「無謀な北陸新幹線延伸は中止を」「空前の儲けをあげる大企業に応分の負担を」(2021年3月17日/予算特別委・市長総括質疑・やまね)

やまね/よろしくお願いいたします。えーまずですね、あのー午前中の議論で、我が党の加藤あい議員への答弁でですね、「投資的経費は全体の6%、福祉は23%」と市長からお話がありました。それから、あのーこれ基本計画の市長総括の際にはですね、「投資だけを削って福祉に全く手を付けないのは難しい」と、これは副市長から答弁がありました。私こういう一連の議論を聞いていてですね、今思いますのは、今々を生きるために必要な福祉施策の予算とですね、一定立ち止まることも可能な、あるいは緊急性があるとは言えない、こういう大型事業を同列に並べて、そして福祉の方を削る。これはあまりにも乱暴な、私は議論だと思います。市長の福祉施策への認識っていうのはその程度なんでしょうか。「コロナ禍の今こそ福祉予算を増やすべき」とは思っておられないんでしょうか。いかがでしょうか。

(→鈴木・副市長)はい、あの午前中のあの議論にもありましたように、市民のみなさんの今と未来のためにというのが、あー大切な、あー問題意識と思っております。で、先程の、おー収支不足全体像の議論にもありましたように、あのこれから令和7年度までに760億という非常に大きな数字を我々クリアしていかなければならないわけであります。で、それを越えて、さらにその先の何とか墜落期から脱するためには、歳出減の取組というのは非常に大切ですけれども、あわせて歳入増の改革というのもおこなっていかなければならない。そういったことも踏まえまして、今と未来のために何ができるかという視点で、どの経費というものを正しい、どの経費が間違っている、そういうレッテルを貼らずに検討していくことが大事だと思ってます。

やまね/あのー私はですね、徹底した今コロナ対策がまず何よりも求められている時だと思うんですよね。生活支援も事業者支援も含めて。ですからね、私はどう考えても、見直しが必要なのは、福祉施策ではなくて、大型事業のほうだと、いうことは言っておきたいと思うんです。堀川地下バイパス、これ総事業費、高速道路計画時には1200億円とされました。市立芸大移転整備は約290億、小中学校の統廃合2カ所で約150億円、3施設一体型整備は約70億円など、こういう大型事業を今立ち止まらないとですね、大変なことになるんじゃないかと思います。

そこで私は、えー「北陸新幹線の延伸」について、今日は財政的な角度からお聞きしたいと思います。敦賀~新大阪間は総事業費、約2兆1000億円と言われておりますが、そもそも人口減少が予測をされている。そして今、リモートワークやオンライン会議などが広がっている。ま、こういう時代に、巨額の税金を投じてやるべきことなんだろうか。もはや、この必要性そのものがですね、問われてるんじゃないかと、思います。で、加えて、コロナ対策で大変な時にですね、いったい自治体負担がどれだけになるのか。大変な問題だと私は思います。局別質疑ではですね、加藤あい議員の質問に「現時点で論じることはできない」とのお話でした。これずっとこの間そう言っておられますけれども、しかし、推進の立場だけは一貫して変わらない。ということはですね、それでは京都市は、この北陸新幹線の延伸については、どんなに建設費が膨らんでも、あるいは地元負担がどんなに増えてもやると、こういうお立場だということなんでしょうか。

(→鈴木・副市長)はい、まず北陸新幹線、の費用でございますが、これは、あーこれまでのくり返しになりますけれども、現時点、工法・ルート等決まっておらず、論じられる段階にない、いうふうに考えてございます。そのうえで、えーこの事業のそのものは、国土軸形成に資するということで、広く京都圏、都市圏の活性化につながると、いうふうに考えておるところでございます。で、地元負担につきましては、代表質問でも答弁がありました通り、地元負担についての、一義的には、これは、あのー国と京都府ということでございますけども、おー地方負担の極小化に向けて、えーしっかりと訴えてまいります。

やまね/あのー私はですね、現時点で決まってるかどうか、あるいはその意義がどうかと、お聞きしておりません。「どんなに負担が増えてもやるという立場なんですか」と聞いております。いかがでしょう。

(→鈴木・副市長)現時点で論じられる段階にないと考えております。

やまね/あのー否定はされないんですよね。それね、とんでもない話だと、言わなければならないと思います。であの、金沢~敦賀間で起こっている現実をしっかり見ていただきたいと。総事業費は当初の1兆1858億円から、今約5000億円も膨張をいたしました。当然、地元負担も増えていくわけです。で、敦賀~新大阪間で言いますと、その多くがトンネルだということでですね、普通の線路を走らせる、あるいは高架で走らせるよりも、一般的に言えばトンネルのほうがよりコストが高くなるというのは当然のように語られていることでありまして、今1kmだいたい150億円ほどの、あのー推測になっておりますが、これで済むのか、さらに膨張するのではないかということが、今言われております。

ところがですね、そういう中で、ま、自民党プロジェクトチームでの議論はですね、「2023年もしくは2024年着工をめざす」と、かなり前のめりになっておられると。で、この問題を局別質疑ではこのことを紹介して、「京都市も同じ立場なんですか」ということを我が党議員がお聞きしました。それに対しては、「これまでから円滑な整備推進を要望している」ということで、同じ立場であることが示されたわけですが、ところがですね、2023年着工ということになれば、もう2年後じゃないですか。で、本市の「行財政改革計画」期間の真っただ中だと思います。京都市はですね、「財政危機」を理由に一方では福祉を削減する。で、先ほども「4年間で760億円生み出す」というお話ありましたけども、その一方で、いくらになるか分からない事業を同時に進める、全く整合性がないんじゃないですか。いかがでしょうか。

(→鈴木・副市長)新幹線に関しましては、先ほどの通り、費用等については今論じられる段階にないと、いうことを重ねて申し上げたいと存じます。そのうえで一般論としてですけれども、投資的経費については、あー例えば、下水道の大規模管渠のように市民の安心安全に資する、あるいは将来の市民生活の豊かさを税収増につなげるためのよすがとなる、ま、こういった観点から、今のうちから手を打っておかなきゃならないもの、おーこれについては、しっかりと考えてまいりたい、そういう立場でございます。

やまね/あの全くまともに答えられないってことなんですよね。ですからあのーそういうまあよく分かんないような答弁でですね、何百億かかるかわからない、ひょっとしたら1千億円以上いくかもしれない、ま、今そういう事業に足を突っ込んだらですね、みなさん方が言っておられるこの「行財政改革計画」そのものが吹っ飛ぶんじゃないですかってことを私は言ってるわけですよ。で、つまり本市の「行財政改革計画」っていうのは私その程度のものなのかなあと、今お話聞いてですね、思いました。で、こういうお話聞いてますとね、「やっぱり大型事業のために福祉削ってるんじゃないか」と言われても仕方がないと、いうことは申し上げておきたいと思います。

それであのー、もう一つ指摘をしますとですね、仮に、これ国が負担をしたとしても、国民の税金ですから。あのそれでいいというわけには私はいかないと思うんですね。市長が払うわけでもないし、推進されている議員さんが払うわけでもないわけです。税金なんです。国民のお金です。コロナ禍で、国民の命と暮らし、営業が困難に直面している時に、巨額の税金をこういうところに今投じていていいのか。あらためてこの地方公共団体の長として、市長はですね、ぜひ北陸新幹線延伸には反対をしていただきたいと、強く求めておきたいと思います。

もう一つ、税金の使い方に関わって、えーもう一点お聞きしますが、新年度予算ではですね、中小企業・伝統産業・商店街・農林振興予算は軒並み減となっております。コロナ禍のもとで、元々少ない予算がさらに減らされております。その一方で約3億円の増額となっているのが、先ほども少しお話ありました「企業立地促進制度補助金」ですけれども、まずいくつか確認をさせていただきたいんですが、この補助金は、制度開始から昨年度までに交付された補助金の総額ってのはいくらなんでしょうか。

(→岡田・副市長)えー平成14年度の制度創設以来、件数で言いますと190件、補助金総額については約40億円と、いうことでございます。

やまね/約40億円ということであります。もう一つお聞きします。この同じようにですね、制度開始から昨年度まで、えー、一つは、資本金3億円以上の大企業、ま、これは中小企業法の規定、定義によりますけれども、卸売業・サービス業・小売業なんかは5000万円ということですけれども、ちょっと分かりやすくするために資本金3億円以上の大企業への交付総額がいくらかということとですね、もう一つは、任天堂と島津製作所の2社でいくらになるか、この二つ、答えていただけますか。

(→岡田・副市長)え、先ほど総件数と総金額申し上げましたけど、あの合わせてお答えをしておくべきことは、えーこの制度の効果としてですね、えー工場等の延床面積、これは約63万m2増床しております。設備投資等の投下資本額これは約1844億円。市内の常時の雇用者数は約4600人の増と見込んでおりますので、支出の一方でこういった効果があるということをまず合わせてご答弁申し上げたいと思います。そのうえで、今お尋ねの資本金3億円以上と、いうことでございますけれども、えーこれについては、えー約25億8000万円の交付をおこなっております。それから今あの、島津と任天堂もお聞きだったと思います。えー株式会社島津製作所さんについては約8億円、任天堂さんについては7億円ということでございます。

やまね/そうすると資本金3億円以上の大企業には25億8000万円、それから任天堂と島津製作所で約15億円ということになると思います。で、えーつまりですね、市内企業の99.7%は中小企業、これずっとみなさんが言っておられることですけれども、大企業は0.3%にすぎません。その大企業がこの補助金の全体の25億8000万円ということですから約65%を占める。そしてそのうち任天堂と島津製作所の2社だけで15億円ですから、全体の37.5%ほどになると思いますが、これはちょっとですね私は異常ではないかと思います。で、任天堂はですね、これデータ紹介しますと、2015年~2019年の5年間だけで6億8772万円の交付を受けておりますが、同じ時期に任天堂の内部留保、1兆4000億円から1兆5500億円に増やしております。こういう体力のある、空前の儲けをあげている大企業に、なぜ市民の税金を億単位で投入する必要があるのか。これ市民のみなさん納得いかないんじゃないかと思うんですがいかがでしょうか。

(→岡田・副市長)はい、あのこの制度につきましては市内の産業振興、あるいは、えー雇用の増加、あるいは税収の増加と、いうことを目的にしております。え、そうした中で、えー京都の大企業さんにつきましても、例えばサプライチェーンでつながる多くの地域企業、そこに受注がありますし、雇用、また税収面での大きな効果があるという観点から、え、対象ということにしております。合わせて私どもも、中小企業、特に中小企業さんには件数多いわけですけれども、多く使っていただきたいと、事業が大きくなる時、あるいは企業あの、えー発展する時にですね、市外へ流出するんではなくて、ぜひ市内で大きくなっていただきたいということで、Aランクの企業でありますとか、オスカー認定でありますとか、かがやき認定企業につきましては業種を問わず補助金の対象としてます。それと、大企業と今の中小企業ということですが、この間私どもも、見直しをしてきた経過がありまして、えー大企業については、元々5年間の助成期間であったものを2年に短縮すると、いうようなこともしております。

やまね/あのー、ま、「中小企業に多く使っていただきたい」というお話はあったんですけれども、しかし交付総額を見たらですね、約40億円のうちその65%が大企業に交付されてるわけですから、大企業に手厚くなっているのは紛れもない事実だというふうに思います。しかも私リストを見ていて驚いたんですけれども、内部留保1兆円を超えるのは任天堂だけじゃなくてですね、日本電産とか、パナソニックとか、こういうところにも交付されているわけです。で、私はですね、「自助の考えを基本に」ということでね、被災者の住宅再建支援は廃止されてるわけですよね。ところが、大企業のこういう新たな事業所拡張、整備にはですね、こういう形で補助金が出る。私は空前のもうけをあげる大企業にこそ「自助」を求めるべきではないかと、いうふうに思います。で、この制度はですね、あらためて中小企業に限定した制度にぜひしていただきたいと。そして、中小企業・伝統産業・商店街・農林業振興の、その予算の増額こそが必要だと、いうことは指摘しておきたいと思います。

で、もう一つお聞きしたいと思います。法人市民税の大企業に対する超過課税についてですけれども、我が党は現行の8.2%を8.4%まで引き上げれば年間約4.5億円の増収となることを何度も指摘をさせていただいております。この間の議論では「さらなる税率の引き上げについては、今後の経済状況を踏まえて慎重に検討が必要」というお話、答弁がありました。ま、しかしそんな、悠長なこと言ってる場合かと。えーすでに多くの政令市、14市が実施しているわけですから、これ市長の決断一つなんじゃないでしょうか。市長、これぜひ決断していただいてですね、4.5億円の増収はかるべきじゃないですか。いかがでしょう。

(→鈴木・副市長)はい、あのー法人市民税の、おー、への超過課税でございます。法人市民税の超過課税でございますけれども、あのこの超過の税率だけを捉えて議論するのがあの妥当かどうか、というところは考えておく必要があるかなと、思ってございます。あの本市、法人市民税、標準が6(%)のところを3億円超の企業に、資本金が3億円超の企業について、えー経済界のご理解もいただきながら8.2%、一方でご指摘ありましたように、他都市の中には8.4%いうとこがあるのはこれは事実でございます。ただ、都市によってはですね、法人市民税の均等割についても、均等割部分についても超過税率を導入してると、いうところがありまして、こういうところは中小企業にも一定のご負担を求めているということでありますけれども、本市においては求めていないわけでございます。そういった意味で、税率だけの議論というのも一面的ではないかと考えております。

やまね/まああのいろいろおっしゃいましたけれども、他都市で当たり前のことさえやってないと。で、ところがですね、一方ではですね、「他都市水準を上回っているものを見直す」ということで、昨年は市民税の独自減免廃止を決定してですね、これは市税1.6億円のためにそういうことやったわけですけれども、午前中にですね、我が党のこれも加藤議員が指摘したように、新年度予算では、生活保護家庭の子どもさんの修学旅行援助金、これ額にすれば173万円ですよ。で、乳がん対策については824万円、被災者の住宅再建支援については3億9843万円、重度障害者の方が利用する施設への支援1億734万円、などを廃止するわけですよね。で、あのー毎年少なくとも4.5億円増収となったらですね、いま紹介した福祉施策の多くを継続できるんじゃないかと。こういう形で、社会的弱者、あるいは困窮する方々に負担増をかぶせながら、負担能力のある大企業になぜ応分の負担を求めないのか。おかしいんじゃないでしょうか。いかがですか。

(→鈴木・副市長)はい、あの応分の負担という議論、大変大事な議論であるかとは思います。で、そのどこが応分かというところでございますけども、ま、応益応分、あ、応益応能という考え方、それぞれございまして、地方税については基本的には応益が適当であろうと、いうことで、えー今まで、シャウプ勧告以来、その制度がなされているわけでありますけれども、ま、こういった都市間競争の中で、えーどこまでを応益に応能に求めるのかというのは、これはあの十分、もちろん格差解消というのは非常に大事なわけでありますし、同時に財政再建も大切であります。こういう中では、国の標準を超えたというのは一つの目安として大事な考え方として持っておくべき、ということも考えてございますし、一方で、えー財政、えー担税力、あのー応益応能のバランスということは、あーこれは国・地方通じて、えー適切な議論の中で、えー考え、議論されていくべきだと、いうふうに考えています。

やまね/あのーどこまで応能を求めるのかとおっしゃいましたけれども、くらしが限界という方々に負担をかぶせてるわけでしょ。で、逆に、こういう内部留保をもっているような、巨額の内部留保を持っているような企業へ、まだ求めることができるのに、やっていない、これはやっぱりおかしいんじゃないかということを私は指摘をしてるわけであります。1000億円以上の資産を持つ超富裕層・ビリオネアという方々がですね、コロナ禍の1年間に空前の規模で資産を増やしておられます。日本では12.2兆円から24.4兆円に、この昨年からこの1年間で、この資産が倍増する。大企業も内部留保を増やしております。やはりこういう経済状況のもとで、たくさん儲けた人に応分の負担をしてもらって、それを社会保障や中小企業支援の財源にするという、これが、ごくごく私は当たり前の考え方だと思いますし、自治体の役割、市長の責任がそういう意味で問われていると、いうことであらためてそういう立場に立っていただきたい、このことを求めて終わりたいと思います。以上です。

(→鈴木・副市長)はい、あのー能力のある人に、格差解消という考え方が、いま指摘をされているということは、これは事実だと思います。ただこれは国・地方を通じて、国を交えて、適切な議論がなされていくべきであると、重ねて申し上げます。

2021年3月17日【予算特別委】市長総括/不要不急の大型事業を見直し、空前の儲けをあげる大企業に応分の負担を求めよ

(更新日:2021年03月17日)