京都市内の宿泊施設はすでに過剰!「宿泊施設拡充・誘致方針」を撤回し次期「観光振興計画」の策定を(2020年7月8日/産業交通水道委・産業観光局・やまね)

◆やまね/えっと私からは、「新しい観光スタイル」と「宿泊施設拡充・誘致方針」についてお聞きしたいと思います。で、あのこの議会の中で「新しく観光スタイル」についていろいろ議論をされているんですが、その中で、「市民生活との調和」それから「地域に貢献するような観光」ということが、あの言われております。で、ただこのことはですね、あの2016年に策定をされた、えー「宿泊施設拡充・誘致方針」の中でもですね、あのふれられていたことだと思うんです。2016年の時点でも、市民生活には重大な影響が出ておりましたし、京都市も認識をしていた。にもかかわらず、えー今なぜ、その状況がより深刻になってきたのか。その点についてどんなふうにお考えか、まず聞かせていただきたいと思います。

(→土橋・観光MICE推進室長)はい、あの観光における市民生活との調和についてでございます。あのーまあ、この間ですね、コロナ以前まで、あの観光客、特に外国人観光客の急増に伴いまして、やはりあの市民生活に影響が出てきたっていうことが、あのあったのかなと思っております。で、あのまあ今後ですね、まだ今回コロナということで、えー観光客が、えーまあいなくなったという状況ではありますけれども、我々としてはその、コロナ以前の観光に戻すのではなくってですね、引き続きですね、まあ徹底した感染症予防に加えまして、市民生活と市民、地域コミュニティと観光のさらなる調和っていうのをこの2つの柱にですね、えーしっかりとその市民生活や地域文化をより重視した、地域に貢献する観光を目指していきたいと、いうふうに考えております。

◆やまね/あの昨年10月のですね、市長総括の時に、私、門川市長と直接議論させていただきましたけれども、その時にですね、市長が「少なくとも東京五輪までに1万室増やさなくては日帰り客ばかりになると考え『宿泊施設拡充・誘致方針』を出した」と、いうことを答弁されました。で、ですから結局いろいろ問題は認識していたんだけれども、宿泊施設の立地規制もしないし、他都市ですでに行われている管理者の常駐義務も課してこなかった。事実上、無制限に呼び込んできたということがやはりあると。加えてですね、この「宿泊施設拡充・誘致方針」が、国の「観光立国戦略」、これは「2030年に外国人観光客6000万人」、現在の倍規模ですけれども、えーこれを目標、これをですね、前提にしてですね、京都市がその牽引役となるということを宣言もされている。ところが、あのーあらためてこのコロナ禍において、いよいよこの国の戦略・目標は、もう破たんしていると言わざるをえないと私は思います。で、そこでお聞きしたいんですけれども、今年度ですね、京都市の次期のですね、「観光振興計画」ですか、これを策定するというふうにお聞きしてるんですが、この「宿泊施設拡充・誘致方針」については見直しや撤回ということは考えているのかどうか、いかがでしょうか。

(→北川・観光戦略担当部長)えーっと、宿泊施設、誘致・拡充方針について、でございますけれども、えーとこれについてはですね、宿泊施設の質の向上と、ま、地域と、えー調和した宿泊施設の拡充、これを図るためにですね、えー京都市が求める、えー宿泊施設の考え方、あーそれとですね、施策を、取りまとめたものでございます。で、まああのこれまでもですけれども、京都市としましては、この方針に基づいてですね、えー京都ならではの、おもてなしを考え、感じられる旅館の、利用促進であったり、えー宿泊施設の拡充・誘致、これに取り組むだけではなくて、民泊対策も含めてですね、えー取り組んできたところでございます。

で、現状の認識としましては、その計画中のものも含めますと基本的にはその宿、施設数としてはですね、満たされていると、いうふうに考えられますけれども、その一方でですね、その増加しているその施設の多くっていうのがですね、京都駅周辺とか、えー市内、えー中心部に集中していると、いう現状もございますし、あとその農家民宿とかですね、その地域固有の魅力を生かした施設とか、あとその地域文化の継承につながる施設っていうのはその必ずしも十分ではないと、いうふうに考えておりますので、それを踏まえてですね、えーこれからの、おー宿泊施設の確保を進めていかないといけないと、いうふうに考えております。

◆やまね/あの、「宿泊施設拡充・誘致方針」は、見直しや撤回は検討されていないということでよろしいですか。

(→北川・観光戦略担当部長)はい、あのー先ほど申し上げましたけれども、おー現在としてもですね、えーまああの方針としましては、その地域や、えー市民生活の調和を図る出会ったりとかですね、あと市民と観光客の安全安心を確保する、この方針につきましては当然ながら、あの現在においても適用すべきものでございますので、見直しとか、えー廃止っていうのは現在のところでは考えておりません。

◆やまね/あのまあ先ほどから「質の向上」だとか「地域の調和」だとかね、そういうことおっしゃいますし、まあこれまで、「数だけ追い求めてきたわけじゃないんだ」ということもですね、くり返しおっしゃるわけですけれども、しかし、タイトル見ればですね、宿泊施設を「拡充」して「誘致」すると、いうタイトルになってるわけですから、この方針がですね、宿泊施設のさらなる激増を招いたことは明らかだと。で、そのもとで、先ほどおっしゃられた旅館などのみなさんもですね、大変苦しい状況に立たされていることは言っておきたいと思います。

で、もう一つお聞きしたいのは、今議会で、都市計画局所管でですね、宿泊施設の住宅への転用を支援する事業が提案されておりますが、で、これ、宿泊施設の「拡充・誘致」をする一方で、宿泊施設の住宅への転用を支援すると、この整合性の説明を求めた我が党の要求資料で、産業観光局のほうからはですね、都市計画局の事業について、「今般の新型コロナウイルス感染症の影響によるまちの活力低下を防ぐためのものだから相反する取組ではない」という回答でありました。これは私はちょっと説明にあのなっていないんではないかというふうに思いますが、あのー宿泊施設、そこでお聞きしたいのが、「宿泊施設は数としては満たされている」ということもあのよく言われるんですけれども、あの「過剰」だと、いう認識はあるでしょうか。京都市内にこの宿泊施設の数として過剰になっているという認識がおありかどうか、いかがでしょうか。

(→北川・観光戦略担当部長)はい、えーとあの現状の認識でございますけれども、あの先ほどのくり返しとなりますけれども、計画中のもの含めますと基本的には、えー施設数としては満たされ、基本的には満たされているというふうに考えますけれども、その一方で、まあ増加している施設の多くっていうのがですね、エリア的にはですね、その京都駅の周辺とかですね、市内中心部、これに集中しているという現状は事実であります。で、一方でですね、その質的なところも着目もしないといけないというところがございますので、えー地域固有の魅力を生かした施設とか、あと地域文化の継承につながる施設っていうのはこれは必ずしも、おー満たされている、十分ではないというふうに考えます。

◆やまね/あのー、一部エリアのお話出ましたけれども、それでは、その集中しているエリアで、過剰になっているという認識はおありですか。

(→北川・観光戦略担当部長)はい、えーっと、そのエリア的に、えー申し上げましたのはあくまでもその現状でございまして、えーとまあ供給数とかだけを見るのではなくてですね、もちろんその、おーその、時々におけるですね、稼働率であったりとかですね、価格であったり、そういうものを、そのしっかりと、おー見極めないといけないというところがございます。それは一概にですね、その多い少ないってのは、満たされてるとか満たされてないとか、それはあの判断できるものではないと思います。

◆やまね/あのーコロナの影響が起きる以前からですね、もう、すでに宿泊施設の1泊あたりの値段の崩れ方ってのはもう相当なものですよ。で、中には1000円を切っている、1泊1000円を切っている宿泊施設もあるということで、この宿泊施設そのものが過剰になっているというのはもう明白だと、いうことを言っておきたいと思うんです。で、産業観光局が、経済を所管する産業観光局がですね、そういう認識を持っていらっしゃらないというのは、ほんとに、どうなのかと、言わざるをえないと私は思っております。

で、結局、「コロナ以前には戻さない」と言うもののですね、「MICE誘致推進で大規模会議を支援」するだとか、あるいは「拡充・誘致方針の見直し・撤回も考えていない」、さらに「宿泊施設が過剰だという認識も持っていない」ということであればですね、いくら「コロナ以前に戻さない」と言ってもですね、基本的な発想は、何ら変わっておられないんじゃないかと、いうことを指摘しておきたいと思います。あらためて、次の観光振興計画策定にあたってはですね、この「宿泊施設拡充・誘致方針」の撤回をしたうえで、このことを求めて終わりたいと思います。以上です。

2020年7月8日【産業交通水道委】産業観光局/一般質問「新しい観光スタイル」と「宿泊施設拡充・誘致方針」について

(更新日:2020年07月08日)