わかもの就職支援センターの取り組みと奨学金返済支援について(2020年10月7日/決算特別委・産業観光局・やまね)

◆やまね/私からは本日は「わかもの就職支援センター」の取り組みについて、えーお聞きしたいと思います。あの昨日もいろいろ議論がありましたけれども、あのーまずですね、昨日の議論で、このわかもの就職支援センターの取り組みについて、「雇用対策の費用対効果」の話ですとか、「国・府・市でいろんな施設が分かれてることでデメリットがあるのでは」とかですね、そういう議論があったわけですが、私はあの大変乱暴な議論だと思って聞いておりました。

で、一つはですね、京都市の都市特性の問題として、やっぱり学生のまち京都だと、いうことでですね、そこに学生の就職支援に取り組むわかもの就職支援センターがある意味は大きいというふうに思いますし、で、その学生の就職支援、そしてブラックバイトの相談だとかその窓口周知にも取り組んでおられますし、その中でですね、資料見ましたら学生の相談件数もですね、平成29年度1412人→平成30年度1641人→令和元年度1960人とだんだん増加しているということもありますので、あのこのセンターがもしなければ、こういう声も拾えてなかった可能性もあると、いうふうにも思います。で、そういう意味では京都市自身が、国とか府任せにせず、独自の施設をしっかり持っている、で、取り組んでおられると、いうことが大変重要でですね、で、特に就職支援とか、あるいは悩み相談というのは、やっぱりその個人個人の方々の、やっぱりいろんな事情、があると思います。で、そこにほんとに親身になってですね、どれだけ寄り添えるかってことが、あの問われるわけで、そういう点ではですね、あのー「費用対効果」といいますか、「1人何十万」とかですね、こういうことで測れるお仕事ではないんじゃないかと思いますが、まずその点いかがでしょうか。

(→安田・ひとしごと環境整備担当部長)はい、わかもの就職支援センターについてでございます。えーこのわかもの就職支援センターは、大学の1・2回生などの低年次性も対象と致しまして、インターンシップ、若者と企業との交流を促進することにより、えーまずは早い段階から職業観を醸成し、えー卒業後の多様な選択肢を描ける担い手を育成すると、いうことで京都の中小企業の担い手確保、定着を支援しているというところでございます。

で、また、学生、就職氷河期世代に対しまして、えー就職活動はもとより、アルバイトを含めた幅広い相談に対しまして、えー議員ご指摘の通り、一人ひとりに寄り添った対応を行っておりまして、ハローワーク、ジョブパークとのマッチングにつなげているというところでございます。えーさらに、センターを通じて就職された利用者に対しましては、就職6カ月後を目途に、えー例えば就労状況に問題はないかですとか、えー何らかのフォローが必要となっていないかなどにつきまして、確認をして、えー後追いでその状況把握に努めていると、いうようなところでございます。

でまた、あの一方、企業に対しましてもですね、えー定着率の向上を目的としたセミナーですとかグループワーク、こういったイベントを開催することによりまして、就職後の若手社員、えーそういった方のサポートにつながる取り組みについてもしっかり行っているというようなところでございます。

で、えー先ほどもあのご案内の通りですね、えーわかもの就職支援センターの令和元年度の雇用創出、実績につきましては、216人というこの数字がございます。で、これあの個別のキャリアカウンセリングですとか、の利用者ですとか、イベントへの参加企業、え、そこから実際にそういう市内の中小企業に就職した人数を聞き取ったと、そういう人数でございます。あののべ、このあのわかもの就職支援センターの利用者が、のべあの利用者数が5800を超えていると、いうような状況にある中でですね、実際にはこれよりも多くの雇用創出につながっているものと、考えているところでございます。え、ただあのこのようにあの企業の内定につながる取り組みというのを、実際それだけを実施するのではなく、あの実際の就職活動よりもかなり早い段階、え、そしてあの就職後の段階、え、ここまであの幅広くですね、手厚いサポートを寄り添って行う、え、こういうことが、わかもの就職支援センターの、こういうあの存在意義だというふうに考えてるところでございます。

◆やまね/ありがとうございます。ですから、今言っていただいたように、まあ企業の内定ということにとどまらずに、幅広いサポートを行っている、そういうこの施設だということでですね。ですからあの今も言っていただいたように、就職支援だとか、それからブラックバイト相談だとか、で、実態調査なんかもやられて、でその、そういう部門があってですね、そして国と、あるいは府と連携するからこそ、手厚い支援ができると、いうふうに思います。

で、その点でですね、あの今後コロナの影響で雇用情勢がさらに、あの厳しくなる可能性もありますので、その点ではこれ、これまでも私たち求めていたんですけれども、あのあらためてですねその「労働者の権利、立場を守る」ということを、ぜひ主眼においた部局をですね、独立して産業観光局の中にね、つくっていただくようなね、そんな体制強化もぜひお願いをしたい、これあの要望だけしておきたいと思います。

で、もう一つお聞きしたいのが、就職活動への影響調査についてですね、本会議で副市長のほうからですね、「京都府と連携してアンケート調査を実施し、現在集計・分析作業を進めている」という答弁をいただきました。で、この中身についてはぜひあらためての機会に議論させていただきたいんですが、一つお聞きしたいのは今回のこの調査で、えー例えばバイトのシフト削減とか、雇い止めの実態とかですね、それから学生生活への影響とか、こういったことについては聞かれていないのか。あるいはもし聞かれていないなら今後調査されることは検討されているのか。この点いかがでしょうか。

(→安田・ひとしごと環境整備担当部長)はい、えー、実態把握の件でございますけれども、あの新型コロナウイルスの感染症がこのような影響を大きく与えている中ですね、雇用への影響を把握しまして、地域の経済、雇用情勢に応じたきめ細やかな雇用対策に取り組んでいくためにも、えー実態の把握は不可欠だと、いうふうに考えているところでございます。

えー本市では新型コロナウイルス感染症による学生の就職活動、えーそれから企業への採用活動への影響を把握するためということで、えー京都府と連携もしながら、アンケート調査を今行っているというところでございます。あのー今現在あの分析、えー集計・分析の作業を進めているところでございまして、えーところでございますけれども、そのアンケートの項目と致しましては、えー「就職活動への影響」をはじめましてですね、そのほか、えー「内定の状況」ですとか、「アルバイトの就労環境への影響」「学生生活全般の不安について」、こういった項目についても聞き、えー聞き取りまして、調査結果を踏まえて、どこにどのような課題があり、学生や企業がどのような支援を求めているか、こういったものをしっかり把握して、必要な対策を行っていきたいと、いうふうに考えているところでございます。

◆やまね/わかりました。そしたらその就職活動への影響調査だけではなくて結構幅広く項目を聞いていただいていると、いうことでわかりました。ありがとうございます。それであのまあ今言っていただいたようにですね、そのニーズに合った支援を行ううえでもですね、あの政策立案していくうえでも非常に実態把握大切だというふうに思いますし、国に要望していくうえでもやはり京都市独自でですね、実態をつかんでいるかというのは決定的だと思うんで、ぜひ引き続きがんばっていただきたいと思います。

それからあの雇用対策という点で、もう一つこの間、問題になっているのが、あの休業支援金ですね、国の「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」ていうのができましたけれども。これはあの新型コロナの影響で、勤務先から休業させられたものの、休業手当を受け取れなかった労働者が直接申請できると、労働者向けの給付制度なわけですけれども、これあの雇用保険に加入していない学生アルバイト、あるいは外国人労働者の方、技能実習生の方なども対象になりますけれども、なかなかその思うように活用が進んでいないと。で、えー制度としてですね、8月下旬に「対象期間」と「申請期限」が延長されまして、9月に厚労省のホームページにもその情報が更新されておりますので、これぜひですね、学生・労働者のみなさんに向けて、期間も対象も広がっているっていうなことをですね、あらためて周知をですね、強めていただきたい、この点どうかということと。

もう一つはですね、これブラックバイト根絶の取り組みで、昨年7月に「京都経営者協会をはじめとする経済団体や、学生アルバイトの多い業界団体に対し、京都労働局長・知事・市長の連名で『学生アルバイト等の適正な労働条件の確保』を要請」されていると、いうこともお聞きしました。で、これをですね、ぜひこのコロナ禍においても、例えば雇用調整助成金だとか、緊急雇用安定助成金の活用とかですね、労働法制の遵守についてですね、あらためて京都市も一緒になって、これ働きかけるべきじゃないかと思うんですが、この二点いかがでしょうか。

(→安田・ひとしごと環境整備担当部長)はい、まずあの休業支援金・給付金についてでございますけれども、えーこちらあのー事業主の、あのー、が、休養、休業させたものの、その賃金の支払いを受けることのできなかった中小企業の労働者に対して支給するものと、いうことでございます。えーそういう観点から、あの本来ならばですね、この、おー、受け取ることができなかった方、の労働者の方、これを保護するという観点でこれを創設されたものでございますので、本来ならば雇用調整助成金を、これを先に使っていただくというのが本来の姿かなと思てます。えー事業者に対しましては、このまず雇用調整助成金をしっかり活用していただく、これを例えば「京のまち企業訪問」の会員企業のメールマガジンなども活用しながらですね、様々な手法であの周知徹底を図っているところでございます。

であの、一方あの休業支援金・給付金の周知につきましては、基本的にはこれ国が一括してこの広報活動等を行っておりますけれども、えー、議員ご指摘の通りですね、あの対象期間、申請期間、こういうのが延長されたところでもございますので、こうした状況も合わせまして、あの本市としても、あのわかもの就職支援センターでの周知のほか、京都府、京都労働局とも連携しながら、えー制度の周知徹底を図っていきたいというふうに考えているところでございます。

で、もう一点、ブラックバイトのあの関係での、あのについての、えーまあ経済団体等への要請についてでございますけれども、えーこちらにつきましては、ブラックバイトの対策協議会というのを京都市・京都府・京都労働局で、えーそういう構成して、おー開催しているところでございますけれども、えーこの枠組みで、えーこの要請というのをしっかり行っていく必要があるというふうに考えています。特に新型コロナウイルス感染症、これが拡大している中でですね、これまで以上に様々にそのアルバイト等を取り巻く状況が、課題等が出てきていると思います。えーそういったものを、えー解決に結び付けるためにもですね、しっかりそういう経済団体等への要請というのを、えー実現に向けてあの協議していきたいというふうに考えております。

やまね/ぜひよろしくお願いします。それからもう一つですね、お聞きしたいのが、あの京都府の「就労・奨学金返済一体型支援事業」についてなんですけれども。あの昨年度の実績がですね、64社256名で支給総額は955万円という資料をいただいています。で、これはあの平成30年度の27社80名316万円というところから大きく、これは増えていると、いうことです。ただ、あの予算額の3000万円から、にはですね、なかなか届いていないと。で、元々はこれ京都府は1億円1億円という予算を組んでおりましたので、1年目2年目はですね。ですからそれを考えればですね、本当ならこの2億円以上のお金が、中小企業、そして若者に届かなければいけない、あのーものだというふうに思うんですね。で、これ3年間これまで実施されてきたわけですが、なかなかやはり伸びないと、予算に届かないということで。あのやはりですね、これ中小企業が一定負担しなければいけないということで、使いにくい制度になっちゃってるんじゃないかと、いうことがですね、これ3年やってこの結果ですから、これ明らかじゃないかと。

で、私はこの間の報道なんか見ておりましたら、コロナ禍においてですね「奨学金を本当は借りない予定だったけどやっぱり借りないといけない」という学生さんも生まれてるってことですから、あのさらにこう負担がですね、若者にのしかかってくる可能性もあるということで、これぜひですね、京都市としても「周知」ってことだけにとどまらず、このもう一歩ですね、踏み込んでいただきたいと。これまでのこの3年間のこの京都府の事業の結果がどうだったのかね、しっかり検証していただいて、これやっぱり中小企業のためにも、あるいは若者のためにも、もっともっと利用者を増やしていくためにはですね、今こそ、えー京都市も財政負担行って、上乗せをしてですね、もっと利用しやすい制度にね、えーすることができないのかどうか。あーどうでしょうか。

(→安田・ひとしごと環境整備担当部長)はい、京都府の就労・奨学金返済一体型支援事業につきましてですけれども、えーこちらにつきましては本市と致しましても、えー中小企業の担い手確保に向けた支援策として重要なものと、認識しているところで、えー周知に注力しているところでございます。えー具体的には、えー様々なあの経済団体等の、おー、です、の、そういうメールマガジン等も活用しながらですね、またあの、わかもの就職支援センターにおいての、えー京の、「京のまち企業訪問」の会員企業等、こういったもののメールマガジンも活用しながらの周知をしっかりあの行っているところでございます。え、この、また、えー本市の経営者向けのセミナーですとか、経営支援員による周知というのも行っているというようなところでございます。

であの、この、就労・奨学金返済一体型支援事業につきましては、えー31年の1月に、えー若干この府内の居住要件等、おー廃止するなどですね、より制度を改正しまして、使いやすくしたところではございます。えーこうした影響もあり、制度の導入企業はですね、これまで以上にあの早いスピードで、えー増えてきていると、いうようなところでございます。この、えー学生、えー多くの学生にこの奨学、この事業を使っていただくと、いうふうなためにはですね、まずはこの、制度の導入企業を増やしていく、これがまずはあの大切だと、いうふうに考えているところでございます。えーより多くの中小企業が、これを、おー活、この制度を活用していただけるようにということで、え、いろんな周知、府ですとか、経済界とも連携しながら、この、オール京都での活用の促進に努めて、まずは努めていきたいと、いうふうに考えているところでございます。

◆やまね/あの、おっしゃってる、あのことはよく分かるんですけれども、やはり3年間周知に取り組んでこられて、で、今おっしゃられたように、要件も緩和をされた。ところがやはり、3000万円の予算に満たずにですね、900万円ほどにとどまっているということで、やはりねこれはあの抜本的な検証が必要だというふうに思うんですね。であのー、私はですね、このこういう中小企業の担い手確保と、それから奨学金返済支援でですね、直接この若者につながっていく事業に、なかなか京都市お金出さないと。ところが一方でですね、これ決算の書類調査の時にちょっと確認しましたけれども、企業立地促進制度補助金では、任天堂1社にですね、昨年度も1億6274万円もの補助金出てると。これはね、やっぱり内部留保が1兆円を超える大企業にね、なぜそこまでするのかと、いうことは率直な疑問ですんで、やはりこういった税金の使い方、どこに経済の軸足を置くのかと、いうことが問われていると、いうことを指摘をして終わりたいと思います。またよろしくお願いします。

2020年10月7日【決算特別委】産業観光局②/わかもの就職支援センターの取り組みと奨学金返済支援について

(更新日:2020年10月07日)