宿泊施設の支援で「GoTo参加」を条件にするのはおかしい!(2020年12月2日/予算特別委・産業観光局・やまね)

◆やまね/私からは「宿泊観光の促進による地域経済活性化事業」についてお聞きします。で、えーあの私たちもですね、コロナ禍で苦境に立たされている観光関連事業者への支援は必要だと、いうふうに思っております。ただ、今日あのいろいろお話がありましたように、まあ第三波といわれるほど感染が広がる中で、で、政府も「GoToトラベルの見直し」を言わざるをえなくなっている時にですね、ですので、やはりそのやり方を考えなければいけないんじゃないかと、いうふうに思います。で、あの午前中の質疑の中でですね、「感染拡大の状況、国や府の動向も見極めながら、場合によっては対象を縮小し、東京、札幌市、大阪市を除外」することとかですね、「関西地域や京都府内に限定して」ということも「検討しないといけないかもしれない」というご答弁あったかと思うんですが。

そこで二つ確認したいと思うんですが、一つはですね、そういう今現状なんですけれども、現時点では全国から受け入れるという、こういうスタンスなのかということ。それからもしこれを仮に見直す場合はですね、誰が、どの時点で、どういう基準でこれ判断をされるのかですね。それが明確にされなければですね、事業者の方も困るんじゃないかと思うので、このあたり教えていただきたいと思います。

(→北川・観光MICE戦略担当部長)はいあのーこの予算ですけれども、あの先ほど、えっと先ほど来申し上げてます通り、コロナ対策行いながらですね、安心安全前提でですね、えー進めていかないといけないと、いうふうにあの考えております。で、えーまあ現時点でどうなのかというところがあります、まあこの予算自体まああのーまだご議決いただかないといけないわけでございますけれども、これ自体はですねまあ1月、うー、の、からですね、えーまあいつの時期か置いといてですけれども、3月上旬、というようなところを想定しております。でまあ今の時点の、仮の話はなかなかできないかというふうに考えておりますけれども、このキャンペーン自体はですねあの府と協調してですね、あのやっているもので、えーございます。でまあ、あの、コロナ対策にかかる、ま、あー基準等々、まあこれはあの府のほうでですね、まあ取りまとめとか行われているところでございますので、まあ今どうなんだっていう仮のお答えなかなかできないですけれども、この、じゃ、どのような形で段階で進めるのかっていうことについてはですね、まああの府とも、もう事業を通じてですね、連携しながら、もちろんあのー保健部局ですかね、保健部局とまあ連携しながらですね、その判断ていうのをしっかりと、あのー精査しながら進めていかないといけないというふうに考えております。

◆やまね/ま、そしたら基本は府と、それから保健福祉の関係と連携をしながら考えると、いうことですよね。で、あのー、で、もちろんですね、観光関連産業の閑散期を支援したいという思いもですね、本当によく分かるし、大事なことだと思うんです。で、ただやっぱりこれコロナが収束してれば、あのー別の話なんですけども、率直に言ってですね、全国的に感染が拡大しているタイミングで、しかも冬の季節に、えーこの、おー、というのがですね、ちょっとやはり心配が大きいと、いうことで。例えば11月27日にはですね、これ衆議院の厚労委員会で、国立感染症研究所の脇田所長さんという方がですね、これ政府の厚労省のアドバイザリーボードという専門家委員会の座長を務めておられる方なんですけれども、この方が「人の移動や気温の影響は確かに影響していると、アドバイザリーボードでは資料も出しているし、結論付けている」という、ここまで言っておられますし、「感染拡大地域を目的地・出発点とする両方を止めていくことが、感染拡大を抑える対策になると議論している」というふうに答弁をされておりますので、やはり専門家のそういった意見を踏まえればですね、このタイミング、冬の季節に、移動を活発化させるような施策というのがどうかと、いう疑問は残ると、この点は指摘をしておきたいと思います。

もう一つですね、あの今回の事業に参加する宿泊施設は「GoToトラベルへの参加が条件」となっておりますが、えーこれ、あのー、今後の状況によっては、このGoToトラベルの対象や、えー運用そのものがどうなるか分からない部分があると。そういうなかで、そういう不確実なものを前提にするような施策・事業でいいんだろうか、ということも思っています。で、私はですね、むしろGoToトラベルに参加していない、これまでGoToトラベルの恩恵を得られなかった事業者への支援こそ必要じゃないかと。特にこれは長野県の話ですけれども、「小さなお宿応援事業」ということでGoToに参加していない施設を支援してる、こういう自治体もあるわけでして、これなぜGoTo参加を条件にされたんでしょうか。

(→北川・観光MICE戦略担当部長)はい、あのー今回対象となるまああの施設については、キャンペーンに参加する宿泊施設と、あと、おー、クーポン利用可能なまあ店舗と二つ、えーあります。まああの特にあのクーポン利用な可能店舗につきましてはまああのお土産物屋さんとかですね、体験施設とかまあ考えてはいますけれども、ちょっとまああのこれから具体的なところは詰めるというところでございますけれども、まああのーこれをGoToと、あのGoTo参加を条件とするという点につきましては、まあそもそもあのGoToトラブルについ、あ、GoToトラベルにつきましてはですね、あの観光事業者と旅行者双方の、感染拡大防止策を実施を求めたうえでですね、あの実施、事業の実施を行うと、いうことであの行っております。まあそういう点からですね、まあこの事業実施、我々の事業実施についてもですね、この感染拡大防止、まあ委員あのご指摘の通り、非常にそこは精査しながらやらないとというところでございますので、ま、そういう観点からですね、えーGoToトラベルの参加施設、これを条件にしたいと、いうふうに考えているところでございます。あのいずれにしましてもあの登録手続き、まああのこれもあくまで条件ですので、あのできる限り負担っていうのは軽減していく必要があると、いうふうに進めて…。

◆やまね/そうするとその、あの感染拡大防止の対策という点を重視して、えーGoToを条件にしているというお話ですよね。で、あのそうするとですね、これあの共産党議員団の要求資料で、このGoToトラベルに参加していない施設への支援としてですね、「アドバイザーチームによる事業者の感染症対策等サポートナビで施設の感染症対策も支援する」ということもおっしゃっておりますので。ですから私、あの、感染対策っていうことを、あのー重視、するんであればですね、別にGoToトラベルへの参加を基準にする必要は全くなくてですね、アドバイザーチームが入って、しっかり支援をしてですね、えー「ここは大丈夫だ」と、「しっかりがんばってる」となれば、あの対象にすればいいんじゃないかと、いうふうに思います。

で、もう一つですね、この間あの指摘されているのは、そもそもGoToトラベルの恩恵が大手旅行会社や高級ホテルなどに偏っているという、まあ今日もお話いくつかありましたけれども、この間のまあいろいろ委員会で議論している中で、ご答弁であったのはですね、京都市内にある宿泊施設のうちGoToトラベルに登録されている施設がどれだけあるかつかんでますかっていうと、これなかなかつかめていないというお話あったかと思いますが、このGoToトラベルへの登録がですね、なかなかこの中小の宿泊事業者のところで進んでいかない、進んでこなかった理由ってのは、どういうところにあるとお考えでしょうか。

(→北川・観光MICE戦略担当部長)はい、えっと一点目のGoToの条件のところで、えーございますけれども、これやはりまああの条件の「後の構造」も非常に大事だというふうに考えております。GoToトラベルに参加する事業者につきましてはですね、まあ事業を実施段階においてもですね、チェックイン時の検温とかですね、三密対策、まああの各団体のですねガイドラインに基づいたですね、えー事業実施、これがあの前提とされております。で、これに違反した場合っていうのは、給付金の返還、これもですね、求めるというふうになっておりますので、やはりその、おー、ま、コロナ対策をしっかりしたうえでですね、事業をおこなっていくという観点からはですね、まあこういう点もですね、踏まえたうえでやらないといけないというふうに考えておりますので、今回このような形で条件にさせていただいております。

で、あと、そのーGoToに参加されていないところについて全く排除するということでもございません。そういうわけではございません。で、えーと、まあ先ほど委員もおっしゃっておりましたけれども、あのGoTo参加するためにはですね、まあ感染症の対策をしっかりしなきゃいけないということでサポートナビでの支援とかですね、あとま、これまでもですね、えー設置しておりますけれども、宿泊施設向けのですね、サポート窓口、これはあのGoToの参加をですね、ま、促してあげれるような、あのところをまあ設置しておりますので、そういうところとですね、まああのしっかり連携しながらですね、GoTo入っていないようなところについても入ってもらったうえで、このキャンペーンに参加してもらうことが必要と、いうふうに考えております。

で、あのGoToで、まあなかなかどうやってあの入れてないところの原因、参加できてないところの原因っていうところについてはですね、ま、あの普段から、まああのー国ともまあ情報交換等々しているところではあるんですけれども、なかなかそこはちょっと具体的なところは、あの分からないところではあるんですけれども、いずれにしてもですね、あの、コロナ対策っていうのがですね、まあこの、おーいま申し上げた通り、その2月とか1月の時期にやるといううえでは非常に大切だというところですので、まあこのような形でですね、えーまあ制度設計をしているというところでございます。

◆やまね/あのーまあ中小事業者がなかなかGoTo登録が進まない原因についてはちょっとなかなか分からないというお話だったんですけれども、あのやはりですね、GoToトラベルへの登録が、中小のみなさんにとっては高いハードルになってると。で、いくつかこれ原因がですね、指摘をされておりまして、「日経ビジネスオンライン」というサイトで、記事があってですね、いくつか書かれてました。で、一つは「旅行会社やオンライン旅行会社経由で予約を受け付ける場合、手数料を10~15%程度かかり金銭的負担が大きい」という問題がですね、あの指摘をされてました。で、日本旅行協会がですね、今年1月に発表した調査で、旅館の営業利益率は平均2%、ホテルは平均3.3%で、元々利幅が小さいところにコロナで打撃を受けてですね、「手数料を負担できる施設が多くないんじゃないか」という指摘が、まあされてるわけなんですね。で、今回、あのこれも先ほどからご答弁ありましたけど、「OTA(オンライン・トラベル・エージェント)等の旅行会社との連携により旅館等をPRし」と、いうことになってると。で、本日の答弁の中では「じゃらんとか一休などに声をかけて」ってお話あったんですけれども、その場合ですね、一つは、この宿泊施設が負担する手数料ってのはどれくらいになるのか、あーですね。それからもう一つは、直販の場合、その、このOTAとかを使わない場合、自力で予約を受付されてるGoToの施設もあるわけですけれども、そういうところは今回の対象になるのかどうか。この二点いかがでしょうか。

(→北川・観光MICE戦略担当部長)はい、委員あのご質問のですね、OTA以外の場合のですね、えー、ルートを通じた場合の手数料について、まああのちょっと細かな資料についてはあの手元にはないんですけれども、今回のそのGoToするうえでですね、まあ普段そのOTAをまあ通じていないような業者につきましては、あの「ステイナビ」というようなですね、別のあのシステムがあの確かあったというふうに認識しております。まあその手数料はちょっとなかなか分からないんですけれども、まあそういう形でですね、まああの門戸は開かれているのかなあというふうにあの一点考えております。

でまああの原因ていうのはなかなかまあはっきり、まああの報道であるのかも分からないですけれども、あの認識はなかなかはっきりしていない中でですね、やはりまあ、あの国のGoTo事務局がですね、まあこの登録に際していろんなあの、手取り足取り、まあ相談さしていただいているんだと思いますけれども、なかなか地域の事情等々、分からない面もあるのかなというふうにあの考えておりますので、そういう点につきましてはまあ先ほど申し上げた、まああの京都市の中にあるですね、まああの宿泊施設向けのサポート窓口とかですね、そういうところとですねまああの、親身になってですね、相談さしていただいたうえでですね、GoToの登録、これを促していく必要があるのではないかと、いうふうに考えている…。

◆やまね/あのーまあこの「日経ビジネスオンライン」の記事ではですね、他にもですね、このGoToトラベルについて、その先ほど言った「直販の場合」はですね、「電話やホームページで受けた予約の記録を観光協会などの第三者機関に提供する必要があり、人員に限りのある中小には手間がかかり負担が大きい」という話もありましたし、それから「給付金相当分が支払われるまで割引分を負担しなければならない」っていうことで、まあそういう負担も指摘をされていました。でまあこういうもとでですね、やはり「GoTo参加」っていうのを今回条件にすればですね、やはりそのこと自身が、中小事業者のみなさんにとって負担になってしまわないかということを私は危惧をしております。で、やはり宿泊施設への支援という場合に、GoTo参加をこれを条件にするということはですね、ちょっと改善が必要じゃないかというふうに思います。

で、最後、指摘をして終わりたいと思うんですけれども、今日あの他の委員からも指摘がありましたように、「昔から京都でやっている宿泊業者に光をあてて経営を継続してもらう」ということですとか、「高額なところだけではなく様々な旅館にスポットがあたる」ことが大事だと、それから、「広く事業者に回っていけるような」というお話もありました。そういう支援にするっていうことが本当に私も大事だと思います。で、特に中小や小規模事業者に届くようなですね、やっぱり支援が今求められていると思うんですけれども。

で、その点で我々はですね、あのーGoToトラベルというのは、いま全国一律の制度じゃなくって、やっぱり地域の実情に見合ったやり方にすべきではないかと思ってまして、これ11月27日の衆議院の国土交通委員会で確認をしてますが、「1.1兆円のトラベル給付金予算額のうち、配分済みは約6割で7000億円程度」ってことなんですけども、これが政府の答弁であったんですが、我が党は「残りの4000億円は自治体にトラベル交付金として配分すべき。自粛をお願いした際の補償、都道府県内の旅行への補助、今回の地域クーポンなど、柔軟に自治体の裁量で使えるように」ということを、提案をしております。GoToトラベルへの参加を条件にしている限りですね、これは取り残される事業者が必ず出てくると、いうことで、やはり宿泊施設への支援のやり方というのは、あのぜひ改善を求めておきたいと思います。またあの旅館については常任委員会で議論させていただきたいと思います。

2020年12月2日【予算特別委】産業観光局/補正予算「宿泊観光の促進による地域経済活性化事業9000万円」

(更新日:2020年12月02日)