陳情審査:埋蔵文化財を守れ!工事を急がず発掘調査の成果公表を(2021年5月25日/文化環境委・文化市民局・やまね)

◎理事者説明

(→山口・文化芸術都市推進室・文化財担当部長)陳情の要旨でございます。南区唐橋平垣町45番地において計画されている共同住宅建築工事について、当地は一般遺跡地域ですが、平安京時代の西寺の跡地及びその周辺地域であり、当地の発掘調査の結果、貴重な資料発掘や新たな発見があった場合は、少なくともその成果が一般に明らかにされ、埋め戻してもその遺構が損なわれないことが明らかにされてから着工するよう求められているものでございます。

次にお手元の文化環境委員会資料をご覧下さい。①発掘調査概要についてでございます。(1)届け場所、(2)申請者、(3)目的、(4)建築面積は、記載の通りでございます。

当地は(5)に記載の通り、周知の埋蔵文化財包蔵地のうち、平安京跡及び唐橋遺跡に該当することから、令和2年12月24日に、文化財保護法第93条第1項に基づく事業者からの土木工事を目的とする発掘に関する届けを受け、同条第2項に基づき、市から、埋蔵文化財の発掘調査内容の写真や図面により記録にとどめるいわゆる記録保存のための発掘調査を指示しました。事業者は指示に従い、(6)の通り、発掘調査を専門とする発掘調査団体である古代文化調査会に委託の上、令和3年2月10日から同年4月23日までの間、発掘調査を実施し、記録保存終了後、埋め戻しをしております。

次に②付近見取図をご覧下さい。当地は赤でお示しをした史跡西寺跡、黄色でお示しした西寺跡周辺の、青で示した「一般遺跡」に該当し、平安時代の西大宮大路、現在の御前通の西側に位置しております。今回の発掘調査では、唐橋遺跡に伴う、竪穴住居跡、平安時代の小規模の建物跡を現出するとともに、鎌倉時代の町家に関する遺構などが検出されましたが、平安京造営時の都市計画を示す遺構は認められませんでした。また、今回の発掘調査は、平安京跡の八条大路と九条大路の間での土地利用の変遷を示す成果として認められますが、平安京を調査する場合の主目的である平安京造営時の都市計画を示す遺構が発見されず、また、過去に実施され、記録保存をおこなった他地点の発掘調査成果と大きく異ならないため、記録保存をおこなったものでございます。

なお、調査成果の公開につきましては、今後、調査団体により、発掘調査報告書が刊行され、出土文化財が本市に保管換えされた後、奈良文化財研究所が運営するウェブサイト「全国遺跡報告総覧」で公開される予定でございます。説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いします。

◎質疑

◆やまね/よろしくお願いします。あのー、まあ発掘調査の終了後ですね、その結果・成果が公開される前に、その現場が埋め戻されて工事着工されるっていう事例はですね、けっこうまあこの場所だけじゃなくて、京都市のいろんなところであるっていうふうに思うんですね。で、私の担当する伏見区でも、しばしばこういった事例が見られますので、ちょっとこの機会に聞いておきたいというふうに思います。であの、先週の土曜日に私、現地にあの訪れてみまして、えー様子を見てきたんですけど、すでにまあ基礎工事が始められているという、ま、そういう状況でした。

で、まずあの確認させていただきたいんですけれども、この「陳情者」の欄にですね、「西寺地域の歴史をつなぐ会」の代表の方のお名前があるんですけど、「ほか」っていうことも書いてありまして、これ今回の陳情者というのはお一人ではないということなんでしょうか。連名のような形で出されているのか。まずちょっとその辺り教えていただけますか。

(→山口・文化芸術都市推進室・文化財担当部長)はい、今回あの陳情者の方についてはですね、私度も実はあの、今まで接触がございません。こういう形で陳情者として初めてあのー陳情今回いただいたということでございます。そういう意味でその実態がちょっと把握できていないところでございます。以上でございます。

◆やまね/まああの実態把握できてないってことなんですけれども、あのまあ我が党の南区選出の井上けんじ議員が先日事情をお聞きしたところによりますと、この陳情書はですね、町内会役員の方との連名で出されていると、いうことでありました。ですから、郷土の、地域のですね、「歴史を大切にしたい」という町内会あげてのですね、強い要望だというふうに私は受け止めております。そういうみなさんの思いが生かされるような文化財保護行政であってほしいと、いうことをまず申し上げておきたいと思うんです。

それであの、私もちょっと、専門家でも何でもありませんので、大変初歩的な質問でちょっと恐縮なんですけれども、この委員会資料によればですね、えー、あの、当該地は、この平安京跡や唐橋遺跡に関わる「一般遺跡」地域ということで青のエリアになっております。で、同時にその周辺ですね、近くは、えー例えば「重要遺跡・小規模遺跡・古墳」の地域、まあ黄色のエリアですね。それからさらに重要な「史跡・名勝・天然記念物・文化財環境保全」の赤エリアと、いうことになっているわけですけれども、隣接しておりますが、この場合ですね、ま、他にもですね、いろいろこういう地域の種類はあるということをお聞きしたんですけど、今出てるのはこの3種類ですので、この3種類に限ってお聞きするんですけれども、このそれぞれの、青・黄色・赤のエリアというのは、設定しているのは国か自治体かというのを、それぞれまず教えていただきたいということが一つとですね、それからこのエリアごとに、ま、先ほどご説明もあったんですけれども、発掘調査、それからその結果報告、工事の進め方等について、どういう違いがあるのか、ちょっとこの点をまずご説明いただけますでしょうか。

(→山口・文化芸術都市推進室・文化財担当部長)はい、お答えします。あのー先生おっしゃるようにこの文化環境委員会資料でございますけれども、この付近見取図でございます。えーこれにつきましてはいわゆるその埋蔵文化財の包蔵地の地図ということで設定をさせていただいておりまして、これは京都市の場合は京都市が設定をさせていただいているというところでございます。

で、具体的にこの、今回その、赤・黄色・青というふうに設定させていただいている現状でございますけど、赤につきましてはここは史跡西寺跡と、いうことでございます。で、黄色につきましては、西寺跡があるであろうという遺跡でございます。それと周辺の遺跡ということでございまして、これあの、えーこの赤・黄色・青という順番にですね、その史跡のやはり重要度というものが一つあると思っております。で、特にその赤については史跡ということで、えー国指定と、国指定の文化財ということでその遺跡の重要性っていうのはもうほぼ定まってると、いうふうにご認識いただければと思いますし、黄色につきましては過去の調査であるとか、文献等々によってですね、だいたいこの位置が確定していると、いうふうに今のところ判断をしているということです。

で、青につきましてはそれ以外、この場合だと平安京であるとか、えー跡の造営地であるということはだいたい分かっておりますので、それについて設定をさせていただいていると、いうことでございまして、この赤・黄色・青という順番にですね、その発掘調査につきましてもですね、えーそういう現状がある程度把握できているということでございますので、えー発掘調査の手法についても慎重度、例えば、具体的に申したら慎重に掘っていくのか、ある程度その重機を使いながら掘っていくのかと、いうようなその、えーことをしながら、あとその西寺跡では西寺跡のその見解を見ながら掘っていくということで、えー同じ発掘調査でありますけども、その慎重度合いが違うというんでしょうか、えーそういうな形で調査をさしていただいていると、いうところでございます。

◆やまね/そしたら赤・黄色・青の順番でこの慎重度が異なってくるということでいまお話があったんですけれども、で、仮にですね、このー調査が、赤、あるいは黄色のエリアの場合は、あのー調査の後、パッと埋め戻して、で、すぐ工事着工ということにはならないということなんでしょうか。ちょっとその点どうでしょう。

(→山口・文化芸術都市推進室・文化財担当部長)はい、赤の部分につきましてはですね、やはりその史跡ということでございますので、これは国とも調整しながらということになってこようかと思います。特にその黄色の部分につきましては先生おっしゃるようにですね、えーと発掘調査をさしていただきますけども、その遺構の状況を見ながら、えー記録保存という形で、埋め戻す場合もございますし、当然その、えー開発業者の方々の設計変更等をしながらですね、遺構を保護するというようなことも手法を取り入れながら、えー保護していくと、いうことになってくると思います。

◆やまね/分かりました。そうしますとやはり、あのー国と調整したりだとか、あるいは状況によっては設計変更だとか、そういう事例が、そういうケースがあるということをお聞きしました。で、今回の場合はですね、あのまあ青のエリア、「一般遺跡」ということでありますので、もう少しお聞きしたいんですけれども。で、仮にこの一般遺跡のエリアで、重要な発見があった場合、その場合もですね、これ調査が終わってすぐ埋め戻して工事着工となってしまうのかどうか。ちょっとこの辺りをもう一度教えてほしいんですけれども、これ陳情者の方が今回指摘されているようにですね、報告書完成以前に工事が始められてしまえば、遺構保存の必要性があるような成果があったとしてもその時にはもう取り返しのつかないような、あのことにもなるんじゃないか、まあこんなご意見もいただいているんですけれども。

えーこの委員会資料の地図を見ますとですね、当該地は青のエリアなんですけれども、すぐこれ、えー隣がですね、道路の部分ですかねこれ、赤のエリアになっております。で、ちょっとお聞きしたいのはですね、この少しでもエリアがずれていたらですね、一切そういう事情が考慮されないのか。え、まあ先ほどもありましたように、まあ京都市がエリア設定しているというお話あったんですけども、このエリアっていうのはあくまで後の時代に、の人たちが設定したものであってですね、その後の研究によっては、当然エリアがいろいろ更新されていく場合もあるんじゃないかなと、いうふうに思いますので、私はこのエリアから、赤とか黄色とか、そのエリアから外れていたとしても、地域の持つ歴史的背景に応じて、えーやはり柔軟にこれは、あー調査の状況に応じて対応していくべきじゃないかなと思うんですが、ちょっとその辺りの、教えていただきたいと思います。

(→山口・文化芸術都市推進室・文化財担当部長)はい、お答えします。あの今回の発掘調査地点でございますけど、先生おっしゃる通りですね、いわゆるその西寺、史跡西寺跡のですね、の、すぐそばの発掘調査ということでございます。我々としても発掘調査にあたってはそういうことも踏まえながら、えー慎重にですね、発掘調査というのをおこなってきております。えーということでございますので、その、えー、え、青地点だからその単純にその、おー、ちょっと乱暴な言い方になるんですけど、単純に発掘調査してすぐ終わらすということではなくてですね、きちんとそういうものを、えー、慎重に発掘調査をさしていただいているということでございます。

それと、えーあの、この発掘調査につきましてはですね、えーこの埋蔵文化財包蔵地の地図につきましては、えー常にその調査研究であるとか、いろいろな文献等で様々な発見等ございますのでですね、えー数年おきに、えー更新を指していただいているということなので、最新の状況に、えー最終の研究の知見を踏まえた、あー地図になってると、いうことでございます。

あの最後にですね、これあの、発掘調査につきましてはですね、我々としてましてはいわゆるその、記録保存という形で、えー保存さしていただいています。何もその、えー発掘をしてですね、その埋め戻して、えーすぐ建設するのではなくて、ちゃんとその記録保存をすると、いうことでございまして、えー例えばその、えーどういう出土、遺物があったであるとか、どういう地層であったとかいうのをですね、写真、あと、おー、図面等も記録に残しますし、その他必要であれば他の文献も得ながらですね、考察等もそういった、いわゆる調査、えー発掘調査報告書というのを刊行して、えー記録に残すと、いうことで対応さしていただいていると、いうところでございます。

◆やまね/分かりました。あのーそれでですね、あのそうすると、今のお話ですと、えーまあ青エリアだからといって、単純にすぐ調査して終わるっていうわけではないんだと。でまあ重要な発見があればということだと思うんですけれども、で、先ほどのご説明にもあったように、今回の調査では、結局その西寺跡のものだとか、あるいは平安京跡の都市造営に関わるようなものまでは見つけられなかったということで、今回のような対応になっているというふうに理解をしました。

で、そこでですね、あの、ただやはりこの地域はかつて羅生門を挟んで東寺・西寺の大寺院が存在した、ま、そういう歴史的な重要な地域でもありますし、ま、そういう歴史上も非常に由緒ある地域だからこそ、この地元のみなさんがですね、貴重な資料発掘や新たな発見があった場合、また、こういう調査がされた場合にですね、少なくともその成果が一般に明らかにされて、埋め戻しても大丈夫なんだと、いうことがですね、明らかにされてから着工をと、いうふうに今回の陳情でも求められているわけですけれど。

このそこで、事業者がですね、まあどう答えてるかっていうと、「それでは事業にならない」というふうに返答されてるということをお聞きしてます。で、ただ私はこれ聞いてですね、やっぱり京都の歴史に関わる貴重な資料が埋蔵されている可能性がある、まあそういう場所をですね、そういう「経済の論理」といいますか、「お金の損得の話」というか、そういうものでまかせてしまったらですね、どんどんどんどん、貴重な遺跡が失われてしまうんじゃないかと、いうふうに危惧をしてるんですけれども、例えばですね、これは私の地元の伏見区で、桃山地域で指月城の、に関わる発見があった際は、ま、現地説明会なんかもおこなわれて、大変そのたくさんの方がですね、訪れられて、そういうことがあったわけですけれども、その地域のやっぱり歴史を大事にしたいというその地元のみなさん、あるいは市民のみなさんから求めた場合ですね、例えば、調査結果の報告会やってくださいとか、あるいはきちんと資料作成をおこなったうえでやってくださいとか、そういう求めがあった場合にですね、やっぱりそういうことを待って着工すると、いうふうなことには、なかなかできないもんなんでしょうか。その辺りどうでしょうか。

(→山口・文化芸術都市推進室・文化財担当部長)はい、お答えします。えーこの埋蔵文化財の発掘調査につきましてはですね、いわゆるこのような土木工事につきましては、いわゆる開発事業者さんのご協力に基づいて、えー発掘調査をおこなうということで、従来全国的におこなってきているということでございます。そういうことでかんすれば、あのー発掘調査にご協力いただいたということでございまして、これ以上その、えー先生おっしゃるようにですね、埋め戻した後、成果が分かるまで工事を止めるということにつきましてはこの文化財保護法上ではですね、規定はできてないところでございまして、ここについては我々のちょっと手に及ぶ範囲ではないと、思っております。

ただその、えー先ほど申しましたようにその発掘調査報告書というのはつくらさしていただきますが、ただこれも、えー出土遺物を、おー洗浄したり、あとその調査をすると、えー報告書まとめるのに相当な時間がかかると聞いております。通常ではだいたい1年から、長ければ3年程度かかるというふうに聞いておりますので、えーそこまでお待ちいただく必要があります。そうなると、えー仮にその発掘調査報告書ができるまでですね、えー事業者さんに、えー開発を待っていただくということになると、えー開発事業者さんのほうのコストもかかるということ、まさに経済的な、あー理由が発生すると、いうこともございまして、ここについては我々もその先ほど申し上げたように方法上止めることはできないということなので、あとは事業者さんのご協力に、判断にお任せするしかない、というふうに感じております。

あと最後に発掘調査報告書につきましてはですね、えー数年かかるというふうに申し上げましたけども、必要があればですね、えー発掘調査「速報」という形でですね、えー住民の方々にですね、資料を提示することも可能だというふうに考えております。以上です。

◆やまね/必要があればそしたら速報という形で提供することもあると、いうことでしたので、まあそれはぜひですね、地元のみなさんも、この成果、結果がどういうものであったのかってのは関心を持っておられますんで、それはぜひやっていただきたいと思うんですが、ま、ただやはり、法律上ですか、そういう待ってもらうというような規定はないということで、これ以上止められないんだというお話でした。

でまあ、ただですね、やっぱりあの陳情者の方が述べられてますように、「企業の社会的役割の一環として、地域の歴史やその保全等との調和も考慮されるべき」だとあります。これは私も同感でしてね、あのー特に京都市は「観光」の問題で、えー「地域文化の継承を最重要視した市民生活と観光の調和に向けて取りくむ」っていうことをくり返してこられましたので、私、陳情者の求めておられることはですね、そういう意味では「地域文化の継承」を掲げている京都市の立場ともけして矛盾するものではないと考えますので、あのまあ法律上、止めることが無理だとしてもですね、例えば、やはり京都市の側が、あの地元のみなさんの意向なんかもお伝えして、事業者と丁寧に話し合っていただくってこともですね、できないのかなと、そういうこともぜひ考えていただけないかなと、いうことで、これはちょっと要望しておきます。

で、もう一つだけ、あのお聞きしておきたいんですけれども、こういった発掘調査でですね、出土した文化財の保管について、お聞きしておきたいと思うんです。で、読売新聞の3月29日付の、これ記事なんですけども、ちょっと私もびっくりしまして、「京の出土品 保管ピンチ」という記事が出ておりました。で、この記事によればですね、えー「京都市には温湿度を調整できる本格的施設は一つもない」「文化庁は1998年、文化財保護法に基づき、自治体に対して出土品の適切な保管・管理や、管理施設を整備するよう求める通知を出している」「政令市では、大阪市や神戸市、福岡市、岡山市などが温湿度を管理できる設備や施設を整備。また、出土品の多い奈良市にも同様の施設がある」というようなことが、紹介されておりました。で、一つ確認というか教えていただきたいのは、あのまずその、京都市にはですね、こういう文化財を保管するための、温湿度を調整できる本格的施設がないというのは、これは事実なんでしょうか。

(→山口・文化芸術都市推進室・文化財担当部長)はい、お答えします。えー埋蔵文化財のいわゆる出土文化財について、出土品についてですね、えー保管庫でございますけども、この件につきましては、えー当市ではですね、8箇所、収蔵庫を設けております。ただ、その、えー温湿度管理ができるものと、えーできる部屋と、できない部屋というものが現実にはございますが、えーいずれにしてもその、収蔵庫としては、えー施設を保有してると、いうところでございます。

◆やまね/そしたら収蔵施設としては8箇所あって、できる、温湿管理できる部屋とできない部屋があると、いう今お答えでした。で、もう少し、あと一点だけお聞きしたいんですけれども、この読売新聞の記事ではですね、昨年12月時点で、今おっしゃっていただいた全8箇所ですね、この「収蔵施設の平均収蔵率は95.7%となっており、早ければ3年後にも収容能力は限界に達する見通し」ということでありました。

で、そこで二点、うかがいたいと思うんですけれども、これ元々ですね、これぐらいたくさんの収蔵率ということになっているのかですね、あるいは近年特にホテル建設などが相次いだことで出土品の量が増えてこういう状況になってるのか、ちょっとそれ教えていただきたい。で、あの可能ならあの資料請求をしたいと思っております。で、それは、ここ10年ほどの出土品の量と、それからここ10年ほどの各施設の収蔵率の推移、これがもし分かるんであれば、ぜひ資料として出していただきたい、ちょっと後でおはかりいただきたいと思います。

で、二つ目にお聞きしたいのが、えー京都市はですね、この文化庁が出した1998年の通知についてどのように対応してきたのかですね。保管施設が必要ということで文化財の担当部局から予算要望などはされてきたのかどうか。その点いかがでしょうか。

(→山口・文化芸術都市推進室・文化財担当部長)はい、お答えします。えー収蔵庫の収蔵率についてでございますけれども、これ収蔵庫の収蔵率につきましてはですね、えー先生あのおっしゃるようにその、新聞の報道の発表の通りでございまして、約95%、96%まで、えー収蔵率が達しているという状況は事実でございます。

それとその、今までの収蔵庫の対する、文化庁のいろいろな指導に対しての、当市の、えー収蔵庫に対する対応でございますけども、これにつきましても我々としましてはその、えー毎年その、おー発掘調査というのはございまして、年によってその収蔵すべき出土文化財ですね、の良ってのは毎年変わってくると思っています。えーただその非常に、えー他都市よりも、そういう出土遺物についての出土品の量っていうのは多ございますので、この収蔵庫の確保というのは我々の一つの課題だと、考えているところでございます。

えーそういうことでございまして、我々としてはできる限りの範囲内で、えー収蔵庫の確保等もしてきたと、いうところでございますし、えー昨年度についてもですね、えー予算要望もさしていただいたということでございます。ただし、あー今年度ですね、今年度予算、3年度予算で要望させていただいたところでございます。ただし、やはりその、当市の財政状況も厳しいということでございまして、えー今回につきましては見送られたということでございまして、これにつきましては我々もその財政当局にもですね、理解を得られながらですね、えーできるだけその整備をしていきたい、えー何らかのその収蔵庫の確保はしてまいりたいということは努力はしていきたいと思っております。以上でございます。

◆やまね/あの最後にしたいと思います。あのまあ今お答えいただきましたけれども、あのーまあ後でちょっと資料についてもですね、おはかりいただきたいんですけれども、あのーま、今後ですね、今後もですね、この埋文調査を、丁寧に進めていくためにもですね、今お答えいただいたように、文化財の保管施設ってのは必要不可欠だと、私もあの思います。

であの、読売新聞のこの記事ではですね、最後に、文化庁の文化財調査官も務められた同志社大の文化財保護研究センター長の先生が、コメント寄せておられるんですが、「埋蔵文化財は、絵画や庭園などと比べて観光資源になりにくく、管理がいいかげんになっているのではないか。文化庁の移転先として、先進的な取組を発信するぐらいの姿勢が必要で、バランスのとれた文化財保護へ方向転換を図るべきだ」と、こういう厳しいご指摘もありました。

で、私も思ったことはですね、コロナ以前には、あのー今はね、コロナでいろんなイベント中止になってますけども、コロナ以前にはですね、文化市民局でもイベント開催にそれこそ数千万円単位でお金をまあ使ってきたわけでありまして、その一方で、先ほど「予算要望してるけど、ならなかった」というお話ありましけれども、この京都の歴史に関わる貴重な文化財や資料の保存にはお金を出せないということがあっていいのかというふうに私思いまして、ぜひですね、本当にこの「地域文化の継承」であるとか、「観光の推進」を掲げてるんであればですね、やっぱり歴史都市、京都市の文化財保護について、その予算もですね、きちっと確保していただきたいと、これはあらためて要望として求めて終わりたいと思います。以上です。

(→山口・文化芸術都市推進室・文化財担当部長)ありがとうございます。あの埋蔵文化財につきましてですけども、先生おっしゃるようにですね、あのーことではごもっともだと思います。ただ、あの埋蔵文化財につきましてはですね、やはり国や地域の歴史の、歴史と文化の成り立ちを明らかにするうえで欠くことのできない国民的財産だということは文化庁からも言われてますし、我々もそう思っておるところでございます。えーそういう中でですね、例えば近年の取組としましてはですね、これ民間の業者さんによってですね、先ほどの新聞記事にも出ました水垂収蔵庫(伏見区)で実はその見学ツアーというのをさしていただいております。これ非常にあの盛況でございまして、えーこういう活用の仕方っていうんでしょうか、埋蔵文化財の活用の仕方という、収蔵庫も含めてですね、活用していくことによって、えー埋蔵文化財の重要性であるとか、いうことも知っていただきたいと思いますし、えーその活用ができるんだということも、えー積極的にアピールしてまいりたいというふうに思います。いずれにしましてもその収蔵庫の確保につきましてはですね、引き続き、えー努力してまいりたいと思います。以上でございます。

〇国本委員長/先ほどやまね委員から要求のありました直近10年間での出土品の量ならびに各施設の収蔵率の推移の資料については、理事者提出できますか。

(→山口・文化芸術都市推進室・文化財担当部長)はい、えー過去10年間の状況でございますけども、えっとその過去10年なのか、ちょっと期間も含めてですね、えー提出、えー相談さしていただいたうえで、相談さしていただいたうえで、提出させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

〇国本委員長/はい、提出できるということですので、委員会資料として提出を求めることにご異議ありませんか(「異議なし」の声)。ご異議ありませんので、委員会資料として提出を求めることに決定致します。理事者におかれてはなるべく早く提出していただくようお願い致します。この件については他にございませんか。なければ本件は陳情ですので、この程度にとどめます。以上で陳情審査を終わります。

2021年5月25日【文化環境委】文化市民局/陳情審査「発掘調査の成果の公表」

(更新日:2021年05月25日)