京都市は数千億~1兆円の内部留保をもつ巨大企業の応援でなく、中小企業や商店街の支援にこそ力を入れるべき(2020年3月9日/予算特別委・産業観光局・やまね)

◆やまね/私からは今日は、中小企業支援、商店街支援のあり方に関わって、お聞きしたいと思っています。それであの、まず午前中のですね、質疑の中で、井坂議員の質問で「観光に依存する経済の危うさ」っていう問題を指摘されました。それに対して、えー山本局長のほうからですね、「過度に依存しているわけではない」と、それから「インバウンド一辺倒ではない」というお答えあったと思います。であるならばですね、あのーこの京都経済の、足腰をより強くするためには、やはり市内企業の99.7%を占める中小企業・小規模事業者が元気になるかどうか、続けていけるのかどうか、この点が決定的だというふうに思うんですが、あらためてその点についてのご認識をお聞かせいただきたいと思います。

(→武田・産業企画室長)はい、えーその点につきましては、あのーま、くり返し私どものほうも、あの表明をしていることですけれども、えーまずその市内の、99.7%を占める中小企業のみなさん、中小零細のみなさんが、地域のコミュニティも含めまして、京都経済を支えている、え、この下支えとですね、それから、あー成長分野、あー、ま、外から稼ぐ力の、強いその成長分野の振興という、この二つを両輪に致しまして、えー産業観光局では、えーまあ外から京都市内のほうに、えー収益をあげたものを、域内で循環させる、ま、こういうことで、市民の豊かさを実現すると、いうふうなことを基調に致しまして、あのー施策を考えておりますので、えー、これからも、ま、そのように、えーやっていきたいというふうに考えております。

◆やまね/99.7%占めるその中小事業者・小規模事業者の下支え、そして外からの成長分野というお答えでしたけれども、で、私はですね、やはり本市の施策が、そういった99.7%が中小企業であるという、この京都経済の実情に沿ったものになっているのかどうか、これが非常に重要な点だというふうに思っております。

で、先ほど、玉本議員の質疑でも紹介をされたわけですけれども、私も先日、経済団体の方々回って、いろんなお話一緒に聞いてきたわけですが、やはり「融資と言われても返せない」「固定費を補助してほしい。家賃、リース代、水光熱費」などの声、「国民健康保険や市民税は前年度の所得にかかってくるので大変。まず市が減免措置を実施し、後に国が補填するなどできないのか」「中小企業支援といった場合、新規企業への支援は色々あるんだけれども、今あの企業についての市の施策が弱いんではないか」、こんなご指摘もありました。で、固定費補助の問題ではですね、先ほども商工部長のほうからお話があったと思いますが、「個々の事業者が自己負担すべきもの」だということで、中小企業支援といった場合に、やはり「経営相談」とか、あるいは「低利子融資」の問題なんかが言われるわけですけれども、そこにですね、まあ答弁がいつも留まっているのが私としては、少し残念でありまして、ぜひともですね、中小企業への大きな支援が今いると。

で、私どもが予算要求書の中で固定費補助について求めているところの回答の一つにですね、あるのが、「企業立地促進制度補助金」の問題であります。で、あの、これについて少し今日はうかがいたいんですが、あの令和2年度予算額は4億9200万円と、いうことになっております。で、補助金交付の始まった平成20年(2008年)から11年間で約30億円が交付されてきたと思います。で、そのうちですね、6億5579万円が島津製作所、5億4515万円が任天堂に交付をされました。で、合わせて計12億円と。全体の、補助金の全体の約4割近くをこの2社が受け取ったということで、京都市はですね、先ほどもあったように、「市内企業の99.7%は中小企業」ということで強調されているわけですけれど、島津製作所や任天堂はこの99.7%に入るでしょうか。いかがですか。

(→草木・商工部長)はい、えー島津製作所と任天堂は、この中には入りません。大企業の部類に入ります。

◆やまね/で、おっしゃる通りですね、島津製作所も任天堂もいずれも資本金50億円以上の巨大企業であります。で、あのー中小企業への固定費補助は否定をしながらですね、大企業には「融資」どころか、まあ事実上この巨額のお金を渡している、交付していると、いうことで、あのー99.7%の中に入らないってことは、0.3%の、わずか0.3%の中に入る巨大企業がですね、補助金の約4割持っていってると、おー、いうことでありまして、えーこれ補助金のあり方としてどうなのかと、私はこの12億円がですね、中小企業の手元に届いたほうが、京都経済にとってはプラスになるのではないかと、思いますがいかがでしょうか。

(→森永・企業立地産業イノベーション担当部長)はい、あの企業立地促進補助金でございますけれども、まずこの制度の概要をご説明させていただきますと、市内企業の移転流出防止、市外からの企業誘致を図るために、えー企業の本社・工場・研究所等の新・増設を促進する制度として平成14年に創設したものでございます。で、この補助金額につきましては、本社・工場・研究所等の新・増設に伴いまして、新たに課税された固定資産税等につきまして、いったん京都府市に納付していただいた後に、その相当額を補助金として交付するものでございまして、補助金額の大きさっていうのは実際に投資を行った規模によるものでございます。

ただしあのこの制度なんですけれども、えー補助対象期間につきましては、大企業が2年であるのに対しまして、中小企業は5年とするなど中小企業により手厚い制度としております。またあの、市内に立地された企業が、あーすみません、またあの要件と致しまして、市内の常時雇用者数の増加っていうのが、補助金の交付要件になっておりますけれども、これまではあのこの要件を満たさなくなった時点で事業指定を取り消すことになっておりましたけれども、今年度から、あの中小企業のみを対象と致しまして、採用活動をしているにもかかわらず、要件を満たすことができなかった場合には、事業取り消しを猶予するなど、より中小企業への支援を充実させているものでございます。

◆やまね/あのま制度の内容は、あのー分かっているつもりであります。で、いま中小企業にまあそういう、えー優遇措置と言いますか、そういうこともあの、期間の問題、おっしゃっていただいたわけでありますが、ところがまあ中小企業に限定した制度ということにはなっておりませんので、交付額を見ればですね、その約4割が大企業2社に使われたというのはこれは紛れもない事実だと、いうことを申し上げておきたいと思います。

で、京都市のですね、昨年度決算の中では、この任天堂1社で1億4000万円もの補助金が交付されているわけですけれども、公開されている、任天堂のですね、えー「純利益」、これ2019年3月決算で1940億円であります。これは「京都民報」が昨年6月に報道していますが、内部留保(資本剰余金+利益剰余金)で見ますと、昨年度(2018年度)時点で任天堂は実に1兆5690億円の内部留保があると、いうことであります。同じく補助金を、総額6億5579万円受け取っている島津製作所はどうかと言いますと、2019年3月決算で325億円を超える純利益と。2018年度、昨年度時点で内部留保は2577億円です。で、昨年度、659万円の補助金を受けております日本電産はですね、2019年3月決算で1107億9800万円の純利益、ということで、内部留保は昨年度時点で1兆199億円という、まあ私たちにとってはですね、とんでもない大きい企業であります。で、市民の暮らしが大変な時にですね、この巨額の利益をあげ、数千億~1兆円のですね、内部留保のある大企業に、なぜ市民の税金を投入しなければいけないのか。補助金がなくてもですね、十分やっていける企業じゃないでしょうか。いかがですか。

(→森永・企業立地産業イノベーション担当部長)はい、あのくり返しになりますけれども、この制度につきましては、あのー設備投資していただいたものにつきまして補助金を交付しているものでございますし、えー大企業につきましては、あのー協力企業をはじめとした中小企業との取引関係ですとか、パートナーとしての技術協力関係が、実際に京都でもございまして、えー中小企業の安定経営に影響力を持つケースもございます。市内の企業につきましては、大企業中小企業ともに市内で活発に操業を続けていただくことが、京都経済の活性化にとって大切であるというふうに考えております。

◆やまね/あのーいま「大企業は中小企業とも取引があるんだ」というお話をされましたけれども、なぜ大企業が間に入らなければ、こういう補助金がですね、いかないのかと。中小企業に限定すればいいだけの話じゃないすか。で、これはですね、あの国際援助団体のオックスファムが、1月20日に発表した世界に2153人いるビリオネア(10億ドル=1100億円以上の資産を持つ人)の富の総額がですね、その他の46億人の富の総額より大きいとする報告があって、世界に衝撃を与えたわけですけれども。この日本でも、10億ドル以上の富を持つ経済人が32人におられるということであります。で、その第9位に日本電産会長の永守重信氏が入っていると、いうことでありまして、そういう大企業にはですね、私はその経済力を生かしてぜひ自力でがんばっていただきたいと、それが当然の話じゃないかと、いうふうに思います。

で、対して、昔からこの京都のまちで営業する、まちの商店がですね、看板を直すときには全額自己負担をせざるをえませんでした。中小企業は固定費補助もないなかでがんばっているわけであります。で、この10年ほどの間に企業立地促進制度補助金として、この大企業の2社に入った十数億円がですね、市内の中小企業や小規模事業者に直接届いていたら、もっと救えたお店や商店があったのではないかと私は思わずにはおれません。

で、そこで例えばですね、京都府の「就労・奨学金返済一体型支援事業」はですね、その対象を「中小企業法に定める中小企業者」に限定しております。で、商店街、NPO、社会福祉法人なども使えるわけですけれども。ですから私はこの企業立地促進制度補助金もですね、その対象を中小企業に限定して、さらにその内容もですね、設備更新、商店のリフォームなどに使えるように、改善すべきではないかと思います。市内企業の99.7%を占める中小企業・小規模事業者にこそ、直接お金が届くようにすべきだと考えますが、いかがでしょうか。

(→森永・企業立地産業イノベーション担当部長)はい、あのくり返しになりますけれども、この補助金の制度の、えー政策目的ですけども、市内企業の移転流出防止っていうのも高く掲げております。市内の大企業が、市外に流出することによって、ま、それと連携している中小企業にも多大な影響が出るというふうに考えております。そういった意味であのこの立地補助金につきましては、大企業中小企業問わず対象とさせていただいているもんでございます。

◆やまね/「市内の大企業が市外に流出しないように」なんていう話したら、それこそ大企業を想定した補助金だということを今おっしゃってるようなもんだと、今のは思いました。それであのー今回は、「市外から来る企業に利用しやすいものに制度改正」ということなんですけど、私はやっぱり本来なら、市内企業をしっかり支える、そういう補助金にするべきであると、えーいうふうに思います。

で、あのー、もう一つですね、商店街への支援についてもお聞きしておきたいんですが、我が党議員団の要求資料によればですね、今年2月時点で、京都市内には「商店街振興組合38団体」「任意組合110団体」となっているわけですけれども、あのー、ま、この商店街のみなさんが、あの街灯とかですね、道の整備を独自にですね、されている場合があって、えーあると思うんですが、そういうその商店街独自で道や街灯を整備している箇所が何カ所ほどあるのか、今分かるでしょうか。もし分からなければ、あのー資料でけっこうですのでぜひ出していただきたいと思いますがいかがでしょうか。

(→草木・商工部長)はい、えーすみません、数についてはあのまた提出させていただきますが、あの基本的にはあの商店街の方が、えー、毎年、えー年度の中で聞き取りを致しまして、で、えーっと、次年度、えーこういうあの、ハードの補助金を使う予定があるかという商店街を聞き取りまして、そういった中で、えー我々としては予算の要望をしていると、いうようなことでございます。

◆やまね/それであの、例えばアーケードとか街灯とかですね、そういう、例えば石畳の道だとか、こういう整備のですね、今ぜひ補助を私は増やしていただきたいと思うんですが、一つだけちょっと事例として紹介しますと、伏見区南浜地域の竜馬通商店街についてであります。で、酒蔵風景の残る町並みにあって、その商店街の道をですね、石畳等できれいにしておられるわけですけれども、ところがそこに大型観光バスとか、自家用車、車がですね、非常によく通るために「すぐに道が劣化してしまう」ということで困っておられるわけです。で、場所は京都市の認定道路なわけですけれども、「過去に商店街が独自に整備した」ということで建設局はお金を出さないと。で、数年前にですね、産業観光局が所管する「商店街等環境整備事業」を利用し直されたわけですけれども、ところが申請された時以外もですね、「実はすぐに道が劣化するので商店街負担で頻繁に直している」「土木事務所で材料をもらってきて自力で直した時もある」「けして多くない組合費で頻繁に道を直すのは大変」ということで、そういうご苦労があります。で、あの私は、ぜひ市の認定道路についてはですね、まあ本来なら京都市が負担すべきではないかというふうに思ってるわけですが、そのまあ建設局になりますので、その話は。まあ建設局でだけで無理ならですね、商店街支援の一環として、この産業観光局の「商店街等環境整備事業」でですね、ぜひこういう商店街への補助を増やしていただいて、商店街の負担軽減をぜひもっと図っていただけないかと、思いますがいかがでしょうか。

(→草木・商工部長)はい、すいませんあの先ほどの件数ですが、えっと平成30年度で18件、29年度で23件、28年度で24件と、あのいう数字になっております。

であの、商店街のあの、改修につきましては、あの基本的には先ほど申し上げましたように、えー商店街から要望が出てくれば、えーそれに対して我々は予算措置をしているということでございます。ただ、あのー小規模な、維持修繕的なものにつきましては、それぞれの商店街のほうでご負担いただいてると、いうところです。であの、認定道路につきましての話ですが、まあこれ建設局の話にはなるんですけれども、あの基本的にはあの建設局でするものについてはあの基本的には仕様が決まっておりまして、商店街ごとにカラー舗装等するものにつきましては、商店街での負担と、いうような形になっております。

◆やまね/あの今お答えいただいた件数っていうのは申請があったものということでよろしいですかね。

(→草木・商工部長)えー決算数字ですので、あの修繕した件数でございます。

◆やまね/であの私がですね、ぜひ教えていただきたいと思ったのは、あの件数ももちろん重要なんですけれども、あのそういう商店街が独自に整備しておられるところが何カ所あるのかと。あの申請の件数じゃなくてね。それをぜひちょっと調べていただきたいと思います。

それであの最後に申し上げて終わりたいんですけど、やはりその、先ほどから立地促進補助金の問題、私申し上げてきましたけれども、大企業の事業所拡張にはですね、まあ何億円ものお金が出てですね、小さない商店のリフォームにお金が出なかったり、まあ100万円にも満たないような商店街の石畳、ま、市の認定道路でもあり公共のスペースをですね、京都市が直せないってのはやっぱりおかしいんじゃないかと、いうことで、あらためて、中小企業や商店街への支援をですね、文字通り中心にすえる、そういう経済政策を行っていただきたいと、あの求めて終わります。以上です。

2020年3月9日【予算特別委】産業観光局/中小企業・商店街支援、企業立地促進制度について

(更新日:2020年03月09日)