7月7日、京都市会くらし環境委員会で、南部クリーンセンター(伏見区横大路)の建替え事業について取り上げました。京都市の計画と同タイプのバイオガス化施設が、今年の3月に爆発事故を起こしています。多額の税金を投入しながらトラブルをくり返しメーカー返却に追いこまれた「焼却灰溶融炉」の二の舞になる可能性が否定できません。財政が大変と言いながら2億5000万円かけてつくる「展望台」なるものも必要性に疑問符が付きます。ごみの収集・運搬・処分の「手数料」として市民が払う毎年19億円ものお金。そのうち12億円がまったく関係のない事業に消えてゆく…。本当にこのままでいいのか。
やりとりの全容を文字に起こしました。ご覧いただければ幸いです。動画はこちら→https://youtu.be/62JwMMpS4RU?t=36m4s
◆やまね/私は南部クリーンセンターの建替え事業に関連し、一つはバイオガス化施設について、もう一つは環境学習施設について質問します。
まずバイオガス化施設についてですが、今回の施設は、兵庫県南但地域(養父市・朝来市)のごみ発電施設「南但クリーンセンター」と同じものを想定していると、そもそも、南但の施設も京都市が実験を重ねた技術をもとに作られたとのことですが、その特徴的な性能・メリットとは何か、あらためて聞かせていただけますか。
(→渡辺適正処理施設部担当部長)はい、ただいま先生ご指摘いただきましたように、兵庫県の南但クリーンセンターのバイオガス化施設につきましては、本市が平成11年度から実施をしてまいりました「バイオガス化技術実証研究プラント」の研究成果を最大限活用された施設であると、いうふうにお聞きをしているところでございます。南但クリーンセンターのバイオガス化施設の施設規模につきましては、日量36トンであるのに対しまして、本市が現在計画を進めておりますバイオガス化施設につきましては、日量30トンの施設を2系列、合わせて60トンのバイオガス化施設を設置することとしております。
バイオガス化施設、共通のメリットといたしましては、まずそのバイオマスの利活用によります再生可能エネルギー、この場合はバイオガスでございますが、これの普及拡大をはかりますとともに、エネルギー回収の最大化と温室効果ガスの削減をはかるという、本質的なメリットがございます。またそれとともに、水分が多い生ごみを選別、取り出して、バイオガス化することによりまして、さきほどご回答させていただきましたように、焼却対象ごみの発熱量がアップをいたしまして、焼却施設での発電量の上昇が期待をできると、いうメリットがございます。また、焼却するごみ量、そのものが減少いたしますので、その分焼却施設の施設規模を小さくすることができる、というメリットもございます。その他にバイオガス化施設は当然、生ごみを扱いますので臭気が発生いたします。こういった臭気を併設いたします焼却施設の燃焼用空気として利用することによりまして、バイオガス化施設を単独で設置・整備をする場合に比べまして、非常に臭気対策の面で、性能あるいはコスト面で有利であると、ま、こういったメリットがあると考えております。以上でございます。
◆やまね/それでですね、あらためて私も調べてみたんですけど、実はその南但の同施設では、今年の3月5日に爆発事故が発生していると。読売、毎日、神戸新聞も現地で報道されています。たとえば読売は「爆発は焼却物などを選別する装置で起きた。ごみの中に引火物が混入していたとみられる」、毎日は「施設内で燃えるごみをガス発電の原料に使う分と、それ以外の焼却処分される分とに分ける装置で、内部から圧力がかかり、装置の一部がこわれた」と報道されています。この事故についての内容や経過、原因について、京都市として確認、調査はされていますでしょうか。
(→渡辺適正処理施設部担当部長)はい、本年3月5日のこの南但クリーンセンターの事故につきましては、我々のほうも新聞報道を受けまして、南但クリーンセンターのご担当の方に直接お電話でおうかがいをしております。バイオガス化施設に生ごみを投入する前処理といたしまして、クリーンセンターに搬入されました家庭ごみからバイオガス化処理に適した生ごみ等を分別をするための破砕選別機、というものが設置をされているわけでございますが、南但クリーンセンターでは、この装置、破砕選別機の中に、大量の使い捨てライターが投入をされ、その中に残っておりました可燃性ガスに引火をして、爆発をしたということでございます。
ええその南但クリーンセンターのご担当者の方は、3月5日に発生した「小爆発」とおっしゃっておりましたが、「はめこみ式の点検口」、破砕選別機に点検をするための点検口があいてるわけでございますが、「その点検口がはずれただけで、その装置そのものには影響がなく、そのまま運転を継続した」というふうにおっしゃっておりました。ま、ただ、念のために、装置を停止をされて、内部点検をして2日後に再稼動をされているということでございます。装置そのものには異常はなかったということを確認しております。
◆やまね/いまご説明があったように、破砕選別機の中で使い捨てライターから可燃性ガスが発生したということだったんですが、3月27日に地元住民のみなさんと、現地の共産党議員団が調査をしまして、その時に幹部職員さんは「原因はいまのところ不明」としつつ、いまおっしゃっていただいた「家庭系可燃ごみに混入していた使い捨てライターから発生した可燃性ガスが、破砕のさいに生じた火花に引火した可能性が高い」と推測をされて、6月1日に南但消防本部が発表しております「爆発火災の報告書(中間)」にも同じ内容が書かれていると。それで今後の対応策として「破砕選別装置にガス抜き装置をつくる」ということもお聞きしたんですけれども、これは、破砕選別装置内にガスが充満し引火・爆発が起こる危険性が予測されていなかったんじゃないかと、設計上のこれは不備・ミスとも言えるんじゃないかと思うんですけども、この点で今回の京都市の施設について、こういう万が一の爆発などの事態について、対策などは考えておられるんでしょうか。
(→渡辺適正処理施設部担当部長)はい、本市におきましても、いわゆる大型ごみなどを破砕いたします破砕施設におきまして、過去にマッチやライター、あるいはカセットボンベが原因と思われます火災や爆発事故が発生しておりまして、市民の皆様方には、マッチは水につけて、ライターはガスを使いきって、カセットコンロのボンベも使いきってお出しいただくようにお願いしているところでございます。引き続きまして本市としましては、マッチや使い捨てライター、カセットコンロ用のボンベ、こういったものをごみとして排出される場合の注意点を引き続き、啓発・指導してまいりたいというふうに考えております。
現在設計しております「選別資源化施設」、いわゆる破砕施設の破砕設備におきましては、発注仕様書の中におきまして、「爆発防止措置」をこうじるように指示をしております。バイオガス化施設の破砕選別機につきましても、同様の措置を講じる必要があるものと考えております。いずれにしましても今回の南但クリーンセンターの爆発事故は、バイオガス化施設で発生をしましたバイオガスそのものによる爆発事故ではなく、施設の構造的な欠陥ではないと、いうふうに考えております。南但クリーンセンターの事例を参考にしながら、バイオガス化施設の破砕選別機の爆発対策につきましては、今後の本市の設計協議にいかしていきたいと、いうふうに考えております。以上でございます。
◆やまね/いまご説明いただきました発注仕様書、私も拝見させていただきました。平成25年4月に出されているわけですけれども、確かにいま言われたように「選別資源化機能」というところにですね、「爆発防止のためのガス検知器」と、「爆風の逃がし口」というようなことは書いておられる。ただですね、いま「バイオガス化施設のところも同様の措置が必要と考えている」ということだったんですが、この発注仕様書を見ますと、この「バイオガス化処理機能」のところについては、「搬入されたごみからバイオガス化処理に適したごみを分別するごみ分別機能」と、「生ごみ等からバイオガスを発生させるバイオガス化機能」と、2つあるんですけれども、これについては、いまおっしゃったような言及というのは、この平成25年度の4月に出された発注仕様書では、文言、言及がないと思うんですが、いま言われたことでは、バイオガス化施設についても同様の対策は必要だと、そういうものはしっかり求めていくということでよろしいでしょうか。
(→渡辺・適正処理施設部担当部長)はい、先生ただいまご指摘のように、我々発注仕様書の段階ではバイオガス化施設の選別機につきましては、ま、そういった大量のライターが入ってきて爆発を生じるというような想定しておりませんでしたので、そういった記述は書いておりませんが、この南但クリーンセンターの事例を参考にしながら、今後検討していきたいと、いうふうに考えております。
◆やまね/資料を要求したいんですけれども、①バイオガスプラントの年間維持経費、年間運営費、瑕疵担保期間について、②バイオガス化施設の国からの補助金についての根拠法とその要件について、③ごみ焼却施設、選別資源化施設、バイオガス化施設、環境学習施設についての、それぞれの工事請負契約書、を出していただきたいと思いますがいかがでしょうか。
(→渡辺適正処理施設部担当部長)はい、ただいまご指摘いただきました資料につきましては提出をさせていただきます。
◆やまね/南但の事例を知って大変びっくりして、やはり京都市が実験を重ねてきたものをもとに作られた施設で事故が起こったということで。実はこの南但の施設では13年4月4日にも火災(ボヤ)が発生しておりまして、以前にもトラブルが何度か生じているということであります。京都市では、焼却灰溶融炉がくり返しトラブルを起こし、使い物にならず結局メーカー返却となったと、この二の舞になることは絶対にダメだと思うんです。いまおっしゃっていただいた今後の対策はもちろんですが、南但の事故を京都市としてもしっかり調査をして、問題があればですね、バイオガス化施設はあらためて根本から検討が必要ではないかと。「導入ありき」という姿勢ではダメではないかと、いうふうに思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
(→渡辺適正処理施設部担当部長)はい、ただいま焼却灰溶融施設も含めて、導入ありきではダメなんではないかというご指摘を頂戴いたしました。我々、焼却灰溶融についてもそうですが、このバイオガス化施設につきましては、全国でもすでに先行事例がたくさんございます。ドイツでは3000箇所以上のバイオガス化施設がすでに順調に稼動してると、いうことも耳にしております。えー確立された技術であると、いうふうに我々は思っておりますが、ま、この南但クリーンセンターで発生しました爆発事故も一つの教訓としまして、さらに安全な、安心安全な施設をつくるべく、努力をしてまいりたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願い致します。
◆やまね/もう一つ疑問がありまして、それは京都市の「ごみ減量化の取り組み」との整合性という問題なんです。たとえば、いったんこの施設が稼働すれば、安定的なバイオガス回収のために、メタン発酵原料の生ごみや紙類の確保がどうしても必要になると。そうなると、京都市がいま強調されている「ごみを出さない取り組み」が後景に追いやられてしまうんじゃないか。ごみ減量化の取り組みと矛盾するんじゃないかと。この点はいかがでしょうか。
(→渡辺適正処理施設部担当部長)はい、「2Rと分別・リサイクルの促進」の2つを柱とします「ごみ減量の取り組み」、これは当然進めてまいります。これによりまして、徹底したごみ減量化をはかりまして、それでもなお、最後に残ったごみ、これにつきましては適正に処理をするということを基本としているところでございます。あの、市民のみなさまが排出をされます燃やすごみ、家庭ごみにつきましては、現在「生ごみの3キリ運動」、使いきり、水きり、食べきり、これを進めていただいておりますが、それでもなお、燃やすごみの中には、家庭ごみの3割以上が生ごみであると、あるいはまた、雑紙のリサイクルにご協力いただいているところではございますが、汚れたティッシュなどを含めまして、家庭ごみの3割以上が紙類がしめていると、いう状況にございます。ま、こうしたリサイクルできない、リサイクルされない生ごみや紙類、これをバイオガス化施設の処理対象とするものでございます。ごみ減量が進みましても、これらの生ごみや紙類は、やはり家庭ごみの中に排出をされるということでございまして、本市のごみを出さない取り組みに影響を与えるものではないというふうに考えております。以上でございます。
◆やまね/南但の施設ではですね、実は発電量が思った以上に上がらなくって、低下してしまってですね、南但広域が広域組合議会で次のような説明をしています。「発電電力量の低下原因は、設計値よりメタン発酵の原料となる生ごみ等の割合が少ないことにある。それは、市民が生ごみを、田畑に入れたり、コンポスト(堆肥)利用にまわしたりするという減量対策をしていることにある」と。こういう説明がおこなわれてるんです。生ごみの減量対策によって発電量が低下しているっていう、この事実はしっかり受け止める必要があるんではないかと思います。
もう一つ「ごみ減量化の取り組み」との整合性という問題で、「機械選別に依存する」というのが、はたしていいのかどうか。一方でいまおっしゃられた「2Rと分別・リサイクル」というのは、本当に大事なことだと思うんです。これは私どもも同じです。それで、一方で2Rと分別・リサイクルが大事だということを強調しながら、その一方で「機械で簡単に選別できる」「手元で分別しなくていい」というのは、これは矛盾してるのではないかと思うわけですけれども、いかがでしょうか。
(→渡辺適正処理施設部担当部長)最初の先生からのご意見につきましてお答えをさせていただきます。南但のクリーンセンターにつきましては、バイオガス化施設が36トン、焼却施設も同程度の規模でして、バイオマスが設計地よりも少ないということで発電量が思ったほど上がってないというご報告がございました。一方で、本市の南部クリーンセンター第二工場につきましては、焼却施設が500トン、それに対しましてバイオガス化施設は60トンという、非常に小さな規模でございます。したがいまして全体として設計値よりもバイオガスが少なくなるということは、まず考えられない、毎年ごみの調査をしておりますけれども、コンスタントに燃やすごみ、家庭ごみの厨芥類、生ごみの割合は3割ないし4割、紙ごみにつきましても同程度の排出が確認をされておりますので、今後一気に生ごみが減少するということはないものと、いうふうに考えております。
(→瀬川循環型社会推進部長)ええと2R・分別リサイクルという方針との兼ね合いでございますけれども、本市におきましては今年の2月市会におきまして、ご案内のとおり、いわゆる廃棄物条例を大きく改正をいたしました。その内容といいますのが、まず理念として循環型社会の形成・推進というものを明確に押さえたうえで、2Rと分別リサイクルを2つの柱として位置づけたという大きなないようでございまして、それをふまえて同じく3月31日に現在の「新・京都市ごみ半減プラン」を策定したわけですけれども、そのなかにおきましては、その大改正をいたしました条例の内容が中心になるわけですけれども、それに加えて3Rのなかでも、上流対策であります先生ご指摘のいわゆるリデュース・リユース、この2つにつきまして位置づけを明確に上位にあるということを記述するとともに図式化して、たとえばオリンピックの表彰台のように、1位2位3位という絵を用いまして、それをモチーフにして、一番はリデュースであると、もっとも重視されるのがそれであるとわかるように、より明確に位置づけてプランも策定をいたしております。そういったことをきちっと、どなたでも、市民の皆様にも事業者の皆様にもわかるようにプランを策定したうえで、先ほども答弁がありましたけれども、生ごみでは使いきり水きり食べきりの生ごみ3きり運動などによる食品ロスの削減、あるいは雑紙につきましても、やはりまだまだ分別が進んでおりませんので、今後義務化が施行されますけれども、そういったことを通じてさらにごみの減量は推進していかなければならない、上流対策を徹底していかなければならない、このように考えておるところでございます。
◆やまね/いまおっしゃっていただきました上流対策というのは本当に大事だと思うんです。条例を大きく改正して2Rを上流対策として強調して一番はリデュースなんだと、いうことは、これはもうその通りだと思うんですけども、南但の幹部の方が言っておられるのは「ごみに何が入ってるかわからない。それが問題だ」ということで、家庭ごみの出し方に原因があると言われているわけなんですね。生ごみがきちんと分けられておこなう発電とはちょっと違うというところは非常に重要でですね、広域組合の議会では、一方で「分別が悪いと破砕選別機に負担がかかって故障につながる」と言われて、もう一方で「破砕選別機の耐久性を強化すると目詰まりで原料回収がうまくいかない」というジレンマに陥ってるわけなんです。なかなかトラブルが絶えないと。このままでは焼却灰溶融炉の二の舞になりかねないんじゃないかという心配はありますので、そこはぜひ真剣な検討をいただきたい。
分別が不十分なままではそういう危険があると思うんです。機械選別への依存ということで、機械そのものへの負担にもなるし、いまおっしゃられた市が進める「2R+分別・リサイクル」というところでもですね、やはり私は矛盾してくるのではないかと。手元分別で、いかに資源化をするか、ごみの発生を抑制するか、これがごみ減量化と重大事故を防ぐ有効な方法ではないかと思います。
それからもう一つ、環境学習施設の問題についてですが、環境学習施設そのもの、環境学習そのものは私どもも否定するものではありません。自然エネルギー、再生可能エネルギー、ごみ減量化について学ぶ、理解が進むことは本当に大切だと思っています。それを大前提にしたうえでお聞きしたいんですけれども、まず二点確認したいことがあります。①南部クリーンセンターそのものの建替え計画の出発点はいつか。②有料化財源8億5000万円を使って「環境学習施設」「展望台」をつくる、この計画はいつ決まったか。この点をまず教えていただけますでしょうか。
(→川渕適正処理施設部長)一点目の建替えの出発点の関係でございます。平成15年12月に策定いたしました「京都市循環型社会推進基本計画 京のごみ戦略21」これにおきまして、次期クリーンセンターの計画について記載をいたしておりますけれども、厳密に申し上げますと、この段階では第二クリーンセンターを建替えるというところまでは決定はいたしておりませんでした。その後、検討を重ねまして、平成16年8月、南部クリーンセンター第二工場を次期クリーンセンターとして位置づけ、建替え整備をおこなうこととした整備方針につきまして、当時の厚生委員会におきまして、ご報告をおこなっているところでございます。
(→三宅環境企画部長)はい、有料化財源でございますが8億5000万を環境学習施設にあてると、え、この、あの経緯でございますけども、あのー平成22年8月になりますけども、京都市廃棄物減量等推進審議会におきまして、有料化財源活用方法に関するとりまとめをおこなっていただきました。そのなかで、積立金の使途として「環境学習等に関する施設の整備等に活用すべきである」と、ご意見をいただいたことも踏まえまして、25年度の当初予算におきまして、えーいわゆる、京都市市民環境ファンド、あの、環境共生市民共同事業基金の中にですね、南部クリーンセンター建替えに伴う環境学習に活用するための積立金として8億5000万を明確に位置づけさせていただいたうえで、予算といたしまして議会の議決を頂戴しまして今日まで積み立てているものと、いうものでございます。
◆やまね/南部クリーンセンターの建替えそのものについては平成16年8月で、有料化財源による学習施設については平成25年にできてきたということなんですが、この間の計画というのは、本当に大変な苦労もされたのではないかと思うんです。平成13年にですね、京都市は「財政非常事態宣言」を出してですね、新規の施設建設は一時凍結されて、平成20年5月には「財政不足」を理由に南部クリーンセンター第2工場の建替えも2年先送りせざるをえなくなったと。その間の平成16年8月にいまおっしゃっていただいた南部クリーンセンターの整備、必要性が言われてるわけですけど、そのなかで「煙突に展望台」というのは、この段階では出てないと。この経過を見るとですね、私は必要と言われてきた施設が財政危機を理由にしてなかなか進まなかったことをふまえますと、本当にいま2億5000万円もの市民のみなさんの税金を使ってですね、展望台をつくる必要性が本当にあるのかどうか、疑問がぬぐえません。その点でいま一度見解を聞かせていただけますでしょうか。
(→川渕適正処理施設部長)展望台の関係でございます。展望台からは、水と緑に恵まれた横大路地域のみならず京都ならではの素晴らしい景観を一望できることから、より多くの方々に横大路地域やクリーンセンターに立ち寄っていただくうえで、非常に大きな役割をはたすものと考えております。また、展望台から、クリーンセンターの全景をご覧いただきまして、大量のごみを処理するためにはいかに巨大な施設が必要であるか実感していただくことによりまして、ごみ減量などの意識の高揚や行動につながるものと考えております。さらには、周辺の民間の廃棄物処理施設を含めた環境関連施設や、水垂埋立処分地に設置したメガソーラー等を見ていただくことにより、環境問題全体への関心を高めていただくことができるものと考えております。以上の理由により、展望台は必要だと考えております。
◆やまね/昨年私も、南部クリーンセンターを視察させていただきまして、高さ30mほどのところから外を見られるようになってると思うんですが、「新しい建物にも同じような外を眺望できるような窓とかスペースはないんですか」という質問が出まして、その時に言われたのが「作ります」と。クリーンセンターを見渡すという時、それでは不十分なのか。その時の説明では「高さ30mでは淀のメガソーラーが見えないんです」ということでしたが、やはり高いところに作らなければダメだということなんでしょうか。
(→川渕適正処理施設部長)新たな南部クリーンセンターについては5階の見学施設通路の一部に窓を設置する予定ですけれども、昨年ご覧いただきました第一工場の窓とは大きさも形状もかなり異なります。さらには、特定の方向(北側と西側)しか見ることができず、周囲360度を見渡すというふうにはなっておりません。また、5階の高さは展望台の高さ66mの半分以下の25m程度でございまして、見ることのできる景色や範囲もまったく違います。メガソーラー云々というお話がありましたけれども、けしてメガソーラーが見られる見られないということだけではなくて、先ほど私が申し上げたいくつかの理由から展望台は必要だというふうに考えております。
◆やまね/私は「展望台から見渡す」ことが、ごみ減量化の取り組みとどうつながってくるのかがいまいちわからないと言いますか、ごみ減量自身は、展望台に上がらなくてもできると思うんですよ学習すれば。先ほども「ごみの適正処理のためにはいかに巨大な施設が必要であるかを実感していただく」というご説明があったんですけど、ごみの減量に伴って、稼動するクリーンセンターの数は減ってるわけですよね。実際コスト削減もできると。だんだん規模は小さくなってるわけで、大きな施設を作りましたと、すごいんですと、こういうアピールをするのでなくてですね、京都市自身が本当にいま取り組まれている「2R+分別・リサイクル」、この大切さを市民のみなさんといかに共有していくかと、地域の資源ごみの自主回収ですとか、雑紙回収ですとかも始まってますけれども、こういう取り組みが実を結んでですね、ごみ減量につながっているんだという、そこにこそスポットを光をあてるべきではないかと思うんですけれども、やはり「財政が大変」と言いながら、市民の大切な税金を2億5000万使って展望台をつくる、このことへの疑問はどうしてもぬぐえないということを申し上げておきたいと思います。
それからもう一つだけ最後におうかがいしたいんですが、そもそもですね、家庭ごみ有料化の財源をこういう事業へ使うことがはたして許されるのか。指定ごみ袋の有料化というのは、いわゆる手数料ですね。私もあらためて勉強させていただきましたが、「京都市廃棄物の減量及び適正処理に関する条例」では、その第53条で「(地方自治法の規定により)一般廃棄物(ごみ)の収集、運搬及び処分について、手数料を徴収する」と書いてあるんです。手数料というからには、条令にも書いてあるように、そのお金は本来「ごみの収集・運搬・処分」のためのもの。それが「財源活用事業」という名前で、直接関連しない事業に毎年12億円以上使われていることにいま市民のみなさんから批判の声があがっているわけですけど、これについてはどうお考えでしょうか。
(→三宅環境企画部長)はい、先生ご指摘の通り、いわゆる有料指定袋の収入につきましては、ごみ処理手数料といたしまして、自治法に定める手数料でございますため、えー当然に、あの、お、このごみ処理に要する経費に充当すべきものでございます。本市におきましても、おおむね19億円の手数料収入を頂戴して、7億円ほど指定袋の製造費にまず充当させていただいております。残る12億円を、ごみ処理費の特定財源として充当させていただいているところでございますので、えー自治法上に当然のっとった会計処理をしております。ええ、そのうえでございますけども、この19億円から製造経費7億円を差し引いた12億円相当分をですね、一般財源として、同額を一般財源として措置いたしまして、えーこれまで、あのー何度か、あのーご報告申し上げてきたような、えーごみのいっそうの減量、温暖化対策、それからまちの美化等、これにつきましても審議会等からのご意見をふまえた使途といたしましてですね、それぞれ当該年度において、えー予算として、えーご提案申し上げて議決をいただきながら、事業を進めていると、いうものでございます。以上です。
◆やまね/最後にしますけども、いま手数料を一般財源に入ってるとご説明あったわけですけど、市民のみなさんにとってはですね、「手数料」としてお金を徴収している以上ですね、やはり本来のあり方としてはおかしいんじゃないかと。会計上問題ない、一般財源のなかからと言われてもですね、市民の目から見たら、事実上、ごみ袋代がごみの収集・運搬・処理と直接関係のない事業に使われていると、加えて、地方自治法や条例の文章からいってもですね、疑問が残るということは申し上げておきたいと思います。
くらしが本当に大変ななかで、市民のみなさんが毎年19億円もの負担をされているわけですね。それが積み上がっていって、しかも私は必要性の疑わしい事業だと展望台については思うわけですけど、これに2億5000万使われると。それだったらですね、やはりせめて、ごみ袋の値下げをしてくれというのは、当たり前の市民のみなさんの思いであり願いであると、使い方としてもそちらのほうがですね、筋が通っていると私は思います。ですので、有料化財源の使い方についてもですね、根本的な見直し・検討を求めて、私の質問を終わります。以上です。
(→三宅環境企画部長)はい、先ほどご答弁申し上げました通り、手数料の収入については、あのーいささかの違法性もないということでございますが、先生ご指摘の通り、有料指定袋については、あのー市民のご負担を伴う非常に貴重な財源であると、当然このように認識してございますので、これまでから、あのー、各事業の有効性等については、しっかりと検証もしてまいりましたし、今後ともそのように進めてまいりたいと考えますと同時に、その有料化の財源を活用して一般財源でさせていただく使途についても今後ともしっかりと市民の皆様にお知らせして、ええあの、理解をいただくよう積極的な使途の周知にもつとめてまいりたいと、このように考えております。以上です。
(→渡辺適正処理施設部担当部長)えっと先ほど、先生のほうからバイオガス化施設につきまして、生ごみ等を選別する機械選別に依存するのはいかがであるかと、いうようなご質問があったかと思います。それにつきましてお答えができておりませんでしたので。なぜ本市が機械選別を導入をしたのかと、いうことにつきましてご説明をさせていただきます。生ごみ等をバイオガス化施設でエネルギー回収しますことは先ほどご答弁させていただきましたように、焼却ごみの減量と温室効果ガスの削減に有効であります一方で、燃やすごみと別に生ごみだけを分別収集するとしました場合、ごみ収集車の増加が避けられない、さらに、収集運搬経費の増加だけではなく、ごみ収集者が走行時に排出をいたしますCO2、二酸化炭素がかえって増えることが想定をされます。現在の本市の財政状況等を考えますと、できるかぎり経費をおさえながら最大の効果をあげるという手法をとる必要があると考えますことから、従来どおりに排出・収集をさせていただいた燃やすごみを、機械で選別、クリーンセンター側で選別をすることによって、生ごみ等とそれ以外の可燃ごみに分離をしてバイオガス化施設に投入をする、また一方でごみ発電を併用するということで、トータルとしてのエネルギー回収の最大化をはかるとしたものでございます。以上でございます。
2015年7月7日【くらし環境委員会】環境政策局:理事者報告「南部クリーンセンター第二工場建て替え整備事業について」の関連質問
(更新日:2015年07月08日)