◆やまね/私からは観光問題についてお聞きしたいと思います。で―特にあのこの間、取組もされてきました京都市の「観光振興計画」についてですね、えー、ま、今年度が現計画の最終年度ということもあって、えーですね、ま、これまでの取組も踏まえながら、あの議論させていただきたいと思います。で、あの次期「観光振興計画」の策定に向けて8月6日に「京都市観光振興審議会」が開かれておりますが、現在示されている策定のスケジュールなんですけど、今後11月に第2回目の会議、12月から来年1月にかけてパブコメを行って、2月に第3回会議、3月には次期計画を公表する予定というふうにお聞きしております。
で、あのーそこでその、この数年ですね、観光客と宿泊施設の激増で、市民生活に重大な影響が及んだきた点を考えればですね、この計画に市民のみなさんのご意見、意見をですね、反映させることが何よりも重要じゃないかというふうに思っています。で、あの、そこで審議会委員の顔ぶれを見ますと30名のうち市民公募委員の方が3名のみでですね、ま、これであの、果たして市民のみなさんの声をですね、反映した議論ができるんだろうかってことをちょっと疑問に思っておりまして。で、あのパブコメをすることはもちろんなんですけれども、あのまずですねあの、「市民生活を最重要視」するっていうことであれば、あのー計画の議論の段階から、住環境悪化に苦労されてきた町内・学区、ほんとにたくさんありますから、そういうみなさんにですね、幅広い市民のみなさんに参加いただく必要があるんじゃないかと、いうことでちょっとお聞きしたいと。
それからもう一つは、この8月6日の京都市観光振興審議会の議事録をぜひ資料で、提出いただきたいと思いますがいかがでしょうか。
(→北川・観光戦略担当部長)はい、えーと次期「観光振興計画」についてでございますけれども、えーまあ8月6日に第1回始めまして、えーと事務局案としましては、市民生活と観光との調和ですね、市民が豊かさを実感できるなどのですね、ええと5本の柱を掲げまして、現在ま、委員の皆様と議論を行っているところでございます。でまあ今後の流れとしてましては、まあ中間案をですね、えー協議するまあ審議会の、おー本体とか審議会の部会とかですね、えー第2回の審議会やりますけれども、その後にですね、あのご質問の通りですね、えーパブリックコメントを予定しております。で、このような中で進めておるところでございますけれども、ま、委員につきましては先ほど、えーと市民公募委員ということで3名と、いうふうにあのご質問いただきましたけれども、これについてはですねあの現計画ですね、「2020」、現計画を策定した時にはですね、2名であった市民公募委員でございますけれども、これについて今回は1名あの増員してですね、まあ体制、委員体制の充実を図ったところでございます。
でまあ、あの先ほど議事録の提出というところもございましたけれども、こちらについてはもうすでに、えっとホームページに載しておるところでございます。えっとまああの概要版という形になりますけれども、ちょっとまたあの、おーこの後ですね、えーご説明させていただきたいと思いますけれども、おーま、そのような形でですね、あのホームページ等を通じてですね、えーこれまでの議論とかですね、あの資料について、広く発信しておるところでございます。でまああのパブコメ、えーをまあ充実させることも一つですけれども、おーまあ必要なですね、募集期間、パブコメの期間を設定すると。で、これに合わせてですね、例えばそのFacebook等のSNSですね、PRするとかですね、まあ様々な手法をですね、活用してですね、広く、えー市民の声を、反映してまいりたいと、いうふうに考えております。
◆やまね/あのごめんなさい、ホームページにあのすでに載せておられるということだったんですね。ちょっとあの私が検索したところなかなか見つけられなかったんで、またちょっと教えてください。
で、あのまあ、現計画は2名だったところを1名に、1名増員されたっていうお話もあったんですけれども、それでもまあ30名のうちの、3名、10分の1ですのでね、やはりもう少し市民のみなさんの声というか、代表する声をですね、ぜひ比重を高めていただく必要があるんじゃないかなと思います。
であの、まあぜひ11月2月の会議に向けてですね、市民公募委員をさらに追加募集することができないのかとか、あるいは団体等へのヒアリングなんかもされているということなんで、ぜひ全ての例えばですよ、あの最低限自治連合会あるいは、できるんであれば町内会に、こういったところのみなさんへもですね、ぜひ意見照会も、意見も求めていただきたいというふうに思います。で、やはり全市民的規模でね、あの議論を深めるべきだと、いうふうに申し上げておきたいと思います。
で、もう一点、コロナの問題なんですけれども、あのいただいた資料にですね「新型コロナウイルス感染症の影響からの力強い回復等を考慮し~」というふうにありまして、で、この計画策定にあたってですね、コロナから回復することを前提に、これ策定をされているのかですね。で、これ、ただ、今まだこれから冬の時期をですね、えー越さないとどうなるかちょっと分からないというのもあると思いますんで、この先行きが不透明な中において、あのしっかりしたやはり策定できるんだろうかと。で、やはり収束した場合、収束しない、するかどうか分からない場合、あるいはより事態が悪化した場合とかですね、複数のこの事態を想定してですね、計画・プランをつくる必要があるんじゃないかと、いうふうに思うんですが、この点いかがでしょうか。で、「来年3月」ということでこれ、当面は日程が示されてるんですけど、この出口をですね、まあ急がずに、場合によっては時期をずらしてじっくり時間をかけ議論すると、いうことも必要じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
(→北川・観光戦略担当部長)はい、えーとまああのコロナ禍におけるまあ計画策定というところでございますけれども、まあ計画の前提としましてはですね、えー10年後のですね、2030年に向けた方向性を示すと、ともにですね、まあ計画期間につきましては、えーと2025年までの5年というの、まあこれが前提にしてるところでございます。で、ご質問いただきましたまああの、今般まあ拡大してきたコロナウイルス感染症でございますけれども、まあ現時点でですね、あの収束の時期をですね、予測するのはまあ困難と、いうふうにあの考えております。
でまあ本計画につきましては、あーまあこれまでもそうでしたけれども、おー京都観光の、まあ中長期的なですね、方向性を、まあ取りまとめるものでございますけれども、まあ現状においてはですね、まあ計画期間の特に今前半といいますか初期段階においてですね、コロナからの回復がですね、えー京都観光にとって重要な課題の一つになると、いうふうに考えております。でまあ従いましてまああの次期計画につきましては、コロナ後のですね、中長期計画的なですね、方向性とか、あとその実現に向けたまあ施策について取りまとめると、あ、これに合わしてですね、えーコロナからの回復、これに向けた施策についてもですね、両方ですね、この本計画に、含めて行くことが重要だというふうに考えております。
で、またこのまあウエイト等につきましては、当然あの委員のまあ方々の議論とかですね、この審議会の中の、おーご意見先ほどおっしゃっていただきましたけれども、あの関係事業者からのですね、まあヒアリング等々、行っておりますのでまあこういう、うー意見を踏まえたうえでですね、えー考えていきたいと、策定する前提というふうに考えております。
ただまああの一点、あーコロナ期、コロナ回復期とですね、その回復後の方向性っていうのは必ずしもその別ではなくてですね、例えば観光客の分散化・平準化などの取組であったり、観光の質の向上、こういうふうなものにつきましては、ま、コロナ期であっても、アフターコロナであってもですね、どちらにおいても、おー重要な取組と、いうふうにあの考えておりますので、まあこういうものについてもですね、議論していきたいと思っております。
◆やまね/策定の時期については、どうですかその、必ず3月に結果を出すんでしょうか。
(→北川・観光戦略担当部長)はいあの今まあ市民の方々とかですね、観光事業者の方々、あの意見、えー丁寧にですね、あのうかがっているところではありますけれども、なるべくまあ方針ですのでですね、コロナ禍における回復の施策のあり方というところもございますので、なるべく早めにですね、えーコロナ禍の施策を含めてですね、実施計画を策定しなければならないという、まああの思いは持っておるところでございます。まああのーそのためまあいろんなバランス見ながらですね、えーまあ判断していきたいというふうに考えております。
◆やまね/まあその辺りはぜひ柔軟に考えていただきたいというふうに思います。
であの、「観光」というのがですね、そもそも、本来は、あの労働から解放されるというか仕事から解放されて、ま、余暇の時間とかですね、一定経済的に余裕があるとか、そういうことがあって初めてできるものですし、でー旅行先で旅先で、その土地の自然とか食事とか、あるいは時には異文化交流とかですね、そういう意味では極めて人間らしい活動だというふうに思うんです。で、たくさんの方が観光に出かけられるということ自身は、本来喜ぶべきことでありますけれども、ところが、なぜここまで深刻な事態が、京都市では起こってきたのかを我々は考えなければならないと、いうふうに思います。
で、あのその一つが宿泊施設の数の問題ですけれども、あの「宿泊施設拡充・誘致方針」が策定された2016年の時点で、すでに様々な形で住環境への影響が出てたってことは拡充・誘致方針の中にも書いてありますし、京都市も認識をされてきたと。で、ところがそこではですね、「国際観光客数が増加傾向にある」と、「国の目標が上方修正された」と、これは「2030年に6000万人の外国人観光客を」ということですね。で、このことから、「増加が見込まれる外国人観光客への対応を進める必要がある」とういことで、「2020年までに約4万室必要。2015年時点で約3万室なので約1万室新設が必要」だということで、えー数字が掲げられたわけですけれども、ところが結果どうなったかと言いますと、これ産観局から資料出していただきましたけれども、昨年度末ですね、2020年3月時点で、ホテル・旅館、簡易宿所の総施設数は3993施設にのぼると。で、総客室数が53471室ということで、で、今年9月以降に開業予定の主な宿泊施設、これ100室以上のものが28施設5608室ということで、ま、客室数がですね、6万室近くに近々なる見込みだということで、あのこの京都市の現状見ますと「数は満たされている」どころかですね、まあ溢れてるというか、京都市が想定していたものをね、はるかに超えているんじゃないかと。明らかに宿泊施設の数が過剰だと、私は思うんですが、そういう認識はないのか。あるいは、それともこれは、これぐらい増えるというのは、想定の範囲内だったのか。いかがでしょうか。
(→北川・観光戦略担当部長)はい、えっとまあ宿泊施設拡充・誘致方針の中でですね、あのまあ予測という形でですね、えーこの、おーまあ、あの1万室の差についてですね、掲げさしているところでございます。でまあその中でですね、まああの、これまでもあの、ご説明させていただきましたけれども、まあこの誘致方針というものの、まああの役割というまあ量的なところだけではなくてですね、まあ京都ならではのですね、おもてなしが感じられるような、旅館の利用促進とか、民泊対策、こういうのもですね、重要なものの一つとしてですね、まあ取り組んできたところでございます。
で、現状の認識でございますけれども、まあ現状ではですね、まああのーご質問いただいた通り、計画中のものも含めますと、基本的には施設数としては満たされていると、いうふうに考えておりますけれども、その一方でですね、まあ増加してる施設の多くがですね、まあ京都駅中心であったりとか、市内中心部、これに集中しておると、いうふうに認識しておる一方でですね、えー農家民宿などの地域固有の魅力を生かした施設とか、あと地域文化の継承につながる施設っていうのは、これはまあ必ずしも十分ではないと、いうふうに考えております。
◆やまね/あのまあ、私はですね、多くの市民のみなさんは「いくら何でもホテルつくり過ぎだ」と、いう思いをね、やっぱり持っておられると思うんですよ。で、やっぱりその認識が、京都市にないっていうことが、非常に私は問題だと思うし、分かっていながら歯止めをかけなかったということであれば、これも無責任な話だということは言っておきたいと思います。
で、「宿泊施設拡充・誘致方針」の前提となっているのが国の「観光立国戦略」でして、これ今年7月に発表された政府のですね、「観光ビジョン実現プラグラム2020」では、「インバウンドに大きな可能性があるのは、今後も同様であり、2030年に6000万人の目標は十分達成可能である」ということで、非常に楽観的な見通しを立てておられますが、これ京都市も、この目標にそってですね、計画を考えておられるんでしょうか。さすがにこの数字というのはちょっと現実的でないんじゃないかと思っておられるのか、その点はいかがでしょう。
(→北川・観光戦略担当部長)はい、あの次期観光振興計画の中でのですね、あの目標とか、えーまあ指標でございますけれども、まああの、国の方針踏まえた、あー踏まえたといいますか、もちろん参考にしたうえではありますけれども、あくまでもこれについてはですね、まあ審議会の中でですね、まあ委員の方々、あーまあ関係者の方々をはじめですね、まあ今議論を行っているところですし、まあ今後まあ審議会、部会等でですね、様々な方々の意見を聞きながらですね、こういう目標、指標についてもですね、えーじっくり立てていかないといけないと、いうふうに考えております。
◆やまね/あくまで委員の方のお話というようなお話があったんですけど、これ国の目標なんですけど、これが今でも適当だというご認識なんでしょうか。
(→北川・観光戦略担当部長)まずあのーまああの1回目の審議会の資料の中でですね、えーまあ市民との調和もあるんですけれども、「量から質」へ、まあ質の高い観光というものを求めて、えーまあ議案として出しておるところでございます。まあそういう観点からするとですね、まあ必ずしもその旅行者数っていうのをですね、立てるのか立てないのか、ま、そういうものも含めてですね、まあどういうその目標とかですね、指標が、あー適当なのか立てるべきなのか、あーまああの量だけじゃなくて例えばその商品の単価であったりとかですね、1人当たりの消費額であったりとかですね、こういうものについてもですね、まあ目標値として考えられる中でございますので、まああのいずれにしましても、あの委員の先生方の、まああのご意見等々聞きながら、あーこの目標値を考えていきたいと、考えてます。
◆やまね/あのーもう一つだけお聞きしたいんですけれども、産経新聞が8月25日に九州大学教授の施光恒(せ・てるひさ)さんという方の論稿を載せておりまして、で、ここではですね、「観光立国路線の見直しを」と、いうことが提起されております。「非正規雇用も増え、生活の不安定化に悩む人々も増加した。経済的見通しが立たないため晩婚化や少子化も止まらない。このような要因から国内需要が減り、デフレ不況に陥った。そこで手っ取り早く経済を回そうと頼ったのが、外国人観光客を大量に呼び込み、彼らの需要で凌ごうとする『観光立国戦略』にほかならない」と、こういう指摘です。で、「だが、内需が細り外需に依存する経済は、コロナ禍のような有事には非常に弱い。多数の一般庶民を豊かにし、内需中心で経済を回す強靭な国づくりへと方針を転換する必要がある」と、こういう指摘をされているわけなんですけれども。で、本会議質問の際にですね、市長が「インバウンドに特化したということは全くない」と言いながら、「消費額は観光客全体の約3割を占め、京都経済に与える影響は大きい」ということ答弁されました。で、しかし、それがコロナ禍であっという間にふっとんでしまうと、いうことですので、やはりここで言われているような、「強靭な国づくり」といった場合に、「内需中心で経済を回していく必要がある」んじゃないかと。この点についてご認識いかがでしょうか。
(→北川・観光戦略担当部長)はい、あの次期観光振興計画の中でですね、まあどういった、あー施策の方向性を見せていくかというところですけれども、これにつきましてはまあ2030年、実現すべき姿としてですね、えーまあ第1回目の資料ですけれども、おー5本柱立てているところでございます。その中ではですね、えー「市民生活と観光の調和」であったりとか、「観光の質の向上」、まあ以下3点でございますけれども、こういう、うーまあ形でですね、えー事務局案として出しているところでございます。まああのこれをベースにですね、まああの全てあの、もうえーご説明しませんけれども、これをベースにですね、え、議論していただいたうえで、ま、あのーおっしゃる、ま、そのインバウンドをどうするのか、まあ国内観光客とのウエイトどうするのか、等々ですね、えー、議論を深めていきたいというふうに考えております。
◆やまね/あのーこれコロナ以前にですね、みずほ総研が、昨年7月と11月にですね、重要なレポート出しておりまして、まあその「インバウンド客数目標達成に黄信号」とかですね、えー、「東京五輪開催年のホテル需給の試算」「東京・大阪でもホテルは不足しない公算」ということで。で、なぜかといえば、災害とかですね、それから経済の、いろんな海外の経済状況、それから旅行先としての東南アジアの台頭、さらに外交関係などが要因にあげられているわけですけど、やっぱり感染症の影響だけじゃなくって、そういう形で外的な要因に大きく左右されるのがこの「観光」と、水物と言われたりもしますけれども、そういう経済構造をですね、これつくっていいのかということがあの今問われてると、いうことで申し上げて、終わりたいと思います。また引き続き議論させていただきたいと思います。以上です。
2020年10月6日【決算特別委】産業観光局①/京都市の「観光振興計画」について
(更新日:2020年10月06日)