なぜ議事録が存在しない?不透明な「京都こども文化会館廃止」の決定過程(2020年12月23日/教育福祉委・子ども若者はぐくみ局・くらた議員の質疑文字起こし)

◆くらた議員/昨日、京都新聞記事によりますと、「市民による情報公開請求によっても、閉館を決定した京都府と京都市の協議の議事録存在せず」。ま、これはこの間、委員会でも確認をしてまいりましたが、その理由については京都府も京都市も「記録を残す必要を認識しなかった」、残す必要がないという判断が行われていたということです。これは間違いありませんか。

(→塩山・子ども若者未来部長)はいあの、えー公文書公開請求の関係も含めてなんですけども、まずあの、ま、議事録の部分に関してなんですが、この、えーと、ま、府市のほうで協調あの、検討してきた経過でございますけども、まあ、あり方検討会の報告書であるとか、広報資料、教育福祉委員会の資料など、広報あの、公表さしていただいている資料を、その成果物の資料という形で、それぞれ、検討してきた経過をその中で確認してきたと、いうことがございますんで、あのーそういった意味で、あのー、ま、議事録という形ではないんですけれども、ある資料をつくりながら、意思確認をしてきたと、そういうことでございます。

◆くらた議員/はい、しかしそれらの詳細が一切記録にないということが問題です。これはですね、公文書の作成管理について規定している本市の情報公開条例違反、ま、この条例の、この公文書の作成、そして管理・保管といったところに抵触する問題だと思いますがいかがですか。

(→塩山・子ども若者未来部長)はい、あの、公文書の管理規則の中では、「その意思決定にあたっては、公文書を作成しなければならない」というふうになっているというふうに認識しています。で、私どものほうは、その意思決定の部分に関しましては、その広報の資料であったりだとか、教育福祉委員会のその資料のほうで、え、決定をとって、上司にも諮ったうえで決定も取っておりますんで、あのそこのところについては問題はないというふうに認識しております。

◆くらた議員/しかしですね、その決定に至る協議の、誰と誰がいつどこでどのような話し合いをなされたのか、その記録がないということが重大ですよ。ま、これほんとにあの、私はこれ抵触する問題があると思います。

さらにこれだけではありませんで、京都市の市民参加推進条例、これとの観点でうかがっておきたいんですが、「本市の基本理念」、第2条にこう書いてます。「市民参加は本市と市民との協働、これは自らの果たすべき役割を自覚して、対等の立場で協力し合い及び補完しあうことを言う。この精神に基づき、市民による市政への参加とまちづくりの活動が相まって推進されなければならない」、これがまあこの条例の基本理念です。そこで「本市等の責務」、第3条ですが、「本市は京都市情報公開条例の趣旨に則り、情報の提供及び公開を推進することにより、政策の形成実施及び評価の一連の過程における透明性を向上させるとともに、政策の目的・内容・効果等を市民に分かりやすく説明する責務を果たし、もって市民がこれらの一連の過程において市政に参加することができるよう、その機会の確保に努めなければならない」、もちろん、あと2、3、4とあるわけです。「2、「本市は市政に関する市民の意見・提案を総合的に検討し、これらに誠実に応答するとともに、それらの内容を市政に適切に反映させるよう努めなければならない」、「3、本市は市民による自主的なまちづくりの活動について、これを尊重しつつ必要な支援を行うとともに、市民との協働に努めなければならない」、「4、本市の職員は、基本理念に則り、あらゆる職務について、市民参加の推進を図る視点に立ち、公正かつ誠実にこれを遂行しなければならない」、という規定です。

私このこととの関係でね、まあやはりくり返し市民からの要望があり、そして「プロセスを明らかにされたい」という願い出がくり返し行われてきました。しかし今言われたような答弁だけでして、実際にきちっとした形でプロセスが明らかにされる、記録というものは市民には公開されておりません。あのーこの京都こども文化会館、この閉館のプロセス、全く不透明だと言わねばなりません。審議の内容も公開せず、議事録もつくらず、公聴会が何度も市民から求められたけれども、全く開かれたことがありません。こんなやり方は市民参加どころか市民排除じゃないかと、言わねばなりませんが、いかがですか。

(→塩山・子ども若者未来部長)はい、あの、私どもとしましては、ま、この京都こども文化会館の、その全体の状況の中で、老朽化であったりだとか、財政状況であったりとか、まわりの状況であったりとか、そういったその周囲の環境の変化を踏まえまして、あの、あり方検討会のほうを設置して、それを十分に検討してきたと、いうふうに思っています。で、それに基づきまして、あの府と市のほうで、あのその結果をもとに、今回の方針を出させていただいたというふうに考えております。

◆くらた議員/はいしかしですね、私はあのやっぱりこんなふうにね、本市がきちっと条例に定めた規定に基づいた行政実務がされていないということが明らかになっているわけです。ま、二重に条例に違反した手続きなど認められるはずがありませんし、ましてや廃止を「決めた」「決めた」とおっしゃってもですね、決裁文書そのものが存在しない廃止は、手続きそのものが存在しないということになりますから、京都こども文化会館の廃止は決定されていないということになるんじゃありませんか。このような状況のままでですね、京都府に「建物の除去を早く」と求めることなど断じて認められません。いかがですか。

(→塩山・子ども若者未来部長)あの、廃止決定にかかります意思決定については決裁を取っております。あの、その、議事録については、あのありませんということで申し上げさせていただいています。で、その議事録の部分に関しては、あのーまあ、えっと、広報資料であったりとか、あの教育福祉委員会のほうでもご報告させていただきましたけれども、その廃止の理由であったりとか、まあそういったことをあの丁寧に書かしていただいているつもりでございますし、それがまあ議論をしてきた、あの府市で議論してきた、あの内容であると、いうことでございます。

◆くらた議員/あの私はこれまでね、どのような改修をなさってきたのか、きちっと全てつまびらかに明らかにされたいということで資料の提出を求めてきました。しかし、色々と理由をおっしゃって出されませんでした。しかしですね、えー私あの3月25日、これ関西電気保安協会京都上営業所が、調査された結果ですね、「不良箇所が長期にわたって改修することなく放置されている」と、ま、こういう厳しい指摘。まさに行政の不作為によって会館の老朽化が進んだ。そして、それを一つの理由として無理矢理閉館したというのが真相じゃないんでしょうか。初回のあり方懇談会で、オブザーバー参加されていた設計事務所はこうおっしゃっています。「京都こども文化会館は構造的には弱くはない」と、「一部に弱点があるために耐震性能の評価が下がっているというのが実情なんだ」と、「根本的には良い建物だ」と、「耐震改修や大規模改修すれば建物は一定もつでしょう」と、コメントしているではございませんか。まあこのようなことなどがですね、どこまできちっと審議され、検証され、検討されたのか、そのプロセスが何も明らかじゃないんですよ。まあこういった状況のもとでですね、そしてもう「これ除却だ」とおっしゃることは絶対に認めることできません。あらためてですね、廃止方針というものそのものをやっぱり撤回をしていただいて、あの、私ほんとに真摯にですね、公聴会をまず開いて、あまねく、いまきちっと、一つひとつ検討しプロセス踏んだとおっしゃるのなら、そのことを市民の前で公の場できちっと説明されるべきだと思うんですがいかがですか。

(→塩山・子ども若者未来部長)あの先ほどあの、耐震性のご紹介ありましたけれども、あのこのあり方懇談会の報告書の中にでも、あのしっかりと調査した結果、それを、あの記載さしていただいていますし、あの我々はそれを調査した事実をもとに、あのそれだけの改修費用がかかるとかっていうことも踏まえて、あの考えさしていただいてますし、あのーまあ方針決定にあたりましては、あのこの、あり方懇談会自身がですね、各部門の、あの委員の方からご参画いただいて、ご議論いただいたものをもとに、あの判断をしておりますので、あの私どもは方針を変更するつもりはございません。

◆くらた議員/しかしあの市民が納得できるだけの、あの明瞭なプロセスっていうものはありません。みなさんの内部では十分に検討してきたとおっしゃいますけれども、何度も聞くたびに「府とは協議をしている」「連絡を取り合っている」とおっしゃってこられましたが、その記録も示せないんでしょ。まあこんな状況下の中でですね、これあの京都府に除却を急がすことは絶対やめていただきたいと思うんです。あの市民に協議プロセスも示せないような廃止決定でね、これ認められません。これはもう絶対に廃止方針を撤回していただきたい。あのこのようなもとでね、なぜもっとですね、存続するための努力を図って、そのここまで努力したということを見せられないような、協議のあり方のもとで、粛々と閉館をし、次は除却だと、次は跡地活用だと、ま、ちょっととんでもないですよ。子どものための文化会館を何とか残すっていう努力は全く見えてきません。そういう審議がどこまでなされたのか、真剣な議論がされたのか、その証拠は何も示せないじゃありませんか。こんなもとでですね、この事業を完全に市民の前から姿を消すような、クローズするなどということは絶対に認めることはできません。あくまで廃止方針の撤回を求めます。以上で終わります。

2020年12月23日【教育福祉委】子ども若者はぐくみ局/一般質問「京都こども文化会館閉館の意思決定過程の記録について」

(更新日:2020年12月23日)