※中略
◆加藤あい委員/具体的な議論に入らせていただきます。昨日もやり取りがあったようでありますけども、今回の保健センター、とりわけて衛生課業務の集約化の目的ですね。これはどこにあるのかと。ちょっと色々御答弁なんかも見ていますと、専門職の育成をどうするのかとか、広域的な災害のときの対応とか、職員体制のこととか、色々その都度御答弁になっているんですけれども、総括的になぜ衛生課業務を集約化されるのかと。これについてまとまった御説明をいただきたいと思います。
(→久保・保健福祉部長)衛生課業務の集約化の考えでございますが、組織については、時代時代の要請において見直していくべきものであるという風に思っております。今般の状況で言いますと、民泊が急増している状況、あるいは新型インフルエンザ等、広域的な感染症の可能性が非常に高くなっております。これは一定大量に対処する必要が生じてきているという状況にあるという認識の下に、そういう大量に生じるべき課題に取り組みやすいということであれば、やはり集中化した部署を置いていくというのが大きな要請ではないかというのが私たちの考え方でございます。
一方で、昨日の議論で申し上げましたように、どんな組織体制にしてもプラスマイナスがございます。そのマイナス面については、様々関係機関等と協議していく中で、具体的な課題について対処していくような取組としてそういうデメリットについても消していくという考え方の下に今回集約化を進めさせていただきたいという風に思っております。
◆加藤あい委員/保健センターの衛生課の職員さんというのは、今年4月18日時点で全市でトータル90人だということで、前回の委員会でこの90人の職員の方全員が薬剤師、獣医師、食品衛生監視員、環境衛生監視員として仕事をしておられるという風に御説明があったと思うんですが、それはそれでよかったでしょうか。
(→久保・保健福祉部長)先日説明したとおり、そのとおりでございます。
◆加藤あい委員/この90人ということを対象に、この間の職員数の増減ということを捉えてみました。そうしますと、実はこの90人という人数は、2010年は101人でございました。保健センターになる前の保健所だった2009年は121人でございました。つまり、121人から101人になって、今90人になっているということで、この7年で30人減員しているということであります。そもそもこの30人減らしてきたということの御認識はお持ちでしょうか。
(→久保・保健福祉部長)職員数でございますが、区役所の人員数でございますので、本庁部門の薬剤師、薬獣職を入れますと、123名になっております。
それと、ちょっと経過を確認しないといけないですが、1点、健康危機管理対策業務ということで集約化して対処する職員数も設けていますので、その分のカウントとかを入れますと、30人という減員ではないかと思います。一定数は減っておると思いますが、そのままの数が薬獣職の減員数になっているということではございません。
◆加藤あい委員/私、ここは私が捉えた状況が実際と違うのであれば、京都市当局として、どういう人員配置、人数になっているのかということはきちっとした形でお示しいただきたいなという風に思うんです。その減員ということは認められましたので、是非資料として整えていただきたいと。この7年、保健所と言われる時代から保健センターに変わって90人という状態に至る過程の中でどういう変化があったのかということを捉えないと、トータルにこの問題を検討することはできないという風に思いますので、これは資料として出していただきたいという風に思います。
私はやっぱり減員しているという風におっしゃったそのこと自体が、先ほど述べられた集約化の目的の中で挙がっている広域的な業務に対する機動的な対応であるとか、職員の体制上、休日、夜間での体制をどう採っていくかとか、そういうことにもつながっていく課題画あったのではないかという風に思うんです。そこまで振り返って見ていく必要があるという風に思うんですね。
私が元々持っているその数字で言えば、30人という人数はどういう数字になるかと言いますと、例えば左京区で言えば、2009年にはこの衛生課には12人おられたわけですね。それが8人になったということになるわけでありますから、各センター11箇所、3人程度減っているということになるわけですよね。このマンパワーの不足ということが現にあるのであれば、そこに手当をしていないということが問題であろうという風に思いますし、まずはそこに手当をされるべきだということが根本問題として出てくるのではないかなという風に思うんです。この辺りの御認識はいかがでしょうか。
(→久保・保健福祉部長)人数の増減につきましては、新たに設置した本庁の部署等の増員もございますので、先生御指摘のとおり資料を出させていただきます。そのうえでの議論になるかという風に思っております。
それともう1点、それぞれの部署は状況によって増減するべき状況がございます。民泊についてはここ数年大きくなっておりますので、それに対する対処というのは対処で考えないといけないですし、見直しする減員分については、そういう状況にないときは見直すべきものは見直していく、それは薬獣職だけではなくて、それぞれ事務もそうですし、そのことについては大きな全体の要請ですので、見直すべきときに見直すということと、増やすべきときに増やす、あるいは対処すべき形に対処するというのは別々に考えるべきであるという風に思っておりますので、今回の集約化については、先生おっしゃった反省という意味ではなくて、今の時代の要請の中で可能な限り対応していく必要なものであるというのが私の認識でございます。
◆加藤あい委員/皆さんがおっしゃっている集約化の効果というものが今必要とされているという風におっしゃっている中身について、どこに、じゃ、それを今クリアできない原因があるのかということをやっぱり本質的に捉える必要があると思うんですよね。そういう点では、全体の経過の中で保健センターの衛生課の職員体制が今まで本当に十分なものだったのかと。ここから議論を始めていかないといけないのではないかという風に思います。
加えて、現行の衛生課の職員さんの体制を見ましても、今、行政区ごとに見れば、7人から10人ということで当たっておられる業務ですよね。これを全市一本の集約化された事務所と区役所に残る部分と二つに分けるということですから、これはどんな形になるのかね。二人とか3人とか区役所に残られて、どんな風にこの相談業務ができるのかと。それこそ休みの体制などもあると思うんですけどね。区役所に専門職を残すということも、これ、言っておられますね。この専門職というのは何のことを指しておられるのか。二、三人が相談窓口の区役所に残られて、あとは皆さん、全市一本の集約化事務所に行かれるということなのか、この具体的なことが見えてこないという風に、そこが見えないといろんなことが判断できないと思うんですね。この点、いかがでしょう。
(→久保・保健福祉部長)まず、専門職については、衛生課で言いますと、薬剤師又は獣医師になります。それと、それぞれ相談窓口については相談件数の分析とかをして、一律に3人という風な形になるかどうかということについてはまだまだ検証しないといけないという風に思います。
ただ、通常業務をする際に、緊急に出ないといけないこと、あるいは計画的にずっとやり続けなければいけない監視というところについては、そのときには必ず窓口にいることはその職員はできませんので、その分で言うと、分けて集中的にやれば効率化、余力と言いますか、スケールメリットが出てまいりますので、その分効率的にできるし、逆に言えば、窓口に絶対にいられない日がなくなれば、相談体制については一定軽減した形の人数でできるという風に考えておりますので、そういう考え方の下に、それぞれの区の業務量を分析して、適正に配置をしていきたいという風に考えております。
◆加藤あい委員/窓口に絶対にいられない日がなくなれば効率的になるというのはどういう意味ですかね。イメージとしては7人から10人で当たってきた業務を半分に割るというようなことのトータルのイメージでいいんでしょうか。
(→久保・保健福祉部長)人数については申し上げておりません。考え方について申し上げております。と言いますのは、例えば3人で5日間窓口にいるとして、必ず水曜日、木曜日は外に出なければいけないということであれば、人数について一定数相談する人数を増やしていかないと対応できないというのは、これは分かっていただけるかと思うんですけども、そういう意味で言いますと、監視の日ですとか緊急に出なければいけない業務がなくなれば、相談に専念できる体制でできるということですので、一定数減らしても対応ができるという考え方で進めていくということでございます。
そして、今この人数については最終採用数、退職者数も含めて業務を分析して4月に向けて精査をしていくことでございますので、今の時点でどうやと言われると、それは出せませんとしか申し上げようがない状態でございます。
◆加藤あい委員/昨日出せませんという御答弁をされているのも見させていただいたんですけどね。やっぱり今の限りの説明の中で言えば、一体どういうイメージになるのかというのは全然見えてこないというのは率直な感想でであります。
区役所に残る部分も保健福祉局直轄にということで新たな表明があったわけですけれども、トータル90人をそのままということで減らしてきた経過も踏まえれば、公衆衛生に関わるこの生活衛生部門の対応というのは本当に増大しているということでありますから、このトータルを増やさないで、減員を元に戻さないで二つに割るというようなことになれば、充実という方向は見えてこないということになるのではないかと思うんですんね。
例えば食中毒や感染症の危機管理業務を集約化するということなんですが、これをすれば、じゃ、地域の公衆衛生施策が前進するというお考えに立っておられるのかどうか。それはそういう考えなんだという風に言われるのであれば、その根拠はどこにあるのかお示しをいただきたいと思います。
(→久保・保健福祉部長)まず、人員数についての認識で少し違う点があるので申し上げますが、例えば10人で10の業務をしているという状態から10人で9の業務をすれば、一つ業務を見直せば増員効果が出るわけでございます。今回プラスマイナスゼロでやると言うているのは、一つは、見直すべきものを見直して、不要不急の業務については見直す、その空いた隙間で充実していくという、今求められている業務をやっていくという考え方でございますので、このプラスマイナスゼロというのは実質上増員効果を出していこうという考え方の下でございますので、単純な集めて人を減らすというようなことについては一切考えておりません。
それともう1点、減らしてきたとおっしゃいましたが、業務がなくなった分については当然見直していくのがこれは筋でございますので、一方的に人を減らすというようなことは、仮に数が減っていたとしてもそのようなことはしておりませんので、その点についてしっかりと御説明をさせていただきたいと思います。
そして、そのうえで当然私ども、公衆衛生を後退させるために組織を見直しするわけではありませんので、しっかりとやるべきことをやって進めていきたいという風に思っております。
◆加藤あい委員/私が問題にしておりますのは、元々あった業務がなくなるということが本当に市民にとってどうなのかということから本質的に問題にしているんです。業務はあるけれども職員の負担が増えているということを問題にしているわけではありませんでしてね。やっぱり保健センター、行政区の中にある行政機関がどれだけの業務と役割を果たすのかということが市民サービスにとっては本当に決定的だという風に思いますので、そういう捉え方をしているということは御理解いただきたいという風に思います。
それから、相談対応としては窓口が増えるんだというお話なんですけれども、例えば食中毒で言えば、局が作られた事務事業の中身で言えば、日々、食品の衛生確保、食品による危害発生防止のために、許可施設、届出施設を各行政区の保健センターの食品衛生監視員がそれぞれの施設に立入りをして、日常的に監視、指導を行っているということがあると。食中毒が発生をして、食中毒に関する届出が関係者からあったときには、同じく保健センターが受付をして、有症者の発症状況、喫食状況の調査を行って原因の食品が推定される場合には、その食品を製造、提供した施設に対して苦情の有無、施設の衛生状態の調査、施設の拭き取り検査、従業員の検便、検食、取扱食品の検査、こういうものをやって被害の拡大と再発防止のための指導をやっておられると。その結果、原因などが判明した場合は再発防止もするということで、必要な行政上の措置を採って施設の清掃、消毒、講習会、衛生指導、こういうものをトータルにやっておられるということなんですよね。
こういう全体としての業務を危機管理の業務と地域の様々な今まで保健センターが担ってきたことを切り離すということのリスクはないのかということを1点伺いたいという風に思うんですね。
それから、地域の特性ということもあると思います。例えば左京区で言えば、病院がたくさんある、大学が多い、留学生がたくさんおられる。こういう状況に応じた様々な施策ということが展開されるべきであろうという風に思いますね。それをやってこられた。だからこそ保健センターの中にそういう機能があったということでありますし、人口や年齢の傾向、昼間の流入人口、こういうことをやっぱり捉えて全体として生活衛生が向上するということを保健センターが担ってきたんだという風に思うんですね。全市で全体として危機管理だという風にやる、事が起きたら対応するということと、行政区でその行政区全体を捉えて地域の升の中で生活衛生を向上していくと言うこととはやっぱり違うと思うんですね。私は行政区で捉えてやっていくということが大事ではないかという風に思うんですけれども、この地域の特性を捉えるという点で今回の集約化という方針は問題がないのか、この点もお伺いしたいと思います。
(→久保・保健福祉部長)1点目のるるおっしゃっていただいた業務についてでございますが、その点については一切変わりがございません。ただ、それを集約化でした部門でやるのか、今まで保健センターでやっていたのかというだけの違いでございますので、業務が一切後退することもありませんし、職員の対応が変わるということもありません。より一層専門性を高めて適切にやらせていただきます。
それから、地域との関係でございますが、今回、医療衛生部門の者については保健福祉局の所属としております。それは、先生おっしゃっていただきました地域の実情を直結して保健福祉局に通ずるパイプを持って一体的にやっていくためでございます。その意味で言いますと、そういう工夫をしながら地域の実情については十分に把握して適切に対応させていただきたいという風に思います。
それからもう1点、衛生部門だけではなくて、先ほど先生おっしゃっていただきました健康長寿推進課を核として地域に様々出向いていきます。これまで福祉事務所、いわゆる福祉部にだけ入っていた情報についてもトータルでやっていきますので、そういうことも含めてより地域に根差した取組をしていくというのが今回の両方の組織改正の目的でございますので、先生御心配いただいた例については、私どもも心を砕いている点でございますので、具体的な課題については今後も検証して、この方法でしっかりやれるようにしていきたいという風に思っております。
◆加藤あい委員/今の御答弁は、集約化でむしろ地域に根差す業務が前進するんだという御答弁ですか。
(→久保・保健福祉部長)集約化と六つの部門の窓口を合わせてより一層充実させていきたいということでございます。
◆加藤あい委員/生活衛生についてはいかがでしょうか。
(→久保・保健福祉部長)維持向上していくというのが今回の目的ですので、当然その目的のために全力で頑張ってまいります。
◆加藤あい委員/私は今の御答弁の限りで言えば、地域での生活衛生が向上するというのが今回の集約化だという風には捉えられないということを強く申し上げておきたいという風に思います。
もう一つは、やっぱり日常業務、予防という取組、これがいざという自体の発生を抑えているということだと思うんですね。別にこの分野だけじゃないですよね。消防でも一緒ですよ。火災予防ということで日々取り組んでおられるからこそ火災の発生を抑えられるんだということがあるわけでありましてね。この日常の予防活動の延長線上に危機管理業務ということがあるわけですから、それを行政区の窓口でトータルに進めると。これが体制が不十分なのであれば、保健センターの体制を充実させるということが私は筋だという風に思いますし、むしろこの集約化というのは、充実向上ということについては今の御説明の中でその見通しというのは見えてこないということを強く申し上げておきたいという風に思います。予防との関係について御答弁いただきたいと思います。
(→久保・保健福祉部長)先ほど御説明申し上げました教育福祉委員会資料の1の2のところに書かせていただいておりますように、健康長寿の取組を中心にこれは全ての部門において考え方を転換していくという趣旨でございますが、地域に出向いてアウトリーチ型の事業に展開していく、そういうことで地域の実情あるいは地域の思い、特性についてもより一層把握して地域保健と地域福祉を進めていくための仕組みでございますので、当然、要望について御希望あれば積極的に出向いていくという仕組みについては全体に掛かっておりますので、そうしたことがないように頑張っていきたいと思っております。
それからもう1点、人員については、無尽蔵にあれば、私ども原局ですので、どこの部署もたくさん増やしたいというのは、これは人員に携わる者について当然の願いでございます。ただ、限られた人員の中で最大限に努力していくという要請がある中で、そういった見直しというのは不可避でございますので、そういう観点からしっかりとやっていきたいという風に思っております。
◆加藤あい委員/無尽蔵な人員配置ということを要求しているわけではありません。こういう大規模な組織改編を当局の側から提案されてきたわけであります。その点で言えば、市民の行政サービスがどうなるのか。これは職員の体制がどうなるのかということを抜きに、どうやって実態を捉えられるのかと。これ、何回も資料をいろんな形で出していただいていますけれども、その都度都度表記が変わって、今ちょっと細かいことでもそごがあるというようなことが私は見て取れるわけですよね。この中で本当にこれが適正なものなのかと判断できないですよ、本当に。
そういう点で言えば、改めてこれまでやってきた生活衛生のこの業務、これが本来どういう役割を果たすべきで、それがなかなか厳しい状況にあるのであれば、そこを、その厳しい状況の根本原因をやっぱり見定めていく必要があると。これをまた更に集約化ということをすれば、新たなリスクが出てくるということはすごく感じるところでありますので、その点は指摘しておきたいと思います。終わります。
(→久保・保健福祉部長)表記が変わっていることについては、私ども、逆にしっかり関係機関の意見あるいは議会の意見を聴きながら変えていくものです。これは決まった形で私ども出しているわけではありませんので、案という形で出させていただいておりますし、様々るる意見を聴いたものについてはしっかり反映させているということで、むしろええ加減ということではなくて、しっかり聴かせていただいて考えさせていただいていることでございます。そして、ぎりぎりまで考えないといけないことについてはぎりぎりまで考えて判断をしていくということで今後も取り組んでまいります。
◆加藤あい委員/そう言われるのであれば、前回の報告と今回の報告と何が変更になったのかということをきちっと言われるべきじゃないですか。この間の説明を聴いていたら、今段階ではこうですという御説明をされます。しかし、前回とこう変わりましたという具体的な説明がありません。私はその点を問題にしているんです。そこは反省をしていただきたいという風に思いますし、その点では、もちろんこれは固まった状態ですと言われたら、その本質的にはこれを受け入れられないということを言わなければならないと思いますけれども、そういうこの変化についても具体的な説明がないということがこの間の経過だったという風に申し上げておきます。終わります。
(→久保・保健福祉部長)事務分掌規則ですので、最終は行政機関の判断に任せていただくとこがあるという風に思いますが、先生御指摘のとおり、表記あるいは説明については、より一層注意をさせていただいて、しっかりそのようにさせていただきます。
○下村委員長/先ほど加藤委員から、保健所から保健センターへの移行に伴う7年間でしょうか、職員数の推移についての資料要求がございました。質疑の中で理事者は報告できるということでしたけど、改めて確認します。提出できますか。久保部長。
(→久保・保健福祉部長)提出させていただきます。
○下村委員長/提出できるとのことですので、委員会資料として提出を求めることに御異議ありませんか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)御異議がありませんので、委員会資料として提出を求めることに決定いたします。
2016年12月2日【教育福祉委】保健福祉局/理事者報告「違法な『民泊』の適正化に向けた衛生課業務等の集約化に伴う体制等について」
(更新日:2016年12月02日)