◆やまね/私は今日はですね、琵琶湖疏水、特に鴨川運河を生かしたまちづくりについてお聞きしたいと思っております。で、あの昨日も、琵琶湖疏水の問題、質疑がありましたけれども、あの左京区からですね伏見区まで南北に流れているこの鴨川運河、120年の歴史があって、近代化に伴う貴重な土木遺産であるとともに、地域のみなさんの暮らしや京都の産業とも、非常に密接に結びついてきたものだということであります。で、この鴨川運河がですね、昨年9月に、えー「琵琶湖疏水鴨川運河施設群」として、土木学会選奨土木遺産を受賞されたと、いうお話を聞きました。で、この授賞理由はですね「橋梁などが群として存在する独特の景観を造り出しているところに大きな特徴がある土木遺産」というものだそうであります。で、その公募推薦にあたっては、京都市の建設局や上下水道局も、えー同意をされたと聞いているんですけれども、まずあの上下水道局としてですね、今回のこの受賞をどのように受け止めておられるでしょうか。
(→辰巳・水道部担当部長)はい、えー先ほどあの、先生のお話でございました通りですね、えー昨年の9月にですね、えー鴨川運河のうち、塩小路通から堀詰通までの間におけます、まあ運河及び、えー橋梁群がですね、琵琶湖疏水鴨川運河施設群ということで、えー土木学会の、選奨土木遺産ということで認定されたものでございます。えーこの認定内容につきましては、えー鴨川運河とともにですね、橋梁などが群としてまあ存在する、独特の景観をつくり出していると、いうところにまあ大きな、あー特徴があると、おーいう土木遺産と致しまして、まあ土木学会が評価されたものと、いうふうに考えております。まあ当局につきましては、ま、こういった、あの評価も踏まえまして、日常の維持管理等を、まあ適切に行っていきたいと、いうふうに考えております。
◆やまね/「こういった評価も踏まえて適切に維持管理を行っていきたい」というご答弁いただきました。で、あのー、ま、この琵琶湖疏水のなかでもですね、あのどちらかと言えばこの鴨川運河というのが、あのー地域資源としての価値、あるいは景観保全などについてですね、あまり広く知られてない、面があってですね、で、そこで市民のみなさんが主体となって「鴨川運河会議」というものが立ち上げられまして、えーこれまで専門家を招いてシンポジウムとか、写真やパネルの展示とかですね、ウォーキング活動など、まあいろんな取り組みをされてきたわけですけれども、今回の受賞というのはまさにそういう市民のみなさんの取り組みのたまものではないかと私は思っております。で、そこでまあ、あの今あの「維持管理しっかりやっていきたい」というお答えいただいたわけですけれども、この土木遺産、選定を受けた施設の管理者としてですね、今後どのようにしていきたいかということで、えー例えばその、この受賞したことについてですね、えー京都市として何か記念式典みたいなものを考えておられるのか、それから鴨川運河会議のみなさんは5月15日の認定式以降に記念式典など独自に考えておられるというようなお話もお聞きしたんですが、ま、そういうみなさんと京都市も連携をして、取り組んでいくっていうようなことが考えられないかどうか。いかがでしょうか。
(→辰巳・水道部担当部長)はい、あのー先ほどもご答弁さしていただきましたように、あの鴨川運河会議さんのほうがまあ認定を受けたと、いうことでございまして、あのー我々のほうで、今特にあの何か式典等ということは考えておりません。で、またあのーそういった式典を開催されると、いうことですが、まあ今のところはですね、あのー特に参加する予定はございません。
◆やまね/まあぜひ、あのー、ね、あの価値ある受賞だと思いますので、ぜひ連携を図っていただきたいというふうに思います。
で、この鴨川運河についてはですね、私もあのもう4年前になるんですが、2016年3月のこの予算特別委員会で質疑をさせていただきました。で、その時はですね、えー墨染の南のほうにある、以前あったインクラインとか、船溜まりのあるところですね、その横の疏水管理用通路がですね、えー岸和田レンガという非常に貴重なレンガが敷き詰められていたんですけれども、歴史的な価値も高いとされておりますが、このレンガが、えーまあ老朽化してきたんで、黒のアスファルトに舗装されると、いうようなお話が持ち上がって、で、しかもですね、そのー撤去したレンガも、もうその時は「捨ててしまう」というような最初はお話でした。でまあ最終的にはその場所はですねレンガ色のカラー舗装で景観に配慮して整備をしていただいたということと、それから地元のみなさんの要望も受けてですね、「引き取っていただく方がおられるなら差し上げても差し支えない」ということで「保管しておきます」と、こういう対応も変えていただく、まあそんな答弁もいただきましてですね。で、実はそのレンガが今、これは京阪鳥羽街道駅にある「高松橋ひろば」建設局が所管しておりますが、その一角にですね、広場の一角にステージとしてレンガが敷き詰められまして、今使われているということであります。ですから私は4年前にですね、上下水道局のみなさんが、ご決断いただいたことがですね、えーいま市民のみなさん主体のまちづくりの活動にもつながっていると、いうことが非常に重要だと思っておりますが、まあこのことを今どう受け止めておられるかということと、それからあの、ぜひですね、今後も市民のみなさんと一緒にこの琵琶湖疏水の景観保全に取り組んでいただきたい、それからあの市民のみなさんはもちろんですけれども、建設局や都市計画局、景観の問題では、そういう部局とも連携して、取り組んでいただきたいと思いますがいかがでしょうか。
(→辰巳・水道部担当部長)はい、あのー岸和田レンガにつきましては、あーこれまでから、先生も今お話いただきましたように、地域の皆様の、ご要望等もですね、お聞きしながら、まあ活用してまいりました経過がございます。あのー今後ともですね、えーこれまでと同様、鴨川運河の維持管理や、工事の際にはですね、ま、安全面の確保はまあ優先する必要があるもののですね、まあ、あのできる限りまあ景観にも配慮して、まあ地域の皆様にも情報提供を適切に行いながら、対応してまいりたいと、いうふうに考えております。
◆やまね/えーとそのまあ「情報提供も適切に」と、いうことも言っていただきましたけれども、あの、十字の刻印が押されているということなんですねこの岸和田レンガというのは。で、あらためてちょっとご紹介をしますと、これ「1872年(明治5年)岸和田藩の藩士であった山岡尹方(ただかた)が、岸和田の粘土がレンガに適していることを知りレンガ製造を始めた」というのがきっかけだそうでありまして、で、この山岡尹方という方が「キリスト教の信者だったため、出荷される岸和田レンガには十字(クロス)の刻印が刻まれ、キシレンの名で親しまれるように」なってですね、重要文化財の山口県政資料館、あるいは同志社女子大学のジェームス館ですね、いま国登録の文化財ということでありますが。それから旧陸軍の第十師団兵器庫、これ国登録文化財・姫路市立の美術館ということだそうでありますが。それからJR山陽本線や、琵琶湖疏水の一部でも使用が確認されてきたということなんですけれども。
それであの、京阪の先ほど私申し上げたこの高松橋広場からもっと南の地域ですね、京阪鳥羽街から南の地域にですね、相深橋と横縄橋の間の通路にも、管理用通路にも、これ岸和田レンガが敷き詰められていて、ここもですね、老朽化の時に、ここもですね、黒のアスファルトにすると、いうような計画が持ち上がってですね、で、市民のみなさんが「それはぜひ残してほしい」と陳情もされて、で、様々な会派のみなさん方も議会で「これはぜひ残すべきだ」と、いうようなことも言っていただいて、ま、これも当初計画を変更してですね、えー保存をする補修をするということで整備をしていただいた、わけなんですけれども。で、その経過からいってですね、この岸和田レンガの価値については今どんなふうに認識をされているのか。で、この他にもですね、この岸和田レンガがまだ残っているところあるわけですけれども、そこについても引き続き、ま、保全をする立場で、えーがんばっていただけるのかどうか、いかがでしょうか。
(→辰巳・水道部担当部長)あのー岸和田レンガにつきましては、えー明治26年からまあ対象8年前で、えーレンガを製造しましたしておりました岸和田煉瓦株式会社というところがまあ製造されました、あーレンガのことでございまして、えー琵琶湖疏水のですね、えー建設の際に、まあ蹴上工場で製造するレンガがまあ不足する分をですね、えー岸和田レンガで補ったと、いうふうに聞いております。え、この鴨川運河左岸の管理用通路につきましては、あの元々まあ舗装はされておらずですね、えー昭和の40年代に、まあ当局が、あー保管しておりました、えー余剰の岸和田レンガを用いまして、ま、職員が整備したものでございまして、まああのー完成当初からまあ使用されているものではないと、いう認識でございます。まあ従いましてまああのー鴨川レンガについて、まあ個別の評価については難しいものの、先ほどもあのー、答弁さしていただきましたが、あのーこれまでから地域の皆様のご要望もお聞きしながらですね、まあ現に、今ご紹介いただきました、相深橋等でですね、あのー我々も、できることはさしていただいておりますので、まあそういった考えで引き続き、まあ維持管理・工事等進めたいと、いうふうに思っております。
◆やまね/わかりました。それからもう一つですね、あの建設局のほうで、いまあの「鴨川東岸線第三工区」の予算が計上されているわけですけれども、それであのこれについては、この事業によって鴨川運河への影響、まあこの間「川幅が減る」というようなこともお聞きしているわけですけれども、えーまあどんな影響があるというふうに想定されてるのかですね。上下水道局と建設局との間でどんなまあやり取りがあるのか。その鴨川、この事業によって鴨川運河についてこれまでと何か変わるポイントが今分かっていることがあれば教えていただきたいと思います。
(→辰巳・水道部担当部長)はい、あのー先生ご指摘の、おー内容につきましては、現在まあ建設局がですね、えー進めておりますまあ東岸線、そのうちですね、まあ第三工区の話かと、いうふうに思います。えー、あ、ごめんなさい、えっと、まあ第三工区を今あの協議をしているというところでございます。でこの第三工区につきましては、えー建設局のほうからですね、あのー今お話ありましたように、えー「断面の縮小」ということでお話をいただいております。で、えー我々でもですね、まあこれまでからまあ協議をしておりまして、え、現在は、まあ計算上はですね、上流から流れてくる、えー最大の流量に対して、え、まあ十分な流下能力が確保できることを、まあ確認しておりまして、えー現在は、えー詳細な設計が、あー実施されていると、いうふうに聞いております。
◆やまね/えっとまあ「断面の縮小」ということでまあ「流量の確認」を今されているということなんですけれども、えー上下水道局の、ま、スタンスとしては、えーそれについては「問題ない」と、いうことで今評価をされているということなんでしょうか。
(→辰巳・水道部担当部長)はい、あのーまずはですね、あのー、基本的な、内容として、えー流量が、あー流れると、いうところは確認をさしていただいておりますが、ま、引き続きあの詳細設計のなかで、えー、ま、具体的な、断面、とですね、それからまあ、えーまあ例えばですね、大雨の時に、大丈夫なのかどうなのかということで、ま、さらにですね、詳しいあのー協議を重ねまして、我々としては維持管理をする部局として、えーそういったものもしっかりと、安全を確認しながら進めてまいりたいと、いうふうに思っております。
◆やまね/その、「大雨の時に大丈夫なのか」ってのは「さらに協議」というのは、これからも協議をしていくということなんですか。
(→辰巳・水道部担当部長)はい、引き続き、協議をさしていただきたいと思います。
◆やまね/分かりました。で、もう一つですね、そこに関わって、あのーまあこの鴨川運河にはですね、塩小路橋から出雲橋まで、ま、31の、小さな橋が架かっていると。で、その多くはですね、大正時代に造られたもので、橋のまあ橋脚の部分にいろんなマークがあったりとかですね、非常にこれも歴史を感じさせるものでありますけれども。
で、今日私ちょっと持ってきたのはこの鴨川運河会議のみなさんがつくられたこういう小冊子がありまして、「カモガワウンガ100の視点」ということで、非常にまあ素敵な、鴨川運河のいろんなスポットをですね、紹介をされているものなんですけれども、ま、その中で、非常に印象的だったところが、「空の広がり」っていうことで書かれている部分がありましてですね、えー「道路でこれだけの幅があると、周囲はもっと高いビルに囲まれてしまうものですが、運河沿いは低層の建物が並ぶことで、遠近感を持った開けた空間を獲得しています。道路の真ん中は怖くて立っていられないけど、鴨川運河の橋の上なら大丈夫。存分に楽しめます」ということで、この京都ならではの景観を形づくるうえでも非常に重要な、あー鴨川運河が存在になっていると、いうことで、非常に印象的に、印象深く読みました。で、冒頭お答えいただいたようにですね、土木学会の土木遺産にこれ受賞されたのも「橋梁などが群として存在する独特の景観を造り出しているところに大きな特徴がある」と、いうことでまあ評価されたということなんですが。で、今回のこの鴨川東岸線第三工区の工事でですね、想定されている範囲の中にですね、えー塩小路橋(北側)から数えて二つ目にですね、「一之橋(いちのはし)」という小さな橋があると。で、これあの1924年(大正14年)につくられたっていうことなんですけども、この橋は、今度の工事によってどうなるかってのは決まっているんでしょうか。
(→辰巳・水道部担当部長)はい、あの今お話させていただいた、おりました、あーあの鴨川運河にはですね、あの約まああの30箇所のまあ橋がございます。で、そのうちですね、あのー疏水がまあ管理しているのが、えー北新橋と鋳物屋橋でございます。で、それ以外はですね、えー今お話のありました一之橋を含めまあ京都市などの管理をされているものでございます。で、従いましてですね、あのーまああのー上下水道局のほうが、まあこの扱いについて、まあ言及すると、いうのはちょっとあのー差し控えさしていただきたいと思います。
◆やまね/まあどうするか、ね、それは答えられないと思いますもちろん所管が違うんで。ただ、この私が先ほど申し上げた一之橋が今度の工事の計画で、あのーそのまま残るのか、それとも撤去されるのか、それぐらいは分かるんじゃないでしょうか。いかがですか。
(→辰巳・水道部担当部長)はい、私どもが今聞いているのは、あのー「撤去する必要がある」と、いうふうに聞いておるところでございます。
◆やまね/分かりました。そしたら今の計画では撤去するような計画になってると、いうことであります。で、まあこの点についてですね、この、私どもも東岸線の公共工事の問題で現地をいろいろ見に行った時にこの橋から見渡すこともあるわけですけど、非常にですね、JRの線路とか鴨川とかですね、開けた非常に眺めの良いというかそういうスポットにもなっておりますので、ま、これがですね、まあ失われてしまうっていうことは、ちょっとまあ寂しい気持ちが、あの率直に致します。で、この点についてですね、市民のみなさんとの議論や、えー説明はですね、えーまあ地元だけではなくて鴨川運河を愛する市民のみなさんにこれ、こういうことはですね、丁寧にご説明する必要もあるのかなというふうに思うんですが、その辺りはいかがでしょうか。
(→辰巳・水道部担当部長)あの、ちょっと先ほどから申し上げましたように、あの、工事主体は、あの建設局でございますので、あの地元説明については、あの建設局が主体にされるのかなと、いうふうに聞いております。えーまあちょっと私のほうで今あのー聞いているところによりますと、まああの工事着手前にはですね、しっかりとこの地元説明を行う予定であると、いうふうには聞いております。
◆やまね/まあ主体が建設局なので、そちらの判断になるというようなお話だと思うんですが、まあそれはお立場よく分かりますので、その点は理解をしますけれども、しかしやはりこの琵琶湖疏水というのは上下水道局の施設であることは間違いないわけでありまして、えーその点についてはぜひ上下水道局としてもですね、主体的なぜひ意識を持っていただいて、えー市民のみなさんにもしっかりと、説明、議論をしていただきたいというふうに思います。
で、あの、そもそもまあ我が会派としてはですね、この鴨川東岸線第三工区の事業については「不要不急であり巨額の財政負担が生じる事業である」と考えておりまして、ま、「反対」をしている、そういう立場でありますが、ただこれもですね、所管は建設局ですので、ここで今みなさん方に是非を問うようなことは言いませんけれども、しかし、えーこの近代化遺産としての鴨川運河の価値を認識しているのであればですね、あのーそれが市の公共工事によって、橋が簡単になくなってしまうということでいいのかということもぜひ考えていただきたいですし、市民のみなさんとの議論をぜひ引き続き大切にしていただきたいと、このことを要望して終わりたいと思います。以上です。
2020年3月6日【予算特別委】上下水道局②/琵琶湖疏水(鴨川運河)を生かしたまちづくりについて
(更新日:2020年03月06日)