共立メンテナンスの違法行為を京都市は有識者会議に報告せず?黒塗り資料で議論は闇の中(2021年6月11日/産業交通水道委・産業観光局・質疑文字起こしメモ)

◆平井議員(共産)/この間の委員会でもお話させていただいていたが、この間京都新聞に「仁和寺門前ホテル事業者 京都市も入札停止」という記事が載っている。大阪府守口市から業務委託を受けた学童クラブ事業をめぐって、労働組合の団交を拒否したとして大阪府労働委員会から不当労働行為が認定され、このことに対して共立メンテナンスが中央労働委員会に再審査を申し立てていたけれども、4月26日に棄却されたということ。これを受けて京都市が、「団交拒否が不正・不誠実な行為」で、「法令に違反する」として「同社を市競争入札参加停止取扱要綱に基づいて、違反が是正されるまで、入札参加を2カ月以上停止する」と決定されている。

京都市だけでなく、大阪府下の市や奈良県橿原市も同じような判断をされ、広範囲の入札停止が今行われている状況になっている。この処置について、本来行財政局に聞くべきものであるが、産業観光局にも聞いておきたい。この処置についての評価はどういうふうに思っておられるのか、まずお聞きしたい。

(→北川・観光戦略担当部長)ご質問の件だが、京都市での入札参加停止、これについては本市が発注する計画にかかる競争入札参加停止取扱を定めた「入札参加停止要綱」に基づく措置というふうに聞いている。今回の措置については、守口市における労働問題を受けて、この要綱に基づいて停止措置が講じられているものというふうに考えているところ。これについては、ご質問いただいた趣旨通りだが、行財政局の契約課においてこういう判断がなされているというふうに考えている。

◆平井議員(共産)/状況おっしゃっただけだが、評価はまあされないということだと思う。本会議(5月21日)で我が党の堀議員が、大阪府の事例を出したが、「有識者会議(3月31日)の時に説明した」というのは「係争中」で、(中央労働委の)判断が確定していなかった、要は法律違反までは確定していなかった。確定してから1回も説明をしていない。5月の代表質問の時に「そういう説明をした」という趣旨で物を言われたと思うが、本会議の答弁の真意は何なのか。堀議員の質問にちゃんと答えた中身なのか。その点もう一度ちょっとお聞きしたいと思うがいかがか。

(→北川・観光戦略担当部長)守口市の件だが、上質宿泊施設誘致制度においては、京都市が事業者から計画の提出を受けた時は、その計画が、本市が事業者に期待する約30の事項があるが、これを踏まえた計画になっているか、これを確認して、外部有識者の意見を聴取しつつ、「適当と認められる場合は上質宿泊施設候補として選定する」こととしている。

本計画の審査にあたっては、約30項目の一つに「雇用の安定、新規雇用」という観点があることから、3月31日(有識者会議)において、守口市の事案を紹介して、雇用環境全般について確認をおこなったところ。その中で、「従業員の環境や雇用環境含めて十分に配慮しながら問題が生じないように進めていく」というふうな回答をいただいており、そのうえで本市においてこの計画が「雇用の安定、新規雇用に貢献する」ことを確認したうえで、総合的に判断して選定している。

また、ご質問の中央労働委員会において4月26日に命令が確定したことについては、共立メンテナンスから経過報告、これ口頭で受けており、本市において事業者、「早急に団体交渉の実施に向けた組合側との交渉・調整を進めるなど、改善に向けて取り組んでいる」ことを確認しており、計画の選定自体には問題ないというふうに考えている。

ただし、計画を実施するのは事業者であり、重要な役割を担うということなので、念には念を入れ、今後本市において、同社に「ホテルの雇用に関する計画の遵守」、これはもとより、守口市における雇い止めも含めた労働問題に対する誠実な対応について文書の提出を求め、あらためて計画内容の履行を慎重にしっかり確認するとともに、有識者の方にも報告・確認するというふうに考えている。

◆平井議員(共産)/いま口頭でいろいろ確認されたと。まあ文書でもこれから確認するということだけれども、しかし1回ね、(大阪)府の労働委員会から認定されたものをね、再審査申し立てているということは、普通に見ればですよ、ほんまに反省してるんかなあと。これが棄却されたから報告しなあかんとなると思うが、やっぱり「不当労働行為」、要は「団体交渉をまともにしない」ということそのものがね、やっぱり本当に「安定的な雇用」に資するのかっていうのは非常に疑問だと。

6月4日の京都新聞をもう一度紐解くと「事業者から不当労働行為などの説明を受けているが、ホテルの建設設計とは直接関係がなく、制度の再審査は検討していない」という説明が局としてされている。「直接関係なかったらええ」ということではないと思う。やっぱりね、「雇用の創出、安定化」で、「非正規雇用者を地元雇用する」っていうことを元々基本にこの会社されているわけだから、そこで本当に不当労働行為が行われないかどうかは甚だ疑問だ。大いにこの上質宿泊施設誘致制度と関わりがある問題だ。30の項目の中に入っていて、しかも「地元雇用する」と言っているのだから、そこで例えば労働組合ができ団体交渉するってなった時に、また同じようなことが起こるんじゃないかと思うし、そういう問題をはらんでいると思う。だから先ほど「文書提出された」と言うが、僕は再審査が絶対必要じゃないかと思うし、計画そのものも撤回すべきだと思うが、いかがか。

(→北川・観光戦略担当部長)ご質問の点だが、先ほども申し上げたが、中央労働委員会の命令が確定したことについては、経過報告を受けており、本市としては早急に、事業者が「団体交渉の実施に向けた組合側との調整を進める等、改善に向けて取り組んでいる」ことを確認している。その点で計画の選定自体には問題ないというふうに考えている。

一方、30項目の一つである「雇用の安定」だが、4月にもまとめさせていただいたが、この共立メンテナンスの今回のホテル計画では、「百数十名規模の従業員体制」としており、「正規雇用者も可能な限り地元で新規採用を目指す」というふうにされている。また、宿泊業の非正規率としては、全国とか京都よりも少し少ないパーセントとなっているような状況もある。そういうところ、雇用の点だけではないが、全体の項目を踏まえ、総合的に勘案したうえで選定したところ。

◆平井議員(共産)/一言だけ。やっぱり雇用に責任持てるのかってところが僕は問われてると思う。だから雇用しただけではなくて、雇用してからの状況も含めて、やっぱり非常に心配があるってことは周知の事実だ。この点やっぱり再審査すべきだ。

【※平井議員の関連質問】

◆くらた議員(共産)/いま平井議員との質疑がされたが、あらためて確認したいと思うが、この共立メンテナンス株式会社が、違法行為をおこなった事業者である、これは事実であるかどうか。いかがか。

(→北川・観光戦略担当部長)先ほどの平井議員のご質問でもあったが、大阪府の労働委員会から命令を受けており、それについて中央労働委員会から、(再審請求が)棄却されたというところなので、労働組合法の違反をされているというふうに認識している。

◆くらた議員(共産)/そのうえで、その不当労働行為が認定された共立メンテナンス株式会社に対して、京都市は法令等違反を理由として、5月18日から一般競争入札停止処分、行政処分をおこなった。しかし一方で、「上質宿泊施設の事業者選定には問題がない」という説明。納得できない。違法行為をおこなっていたと認定している事業者を、一方の事業で選定しても問題にならないとする理由は何なんでしょう。端的にお答えいただきたい。

(→北川・観光戦略担当部長)ご質問いただいた、契約課の競争入札参加停止措置と、我々観光MICE推進室の上質宿泊施設誘致制度、これについては趣旨・目的が異なるものと認識している。これについては、この内容については契約課にも同じ内容を確認しているところ。

◆くらた議員(共産)/「それぞれの趣旨・目的が異なる」ということを理由とされたが、入札停止の理由は「法令等の違反」ということで明確だ。その事業者を選定するということは、これ私、京都市が、「違法行為も受容する」ということになるのではないか。こういう懸念があるがいかがか。

(→北川・観光戦略担当部長)くり返しになるが、契約課にも確認しているが、ご指摘の入札参加停止措置と上質宿泊誘致制度は、趣旨・目的が異なるものというふうに考えている。

◆くらた議員(共産)/「契約課に確認してる」とおっしゃるが、契約課ははっきりしている。法令違反があったから、これに対する行政処分をおこなったということ。しかし、産業観光局はどうなのかということだ。別個のところで処分がおこなわれているけれども、それが「違法行為があった」という大変重大な理由を認定していながら、それを認めながら、「しかし本事業においては選定しても間違いがない」と。これは違法行為の受容になるんじゃないか。こんな行政が市民に信頼されるでしょうか。

先ほど平井議員が指摘したが、4月26日に中央労働委員会における是正命令ということで正式な認定・確定がされたということだが、3月31日の有識者会議に、そもそもその時には確定ではなかったかもしれないけれども、こういう疑義が生じていて、正式な法的な手続きを含めたそういう段階にある事業者ということを、京都市自身がきちっと説明されたのかどうか。

(→北川・観光戦略担当部長)3月31日の有識者会議だが、本計画の審査にあたっては、本市が期待する約30項目の一つに「雇用の安定、新規雇用」という観点があるので、その有識者会議において、守口市の事案を紹介して、雇用環境全般について確認をおこなったところで、事業者のほうからは「従業員の環境や雇用環境を含めて十分に配慮しながら問題が生じないように進めていく」と回答を得ている。そのうえで本市においてこの計画が、総合的に、他の観点も含めて総合的に判断したうえで、上質宿泊施設候補として選定したところ。

◆くらた議員(共産)/では守口市の事案について、「こういう経過になっていますと説明した」とおっしゃったから、京都市としてどうその有識者会議に説明をされたのか、これはその部分についての記録のページを求めたい。これは委員長、委員会資料として提出をお諮り下さい。

私はやはりね、違法行為の是正が求められる事業者と、まああまねく一体化しているとやっぱり言わざるをえない。しかも今回のホテル事業計画が、従来ある用途地域としての規制(第一種住居地域では旅館業施設は3000㎡まで)を大幅に緩和して、ホテルを誘致・建設させるというものであるから、本来なら一点の曇りがあってもいけない。そういうやはり公正で、そして清潔な、そういう判断があってしかるべきだ。これは非常にグレーだ。京都市がまさにこの事業者と一体化して、こうした事業選定に至っていると言わざるをえない。

こういう事実が判明しているわけだから、まず事業者選定は撤回されるべきだ。そしてあらためて、最低でも再選定の手続きをきちっとする。こういう立場取るべきだ、立つべきだ思うがいかがか。

(→北川・観光戦略担当部長)先ほど申し上げたが、3月31日の選定有識者委員会の時だけではなく、中央労働委員会において4月26日に命令確定したことについても、共立メンテナンスから経過報告、口頭で受けている。京都市としては事業者が「早急に団体交渉の実施に向けた組合側との調整を進めるなど改善に向けて取り組んでいる」ことを確認している。そのうえで計画の選定自体には問題ないというふうに考えている。そのうえで念には念を入れて、今後本市において、同社に対して、「本ホテルの雇用に関する計画の遵守」、これはもとより、「守口市における雇い止めも含めた労働問題に対する誠実な対応について、文書での提出」を求め、あらためて計画内容の履行を慎重に確認する、それとともに、有識者の方々にも報告・確認するというふうに考えている。

◆くらた議員(共産)/「どのような説明をなさったのか」ということと、「それを受けて有識者の会議の中でどのような質疑、確認がされたのか」、これはね、全てね、やはり市民に公開されないといけませんよ。そうでなかったらこれは絶対納得できない。ぜひ委員長にお諮りいただきたいと思うが、3月31日、有識者会議に対する京都市の説明と、そして有識者会議の中でそのことがどのように論じられ、また、事業者に対する確認がされたのか、このことはしっかり市民にやっぱりきちっと公開されるべきだと思うので、委員会資料として提出を求める。

いずれにしても、こうした大変重大な、不当労働行為がおこなわれた事業者を、京都市が選定するなど、絶対に私認めることできない。しかも「上質宿泊施設制度」などというね、こうした制度の特質から見ても絶対に認められない。このことは指摘しておく。

◎むくだ委員長(自民)/ただいま、くらた委員から要求あった「守口市の事案の有識者会議への説明とその議事内容についての資料」については、理事者提出できますか。

(→北川・観光戦略担当部長)非公開事由に当たらない範囲で、確認のうえ、可能な範囲で提出させていただけたらと考えている。

◎むくだ委員長(自民)/提出できるということですので、委員会資料として提出を求めることにご異議ございませんか。

◆平山議員(自民)/今、くらた委員のほうから、まあこういった形で委員会の資料として、要求をするというようなことであったが、なぜこれは個人要求ではなく委員会資料として要求されるのか。まず教えていただきたいと。

◆くらた議員(共産)/この委員会でも、この問題については各会派の委員からのご議論もあることでもあるし、そして今、一つ一つ事実が明らかになってきている経過に関わることであるので、委員会資料にふさわしいと思う。

◎むくだ委員長(自民)/ただいま、平山委員から異議があるとのことで、また、くらた委員が請求者でございますから、委員会資料として請求すべきだということでございますけど、もう一度お諮り致します。この資料について、委員会として提出を求めることにご異議ありませんか。

◆安井議員(民主)/先ほど理事者のほうからもご答弁あったが、その中で、公開なんとか言うてはりましたなあ・・・もう一回確認したい。それに基づいてできるとこはやるということだった、何が前提やったのかちょっともう一回。

(→北川・観光戦略担当部長)非公開事由に当たらないことを確認のうえ、可能な範囲で提出させていただきたいと考えている。

◆安井議員(民主)/いま前提条件言われたので、それはそれで一度ね、理事者のほうで確認したうえで、出せるもんは出すと、いう範囲で私はいいと思いますけどね。もしあのその条件が合わなかったら、出せないわけだから、それ以外の、条件に合う部分は出すということで、それでよろしいんですな。

(→北川・観光戦略担当部長)その通り。

◆平山議員(自民)/そのうえで一点意見だけね。くらた議員が前々回の時に、こういった形で要求された資料で、市民団体、市民から出されている意見を要求されて、そして法に基づいてしっかりと出すというようなことで、委員会資料として請求された。そのうえで前回、「これは京都市の個人保護条例に違反するんだ」とおっしゃった。そういった総括が全くなされていないのに、またくらた議員のほうから、その場合のお話がないのに、委員会資料としてたんびたんび要求されてたら、我々も委員会の委員だから、前の話がどうなってるんだというふうに思うので、その辺りは申し上げておきたいと思う。

◎むくだ委員長(自民)/それではですね、ただいまの、平山委員、安井委員からのご意見を踏まえまして、「提出できる範囲」と、いう話が当然前段でございました。くらた委員それでいいですね。提出できる範囲で。(「ちょっと待って下さい」の声)

◆富議員(自民)/有識者会議をよくね、いろんなところで設置しますわね。そういう有識者の方にお願いをしてね、その議論を、委員会に提出せえっていうことで、しょっちゅうしょっちゅうされたらね、委員のなり手なんかないですよ。私はそう思うんですよ。だから、問題があるならあるで、くらた委員は前回、個人資料でもらってるんじゃないですかそれは。そういうあの資料を。個人資料でもらってたんじゃないの。何かこの場で何か黒塗りでどうのこうのとおっしゃってたけども、あれは委員会資料ですか。個人資料でしょ。その個人資料に基づいてやられればいいんじゃないですか。私はね、軽々にね、みなさんね、委員のみなさん軽々にね、よほどのことがない限り、軽々に私はね、審議会での議論を、いろんな方々がいろんな思いで述べておられるわけだから、それを絶えず絶えずね、その資料を反対だから言うてその資料を出しなさいっていうのはね、私はやっぱり慎むべきだと思う。だから、いつもいつも、私らはすごく慎重でありまして、やっぱり有識者の方々に対して申し訳ないそれは。一生懸命ね、京都市のね、今後の京都市思いながら、一生懸命議論していただいているわけだから、我々は議会議会で、議会は議会でね、やるわけだから、だからそれはそれで個人資料を持っておられるわけだから、それに基づいてやっていただければ結構かと。

◆くらた議員(共産)/いまの富議員のご発言だが、ここは議会であり、議論を進めるうえで、議員の調査権に基づいて、資料を請求させていただいている。もちろんこれは出せるもの出せないもの、これは当局は当局の判断で委員長の采配によって決せられる。そういう手続きを踏んでいるので、それを踏み越える意思もない。あくまで議会のルールに基づいて、請求をしているということはご認識いただきたい。

そして先ほど平山議員からもご意見あったので、当然議員としてみなさんもそうだが、事前に個人資料として様々な調査活動されていると思う。それを元に質疑することの自由性はあるし、そして委員会資料で求めるか求めないかもそれぞれ議員の自由裁量に委ねられている。ただそれが不適切かどうかは委員会の合議で決することができるので、これまでご議論いただいて、いま一応到達として、合意された中身について私は大事にしていただいたらいいと思う。

それと委員会資料だが、あくまで見たくないというふうなことは議員の自由意志だと思うが、決せられたものについてではみなさんそれぞれ受け取っていただくべきものかと思う。

◎むくだ委員長(自民)/ただいま議事進行がかかっていましたので、これについて他にございますか。

◆安井議員(民主)/先ほどご本人からもあったが、個人資料で要求されてもう取っておられると。今回の要求資料が、個人資料でお渡しをされた内容で、ということなのか。そうすると個人資料で取られた時に、黒く塗って、黒く塗って、何か出したとかいう話言うてはりましたかな。だからそれは同じもんであれば、同じもんであれば、ね、同じ同じ、同じ資料として出されるということになれば、それは個人資料でやられたんですから、委員会で別に、それは必要ないと、その辺の確認だけね、ちょっと理事者のほうに求めておきたいと思います。

(→北川・観光戦略担当部長)有識者の議事録については、くらた議員より個人要求資料としていただいていたもの。すでに出しているもの。

◆安井議員(民主)/出されたものと、今日質問があった「資料出してほしい」ということと、同じやったら、もう我々はいらないし、おそらく個人資料でもらってるのと同じであると、いう答弁が今あれば、それはもうもらっておられるんで、委員会として取る必要はないんと違うかなと。

◎むくだ委員長(自民)/はい、委員長として確認いたします。ただいま安井委員からのご意見によりまして、先ほどくらた委員から請求がありました資料については、前回個人資料として提出されたものと同じものであるのかないのか、そのご認識について局にお伺いいたします。

(→北川・観光戦略担当部長)同じもの。

◎むくだ委員長(自民)/すいません、ちょっと待ってください、今同じものであるというご意見がありましたけれども、もう一度ですね、それでしたらくらた委員、どのような資料を求められるのか、あらためてご発言いただけますか。

◆くらた議員(共産)/私が先ほど求めたのは、部長のところで、その守口市、つまりそういう不当労働行為ということで、労働委員会から是正の要請を受けている、そうした共立メンテナンス株式会社さんに対する事実の経過、そういったことはきちっと報告されてるんですかと、いうことを伺った。しかし私が個人資料としていただいた中身には、そうした詳細な中身はないし、ましてやそのことが有識者会議の中でどう議論されたのか、どのように確認をされたのか、そのことについても分かるものにはなっていなかったので、あらためて伺って、その部分については議会に示していただきたいということで資料を要求した。それは出せないということか。

◎むくだ委員長(自民)/はいあのすみません、今のですね、くらた委員から、ご請求のあった資料について、理事者、提出できますか。できませんか。どっちですか。

(→土橋・観光政策監)すみません、ちょっとあのいろいろとやり取りがあって、私の理解もちょっと十分できているか分からないが、3月31日の有識者会議でのやり取りが、私どもが個人資料で出させていただいた以上のものがあるのではないかということをおっしゃっているということなのか。それであれば、私どもが出させていただいた、摘録というものが、その場で行われた質疑ということになる。

◆くらた議員(共産)/しかしその示された資料では、そういうことの説明を京都市がしているっていうことはありませんから。それであえて質問した。先ほど部長が、きちっとその有識者会議に対して、共立メンテナンス株式会社についての経過の報告を「しています」とおっしゃった。だったらそのされた中身について新たな資料として求めたわけだが、いかがか。

(→北川・観光戦略担当部長)議事録のほうだが、そもそも非公開事由に当たるものについては、黒塗りとしているところなので、その全てが出ているものでは当然ない。そのうえで、オープンになっているところでも書いているが、共立メンテナンスの関係で、「このホテル計画が安定した雇用の創出に資するものとは到底言えない」と考えられるような、市民団体の方が市に対して申し入れられ、書面での回答を求めておられた。本市としては「他都市の案件の状況や本計画の雇用計画について、共立メンテナンスとしてはどのようなご認識でしょうか」というふうな形でここには議事録としてオープンになってるところがある。

◆くらた議員(共産)/それではね、説明になりません。なぜかというと私が聞いたのは、「京都市の責任で事実についてきちっと説明をされたのですか」と聞いたんです。今の部長のご説明でも結局、住民側が提示をしている情報に対しておっしゃってるだけで、あくまで京都市としてはきちっと京都市の責任において、共立メンテナンス株式会社に対するこの間の様々な経過については「報告してない」ってことじゃありませんか。これが正当な回答なんじゃありませんか。

(→北川・観光戦略担当部長)先ほど申し上げた部分への、事業者からの回答としては、「大阪守口市の学童保育施設において、働ている方からそういうご意見がございました」と、「本件については現在係争中ということでございますので、解決に向けて努力してまいります」、そのうえで「今回の施設については、まず別事業であること、ホテル事業の中でそういう係争事件というのはございませんので、今回の運営については、従業員の環境ですとか雇用関係も含めて、十分に配慮しながら問題が起こらないように進めていくということを、この場をお借りしてお約束させていただきます、ということでご理解賜ればと思います」というような形で、やり取りはさせていただいているところ。

◎むくだ委員長(自民)/あのすいません、あの、くらた委員ね、これあの一般質問で、時間を限ってやっている質疑の一環でございますので、その点しっかりと守っていただきますようにお願いいたします。はい。

◆くらた議員(共産)/まあ分かったことは明らかだ。やっぱりね、市民が求める公明正大な手続きなのかということではあらためて疑義が深まった。全てをやはりオープンにするべきだし、京都市の責任で何を言ったかということが、もう一つはっきりとしない。ここに大変大きな疑義がある。この点指摘をして終わる。

◎むくだ委員長(自民)/じゃ、くらた委員、ちょっと確認しますね。資料請求についてはいかがされますか。

◆くらた議員(共産)/いずれにしても、私が事前に個人資料として受けた資料以外のものはないというようなおっしゃりようであるが、しかしそれが最大限京都市として今出せる資料だとおっしゃるのであれば、これは委員会資料として提出を求めておきたいと思う。

◎むくだ委員長(自民)/あのすいません、で、今、委員会資料として求められるわけですね。はい。委員会資料として求めることにご異議ありませんか。異議があるならばですね、これは決を採るものではないんですよ。はい、じゃあじゃあ、いやいや、今もう理事者もうおっしゃってたんで、説明で。はい、これ以上のものは出せない、くらた委員から説明いただきましたから。はい、ですから、あの理事者、それ以上のものがあるかどうか、まずお尋ねしときます。先般、くらた委員に提出された個人資料と申しますか、それ以外の資料は出せないというご指摘でしたか、それでよかったですか。

(→北川・観光戦略担当部長)ないです。それ以上のものは。

◎むくだ委員長(自民)/出せないということでございます。はい、いうことでございますんで、要求しないことに致します。以上です。進行致します。この件について他にございませんか。

◆平山議員(自民)/労働問題、この件に関して、様々な議論があったと思うが、ま、当然ながら、株式会社、当該の共立メンテナンスさんですかね、ここが命令を受けたということであるが、これはただ、今、北川部長のご答弁聞いてたら、「上質宿泊施設の選定とはまた別の観点」というか、「別の問題である」と、いうようなご答弁があったわけだが、今回このような措置をされた会社が、一般的な見解でいいが、例えば今後、これに選定されて、旅館業等の申請されるかと思うが、そういうものの欠格事案に当たるのか。その辺りいかがか。

(→北川・観光戦略担当部長)旅館業法の欠格事案、確か3条の2項だったと思うが、許可を受ける場合については、「禁固刑以上である」とか、あとこの法律なので、旅館業法もしくは旅館業法の処分に違反して「罰金以下の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から起算して3年を経過してない者」というのが欠格事由になり、これには該当しないというふうに考えている。

◆平山議員(自民)/ここがまあよくよく説明していただけたら、よく整理されて分かる話だと思う。ま、特に別問題だからということであれば、ま、なかなかご理解いただけない方もいらっしゃるわけだが、同趣旨で考えるんであれば、今回の措置がですよ、今回、共立メンテナンスが受けた命令が、例えば旅館業法における欠格事由に当たるんであればですよ、当たるのであれば、当然、上質宿泊施設に認定されたとて、いけないわけだからこれ当然選定のし直しとか、様々なことを考えていかないといけないと思う。ただ、今回欠格事由には当たらないということで、まあその辺りがおそらく北川部長がこれまで「別問題である」「別の視点である」と、いうようなご答弁にあった趣旨かと思う。そこ確認したかったんですよ。

ただまあ一方でこういったところがあって、これまで選定に当たって、外部有識者の方々から様々なご意見をいただいて、また、「雇用の安定、新規雇用」と、そういう観点もあって、その辺りはしっかりとまあ文書でも交わしておられるということだが、やはり、同様のことがこの京都のところで行われては、これ結果的にこういった選定してた、また有識者会議の、会議の、本末転倒になってはいけないので、まあその辺りはしっかりと追っかけて、これがまさに真の上質宿泊施設になるように、引き続きまあ追っかけるというのか、注視をしていただきたいと思うが、最後その辺り聞いて終わりたい。

(→北川・観光戦略担当部長)委員ご質問いただいたような趣旨を踏まえ、しっかりと、先ほど申したが、ホテルの雇用に関する計画の遵守、これはもとより、守口市における雇い止めも含めた労働問題に対する誠実な対応について、文書での提出を求め、また、あらためて計画内容の履行を慎重に確認する、また、有識者にも報告・確認していきたいと考えている。

◎むくだ委員長(自民)/よろしいですか。はい、この件に関して他にございませんか。

◆山田議員(共産)/私はね、旅館業法の欠格事由に当たるかどうかという以前の問題として、「上質宿泊施設」に選定するにあたって、「安定した雇用」が求められていると。そうした事業者に、要は、こういう裁定が下されている、不当労働行為があったと、入札を停止されているという業者を選定したのは正しいのかどうかと、その点について議論されていたと思うんでね、今の旅館業法に基づく問題とは全く次元の違う話だということだけ、指摘して終わっておきます。

2021年6月11日【産業交通水道委】産業観光局/一般質問「仁和寺門前ホテル建設計画について」

(更新日:2021年06月11日)