◆くらた議員/よろしくお願いします。連日大変ご苦労様です。前回は「コロナ陽性判明をしても、高熱や肺炎の診断が下されていても、入院できない」という事例、また、救急搬送等の状況について質疑をさせていただきました。継続して本日も、「コロナ疑いの患者が119番通報をしても受け入れる医療機関が見つからない」「搬送を自ら辞退する」、こういう事案の急増ということで報じられています。あらためて、医療ひっ迫の実態と照らし合わせた感染拡大防止の徹底が求められている、この立場から本日は介護事業所等における感染症対策についてうかがいたいと思います。
まず一点目ですが、現在介護施設に入所しておられる方等が、コロナの検査を受けて陽性が判明した場合、基本的には入院調整を図られるということだと思いますが、その際の窓口は、これまでるる説明をしてこられた京都府の入院コントロールセンターということなのか、それとも京都市の医療衛生企画課が窓口として対応されるということになっているのか、これいずれでしょうか。
(→中谷・医療衛生推進室長)先ほどもご説明いたしましたけれども、うちのほうで患者さんの状況というものを把握した上でコントロールセンターのほうにその情報を送って、コントロールセンターのほうで調整をしていただくという流れになっております。
◆くらた議員/それでは京都市が対応された後の、あくまで入院調整については京都府のコントロールセンターと。介護施設、あらゆるところでの感染者は全てそこに集約されるということで改めて認識をいたします。
続けてですけれども、この間より重度化しやすい方々、リスクの高い方々の感染をいかにして防ぐかということがこの医療ひっ迫を、これ以上のひっ迫を避けるという意味でも、極めて重要だと思います。これについてはこの間、厚生労働省から再三の「要請通知」が出されております。直近では2020年12月25日、「高齢者施設等の発熱・呼吸器症状、倦怠感等の症状を呈する入所者・従事者に対する検査や、陽性者が発生した場合に当該施設の入所者及び従事者全員を対象に、いわば一斉、定期的検査の実施をお願いしており」とあります。これは9月15日付「事務連絡」、続けて11月20日付の「事務連絡」が行われています。また、「特に直近1週間で中規模以上のクラスターが複数発生している地域では、事務連絡を踏まえて高齢者施設等に積極的な検査を実施する取組を徹底されたい」と、こういう中身であります。
これについてですけれど、当然、介護事業所などでは、こういう国の一定の方針を重く受け止め、この間クラスター感染が発生したある介護施設の現場関係者からは、こういう国の通知との関係性でいきますと、速やかに陽性者が発見されたら職員及び入居者全員がですね、検査の対象になると、こういう受け止めをしておられたのですけれども、「京都市保健所の指導ではそうはなっていない」と。「これは相違があるのではないか」という声が届きました。実際に事実関係を確認しますと、京都市はそのクラスター感染が発生した介護現場ですけれども、濃厚接触者を当然特定されるわけですが、感染が判明した入所者の行動範囲は勘案されまして、通常の、元々の濃厚接触者の特定範囲は少し広げた形で、関係フロアにおられた方々を検査対象として検査を実施されたと。しかし当初からの全員検査はなかったということですね。しかしその後に職員における感染も判明したということで、段階的には入居者と職員全員の検査を行うことになっているとうかがっているところです。
これは施設関係者の声ですけれども、「やはり初動対応の時点で入居者全員・職員全員を検査していただきたい」と、「そうすれば感染者の対応」や、その後のやはり介護現場を閉鎖するわけにはいきませんから、「体制づくりを早く考えることもできる」ということで「ぜひとも」と、こういう要請の声が出ております。午前中の議論でもありましたように、昨日、京都府知事が「医療検査体制の強化」を発表され、「高齢者施設等の従事者全員に対する調査を行う」とされましたが、これは宇治市でのモデル実施ということでありますが、今からモデル実施かと私は思います。府域全体で早急に取り組みを進めるべき課題でありますし二つお願いをしたいと思います。
一つは、本市において高齢者施設における従事者全員の定期的検査、このことをやはり取り組むということ。もう一点は、感染者が1人でも反映したなら、速やかに施設関係者全体のPCR検査を行うということを取り組んでいただきたいと思いますけれどもいかがでしょうか。
(→中谷・医療衛生推進室長)何のために我々は検査をしているかということについては常々ご説明をしてきたとおりでございます。行政検査といいますのは、基本的には感染経路をしっかりと抑えて、その中でその感染経路を遮断していくことで、全体の感染というものを収束させていく、そのためのツールとして使っているものでございます。むやみやたらと全部に対して教条的一律に検査をしていくということはしておりません。それぞれの施設の感染状況でありますとか、日常的な業務の動線、そういったものを勘案したうえで必要な範囲に対してかけていく、それは順次やっていくこともありますし、必要であれば一律にかけることもございますけれども、教条的に一斉にやるという形はとっておりません。そうでなければ感染経路というのをしっかりと見極めて、それを断つということはできなくなるからでございます。
あと、定期的な検査とおっしゃいますけれども、そうしたもの1回こっきり、あるいは、間隔空けてやったとしても、今のPCR検査ってものについては、感染予防の効果というのは基本的にないというふうに理解をしておりますので、そうしたものよりは、仮に有症者あるいは陽性者が確認された時には、それに対してしっかりと、感染対策ができるような検査をやっていく、そのことのほうが大事だろうというふうに考えておりますので、先生おっしゃってるような検査というものを実施していく考えは現在ございません。
◆くらた議員/一貫してそのようなご答弁なのですが、ではこの国の通知との整合性というのはどのように考えたらいいんでしょうか。
(→中谷・医療衛生推進室長)一斉にやるという部分に関して言えば、我々は必要な範囲で一斉にやっているということでございます。その通知文の中にもありますけれども、定期的にやるとか全部を全員に対してやっていくということではないというふうに考えて、ということも国の通知文の中には記載されておりますし、国のその通知の意図というのは、我々既に実施をしているところだというふうに理解をしているところでございます。
◆くらた議員/しかしですね、介護現場における緊迫感・緊張感というものとの関係性でですね、どうあるべきかというのは、私は一層の検証がいるというふうに思います。感染防護の徹底と重度化防止が緊急の課題であることは、どなたもが異論のないところだと思います。ましてや高齢者施設の入所者は、感染した場合に入院以外の受け皿がないのが実態であります。その入院受入が難航している今ですね、やっぱり医療負担を増やさないためにも施設入所者の感染防止、予防的観点で徹底するということが課題だというふうに思います。
次、二点目ですけれども、介護関連施設におけるこういった危機感のもとで、自発的なPCR検査をおこなっていかれる、こういう実例が既にもう生じております。入所施設はもとより通所系介護事業所や訪問系介護事業所における感染対策、これも深刻な状況にあります。すでに利用者の中に感染者が判明したことを受けて、所属する看護師の判断で職員全員のPCR検査をおこなった通所系の事業所 、また、訪問系の事業所などの経験をうかがってまいりました。通所系サービスであれば曜日で利用者は入れ替わります。訪問系であれば職員に感染が及べば職員自身が媒体となって感染を広げることになりかねません。介護を必要とする方々への介護を提供し続けなければならないという社会的責任、そして感染症を広げてはならないという責任、この両者の責任を果たすためにですね、どうしても感染の有無、職員やそして関わりを持つ方、今、現時点、感染しておられるのかどうか、その確認をすることはどうしても必須だと考えるのが介護現場の声であります。当然だと思うんです。
そこで、こうした判断でおこなわれた検査に対する費用についてですけれども、当然これは大変多額の費用もかかってくるということですが、ぜひこうした介護提供に社会的責任を負う、そうした立場に立つ方々が判断して、当然これ勝手にというのではなく、当然行政とのやり取りをする中でですね、判断をされているわけですけれども、ぜひこれらの検査費用については何らかの対応を検討いただきたい、求めたいと思いますけれども、お考えはいかがでしょうか。
(→中谷・医療衛生推進室長)先ほども申しましたように、仮に陽性者、あるいは発症者等がいて、検査が必要であるということであれば、通所系であってもそれから入所系であっても、必要な範囲に対しては検査を実施しているところでございます。そうした形で感染拡大防止というのを図ってきているところでございますので、基本的にはそれで対処していくというのが我々の考え方です。ただ、事業者さんのほうで、様々な感染対策をされる中で、そうした検査をすることが有効であるというふうにご自分で判断をされた場合に、それを実施されることについては特にそれを止めるというものではございません。色々な感染対策の一環として実施していけばいいのではないかなというふうに考えております。以上でございます。
◆くらた議員/そういうふうな、きちんとした適正な判断をし、そして感染防護に協力をいただくということが大事だと思います。そのためにもですね、安心してそういうふうな、行政にも当然相談しながらの判断、そのうえで検査をされる際に、いったん事業所負担でされたとしても、後にきちっとですね、検査費用については補填がされると、こういう仕組みをぜひともこれは作っていただきたいと思います。いかがでしょうか。
もう一点ですけれども、先ほどの議論でもありましたが、国の第2次補正の関係で「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業」等々も含めまして、先ほどは「7月補正で一定の防護備品についての対応してきた」ということで、ご答弁あったと思うんですが、防護マスク・ガウン等の配備、それからそれの使用、手順ですね、本当にこれスピーディーな対応が求められております。介護現場の感染防護の備品供給の状況というのは、どうなってるんでしょうか。第一波の時は、医療機関における部品不足が大問題となりましたが、さらに防護の徹底を図るために介護施設等でも普及を図る必要があると思うんです。まず実態をつかんでいるかどうかお答えいただけますか。
(→谷利・介護ケア推進担当部長)介護サービス事業所に対するPPEの給付に関してですけれども、国のほうで、感染が発生した介護事業所等において必要となる感染防護服、これを一括調達されまして、市町村のほうに配分されております。本市でも7月に物資を受け入れて備蓄をおこなっております。そうしたうえで、市内でその後、感染が発生した介護サービス事業所からは聞き取りをおこないまして、不足しているPPEの提供をこれまでおこなってきているところでございます。
◆くらた議員/今のご答弁でも、「感染者が発生した」ということですね。だから発生する前の防護が必要だと思うんです。クラスター感染が発生した高齢者施設での保健指導の中で、「N95マスクの装着の有無が濃厚接触に当たるか否かの判断基準になる」という説明がされています。現場からは「それならば感染防護品としてN95のマスク等配給してほしい」という声です。これが本当に真剣にですね、これ以上の感染拡大を防止しようという懸命な介護現場の声に応えることだというふうに思います。ぜひ、介護施設等での普及を図る必要があると思います。これ求めておきます。以上で終わります。
2021年1月27日【教育福祉委】保健福祉局/一般質問「介護事業所等における感染症対策について」
(更新日:2021年01月27日)