敬老乗車証制度の改悪は「市民負担増」「利用抑制」まねき、「市民にたくさん乗っていただく」との交通局答弁とも矛盾する!(2020年10月12日/決算特別委・交通局・やまね)

◆やまね/私からはですね、えーと敬老乗車証制度について主にお聞きしたいと思います。それであの、まあこれまでの2日間の議論をお聞きしておりまして、「住民要望に応えたところで乗客が増えた」というお話ですとか、それから「桂川駅へ行くよりも地域の中を回るようなジャンボタクシーを走らせてほしいという声もある」と、まあこんなお話も紹介をされまして、私はあの交通の不便な地域が、まだたくさん残っている伏見区の人間として同じような思いで聞いておりました。で、当局のみなさんからもですね、えー「赤字路線だからといって切るわけではない」ということとか、「市民の生活の足をしっかり守る」ということもありましたし、「市民のみなさんにたくさん乗っていただく必要がある」というご答弁もありましたんで、これ非常に重要なことだと受け止めています。

で、その点で、この市バス・地下鉄にとってですね、やはり敬老乗車証の存在っていうのが、非常に大きいんじゃないかとあらためて思っています。で、これはあの「敬老乗車証を守ろう!連絡会」、市民団体のみなさんがですね、昨年大規模なアンケート調査をされておりまして、えー「敬老乗車証がないと困ることは?」というこの質問に「病院等への通院62.7%」「家事・買物60.9%」という回答が多くってですね、高齢者の方が、まさにその命をつないでいく病院への通院だとか、あるいは買物、こういうものに必要不可欠な制度となっているということが、え、示されております。

3月の予算特別委員会の時には、これ営業推進室長のほうから答弁ありましたけれども、高齢者の方の「免許返納、安全上の問題もある。高齢者の方にご乗車いただく観点は非常に重要」だという答弁もありました。あらためてこの敬老乗車証がですね、高齢者の生活を支えるという点、そして、この乗客増という点でもですね、大きな役割果たしていると思うんですが、ご認識はいかがでしょうか。

(→大路・営業推進室担当部長)はい、えー交通局と致しましても、多くの高齢者の方が元気に市バス・地下鉄をご利用いただくと、いうことはあの私どもも思っております。ただあの一方で、以前から申しておりますが、えー私どもあの、市バス・地下鉄を運営する一交通事業者という立場でございます。え、従いまして、えー制度で定められた、えー、に基づきまして、えー運賃のほうですね、通常いただくべき運賃と、えーこの敬老の差額について交通事業者として頂戴しているという位置付けでございます。

◆やまね/あのまあ認識については、多くの高齢者がご利用いただくというのは重要だというご認識あらためて示されたというふうに思います。であのこれ、私もですね、バスを乗った際にたまに見かける場面ですけれども、お年寄りが降りる際にですね、あの運転手の方に、「本当にありがとうございます」というね、感謝の気持ちを示されながら降りられる方もおられますし、他都市にお住まいの方はですね、「京都市は本当にいい制度があってうらやましい」と、こういう声もあります。他都市と比べても、これは非常に優れた制度だというふうに、あのそういう制度をですね、実施されてきたというふうに思います。

で、もう一つは、交通局の収入の面からもですね、えー非常にこの敬老乗車証が果たしている役割は大きいんじゃないかと思いまして。これ昨年度(2019年度)の決算資料見ましても、一般会計からの繰入金としてですね、えー「敬老乗車証負担金」が、市バス33億8500万円、地下鉄11億5100万円で、計45億3600万円になると思うんですけれども、これ大変大きな額であります。で、これはやはり、市バス事業も地下鉄事業もですね、こういう福祉制度があることによって支えられているという面も大きいんじゃないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。

(→大路・営業推進室担当部長)はい、えー確かにですね、えー昨年度申しますと、えー両事業合わして45億3600万円の繰入をいただいておりまして、これがそこそこの額になるかと思いますが、これはあの、先ほども申してますように、交通事業者として、通常の頂戴すべき運賃をいただいているという位置付けでございます。えーかなりウエイトは占めておりますが、私どもはそのように考えております。

◆やまね/あのま、つまりですね「運賃に相当する額を京都市が利用者に代わって払っている」と、まあそういうあのご認識だと思うんですね。で、ただ私はですね、やっぱりこれ敬老乗車証が無ければ、あの利用者はですね、当然減るんじゃないかと思うんです。あの先ほど紹介した市民団体のアンケートでは「敬老乗車証があることで外出の回数が増えた」という声がですね、47.9%、まあ半数近い方がそう答えておられますし、「今以上の負担が増えれば社会参加どころか、通院控えが出てくる」と、それから「年金だけで生活はぎりぎり、もし1回乗るごとに100円ほどかかるなら外出できない」と、こういう声も出されております。

で、もう少しお聞きしたいんですけれども、この敬老乗車証負担金というのはですね、えー交通事業者ごとに協定書を締結して、協定単価、それから、交付者数ですね、そして想定乗車回数これが1カ月16回でしたかね、えーこういうものに基づいて払われていると思うんですけれども、これいまの市バス・地下鉄の状況を見ればですね、観光客だけではなくて、この敬老乗車証を利用してのお客さんもかなり減ってるんじゃないかということが言えると思うんですけれども、で、その場合にですね、えーこの一般会計からの繰入、敬老乗車証負担金の額がどうなるんだろうかということで、これ市民の方がですね、保健福祉局に問い合わせ、られました。そうすると「今年度の負担金算定には影響しないが、来年度は別途検討する」と言われたと、いうことでありまして、これ仮にですね、負担金が減らされるってことになると、あの交通局だけじゃなくて、民間のバス事業者でも一部あの使えるところありますので、大きな損失になるんじゃないかと。そんなことになればですね、あの地域の公共交通にとっては本当に、あの大ピンチになるというふうに思いますが、この点で今ですね、交通局と保健福祉局の間でこの算定について何か議論されていることはあるんでしょうか。

(→大路・営業推進室担当部長)えー、保健福祉局から、のほうから、算定基準の見直しの、えーほうについての、あのことは聞いておりません。

◆やまね/そしたらそれは聞いてないと。まあもしこれがですね、そういうことになればですね、それはきっちり「困る」と言っていただきたいと思うんですね。昨年度の委員会では、あのーむしろ交通局のこの「敬老乗車証の利用の状況からすれば、もっと一般会計からもらってもいいじゃないか」という議論もありましたのでね、あのその点はぜひ考えていただきたいと思います。

であの、この間開かれている「持続可能な行財政審議会」に関わっても少しお聞きしたいと思います。で、そこではですね、あの一般会計の歳出面を他の政令市と比較をして、敬老乗車証など「京都市独自でやっている施策」、あるいは「国基準以上のサービス」が、まるで廃止縮小の対象になっているかのような資料が示されて議論されているわけですけれども。8月17日の第2回会議で、敬老乗車証制度の議論にもなっております。で、これ仮に、敬老乗車証がですね、えーまあ例えば堺市のように1回乗るたびにいくらとか、ま、こういうことになればですね、乗るたびに一律のもし負担が求められることになればですね、「応益負担」ということになりますが、こういう制度になれば、一つは、低所得者ほど負担増になるんじゃないかということをまずお聞きしたい。それから二つ目に、こういうことになればですね、乗るたびにお金を払うってことになれば、利用抑制につながるんじゃないか。この点は交通事業者としてどう考えておられるでしょうか。

(→大路・営業推進室担当部長)えーそのあの対策、ですね、あのー制度につきましては、えー保健福祉局のほうで考えられるということでございます。交通事業者としては、何回も申しておりますが、えー決められた運賃、あのとの差ですね、ですから仮に100円お客様からいただいたら、その差額分が、一般会計から一応頂戴するのがまあ減るというんですか、私どもは、双方からもらって、きっちりとあの決められた額を頂戴する交通事業者、法に基づいたやり方でございます。

◆やまね/あの、私お聞きしたのは、あのー乗るたびに一律負担を求めるような、応益負担ていうことになれば、低所得者ほど負担となるんじゃないですかと、この認識をうかがったのとですね、これが利用抑制につながるんじゃないか、これについて交通事業者としてどう考えてますかということです。

(→大路・営業推進室担当部長)低所得者の話とか、それから利用が減るんじゃないかということは、えー私どもは交通事業者として、先ほどから言ってますように、制度に基づいてやってる中で、私どもは判断すべきではないというふうに思っています。

◆やまね/あの判断すべきかどうかってことじゃなくてですね、あの低所得者、決められた額だけ払わなければいけないと、誰でも一律にね、そうなれば、低所得者の人のほうがですね、そら相対的に負担が多くなるのは当然じゃないかと。そう思われませんか。

(→大路・営業推進室担当部長)えー私ども交通事業者サイドで議論できる話ではないかなというふうに思っています。

◆やまね/で、これはね、あの交通事業者だから答えられないってことじゃなくて、その負担増になることによってですね、利用抑制につながると、そうなればですね、利用抑制につながったら、当然乗客数減っていくっていうことでね、これ私はですね、敬老乗車証が今より使いにくくなればですね、交通局がこの間、この議会でも答弁されているように、「市民のみなさんにたくさん乗っていただく」という答弁ともね、やっぱり矛盾する事態が生まれるんじゃないかと、このことを指摘しておきたいと思います。

で、もう一つですね、あのこの行財政審議会の議論ではですね、国の地方交付税が、あのこの間大きく減らされてきたこと、これピーク時からもう500億円以上減ってるわけですけど、このことにもまあ触れてはいるんです。ところが、えーそのことがですね、京都市の財政が厳しくなった原因としては結論付けられておりません。で、しかも、これから進めようとしている大型事業、三施設一体化事業11億円、鴨川東岸線第三工区70億円、さらに北陸新幹線延伸、堀川地下バイパストンネル、環状ネットワーク構想、あるいはリニア誘致、こういうものはですね、全く触れられてないと。で、結局巨大事業を進めるためにですね、住民に身近な福祉や暮らしを応援するサービス削ろうとしてるんじゃないかと私なんかは思わざるをえないわけですけれども。

で、そこでお聞きしたいのはですね、市民のみなさんが、今の暮らしの中で、毎日の生活の中で必要としているのはですね、リニアとか北陸新幹線てことじゃなくて、私は、地域の中を細かく走るですね、ジャンボタクシーとか、利用しやすい市バスじゃないかと。そのためにこそですね、京都市は、私は財政を支出すべきだというふうに思っていますし、そしてこの敬老乗車証制度についてもですね、現行制度が守られるように、きちっと交通局が発言をしていただきたいと、この点あらためてお聞きしたいと思いますがいかがですか。

(→大路・営業推進室担当部長)先ほどから何べんも申しております通り、え、交通局としては、一交通事業者として、えー運営しているということでございますので、そのような判断は、えー私どもできないというふうに考えております。

◆やまね/あのー、いつもね、「独立採算」「独立採算」ということをまあ盛んに強調されると。ところがですね、この乗客増、あるいは収入にも大きく関わってくるこの敬老乗車証制度の問題についてですね、京都市当局、市長部局に何一つ物言えないっていうのはね、私は大変矛盾したあの態度だというふうに思いますし、結局そういう姿勢だと「赤字だったら市民負担増」という話になりかねないわけです。で、「生活の足を守る」ってこともこの議会で散々言われましたけれども、しかし生活の足としてね、まだまだ不十分な地域もあるわけですよ。で、本来だったら、やはりそういうところを是正をしていくためにですね、整備をしていくために、公営企業の本来の目的である「公共の福祉の増進」、先ほども山田議員(共産)言われましたけれども、この立場で一般会計からの繰入を求めると、あるいは国からの補助をですね、しっかり求めていくと、で、そのこと自身が、私は京都市交通局のみなさんの重要なお仕事だと、このことを指摘して終わりたいと思います。以上です。

2020年10月12日【決算特別委】交通局②/敬老乗車証と行財政審議会について

(更新日:2020年10月12日)