東京オリンピック頼みのスポーツ振興策の転換を(2021年5月25日/文化環境委・文化市民局・やまね)

◆やまね/よろしくお願いします。あのー私、スポーツファンの一人として、それからスポーツの発展を心から願う一人として、今日はお話をさせていただきたいと思います。で、今回のオリンピックでですね、あのー私、やっぱり大きな問題だと思っているのは、パンデミックが収束しない中でですね、アスリートのみなさんの置かれている状況、練習環境やあるいは予選出場など、ま、国によってですね、大きな格差が生まれていると。

例えば、今も深刻な状況が続くインドではですね、4月に陸上の有力選手、2018アジア大会で優勝されたような方ですけれども、コロナに感染をされて、症状回復後も体力が戻らず、もうあの1年後を目指して、今やっておられるそうです。5月にはですね、五輪予選を兼ねたカヌーの大会で、タイで開催されたそうなんですけど、インドの選手が入国制限で入国できず出場もできず五輪も可能性消滅したと。今月上旬にはですね、東京で行われた水泳・飛び込みの最終予選で、オーストラリアの選手が全選手出場辞退されると、いうことになっております。

で、こういう点でですね、今回のオリンピックというのは、アスリートのみなさんが最も強く願っている「フェアな大会」「アスリートファースト」、こういうふうにはならないんじゃないかと、思うんですが、京都市の見解はどうでしょうか。

(→川口・京都マラソン・ワールドマスターズゲームズ担当部長)はい、オリンピックに関する京都市の見解でございます。え、オリンピックは、議員ご紹介の通り、様々な選手が、えー国や文化の壁を越えて、一堂に集って技を競うと、それを私たちも見せていただいて、いろんなものをいただくと、ま、そういう非常に貴重な機会であると思っております。

で、ところが、現在、感染症の状況が厳しく、今、いろいろあのご紹介の通り様々な困難な状況にあるのもまた事実でございます。私たちとしましては、やはり基本的にはオリンピックは京都市の、えースポーツの振興、また市民のみなさんに楽しんでいただくといううえにおきまして、非常に重要な事業でありますが、開催の可否、それから今後の考え方につきましては、やはり国際オリンピック組織委員会など、ま、しかるべき立場の方々に、判断いただくべき問題かというふうに考えております。

◆やまね/まああの、「様々な困難があるのは事実だ」と、いうふうにはおっしゃっていただきました。でまあ元々のオリンピックのですね、スポーツの意義についても少しふれていただいたと思うんですけれども、あのーやはりですね、これその後もですね、毎日新聞の集計によりますと、5月22日時点でですね、「パラリンピックも含め32都道府県の72自治体が事前合宿などの受け入れを断念」してると、こういう状況にもなっています。「そのうち54自治体は『相手側から中止の申し入れ』」があったということで、こっちは受け入れたいと思っても、もう海外のみなさんから「行けない」というふうな状況があるということです。

で、あの、世界ではですね、この間イギリス・フランス・ドイツ・アメリカ・オーストラリアなどいろんな国のメディアが「中止すべき」だと、あるいは「公衆衛生より関係者の利害が優先されている」という厳しい批判も起きておりますし、それから日本国内の、世論調査ではですね、どの調査を見ても「中止」か「再延期」を求める声が多いと。過半数ですね。で、「朝日」「ANN」の調査なんかでは「中止・再延期」が8割を超えると、こういう結果も出ております。

で、もう一つお聞きしたいのはですね、こういうなかで私心配してるのはですね、本日・明日、京都では「聖火リレーイベント」が、当初の形を変更したとはいえ、府立京都スタジアムで行われる、行われてるわけですけれども。つまりですね、京都府・京都市は、あのー、現瞬間も、この東京オリンピックの開催を前提にですね、物事を考え予算を使っていると。で、これがですね、コロナ対策に全力をあげてほしいと願っている市民のみなさんの感覚と、どうなのかと、ズレてるんじゃないかと。で、はたして市民理解が得られると思っておられるのか、この点はいかがでしょうか。

(→川口・京都マラソン・ワールドマスターズゲームズ担当部長)はい、えーコロナ禍における、えー京都府京都市による聖火リレーの、えー実施についてでございます。確かに議員からもご紹介がありました通り、えー市民の皆様の間にはいろいろなご意見、ご心配があのあるというふうに私も実感をしております。えーやはり「聖火リレーよりも感染症対策を優先すべき」というご意見もございますれば、他方で、まあ聖火リレーの重要性や聖火を全国でつないでいくと、まあそういう責任と言う観点からも、「万全の対策を講じたうえでやはりやるべきである」というご意見もいただいております。で、やはり様々なご意見がある中で、私たちと致しましては、京都府や、それから組織委員会と、えー協議・調整を重ねまして、えー亀岡の、えー京都府立京都スタジアムにおいて、無観客で聖火リレーをするという結論達しました。えー現時点ではやはりこれが一番良い選択であると、いうふうに私は確信をしております。

◆やまね/あの今、「ご心配の声があるのは実感してる」というふうに言われました。本当に非常に重要な私はあのお話だと思うんですね。でまあ一方で、「万全の対策してやるべきだ」という声もあると。で、私はですね、こういう時に、スポーツ関係者のみなさんが、どんなことを言っておられるかってことも非常に大事だと思うんです。

元テニスプレーヤーの杉山愛さんがですね、7日放送の民放テレビで「日本国民の命ファースト、医療体制がひっ迫した中で(五輪が)行われてほしいかと言ったら、それは間違っている、アスリートも望んでいない」というふうに発言をされました。陸上女子1万mで今回代表に内定されている日本記録保持者の新谷仁美選手はですね、スポーツニュースのサイトで「国民の意見を無視してまで競技をするようじゃ、それはもうアスリートじゃない。応援してくれる人たちだけに目を向けるようじゃ、私は胸を張って『日本代表です』とは言えない」と、こういう発言されてるわけですね。で、これやはりね、重く受け止める必要が私はあるというふうに思います。

で、そこでもう一点、あのお聞きしたいんですけれども、でまあ、あの、まあオリンピックの開催の是非は確かにIOCだとか日本国政府、東京、ということになるかもしれませんけれども、京都市が関わる問題としてですね、京都市が予定していたこの聖火リレー行事の実施事業者は、公募型プロポーザルで公募され、電通1社のみが参加し受託候補者になりました。で、この間ですね、弁護士の方が、そのプロポーザルや委託契約に関する公文書の公開請求をされておりますが、開示予定日が当初4月27日だったのが5月18日に延期をされて、しかもそれがさらに5月27日に再延期をされると。聖火リレーが終わるまでなぜか開示をされないと、いうことになっております。で、これなぜ公公開できないのか。で、私お聞きしたいのは、市の募集要項、これ2019年9月30日時点に示された契約上限額ですね、これ5900万円というふうになっているんですが、結局いくらでこれ電通と契約してですね、電通には予定通りそういうお金が支払われるのかどうか。ちょっとこの点教えていただきたいと思います。

(→川口・京都マラソン・ワールドマスターズゲームズ担当部長)えー京都市の、えー聖火リレーの、えー事業の、まあ契約の状況についてでございます。えー、で、議員ご紹介の通り、えーこちらが、公募型プロポーザルで事業者を選定致しまして、あの電通と契約してるのは事実でございます。ただ、えー事業が延期をされるなど、えー当初、えー想定していた状態よりも違った状態となっておりまして、えー当然、えー経費の執行は事業終了後ということになりますので、現時点では、まだ執行額は確定しておらないと。えー念のため申し添えますが、事業の大きな部分占めておりましたのはやはり沿道の警備などの事業の、あの実態的な事業に要する経費でございますが、こちらはあのご承知の通り開催されませんので、ま、その辺は大きく節減されることになろうというふうには想定をしております。

◆やまね/わかりました。まあそのあたりもですね、市民のみなさんは本当に厳しく見ておられると思うんですね。であの今朝のニュースではですね、アメリカが「日本への渡航を禁止した」ということも報じられておりました。今世界から「危険な国だ」と、いうふうに今見られております。日本はですね。で、オリンピック開催となったらですね、全世界から約9万人の選手・関係者が来日をするわけでありまして、感染爆発の大きなリスクになるということはあの当然言われています。京都でもこの間、医療機関や保健所のひっ迫ってのは大変なものでありました。それもう本当に京都市の職員さんご自身がですね、みなさんが実感されていることだと思うんですけれども、ですからやはり国やIOCが決めたことだから仕方ないという姿勢では、私はあのいけないと思いますし、こういう大型イベント頼みのスポーツ振興策ではなくって、やはり地に足をつけてですね、市民のみなさんのスポーツ活動を支える、そういう地道な仕事にこそぜひ取り組んでいただきたいと、あらためてこのことを求めて終わりたいと思います。

2021年5月25日【文化環境委】文化市民局/一般質問「東京オリンピックと聖火リレーイベントの開催について」

(更新日:2021年05月25日)