京都市の宿泊施設誘致、ホテルと簡易宿所の乱立で苦境に立たされてきた旅館への支援を(2020年12月4日/産業交通水道委・産業観光局・やまね)

◆やまね/今日は旅館の支援についてお聞きしたいと思いますが、あのーまずですね、京都市内の旅館の現状ということなんですが、あの、これはあのホテルの場合は、えー京都市観光協会が毎月「データ月報」で、市内の主要ホテル60数施設の、おー稼働率について発表されているわけですけれども、ただ、あの先ほどもありましたけれども、海外からの観光客は未だ壊滅的な状況と、で、日本人観光客の方々も少しずつ、戻ってきているとは思いますけれども、で、ただそれでもこの、ホテルの、主要ホテルのところはですね、やはり市内に約4000ある、近くある旅館業施設の中の60数施設ですので、えーやはり、この京都全体の数字を表したものではないというふうに思いますし、旅館の稼働率っていうのは、さらに厳しい状況にあるんじゃないかとあらためて思っています。

で、あらためてあの実態把握が私ども必要だと思ってまして、以前から私は、あのー京都市がですね、この旅館という施設を「守りたい」「守るべき大切なものだ」というふうに考えているのであれば、まず施設数をきちんと把握すべきだということ、それから旅館の稼働率調査についても定期的に行うべきだってことを申し上げてきましたけれども。そこであのーこの間ちょっと事前にお話をお聞きしてますと、昨年ですね、「2019年1月~12月」にかけて、これは時期としてはコロナの影響以前の話ですけれども、「京都市観光協会があらためて旅館の実態調査をおこなっている」と、で、「今年9月1日に調査結果を発表した」というお話をお聞きしました。で、この調査はですね、あらためて京都市として、えー実態把握が必要というふうに考えて連携をされたのか、京都市がお願いをしたのかですね、どういう経過で行われたのか、ちょっとまず教えていただきたいと思います。

(→北川・観光MICE戦略担当部長)はい、あの委員ご指摘いただきましたあのー「京都市旅館稼働実態調査」、えー2019年のものでございますけれども、これ自体はですね、あの京都市観光協会とですね、あの京都市、えー京都文化コンベンションビューローですね、えーこちらのクレジットであの、えっとつくっておるところでございます。まああのこれにつきましてはですね、まああの以前からもですね、えー委員会等でですね、まあ先生、えー委員の方々からですね、まあ旅館の実態調査必要だというところもあの、おー、うかがっておりましたし、まああの普段からですね、まああの観光協会等々と連携しておりますので、その中でですね、まああの、どちらがっていうことでもないですけれども、あのまあこの、おーまあ2019年、えー、の、まあ実態調査をしないといけないという形になった、まあ連携しながらやっていったという形になっております。

◆やまね/分かりました。で、あの、その平成27年ですね、2015年の時に、された、あー調査ではですね、えー京都市の全ての旅館を対象にされて、当時ですね、えー「市内の旅館377施設のうち、レジャーホテル・企業保養所・会員制施設を除いた296施設」を対象にですね、調査用紙を送って、「宛先不明で返ってきた」、あるいは「休廃業している」、あるいは「電話がつながらなかった」など、「営業確認できなかったものが104」あって、それを除くと「192」という数字が出てくると。で、少なくともその時点ではそういう数字だったわけですけれども。

で、今回の調査は、「京都市内の旅館166軒」ということなんですが、これは「市内の旅館業法に基づく許可施設のうち、京都府旅館ホテル生活衛生同業組合に加盟している施設」ということであります。で、調査手順としては、同じように「調査票を郵送し、必要に応じFAX・電話・メール・訪問により調査」と、で、「108軒から回答」ということでした。で、まあ2015年の時よりも、調査範囲としてはちょっと狭まってはいるんですが、で、あのー団体に入ってない施設の声は分からないわけですけれども、ただ、この調査手順とか調査項目なんかは、あのかなり重なる部分もあってですね、前回の2015年との比較で分析されているところもあると、いうことで、これは私、継続性もある非常に重要な取り組みやっていただいたんじゃないかなというふうに思っています。

で、特にちょっと私これ、見てて思ったのはですね、この参考情報というところで、日本旅行協会が調査した中身が少しだけ紹介されてまして、これ「全国では30室未満の旅館が30.9%」と。で、「京都市では81.6%」。で、「30室~99室の規模が全国では46.9%で、京都市は14.6%」、「100室以上の大規模な旅館が全国では22.2%に対して、京都市は1.0%」ということで、あの京都市は本当に小規模の旅館が多い、という特徴が非常によく分かるものです。で、今回の調査の中で、言われてるのはですね、「客室稼働率は、大規模な旅館のほうが高くなる傾向が見られた」「逆に、外国人比率は小規模な旅館において高くなる傾向が見られた」ということですので、で、これコロナの影響を受ける以前の状況ということはですね、あのー京都市にある旅館の大部分、小規模な旅館ほど、えー今回のコロナの影響で海外からのお客さんが激減した今ですね、より深刻な影響が生まれているんじゃないかと思ったんですが、その辺りの認識はいかがでしょうか。

(→北川・観光MICE戦略担当部長)はい、あのーこの2019年の調査を踏まえてあのー委員ご指摘いただいた点でございますけれども、あのー全国のですね、これ日本旅館協会がやってる調査、これとまあ比較しますとですね、えーまあやはりあの京都についてはですね、まあ小規模の、おー旅館が多いと、これはあのおっしゃる通りだと思っております。でまあ一方ですけれども、まあコロナ禍の影響ということでございますけれども、これについてはですね、まああの、これ当然あのこのあの調査につきましては、コロナ以前にやったものでございますので、えーもちろん精査しないといけないと思っておりますけれども、ま、全体のですね、やはりその移動需要がですね、ほとんどまあ激減していると、いうことですし、やはりあのインバウンドがですね、もう蒸発していると、いうところもございますので、まあその点につきましてはですね、まああの小規模・中規模・大規模関わらずですね、全体に影響が出ているんじゃないかなあと、いうふうにあの捉えているところでございます。

◆やまね/まあ「小規模・中規模・大規模関わらず全体に影響」ということなんですが、あのーやはり、小規模のほうがですね、外国人の方の比率が多かったわけですから、それは如実に表れているんじゃないかなということを思います。

あのこの調査見てますとですね、ま、この4年間の間に、例えばWi-Fi環境であったりだとか、オンライン対応だったり、キャッシュレスですね、それから外国語スタッフ、あるいはベジタリアンやビーガンの方への対応などですね、この旅館のみなさんが、外国人観光客を受け入れるための努力を本当に重ねられてきた、あーいうこともよく分かる、あの内容だと思いました。で、一方ですね、「約3割の施設で客室単価、約5割の施設で客室稼働率が、前年より低下」と。で、「全体の54.1%が前年よりも売上減少」ということで、これ4年前より大幅増ということなんですね。で、「市内の宿泊施設が増えたこと等により、集客減、売上減に直面する旅館の割合が増加している」と、いうことも指摘をされてましてですね、あらためて、そこにコロナの影響が覆いかぶさっているということで、ま、先ほど移動の制限ということもおっしゃっいましたけれども、あらためて個々の努力では、なかなかこれ、もうその範囲超えているんじゃないかと、いうことであらためて、こういう小規模の旅館のみなさんへの直接支援が、京都市として必要じゃないかなってことも申し上げておきたいと思います。

で、あの具体的にですね、伏見区で旅館を経営されている方にお話をうかがったんですが、「コロナ後、お客はほとんどありません。小さいところはなかなか来られない」「GoToにも登録してません。以前はホームページもつくりネットでの予約も受け付けていましたが、ある時、同じ名前の施設があって間違えて来られた方がおられ、部屋は空いていなかったので帰ってもらうしかなかった。本当に申し訳なかったけれども」「それ以来お客さんに迷惑をかけると思って、今は電話とファックスだけで確実に連絡が取れるところだけを受け付けている」と、「直前にもう一度電話で確認するようにしている」んだということで、自分たちの手が届く範囲で、精一杯のおもてなしをやろうとですね、がんばっておられる、そういう施設であります。で、「消毒も掃除ももちろん徹底してやっている」ということで、こういう感染対策ももちろんやられてるわけでですね、こういう施設が、あの先日議論した、GoToに参加しなければですね、「宿泊観光促進」の事業の対象にならないっていうのは、やっぱりね、ちょっと改善をぜひ検討していただきたいと、あらためてこれも求めておきたいと思います。

で、お聞きしたいのはですね、あのお話を聞いて驚いたのは、この方、団体に加盟しておられる旅館なんですよね。で、ただ「魅力再発見」の事業についてご存知なかったんですよ。で、あのこれ以前、我が党の山本議員が、京都市内でも有数の老舗旅館が、団体に入っていないために情報が全く届いていないってことを紹介させていただいたんですけど、団体に入っておられる方のところにも実は情報提供が不十分に終わってるんじゃないかと、いうふうにちょっと感じまして。で、団体さんとの連携はもちろんぜひがんばっていただきたいんですけれども、まずきちんと京都市自身が、全ての旅館に対して郵送なり、なんなりで、えー情報提供すると、そのうえで団体のみなさんにもしっかり働きかけていただくというかですね、ま、情報提供のあり方についてもう少し改善が必要じゃないかと思ったんですが、その点はいかがでしょうか。

(→北川・観光MICE戦略担当部長)はい、あの委員ご質問の中でまああの旅館への、小規模の旅館も含めたまあ支援ということございました。まああの京都市におきましてはですね、やはり旅館、これにつきましてはですね、えー日本の文化を五感で感じることができると、いうまあ上質な魅力を持つ施設とあの位置付けておりまして、これまでからですね、様々なあの旅館支援に取り組んできたところでございます。旅館経営者の方を対象にですね、受け入れ強化を目的とした支援もおこなっておりましたし、若手従業員対象としたですね、歴史文化体験等々おこなってきております。で、まあその中でですね、やはり、あのーま、旅館全体ですね、これしっかりと守っていかないといけないと、いうふうに考えております。

でまああのご質問の、おーまああの周知の件でございますけれども、あのーこれまであの、委員ご指摘いただいたですね、旅館ホテル団体とかですね、まあ他のまあ、宿泊団体、これ通じてまああの組合員等に周知している、まあその他ですけれども、おーまあ、あのー京都市とか、あと京都市観光協会のですね、まあ広報発表、これに加えましてまあホームページでですね、まあ色々まあできる限り見やすい方法とかをですね、えー考えながら、伝え方もですね改善しながらですね、えー取り組んでいるところでございます。で、周知にあたってはですね、なかなかあの難しいところあるんですけれども、当然あのその事業のですね、あの目的であったりとか、支援の対象、これに加えましてやはりその事業あの、税金使うものですので、まあ効率的な執行、これが求められるとともにですね、公平性の観点もこれも求められるところでございます。でまあそういう観点からですね、まあ広く情報行き渡る方法っていうのは、あの委員ご質問の通りですね、必要だと思っておりますしですね、でまあ、あの我々もあのしっかり対応する必要があると思っておりますので、まあ情報がほしいとかですね、えーまあいただけるお客様とかいらっしゃいましたらですね、当然あのご連絡等いただければですね、我々もですね、柔軟にですね、まあ周知等対応してまいりたいと、いうふうに考えております。

で、あの合わせて、えーまああの、泊まろうキャンペーンの時にですね、えー伝わってなかったというところもあのござい、えっといただいたところでございますのでこれにつきましてはですね、あの今後ともまあ旅館団体等、あーこちらにですね、まあこの件もお伝えしたうえでですね、えーまあしっかりと連携しながらですね、えー進めていきたいというふうに考えております。

◆やまね/はい、あのーぜひその辺りは、しっかり事業者のみなさんに情報が届くように、考えていただきたいというふうに思います。であのーやはりですね、日本の文化を体感できる施設」ということで位置付けているっていうお話ありましたけれども、やはりあの、「畳、床の間等の和の設え、庭、和食、和装など、日本の文化を五感で感じることのできる」この旅館の魅力をですね、やはりぜひともたくさんの方に感じていただきたいと私も思いますし、で、その旅館施設が今、存続の危機にあるということはですね、本当に今あの重要な時期だと、局面だと思うんですね。

で、一つはその背景に、やはり駅前に巨大ホテルが建つとか、住宅街の中にですね管理者を常駐させずに人件費もかからないような簡易宿所ができるとか、そういった中でね、京都市が、あー学校跡地にまでホテル呼び込むとかですね、京都の外から。まあそういう中で京都に昔からある旅館が厳しい競争にさらされてきたっていう部分もありますので、あの市の責任もですね、重大だっていうことを指摘しておきたいのと。

昨年のこれ決算特別委員会の際に、ご答弁いただいたんですけど、京都観光旅館連盟が行っている調査で、経営相談の中で約120軒をですね、1年ごとに40軒、3年かけて訪問するということやっておられるんですが、今年3年目なんですけれども、コロナ禍で事態が大きく変わった面もあって大変苦労されているというふうに思いますんで、あらためてしっかりと実態把握と経営相談がきめ細やかにできるようにですね、引き続き連携をしていただきたいと。で、団体に加盟しておられない施設も含めた実態把握と直接支援、あらためて重ねて求めて、終わりたいと思います。以上です。

2020年12月4日【産業交通水道委】産業観光局/一般質問「旅館への支援について」

(更新日:2020年12月04日)