「第3次京都市消費生活基本計画」は消費者保護を最優先にした計画に(2021年7月20日/文化環境委・文化市民局・やまね)

◆やまね/よろしくお願いいたします。あのー、えっとまあ京都市のですね、「消費生活条例」では、基本理念に「消費者の権利」ということで7つ(①消費生活が安心・安全であるとともに、財産を侵害されない権利、②商品等の表示等の適正化を求める権利、③事業者に対し不適正な取引行為を行わないことを求める権利、④消費生活に関する重要な情報を迅速かつ適切に知る権利、⑤消費者教育を受ける権利、⑥行政及び事業者に消費者意見の反映を求める権利、⑦消費者被害に遭った際に、迅速かつ的確に救済される権利)掲げていると。この今回の資料の中にもありますけれども、で、これらは、その憲法で、えー保障された基本的人権を消費者の分野で、えー具体化したもので、基本計画というのはその実現を図るためのものと理解をしています。

それで、今回ですね、重点取組の一つとして、「消費者安全確保地域協議会の設置」ということがあげられているんですけれども、えーまあこれは、えー見てますと、高齢者等がですね、被害に巻き込まれないよう、本市が主体となって、消費者被害の掘り起こしであるとか、被害の未然防止に取り組むということですので、まあ大変大事な、重要な取り組みだというふうに思いました。

それで、資料1の基本計画(案)のところにですね、えー13ページに「消費者被害の救済」というところで書かれているんですが、「商品や取引形態の複雑化・多様化に伴い」「これまで以上に消費者と事業者の間に情報量・交渉力の格差は拡大している」という点ですね、これ私非常に重要だと思いまして。で、このことを踏まえるならですね、行政と事業者と、それから消費者の関係、これはですね、同列に置いて「一緒に協力・協働・連携しよう」ということではなくって、私はこの計画で最も重要なのはですね、「行政が消費者を守る」と、このスタンス、この点ではないかなと思ったんですが、まずその点、どんなふうにお考えでしょうか。

(→津嶋・くらし安全推進部長)はい、えー、あの行政が消費者を守るという点であの、非常に重要だというふうに考えておりまして、あの基本方針の1のほうでも「消費者安全の確保」ということで掲げさせていただいてますとか、あと、基本方針の2では「消費者被害の救済」ということであの、やはりあの、そういった今言いました救済部分であるとか安全の確保、取り組むのと合わせまして、基本方針3とか4でありますように、えー消費者教育を推進、えーこれはあのー、えー担う側と受ける側というか、えー消費者側とあると思うんですけども、そういった教育の推進と、あとあの、それぞれが消費活動を、えー将来含めて啓発していくと、いう意識付け、あの、そういったものをあのトータルパッケージで今回、あのこういう計画をつくらさせていただいているというふうに考えております。

◆やまね/まあ今述べていただいたように、全体としてやはりその消費者のみなさんをどう守っていくかということがですね、やはり貫かれているものだというふうに思うんですよね。であの、そこで「基本方針1」のですね、「消費者安全の確保」の「施策目標2」のところでですね、「表示等の適正化の推進」ということがあります。で、そこでちょっと、この間問題になっていたことを少しお聞きしたいんですけれども、あの大手コンビニチェーンで、えー売られていたジュース飲料のカップがこの間話題になりました。で、普通に置かれた状態ではですね、そのカップの中に満タンにジュースが入っているように見えると。ところがこれをひっくり返すとですね、3分の2くらいしか実はジュースの中身入っていないと。で、どういうことかって言いますと、透明なカップの上部3分の1はですね、ジュースと同じ色の色を付けていると、いうことで、これ全国でですね、「詐欺的なやり方じゃないか」と批判の声があがったわけであります。で、これあの今もお話していただいたんですけれども、例えば「基本方針」で掲げられている「消費者教育の推進」はもちろん私も重要だと思うんですけれども、こういうその消費者を惑わすようなですね、商品が全国の店頭に並ぶというのはね、それ以前の問題じゃないかと、いうことで、こうした事例について、国、あるいは自治体が事業者に対して厳しく指導すべきじゃないかと思ったんですが、いかがでしょうか。

(→津嶋・くらし安全推進部長)はい、あのー、まあ、えー京都市におきましても、えー指導とか勧告とか、そういったあの規定自体は持っているところでございますし、あとまああのそれぞれ京都府で持っている権限などもございます。あとまあ国が、えー例えば法改正を含めて取り組むべきことがあるかというふうに思いますので、その辺もあの当然あの、えー、えー今の審議会含めてですけど、えー府のほうとも連携して取組を進めているところですので、そういった中できちんと対応していく必要があると、いうふうに考えております。

◆やまね/まああの、あらためて重ねて申し上げておきたいのは、あの消費者の自己責任になるようなことがあってはいけないというふうに思うんですね。それでもう一つ、「基本方針1」の続きで、「施策目標3」のところで「取引の適正化」ということが書かれておりますが、この点で重要なのがですね、6月9日に、国会で「特定商取引法改定案」が成立を致しました。で、えーこれはあの、送り付け商法の規制など大部分は消費者保護に役立つ、えー内容になってるんですが、一つだけ「書面交付の電子化」という重大な問題が含まれております。で、今までですね、訪問販売とか、えーマルチ商法など、消費者被害の多い取引に関しては、契約書は紙の書面で交付することが義務付けられておりましたけれども、今後はですね、事業者がメールなどで送り付けた電子書面に承諾のボタンを押せば契約が成立したことになると、いうものです。

それであの、ジャパンライフの事件なんかではですね、お年寄りがだまされていることに気づかずに、家族が調べたら契約書が見つかって、えー被害が発覚したという事例が数多くありました。それからそれ以外にもですね、紙の契約書があることで、例えば民生委員さんであるとか、訪問介護事業者等の第三者が気づいて、あるいは、それをもとに弁護士が訴えることができたと。紙の契約書があることで消費者被害を食い止めてきたと、いうことですので、この悪徳業者に電子書面での契約を許すというのはですね、「やくざに凶器を与えるようなもの」だと、我が党の大門みきし議員は国会で指摘をしたわけですけれども。

それで京都弁護士会がですね、2月17日、それから日弁連も2月18日付で、この「書面の電子化」ですね、これ反対の意見書を発表してるわけです。で、そこでは、「書面が担っている告知・警告機能等を大きく損なうものであり、(中略)法がこれまで果たしてきた消費者保護機能を骨抜きにしてしまう危険性を有する」と厳しく指摘をされています。そこで、あ、それでですね、全国の消費者団体のみなさんからも反対の意見書が相次いだということで。えーつまり、消費者相談の現場で苦労されているみなさんが猛反対され照る中身がですね、今回の法律には含まれていると。

で、そこでお聞きしたいのはですね、一つは、京都市は「書面交付の電子化」についての問題点をどう認識されているかというのが一点。それからもう一つは、この資料1の基本計画(案)5ページにはですね、国との連携について書かれてあるわけですね。そこで「必要に応じて国に対して意見を述べていきます」とあるんですけれども、この問題では、「書面交付の電子化」という問題では何か意見をすることはなかったのかどうか。この二ついかがでしょうか。

(→津嶋・くらし安全推進部長)はい、えー今ございましたあのー、えー、契約書面の電子化の、えー件でございますが、えー今ありましたように、確かにデジタル化ってのはあの、消費者に対する、えー利便性もたらす側面がある一方で、えーより複雑な、えー消費者被害に遭ってしまうという危険な側面もあると、そういったトラブルが属されることの想定っていうのはあのーあるかなと、いうふうなことの中で情報リテラシー教育の充実とか、あのそういったこともまあセットになってくるのかなということはまずあるんですが、あのー今ありましたように、今回の特定商取引法の改正に伴いまして、えー、一応あの6月16日に公布はされたんですけどあの、今後まあ2年以内に、あのー、えー、施行されるというようなことであの、国のほうでも、あのそういった問題意識のもとに、えー契約書面等の電子化に関する検討会を早々に立ち上げられて、もうあの今月中には、えー1回目の検討会が始まると、いうようなことも聞いておりますので、あの本市におきましても、そういった、ま、検討会の進捗状況、議論の状況を踏まえまして、あの必要に応じて、あの物を言う部分については言っていくと、いうようなことを、えー考えているところでございます。

◆やまね/あの、「必要に応じて物を言うことは」っておっしゃったんですけれども、あの問題点があるというふうにご認識されてるということでしょうか。

(→津嶋・くらし安全推進部長)はい、あの一応まああの今回、えーそういった検討会が立ち上げられるというようなことの中で、えー当然あの消費者トラブル、えー起きるようなことがあってはいけないということで、いう認識はございます。あのそういうなかで、あのどういった点が、課題であり問題点があるかっていうのも、その検討会の中で洗い出され、改善され、えー法の制定につながっていくと、えー施行につながっていくと、そういうふうに考えてるところです。

◆やまね/その「問題点が検討会の中で洗い出され」というふうなことだったんですけども、これ京都市が、消費者問題で連携をしている京都弁護士会のみなさんが、非常に重要な指摘をされています。「書面の電子化を認めた場合、消費者の多くは、実際にはスマートフォンで書面を確認することになると思われる。その場合、消費者は、書面よりはるかに小さい、わずか10cm角程度の画面で契約内容や条件を読み取らなければならない。文字が小さく読むのが困難となるし、一覧性を欠くことで全体を把握しづらくなる。特に高齢者は画面を拡大して読むことが想定されるがその場合一覧性はさらに失われる」ということで、やはりこの被害拡大が懸念されているという点についてですね、あの検討会を踏まえてとかっていうことじゃなくて、すでにこういう指摘が弁護士会からされているわけですから、そういう点をしっかり認識をいただきたいと。

であの、この資料読んでますと、「デジタル化の進展に伴い」っていうことも、いろいろ、いろんなところで出てくるんですけれども、これは私は自然現象ではなくてですね、そういう方向に政治が法律を変えて、誘導している側面もあるということをしっかり見る必要があるんじゃないかと思います。

で、「基本方針2」のところですけれども、「消費者被害の救済」ってところにこれも関わるんですけれども、国会ではですね、4月21日に、これは野党共同で、我々日本共産党、それから立憲民主党・国民民主党の共同でですね、「消費者の権利実現法案」というのを提案致しました。で、その中で、例えば「クーリングオフ期間の延長」ということなどを盛り込んだわけなんですけども、その国との連携、国に物を言っていくということであればですね、ぜひこういう「クーリングオフ期間の延長」ということもですね、求めていただけないかと思ったんですが、この点いかがでしょうか。

(→津嶋・くらし安全推進部長)はい、えーあの、クーリングオフの延長の関係につきましては、えー、ま、これまであの、本市から何かあの、国のほうへ言っていったことはまあないような状況がありまして、あとはあの政令市で構成される、大都市消費者行政の担当の連絡会議におきましても、あの今まではあの議題になっていないというような状況でございます。あのクーリングオフの適用期間につきましては、あの、特定商取引法で定められていることでございますので、あのその部分は、あの国できっちり検討していただきたいと、そういうふうに考えているところでございます。

◆やまね/あのまあこれもですね、ぜひ求めていただきたいと思うんですね。国がしっかりやってるからとかいうことじゃなくて、やはり京都市独自で、本当にこの消費者のみなさん守っていくためには何が必要かというスタンスでですね、検討していただきたいと思います。

で、もう一点だけお聞きしますが、国との連携に関わって財源の問題です。えー基本計画(案)の5ページにですね、「これまで実施してきた消費生活施策の水準を今後も継続、発展させるため、本市の極めて厳しい財政状況も踏まえ、国に対しては、必要な財源を継続的・安定的に確保できるよう、今まで以上に強く要請していきます」というふうにありますけれども、そこでお聞きしたいのはですね、地方消費者行政を支えてきたこの国の交付金についてなんですが、えー2009年度スタートしたのが「地方消費者行政活性化交付金」というものがスタートして、で、そこからいろいろ名前とか仕組みが少しずつ変わって今に至っていると思うんですけれども。で、一つはですね、お聞きしたいのは、政府が2018(平成30)年度からですね、この使途を限定するとか、補助率を変更するということで、特定財源としての交付金を減らして、地方の自主財源で手当てする方向にと、いうふうになったと思います。で、このことがですね、京都市の消費者行政に影響を与えているのかどうか。ま、つまり、京都市に入ってくるお金というのがですね、この間、減っているのかどうか、というのをちょっとお聞きしたくてですね。で、そのもう一つはその国への要望といった際に、えーメニュー的な、ただ単に「財政措置してくれ」っていうことだけじゃなくて、メニュー的なものを、もっとこういう使いやすいものにしてくれとか、そういうものも含めて要望されているのか。それを教えていただきたいというのが一つ目です。

で、もう一つは、この2009年度以降、この交付金ができて以降ですね、京都市消費生活総合センターの人員体制がどう変化しているか、まあ変化があるのかも含めてですけれども、例えば人員の人数であったり雇用形態であったり、こういうものに変化があるのかどうか、これ後退させることがあってはならないと思うんですが、この2点、教えていただきたいと思います。

(→津嶋・くらし安全推進部長)はい、えー今ありました、えー国の、えー交付金の関係ですけど、えー従来のあの地方消費者行政推進交付金に該当するものは、えー強化交付金推進事業というようなことで、あの現在も、えー続けられていると、いうことで補助率はまあ2分の1という形でなっております。

あと、えー強化交付金の推進事業というものもありまして、そちらにつきましては補助率は10分の10というようなことで、あの令和3年度時点でおきましては、あの交付がされて、継続されて、えー対応できていると、いうふうに考えているところでございます。

えっとあと、えー人員面の体制の関係ですけど、えー消費生活相談員につきましては、えー令和、すみません、平成23年度で10年前ですので、えー2011年、に、えー1名増員、平成27年、その4年後に1名増員ということで、現在12名の体制で、えーあたっていると、いうようなことで、あの今、認識としましてはあの必要な体制は確保できているのかなと、いうようなことで認識をしておりまして、えーただあの、えー、えーと、去年ですかね、会計年度任用職員制度ができた関係で、今、会計年度職員に移行していると、そういった状況になります。

◆やまね/分かりました。そしたらちょっとまた個人資料でも結構ですので、あのーこの交付金の関係ですね、2009年度以降のものがですね、額がどうなっているのか、京都市に入ってきているお金が実際どういう形で入ってきているのか、それからあの2009年度以降のセンターの、今少しおっしゃっていただきましたけれども、人員体制、雇用形態も含めて、また個人資料で結構ですので、いただきたいと思います。

最後に申し上げておきたいのは、今日もご説明の時にいろいろ言っていただきましたように、消費者行政の役割というのが、非常に大きく変わってきているし、役割も大きくなってきていると思います。で、そういう意味では人員体制の充実をやはりしていただきたいと思いますし、後退することがあってはならないと、いうこととですね。

最後にこれは2点だけ求めておきたいんですけれども、基本計画(案)13ページに、「SNSを活用した相談の受付等」について、「国や他都市の動向を見据え、検討していきます」というふうにあるわけですが、あのこれはもう、検討、これぐらいのことはですね、ぜひもうすぐにでもやっていただきたいと、いうことを一つ求めておきたいのと、それから市民意見募集にあたってですね、ぜひたくさんの市民のみなさんにこれは見ていただいて、意見寄せていただきたいと思うんですけれども、ま、今回の資料、全体的にちょっと文字ばっかりで、えー非常にこの生活に密着している問題なんですけれども、そういうイメージがちょっと持ちにくいんじゃないかと。で、これ3月25日にですね、京都弁護士会が「次期京都市消費生活基本計画についての意見書」を発表されているんですけれども、その中でもですね「消費者被害の発生件数や傾向などについて分析を加え、消費者に分かりやすい形で的確に情報提供を行うこと」っていうことを求めておられますんで、ま、ぜひそういった点も、今後検討していただきたいと、これは求めて終わりたいと思います。以上です。

2021年7月20日【文化環境委】文化市民局/理事者報告「第3次京都市消費生活基本計画(案)に関する市民意見募集について」

(更新日:2021年07月20日)