今こそ選択的夫婦別姓の導入を!(2020年11月6日/参院予算委・小池晃議員の質疑文字起こし)

◆小池議員/男女共同参画担当大臣に聞きます。「第5次男女共同参画基本計画」の策定に向けて、意見募集が行われております。選択的夫婦別姓の導入についてどのような意見が寄せられていますか。特徴も含めてお願いします。

(→橋本・内閣府特命担当大臣)お答え申し上げます。今、第5次男女共同参画基本計画策定にあたりまして、おこなった意見募集におきましては、えー世代を、別に、えーたくさんの意見が、あのーお寄せいただきまして、えー5600件以上、1700ページに及ぶ、えー意見が寄せられました。え、その中で選択的夫婦別氏制度の導入を求める意見が多数寄せられた一方で、反対の意見というのはありませんでした。

え、具体的な意見としては、「改姓により論文などの研究実績のキャリアが引き継がれないこと」「通称では二つの姓の使い分けが必要であり、本人・企業にコストがかかることなど女性活躍の妨げになっている」、もう一つは、パスポートでは旧姓併記が可能となっておりますけれども、「夫婦同姓を法律で義務付けているのは日本だけであるため、国際社会では全く通用しない」と、いう件、えーそして、次に多かったものが「改姓を避けるために結婚をあきらめることや結婚を先延ばしにすること、事実婚を選択すると子どもを持ちづらいことなど、少子化の一因となっている」という意見が寄せられました。

◆小池議員/いろいろな意見があるというけれども、全てが賛成の意見だったってわけですね。反対意見はなかったというわけですよ。今あったように夫婦で、法律で夫婦に同姓を強いているのは世界で日本しかありません。日本の制度は言ってみれば、「強制的夫婦同姓制度」ですよ。これねやっぱり変えるときじゃないですか。大臣は記者会見で「選択的夫婦別姓を前向きに検討することは非常に前進だと考えてもらえる」と、お述べになりました。「担当大臣として導入のために全力をあげる」と。私この問題で悩んでいる女性たちに希望を与えるような前向きの答弁、ぜひこの場でしていただきたいと、思います。いかがですか。(拍手)

(→橋本・内閣府特命担当大臣)え、今ほどご紹介しましたように、選択的夫婦別氏制度については、え、これから結婚して、家庭を築いていく若い世代の人たちをはじめとして導入を求める意見が多数寄せられていた。これは重要だというふうに思います。また、同計画の策定に向けて、議論している専門調査会においても、少子化対策の専門家の委員から、「選択的夫婦別氏制度がないために、一人っ子の女性を中心に、実家の姓が絶えることを心配して結婚に踏み切れない」、あるいは「結婚相手が見つからないという深刻な事態が起きている地方もある」という意見も指摘がありました。え、この問題については、国民の間に様々な意見があるものと承知をしておりますので、えー我が国の深刻な少子高齢化を食い止めるために、え、国民、取り分け、若い世代の意見をしっかりと受け止め、十分に配慮する必要があるというふうに思います。えー様々な意見があるのと同時に、これからの若い世代の意見をしっかりと聞き、そして、困っている方に、しっかりとした対応をするというのも我が国において重要なことだと私は考えております。えー私としても国民の皆様の声をしっかりと反映できるように基本計画の取りまとめに向けた議論を着実に進めたいと思っております。以上です。(拍手)

◆小池/あのーこれはね、前に進めるべき課題だと僕は思いますよ。でね世論調査の結果を見てもだんだん年々ですね賛成増えてきている。特に若い世代は賛成が多い。しかもこれ人権の問題だから。世論がっていうよりやっぱり人権の問題として考えるべきだと思うんですね。権利、の問題として。

法務大臣、96年に法制審が導入を答申した時、四本柱でした。「選択的夫婦別姓」のほか、「女性の婚姻適齢の引き上げ」「女性の再婚禁止期間の短縮」「婚外子への差別禁止」。四つのうち三つは全て実現しました。残るは選択的夫婦別姓のみです。法制審の答申から24年、いよいよ導入に踏み切る時ではありませんか。(拍手)

(→上川・法務大臣)お答えします。えー希望すれば、結婚前の姓を名乗れる「選択的夫婦別氏制度」の導入の問題については、我が国の家族のあり方に深く関わることであるというふうに考えております。直近での世論調査でございますが、これ平成29年ということでありますが、ま、これあの、選択的夫婦別氏制度の導入につきまして容認が42.5%、ま、旧姓通称使用のみの法制化の容認が24.4%、反対が29.3%となっているところでございます。ま、世代別に見ても、まあ若い世代のみなさんのほうの容認は非常に高くなっているというのも事実でございます。

他方で、ま、家族形態の、あの、あーということでありますけれども、まあいろいろ国民の間には、まあ意見が分かれているという状況にある、というのも事実でございます。ま、家族形態の変化やライフスタイルの多様化、さらには社会の、女性の社会進出、また女性の活躍が進むなかでございます。これらの社会情勢に十分、ま、配慮する必要があることも確かでございます。え、国会における議論の動向も注視しながら、ま、対応を検討してまいりたいと思います。ただいまあの橋本大臣から男女共同参画基本計画第5次ということでございますので、まああのいろいろなご意見も、えーあの通っているということでございますが、ま、その、その内容につきましては、関係大臣と調整しながら、また検討してまいりたいというふうに思っております。

◆小池議員/大臣は、2001年11月に、自民党有志として党三役に申し入れた、覚えてらっしゃいますか。内容は一つ、「選択的夫婦別姓制度導入に向けた民法改正について、早急かつ徹底した党内議論を進めること」、二つ、「速やかに今臨時国会に当該問題についても閣法が上程され、審議に付されること」、こういう申し入れを、大臣やられてますね。それから、2008年1月の財団法人市川房枝記念館出版部の「女性展望」に、上川陽子さん、「私も選択的夫婦別姓については賛成で、そのために議員として活動してきました」。政治家としての信念は?と聞かれて、「言行一致、つまり言ったことには自分で責任を持つことが大切だと考えています」(議場内ざわつく)。私ね、こういう信念をお持ちである政治家であれば、法務大臣になったらば、やっぱりそのために全力をあげると。言行一致でやりましょうよ。言行一致でやりましょう。どうですか。(大きな拍手)

(→上川・法務大臣)え、私のあの、個人として政治家としての、これまでの意見については、えー先生いまご紹介をしていただいた通りであります。ま、この問題については、えーまあそれぞれ、家族のあり方についての考え方について、様々な、ま、意見があるということで、世論調査におきましてもその意見の幅が、まあ表れているというところも確かであります。ま、今回あの第5次、えー男女共同参画基本計画の中に、こうしたことについての調査を、ま、意見的なパブリックコメントでありますとか、ヒアリング等に応じて、特に若い世代のみなさんに、えー聴取をしているということも事実でございます。まああの、そういう意味で、国会が非常に大事な役割を果たしていくと、いうふうに思っておりまして、そうした、ど、動向も踏まえまして、えー検討にあたり、あたってまいりたいと、いうふうに思っております。

◆小池議員/総理、総理もこの2001年の自民党有志議員の申し出に名前を連ねてらっしゃることを覚えてらっしゃいますか(「おー」の声、拍手)。覚えてらっしゃいますか。(「やろう」の声)

(→菅・総理大臣)えー確かそうだったと思います。

◆小池議員/それだけではない。2006年3月14日の読売新聞、「自民党内で別姓制度に理解を示す菅義偉衆議院議員は」(「おー」の声)、「例外制でもダメならもう無理という雰囲気になってしまった。しかし、不便さや苦痛を感じている人がいる以上、解決を考えるのは政治の責任だ」(拍手、「そのとおり」の声)、別姓導入を求めてきた方が総理になり法務大臣になったんですよ。政治の責任を言行一致で果たす時ではありませんか。総理どうですか。(拍手)

(→菅・総理大臣)まず、夫婦の、氏の問題、我が国の家族のあり方に深く関わる事柄であり、国民の間に様々な意見があり、政府として引き続き、国民各層の意見を幅広く聞くとともに、国会における議論の動向を注視しながら、対応を検討してまいりたいというふうに思います。ただ私は政治家として、そうしたことを申し上げてきたことには責任があると思います。(拍手)

◆小池議員/野党は選択的夫婦別姓導入の法案を出し続けています。党派を越えてこれ実現しましょう。終わります。(拍手)

2020年11月6日【参院予算委】選択的夫婦別姓の導入について

(更新日:2020年11月06日)