります。
医師は必置ではないということは、保健所という観点、法的なところでそうだと思うんですが、この間の説明では、各保健センターには必ず医師は配置するという説明をされてこられているわけですから、そこで今回再編される中でその医師がどのようなポジションで役割を果たすのかということはあると思うんですね。また、集約化のところでも、当然感染症対策等もあるわけですから、必ず医師の配置は私はあるだろうと思っているんですね。そこがちょっと分かりにくいので御説明いただきたいんです。
(→久保・保健福祉部長)アウトリーチ化につきましては、六つ目の部門につきましては保健福祉局で一体でございますので、保健センターの職員も含めてアウトリーチが必要であれば、協力できるような体制になっております。
ドクターにつきましては、最終的には健康危機管理ですとか母子とか様々な役割も含めて今再度検討しておりますので、整理ができた時点でお示しをさせていただきます。
◆玉本委員/その辺をなるべく早く示していただきたいと思います。専門職も何人か配置をされているわけですけど、今でも配置をされているわけですけど、例えば栄養士さんなんかは一人でいろんな所を掛け持ちして出られているというような状況の中で、やっぱり今回の再編の中で更にどういう風な動きになるのかとか、専門職の役割って重要なんですけども、この再編の中で数がやっぱりちょっと足りないんじゃないかというようなことが出てくるんじゃないかという風に思うわけで、そういったときにはしっかりと補充をするということもしていただっきたいということは申し添えておきたいと思います。
市民の目線での今回の再編は市民サービスの向上となるのかということ、保健行政と市民との関係が薄まってはいけないと。先ほど来のお話の中でアウトリーチ型でどんどんと地域に出ていくというようなことをおっしゃいましたけども、今私たちがこれまで保健センターの方のお話を聴いてきた中では、非常に中の仕事も忙しくて、訪問に出たいと思ってもなかなか出れないというようなことも保健師さんから聴いてきたこともありますので、そこは本当にやろうとしていることと専門職の人数等の関係はしっかりと現場の意見を聴いたうえで必要な人員配置というのを、プラマイゼロではなくて必要な所は足していくという観点が必要じゃないかという風に思います。
医師会や保険医協会の先生方の理解や協力が本当に得られないと、この新しい計画も私は進んでいかないと思いますので、しっかり意見を聴く場を設定して、再検討するところは再検討するというようなことはやっていただきたいという風に思います。最後、その点についてお答えいただき、終わります。
(→久保・保健福祉部長)まず、体制につきましては、事業の見直し、充実をしっかりと検証したうえで必要な体制を配置いたします。
それから、先ほど来申し上げていますように、どのような組織体制でもメリット、デメリットがあります。デメリットを私どもは最小限にするために、様々な関係機関あるいは職員の意見も聴く、あるいは、そういうことをしながら集約化と六つの部門の設置を前提に最大限頑張ってまいります。
2016年12月2日【教育福祉委】保健福祉局/陳情審査「福祉・公衆衛生を守り向上させる保健医療施策の検討」
(更新日:2016年12月02日)