「命の水」を民間企業に売り渡す「水道民営化」「民間委託拡大」はストップを(2020年3月5日/予算特別委・上下水道局・やまね)

◆やまね/先ほど来から議論がありますように、私からもですね、民間委託や民営化に関わって、で、合わせてSDGsの視点から見てですね、それらがどうなのかっていう問題についてお聞きしたいと思います。でこのあの予算概要の資料でもですね、「SDGsの理念や方向性等については『水ビジョン』『中期経営プラン』等とも共通するもの」というふうに、書かれております。で、このSDGsの中で「水」あるいは「水道」といったものが、どのようなこう理念・目標が、書かれているのか、京都市の考えとですね、何が共通しているのか、まずお聞かせいただきたいと思います。

(日下部・総務部長)SDGsに対する上下水道局としての見解ですけれども、まずSDGsは「誰一人取り残さない」と、いうことを合言葉に、あの人権であるとか格差是正、教育環境、平和など持続可能な社会の実現を、国際社会全体で目指す、17のゴールと169のターゲットがSDGsであると。で、これの実現に向けて、まああの各国のみならず地方公共団体もあのー主体的に取り組んでると。でそこであのーSDGsの理念とか方向性につきましては、まさにあの「京の水ビジョン」であるとか「中期経営プラン」等々とあのーその水、あの保健であるか水・衛生、これまさにあの上下水道事業そのものでございますので、こういったものも含めて共通するものであると、いうことで、あの上下水道局のビジョン・プランはSDGs、その達成に向けた取り組みを推進しているものであると、いうふうに認識をしております。以上です。

◆やまね/まあ今おっしゃっていただいた保健、それから水、衛生といったところで共通するものがあると、いうお話だったと思いますが。そのーSDGs、その目標6の中で、だいたい8項目ほど書かれてあると思うんですね。であの、その中でも読んでみたら「安全で安価な飲料水の普遍的で平等なアクセス」とかですね、「適切かつ平等な下水施設・衛生施設」と、それから「水質改善」の問題もありますし、「水と衛生に関わる分野の管理向上への地域コミュニティの参加を支援・強化」ということも書かれているということで私も非常に重要だと思っております。で、問題はですね、このSDGsの理念と、水道民営化という問題が、両立するんだろうかと、いうことであります。で、あの先ほどからもありますけれども、この水道民営化、あるいは民間委託についての議論をした際に、えー先ほどもありましたが、「根幹業務は引き続き直営」と、いうことはですね、くり返し答弁をいただいていると。これも大事なことだと私は思っています。で、そこで、あの先ほどもこれもですね、島本委員(自民)の質問の中でも少しありましたが、この水道事業の「根幹」がですね、例えば民営化されると、どのような問題が生じると考えておられるのか。その点についてはいかがでしょう。

(→糸藤・経営戦略室長)え、この間の部分が、ま、民営化、民間に、委ねることになりますと、当然でございますけれども、えー民間事業、まああの水道事業やるについてでございますけれども、当然営利を目的とした民間事業が、えー事業を行っていくと思いますので、えー当然ですけども料金でありますとか、それからサービスについて、えー、えー我々がまあ今目指しておりますような、まあサービス水準でありますとか、安全安心について、しっかりとまあ担保されないのではないかというふうに懸念するところでございます。

◆やまね/料金やサービス、安全安心が担保されないのではないかと、いうお話でした。で、あのーこれはですねあの水問題の専門家といいますか、NPOアジア太平洋資料センター代表理事の内田聖子さんという方のお話、昨年私うかがう機会がありまして、で、要はこの「水道民営化」がですね、世界でどんな経緯をたどったかということでお話を聞きまして、大変勉強になりました。

まず最初にこの問題が顕著になったのが途上国で、問題になったと。で、まずどこよりも大規模で急速に進んだのが南米だということで、途上国は貧しく政府にお金がないということで、水道インフラもないと。で、政府が水道事業するときに借金しないといけないんだけれども、その時に世界銀行やIMFが「条件として民営でやりなさい」とかですね、「公営のところは民営にしなさい」という条件をつきつけて、従わざるをえなかったと。で、その途上国でこの事業を担ったのが、フランスやイギリスなどのグローバル企業ということで、今もですね料金、サービスの問題おっしゃっていただきましたけれども、この利益がですね、設備投資や職員教育に回らず、役員報酬や株主配当に回わされると。で、料金も上がるわけですけれども、途上国はみなさん貧しいのでお金を払えないというまあ問題が起こったと。で、その後、これはアジアや東ヨーロッパ、中国、世界中に広がってですね、アジアの中では例えばマニラでは97年に東西に分かれて民営化したそうですけれども、この時に水道料金が5倍~8倍に値上がりをしたと。ジャカルタでは98年頃に民営化したそうですが、ここでもですねアジアでも一二を争う料金高騰になっているということでありました。で、こういったですね、流れを見た時に、このSDGsで言われている「安全で安価な飲料水の普遍的で平等なアクセス」、これを困難にしているのが、世界で起こってきた「水道民営化」ではないかというふうに思うんですが、この点のご認識いかがでしょうか。

(→糸藤・経営戦略室長)はい、今あのご紹介いただきました、世界におけるまあ民営化の状況でございますけれども、まあ我々そこまであの詳しくあの内容については承知しておりませんけれども、あのそういうふうな課題が、起こっているということについては、あの聞いておるところでございます。以上でございます。

◆やまね/そのーまあ世界ではそういうですね、様々な問題が起こってきたと、いうことで。で、このヨーロッパもですね、いろいろ水道民営化の問題が各地で起こったわけですけれども、このヨーロッパもアメリカもですね、その民営化の波が、だんだんとこれが再公営化の、流れがだんだん出てきてですね、えー日本におけるこの「水道民営化」の議論っていうのは、世界的には一番最後だと、いうふうに言われております。で、まあそういう公営化がどんどんどんどん逆にまた進んでいく中で、例えばヴェオリア・ジェネッツですかね、京都市が委託している事業者なんかが、こういうグローバル企業が、日本、あるいは京都市、こういうところに市場を求めて進出をしてきていると。

で、京都市ではすでに委託もしているわけですけれども、ま、「民間化ではないんだ」と、「民間委託なんだ」というお話ですとか、「民間化、民営化と民間委託を混同している」という議論、お声も先ほどありましたけれども、私は混同というよりもですね、共通している問題がそこにあると、いうふうに見なければいけないと思うんです。で、フランスのこれパリの話ですけれども、このヴェオリアという企業はですね、同じように最初は検針業務、請求書作成の業務だけをやってた。ところがその後ですね、配水も行うようになって、大問題が起こったということで、そこから先にですね、非常につながっていく可能性があると、いう問題を認識しなければいけないというふうに思います。この民間化、民間委託、民営化っていった場合にですね、様々な形があるのはその通りだと思うんです。で、例えば、イングランド、イギリス・イングランドでは、これ完全売却をすると、施設そのものを、そういう手法になりましたし。フランスでは施設所有はそのままで運営権を渡すコンセッション方式と。包括委託、個々の業務委託なんかもあるわけですけれども。

で、我が党のですね、議員団の要求資料の中で「業務委託化の今後の計画」、先ほどもお話ありましたけれども、あのー令和2年度にですね、「浄水場の運転管理」松ケ崎の問題、それから「水道水質検査の一部」ですね、それから「水環境保全センター運転管理」これ伏見であります。「下水道管路管理センター管路維持管理」「災害対応も含めて」と、いうことですけれども。あのーこれらを見た時にですね、浄水場、水質調査、あるいは水環境保全センター、あるいは管路管理センター、災害対応など、私はいずれも重要な施設であるし、えー水道事業の根幹と言えるものばかりではないかと、いうふうに思うんですが、で、先ほどの答弁でもですね、「市民の安心安全に関わるものは上下水道局がやる」と、いうことをおっしゃってるわけですけれども、この浄水場とか水質調査とか、災害対応というのはどれもこれ市民の安心安全に関わるものなのではないでしょうか。いかがでしょうか。

(→糸藤・経営戦略室長)はい、今あのご紹介いただきました令和2年度に、あの委託化する事業の中身でございますけれども、あの確かにあの浄水場、あのそれから管理センターは確かに重要な施設でございます。ただ、その中であのやっている業務につきまして、民間にノウハウのある、民間に委託してもサービス水準に支障がないというものについて、えー委託するものでございまして、あの浄水場の運転管理でありますとか、保守管理、それからこれまであの、えー個別に委託しておりました、えー下水の管理センターの業務も包括的に委託するということで、しっかりとこれまでから、えー、今までから、委託している内容を包括的にするということでございますし、それからあの、水質検査につきましても、これはあの飲用に関する水質検査ではなくて、えーこれまでからやっております水道法に定めます、えー検査に関するあの、え、検査に関しますあの、えー水質検査についてはしっかりと直営で今後もやっていく予定でございます。以上でございます。

◆やまね/でまあその、サービス水準に支障のないものとか、まあこれまで委託してきたものとかいうお話が今あったわけですけれども、ま、先ほどもですね、えーお話がどなたかからあったようにですね、災害対応の問題は、非常に私どもも危惧しておりまして、で、あのこれ、県が民営化を推進している、うー宮城県ですね、あの昨年10月の台風19号の際に、県内各地で浄水場が被災をして断水が起こったと。そういう事態を受けてですね、これ産経新聞が2019年、昨年11月23日付で、まああの、徳島大学の中嶋信名誉教授の声を紹介してるわけなんですが、「公共サービスの基本である住民福祉が、営利団体の事業活動では後回しになる可能性が高い。どのようなルールにするのか十分な議論が必要だ」と、いうことであります。で、これはこの産経新聞の記者の自身の声としてですね、「自然災害の多い日本では諸外国にまして、ライフラインの安定的な維持が求められる。東日本大震災で被災した自治体の水道関係者が『被災したから仕方ない、では済まされない。水道は強くあらねばならない』と語っていたのが思い出される」というふうに、書いておられるわけであります。で、災害時の問題についても、先ほど答弁の中でですね、「災害時の対応も求めるので緊急体制の強化にもつながる」というお話、それから「大規模災害の場合はもっと体制を強化する」というこういう答弁ありましたけれども、しかし、この間起こっているような熊本地震やあるいは東日本大震災のような災害時にはですね、1社だけが被災受けるというのは限らないわけで、えー状況によっては、この4社全てがなかなか動けない体制になる可能性もあると思うんですが、このちょっと重なった質問になるかもしれませんが、災害時にこの業者も被災して動けなくなった場合はどうなるのか、ちょっとあらためて聞かせていただけますか。

(→片山・下水道部長)えーと業者のほうが、えー被災というか、あの動けなくなった状態のご質問やと思います。あのー当然あの他のあのー西部支所以外にはあの上下水道局、ま、下水道部の職員もおりますので、えーそこの職員も対応します。で、あのー、京都の、えー土木浚渫業協会というところとも協定を結んでおりまして、そのえー4社以外の業者もあのー参集できるような体制もひいております。あのまあそういった体制の中で、あのーやりくりは、あのできるものと今考えております。

◆やまね/あのー西部支所以外も対応すると。それからまあ団体やあるいはそういう協定も結んでいるということなんですが、災害ってのはですね、京都市にピンポイントで襲ってくるという、限らないわけですよね。その大規模災害になったらですね、あのいくら西部支所以外にもあると言っても、それらの別の支所は、その管轄の地域をいろいろ対応で動かなかったらいけない、そういう場合だってですね、想定されるんではないかと思うんですね。ですから、やっぱり各地域に、公営でそういう事業所があるということが、私大事なんではないかなあと思うんですが、いかがでしょうか。

(→片山・下水道部長)ま、京都市内で、あのー対応できない場合は、あの大都市ルールとか、あの近隣都市との協定も結んでおりますので、で、そこらからのあの、えー応援も要請して、対応を考えます。

◆やまね/ちょっとこれ資料をですね、ぜひまとめていただきたいと思うんですが、この新年度に予定されている業務委託に関わって、えー災害時の対応についてですね、指揮系統、そして誰がどう動くのか、それからこの事業者自身が被災し動けなくなった場合の対応など、これをぜひちょっと資料としてまとめていただきたいと思いますがいかがでしょうか。

(→片山・下水道部長)あの今回の西部の委託に関しての体制につきましてはあの提出させていただきます。

◆やまね/あのすいません、西部支所だけではなくてですね、先ほどあのご紹介した浄水場の話だとか、あの来年度ですね、令和2年度に新たに業務委託するものに対して、災害対応についてどう考えておられるのかをまとめていただきたいと思いますがいかがですか。

(→日下部・総務部長)資料として提出致します。

◆やまね/最後にですね、もう一度ちょっと大きな話にもどりまして、この水道民営化によってですね、大変な問題が起こったのは途上国だけではなくってですね、例えば、イギリスのイングランドのロンドンですね、それからフランスのパリなど、こういう世界の主要都市・観光都市でどんな問題がこれまで水道民営化によって起こってきたか、この点について、ま、先ほど詳細は把握してないというようなお話もあったんですが、これ上下水道局として、そういった世界の事例などについて、把握あるいは調査などはされていないんでしょうか。

(→糸藤・経営戦略室長)はい、あの世界のまあ水に関する民営化等の調査等についてでございます。あの、あの、我々もあの調査という形ではございませんけれども、いろいろなところから情報収集をして致しまして、あの世界の情報については、一定まあ知識を入れてるところではございます。先ほどご紹介のありましたまあフランスの民営化の際、公営化についても、えー事例については、内容、え、えー聞き及んでいるところでございますけれども、ま、その中ではあの、水道料金の設定方法が不透明で水道料金が急激に値上がりしたとか、それから監視する第三セクターに監視される民間企業が参加していたとか、それから、民間企業と委託契約におけるサービス水準が明確でなくて、えー監視や監督が困難であったとか、いうふうな課題があったことで、まああの再公営化されたというふうに聞き、えー認知しているところでございます。以上でございます。

◆やまね/なるほど分かりました。あのまあ今言っていただいたようにフランスの事例言っていただいたわけですけれども、まあ料金値上げがですね、えーこの1985年から2008年の間に、174%に上がったと、えーいうことでありまして、で、しかもおっしゃっていただいたように、非常に不透明さがあったと、いうことが言われています。で、あのー例えばですね、それ以外にもですね、企業が特許を独占すると、ま、いう問題があってですね、これはあの2006年からヴェオリアが特許を持つ遠隔監視システムが導入されていて、これ再公営化した後もやむなくそれを使用料契約しなければいけなかったと。で、独自にその後システム開発したけれども、今もその更新作業が続いているということであります。で、それから下水道や浄化槽で公的な研究が行われなくなって、再公営化後ですね、ポンプ基地と処理場を市が使おうとした時にフィルターが独自システムであったために、製造中止になっていてですね、まあそういう研究開発を全て、えー事業者任せにすると、おー特許申請をされて自治体が何かやろうとした時に引っかかってしまう、まあこういう問題も起きていると、いうことをお聞きしております。

それであの、最後にですね、申し上げておきたいのは、やはりこの民間委託や、包括委託、そしてコンセッション、あるいは広域化、その先には、これはやはり「民営化」のねらいがですね、あるということは明らかだと私は言っておきたいと思います。で、例えばこのコンセッション方式についてですけれども、あの言われてるのはですね、「持続可能な水道事業をつくるために」とか、「基盤強化をするために」ということが盛んにまあアピールされてるわけですけれども、もともとこのコンセッション方式の推進というのは、第1次アベノミクスの第3の矢として登場したものであります。で、旗振り役のこれ竹中平蔵氏は、「水道事業のコンセッションを実現できれば、企業の成長戦略と資産市場の活性化の双方に大きく貢献する」と、いうことであからさまにまあビジネスの視点、利益・利潤追求の視点で発言をされてきたわけですね。冒頭、危惧していると、課題だというふうにおっしゃられたことをまさに発言をされてきた。そういうところに今、「命の水を売り渡していいのか」ということが問われておりますので、あらためて、公営で、安全で美味しい水、安く安定供給してきた日本、そして京都市のですね、水道事業を守るために、「民営化」あるいは「コンセッション方式」、これぜひとも行わない立場を明確にしてがんばっていただきたいと思いますし、民間委託についてもやめるべきだと、いうことを申し上げて終わりたいと思います以上です。

2020年3月5日【予算特別委】上下水道局①/SDGsと水道民営化について

(更新日:2020年03月05日)