「安定雇用の創出」を掲げながら、京都市長は共立メンテナンスの「不当労働行為」を問わない?(2020年6月26日/産業交通水道委・産業観光局・やまね)

◆やまね/前回に続いて、上質宿泊施設誘致制度と仁和寺門前ホテル計画についてお聞きしたいと思います。前回はですね、あの事業者の共立メンテナンスという会社が、えー雇い止めや不当労働行為をくり返している問題が、上質宿泊施設の候補選定にあたってですね、判断材料になるのか、ということを中心にお聞きしました。で、ま、その時に、えー局のほうからはですね、あくまで、えー「当該地域の計画について有識者の声を聞いて審査する」と、旨の答弁があったと思います。で、あのーこの、答弁をですね、ま、ネット中継でご覧になられている市民の方々、今日も見ておられると思うんですが、まあ大変驚かれておりまして、そういう姿勢でいいのかと、いう声が率直に寄せられています。

で、あらためて確認をしたいと思うんですが、この「上質宿泊施設誘致制度」というのはですね、他都市で、まあ法令違反であったりトラブルであったり、そういうものをくり返す事業者であっても、まあこの京都市に来たら、歓迎しますよと、関係なくできますよと、こういう制度なんでしょうか。あの私はですね、法令順守というのは最低限のところじゃないかと、思うんですがいかがでしょうか。

(→福原・観光戦略担当部長)はい、えっと上質宿泊施設誘致制度のですね、まあ審査についてのことかと思います。えーご質問でございます。あのこちらにつきましてはですねあの、こちら、あのー先日もですね、ご説明させていただいた通りでございます。我々としては、その、おー、上質宿泊誘致制度の中でですね、提出された計画についてですね、えー当該計画について、えーと我々としてこの誘致制度にですね基づく項目についてしっかり審査してまいると、いうことでございます。ただ、あのー先ほど委員からご質問、ご指摘あったようにですね、明らかにもう違法、事業者でですね、今そういったもう経営的にですね明らかおかしいと、いうところに対してですね、我々としては、当然その、しん、申請をあの我々としては、あの拒むことは当然できません。そういった中で当然そこら、その、そ、そこもですね、当然踏まえてですね、検討することには当然なりますので、その結果審査としてどういうふうになるのか、ということになるかと考えております。

◆やまね/そうするとその、明らかに、えーまあ「申請を拒むことはできない」けれども、そういう「違法行為があった場合には、当然それは考慮される」と、いうふうに今おっしゃったと、いうふうに思います。で、私はですね、これあのー他都市の話では済まされないっていうふうに思うんですね。であのーこれ仁和寺門前でのホテル計画と同時並行で、これ起こっている問題ですんで。京都市が今、一方ではこの仁和寺門前での計画についてアドバイスしている助言をしている、その企業がですね、大阪では「雇用継続」を掲げて、しかしその約束を破ると、こういう事態が起こっておりますので、やっぱこれを重く受け止めなければいけないと、いうことです。

で、もう一つお聞きしたいのは、前回もですね、「有識者会議で意見聴取し」ということをおっしゃられたんですが、あの何度もおっしゃられたと思いますが、えーそれではですね、その「有識者会議」での議論の際にはですね、えーこの共立メンテナンスが、この雇い止めや不当労働行為をくり返している問題について、京都市からですねそういうまあ材料提供とか報告はされるのかどうか。でまあ、私がこうやって市会で指摘をしているということなどがですね、報告されるのかどうか。そのうえでの議論となるのか。この点いかがでしょうか。

(→福原・観光戦略担当部長)はい、えーとまずあの恐らくご指摘の点はですね、今回の、おー、ま、制度における雇用の安定、新雇用という観点かと我々認識しておりますが、あくまで我々としては、ま、当該ホテル計画において、ま、正規雇用率が高いのか、地元に新たな雇用を創出しているのかといった観点を踏まえて、外部有識者の意見を聴取し審査を行うことになります。なお現在まあ事業者において計画内容を検討中でございまして、えー申請はまだなされておりません。えーそのためですね、有識者会議の持ち方を具体的にどのようにするかは現時点ではお答えできる状況ではございません。以上でございます。

◆やまね/まあその現時点ではまだ確かにこれからってことで、分からないことはあるかもしれませんけれども、今のお話だと、「当該計画においての話を審査する」と。で、ところが先ほどはですね、「明らかな違法行為があれば」というお話を一方でされました。ところが今のお話だと、うー、私まあ、私が指摘している問題、あるいは報道等で明らかになっている事実の問題については、これはあの何ら、有識者の議論の時には、えー関係ないというか、議論はされないということなんでしょうか。ちょっともう一度確認したいと思います。

(→福原・観光戦略担当部長)はい、えーとこちらくり返しで大変恐縮ですけれども、あのー現在、事業者からはですね、計画の申請なされておりませんので、えーと具体的な形、どういった形の持ち方をするかについては現時点ではお答えできる状況ではございません。

◆やまね/いやだからそのどんな計画が出てくるかという話私してるんじゃなくて、その事業者が、今、同時並行的に大阪で労働争議をやってると、実際に雇い止めや不当労働行為を行っていると、この事実がですね、まあ一方では「安定雇用の創出」だとか、「地元雇用」と言っておられるわけだから、そういうことが、当然私は有識者会議でも、一つの材料として提供されたうえで、議論されるべきじゃないかってお話をしてるんですけど、情報提供は京都市としては、有識者会議には、この問題は情報提供しないと、いうことなんですか。

(→福原・観光戦略担当部長)はい、えーとこちらにつきましても先ほどご説明した通りでございまして、えー有識者会議の持ち方については、現時点ではお答えできません。

◆やまね/これはね、私ほんとに重大な問題だと思いますよ。あの今実際に起こっているこういう問題が、報告さえ、もししないというのであれば、本当にこれね、いったい何が「上質」なのかと、言わざるをえないというふうに思います。

で、もう一つお聞きしたいのはですね、えー、あの、「有識者会議で意見を聞いて審査をする」、まあこう言われるわけだけれども、あのそもそも仁和寺門前の地域に、えー要は「第一種住居地域」ですよね。そこで旅館業施設をつくるという場合に、3000㎡超える施設をつくる計画だと。これ原則認められない。そういう地域に、特例でホテル建設を認めるかどうか、この最終的な判断、許可権限を持っているのはですね、京都市長ではないのかと、いうふうに思いますが、あのこの最終判断というのは誰がするのか。この点もちょっと確認しておきたいと思いますがいかがでしょうか。

(→福原・観光戦略担当部長)はい、えーとですね、あのまずこちら事実関係からなんですけれども、まずこの上質宿泊誘致制度の候補になったからといってですね、それでホテルが建てれるわけではございません。えーこちらにつきましてはこのもうくり返し述べておりますけれども、あのーまあ都市計画局のほうで行っています建築基準法ですとか、そういった特例の許可をですね、得たうえでですね、建てれると、いうことでございます。そういった意味ではまず、こちらの上質制度につきましてもですね、当然有識者の意見を聴いたうえで、えー市長がその観点から判断すると、いうことになります。そしてあとはですね、あの建築基準法等の手続にしたがって、審査されるものと、いうふうに認識しております。

◆やまね/あのーですから、えー例えばね、えー建築基準法の第48条にまあ「ただし書き」があるわけですよね。で、えーそこではですね「特定行政庁が第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない」と、まあここを使ってですね、という話だと思うんですよ。で、これは、あのー「上質だったら認めないといけない」とかいうようなこと書いてなくってですね、結局、特定行政庁、この場合京都市ですけれども、市長の判断次第ではないのかと。あらためてお聞きしますけれども、最終的な許可、権限、これ持ってるのは京都市長じゃないんですか。

(→福原・観光戦略担当部長)はい、あのこちらについてもくり返しですけれども、あくまでも上質宿泊施設制度の選定となって、上質宿泊制度の観点から審査をしていってそれ選定していきます。そしてその他のしっかり、ま、法令に基づいた手続きあるわけですから、そこについては当然、法令の手続きに則って、その観点から審査をしていくと、そういうことでございます。以上でございます。

◆やまね/法令に基づいて手続するのは当たり前の話じゃないですか。その特例を、許可を認めるかどうかという権限を持ってるのは市長でしょと、お聞きしてるんですがどうですか。

(→福原・観光戦略担当部長)はい、えっと、ちょっと、こ、こ、この点なんですけども、何かその、我々がまず、最初に言わなきゃいけないのは、我々この制度が認められたからといった、いったといって直ちにこれが許可下りるわけじゃない、っていうことは、まず一点まずあります。そういった意味で、上質宿泊制度、については当然市長、が、我々としては審査、さい、最終的な選定権限を持っておりますし、当然建築基準法の許可、が、市長権限であれば当然市長、が判断することになります。ちょっとそこは詳細については当然都市計画局に確認していただきたいですけれども、そういった観点になります。以上でございます。

◆やまね/まあこの制度がね、あろうがなかろうが、どんな議論をしようがね、法律上は、これ最終判断ってのは京都市長の判断ですよ。これ指摘しておきたいと思います。で、あらためて景観破壊や住環境悪化の恐れ、住民合意・市民的合意、さらに、えー加えてですね、法令違反を犯している事業者、これを認めていいのかと。本当に様々な問題を抱えている計画ですので、えーこれを京都市が一体となって進めるようなことがあってはならないと、いうことであらためて計画ストップを求めて終わりたいと思います。以上です。

2020年6月26日【産業交通水道委】産業観光局/一般質問「上質宿泊施設誘致制度と仁和寺門前ホテル計画について」

(更新日:2020年06月26日)