京都市は旅館への実態調査と支援を。呼び込み一辺倒の観光政策転換を。(2019年10月4日/決算特別委・産業観光局・やまね)

◆やまね/よろしくお願いします。えー私からもですね、先ほどありました「観光振興対策」についてお聞きしたいと思います。で、「市民生活と観光との調和」、それから「旅館の現状」についていくつかお聞きしたいと思います。で、えー今回ですね、あの長年京都の観光産業を支えて来られました旅館経営者の方からもお話をうかがってきましたので、えーそんなお話も紹介しながら、少し議論させていただきたいと思いますが、まず、あのー京都市がですね、「旅館」という施設が果たしている役割について、まあどう考え、どう位置付けているのか、まずその点を教えていただきたいと思います。

(→福原・観光戦略担当部長)はい、えーっと、あの京都市における、あの旅館の位置づけについてのご質問でございます。あのこちらにつきましてはですね、あの「宿泊施設拡充・誘致方針」でお示ししているとおりでございますが、旅館は、あー、「畳、床の間等の和のしつらえ、庭、和食、和装など日本の文化を五感で感じることができる上質な魅力を持つ施設」でございまして、「その振興は全国の伝統産業や和の文化振興にもつながる」ものです。そしてまた、外国人宿泊客に関しましても、「日本の奥深い魅力を感じていただくうえでも、京都ならではのおもてなしを感じられる旅館の存在は欠かせないもの」であると、いうふうに考えております。あのーそのため、あのー当方針でも掲げている通りですね、あの旅館のですね、魅力発信ですとか、利用促進等の取組を行っている状況でございます。

◆やまね/えーわかりました。あのー、いま言っていただいたようにですね、あのー和装のしつらえなどですね、そういうあのー日本の魅力を感じていただける、で、この京都だけではなくてですね、「全国の伝統産業にもつながる」ものだと、いうお話もありましたし、えー「外国人の方に日本の魅力を感じていただくうえで欠かせない存在」だと、いうお話がありました。で、でまあそのうえで今、お話あったように旅館への支援ということで、「海外への魅力発信」だとか、あるいは「経営力向上」ということで「専門家を派遣」されたりとかですね、そういう支援にも取り組んでいるということも、この間お聞きをしてまいりました。

で、そしたら、そのようなもとでいま旅館の施設がですね、その数が、京都市内でどうなってるかってことですね。えー平成27年に「京都市旅館稼働実態調査」というのが行われております。で、これはあの1年かけて行われたもので、「市内全旅館を対象に初めて実施」したと。で、対象になったのは当時、「市内の旅館377施設のうち、レジャーホテル・企業保養所・会員制施設を除いた296施設」がこの時対象になってると。そして、調査用紙を送ってですね、「宛先不明で返ってきた」もの、あるいは「休廃業」しているもの、それから「電話がつながらなかった」ものなどですね、「営業確認できなかったものが104」あったと。で、それを除いた「192」という数がここで出てきているわけですけど、192施設に対して、えーまあ訪問したり電話したりしてると、いうことでありました。で、その後、こういう後追い調査はされてるのか。現在京都市内に旅館と言われる施設っていうのはいくらあるのか。この点いかがでしょうか。

(→福原・観光戦略担当部長)はい、えっとー旅館の施設数についてのご質問でございます。あのこちらにつきましてはですね、あの旅館というものにつきましては、あのー旅館業法改正前はですね、あの旅館とホテルというものがですね、あの別々にくくられていたんですけれども、まあ旅館業法の改正によってですね、あの旅館とホテルがですね今一緒になっている状況でございます。そういったなかで、あの今、あの、あの、保健福祉局のほうでですね、えっとー、まあ、宿泊施設の許可施設数、というものを公表しておりますが、こちら今出ているものですと、法改正直前のですね、平成29年度末時点ですね、旅館の数というものは364施設ございます。ただ、あのこの中にもですね、あの先生ご指摘の通りですね、一部営業していないところとか、あのー実質的にですね、営業していないところも含まれるかと思いますけれども、あの施設数と許可を取っている施設数という意味では、平成29年度末で364施設あるという状況でございます。で、それ以降の数字につきましては、旅館とホテルがあの一緒になっておりますので、その後追いの数字は、出ていないという状況でございます。

◆やまね/えっとそうすると今お答えいただいたように、平成29年度末で364施設と、数としてはね。で、えー要は、平成30年度以降は法改正があったので「ホテル・旅館」というくくりになっているということですよね。で、そうすると、ちょっと確認したいんですけど、現在は「旅館」の数ということでは、産業観光局は集計していないということでよろしかったですか。

(→福原・観光戦略担当部長)はいあのー、あの現状としてはですね、その「旅館」という定義自体がちょっとあの今回か、あの法令上変わってしまいましたので、そこについては把握ができ、あのできていないという状況でございます。

◆やまね/私はあのーやっぱり旅館をですね、冒頭お答えいただいたように、「欠かせない存在」として認識をされて、「支援」も実際行っていると、力を入れておられると、いうなかで、まあ「法律でホテル・旅館がひとくくりになったから」ということで「集計しない」ということではなくてですね、少なくとも平成27年の調査の時は192という一定、営業実態確認できる施設の数が出ているわけですから、それがその後どうなっているのかと、旅館といわれる施設が今どれぐらいあるのかっていうことは、きちんとですね、ぜひ把握をしていただきたいと。えーその点は改善を求めておきたいと思います。

それからあの、「宿泊施設拡充・誘致方針」の中で、えー「旅館の稼働率データの収集」ということで、えー書かれてありまして、「現在、市内主要ホテルに対して行っている毎月の客室稼働率等の調査を市内主要旅館にも対象を広げて、継続的に収集・公表する」と、いうふうにあります。で、この、実際に調査というのは行われているのかと、いうことをお聞きしたいと、いうことです。それと、この「市内主要旅館」というのは、まあ数で言えばどれぐらいの、ものを想定されてるのかですね。全体で言えば、平成27年の時点で192ほどなわけですから、なぜ全施設を対象に考えないのかと、いうことをちょっとお聞きしたいと思います。

(→福原・観光戦略担当部長)はい、えーとまず一点目のほうでございますけれども、こちらあの旅館につきましてはですね、あのー、ま、施設数ということではなくてですね、今あの旅館組合ですとかあの先生、あのご案内の通りかと思いますが、旅館組合ですとか旅館連盟ですとか、あーそういったところとですね、あの密に、あの連携を取りながらですね、支援を進めております。その中でもあの、経営、ま、経営相談という形でですね、えー各個別施設にですね、あのー専門家を派遣するとか、そういった形でですね、あの旅館の現状を把握したうえでですね、え、取組を、支援を進めているところでございます。

え、そして二点目のことでございます。こちらあの稼働率についてのご質問でございます。えーっとまずですね、こちらの状況としましては、まあ今現状としましてはですね、あのー京都、京都市観光協会のほうで、ま、主要なホテルについてはですね、あのーデータについては出しておりますけれども、あの現状旅館についてはですね、えーとデータは出していない状況となっております。で、えーそこにつきましてはですね、これまでからもですね、旅館の方々とですね、かなり、ま、いろいろ意見交換をさせていただきました。あ、そういった中で、あの、旅館の方々としてもですね、なかなかその、あのー、ま、ある意味、その、おー、ま、人員ですとか、体制がですね、なかなかあの厳しい中でですね、そういったデータをですね、あの出すためのですね、まああのかなり負担もいろいろかかってくるということでですね、あのーどういった形でですね、効率的にですね、えーそういったデータをいただけるか、ということをですね、まさに今あの協議をしているところでございまして、なのでこういったまあ「宿泊施設拡充・誘致方針」にですね、書いてある取組について、えーと実現するためにですね、あの現状取組を進めているところでございます。

◆やまね/ということは、あの「稼働率の調査」というのは、旅館については、平成27年度以降は、あー継続して行えているわけではないということですね。今、まあ「まさに協議しているところ」だというお話あったわけですけれども。んーまあということはですね、やはりこの間「宿泊施設が足りない足りない」と言われてきたんだけれども、実際には旅館施設の稼働率についてはこの4~5年は調査ができていないと、いうことですから、やっぱりホテルをですね、たくさん呼び込む前に、泊まれるところがあったのではないかと、いうふうにも言わざるをえないというふうに思いました。

それからちょっともう一つ確認したいのはですね、えー「組合との連携」と、「経営相談の中で実情把握」というようなお話もあったわけですけれども、これ事前にお聞きしましたら、要はその専門家派遣というのを昨年度から始めて、まあ40件やってると。今年度も40件やる予定だと、いうことなんですけれども、これーその昨年例えば40件訪問されて、その報告書とか、そういうレポート、何かまとまったようなものはあるんでしょうか。

(→福原・観光戦略担当部長)はい、えーとですね、こちらについてはですね、あの京都、あの京都観光旅館連盟が主体としてですね、えーそちらに対してですね、あの、えーっと、支援という形でですね、えー京都市も連携しながらですね、えー進めさせていただいているものでございます。で、こちらについては先生ご指摘の通り、あの、あのーこちらの、えー旅館連盟についてはですね、あのーまあ120ほどの施設がございますので、えー1年間にですね全てをですね、回ることはなかなか難しいということでですね、まあ3年に分けてですね、えー行っているところでございます。で、こちらはですね、あの昨年のものにつきましてはですね、えっと旅館、えっと報告書については・・・えー・・・(資料を確認中)・・・はい、えっとこちらについてはですね、あの3年間で1セットということですので、あのー昨年行った中間報告については、いただいております。で、えーっと最終報告につきましては当然、その各年度ごとにですね、そういった報告をもらったうえで最終的にですね、あ、トータルとしてどうなのかという形で、最終報告はいただくと、そんな形になっております。

◆やまね/なるほど、そしたら3年終わった段階である程度報告はいただくことになってると。でまあ中間報告もいただいているということですので、まあぜひそのね、あの調査、調査というか専門家派遣の中で、旅館の方々からどんな声が今寄せられているのか、ぜひちょっとあの分かるような資料があれば、また教えていただきたいと思います。

それで、えーとですね、あのー、まあ「旅館稼働実態調査」が行われた平成27年当時からですね、状況というのはかなり変わっているのではないかというふうにも思います。で、「簡易宿所」については、平成26年度末、これ平成27年3月末時点ですけれども、その時点では460だったと。それが、今年8月末時点では3162ということで6.87倍、7倍近くに増えています。で、「ホテル」は、平成26年度末162施設だったものが、平成29年度末には211と。それで平成30年度以降は、まあ先ほどもありましたけど「ホテル・旅館」として一括りになっているわけですけれども、まあ今新設されているのはだいたいホテルですから、最新の数字である641施設ですね、ホテル・旅館。そこから、まあ旅館と言われていたような施設の数を引けばですね、およそだいたい2倍ほどにはなっているんじゃないかということも推測されると。そういうもとで、旅館ていうのは、やっぱりさらに厳しい状況に置かれているんじゃないかと、いうことを思います。で、あのーまあ、専門家の派遣ということをされてるってことなんですけど、あらためてですね、これ全ての旅館と言われる施設について、実態調査すべきじゃないかと、思いますがいかがでしょうか。

(→福原・観光戦略担当部長)はい、えーとですねあのー先ほどあの私からですね、あの申しました通りですね、あのー当然その「宿泊施設拡充・誘致方針」にですね、書かれている通りですね、あの旅館の方々のですね、あの稼働率も含めてですね、そういったものについては、あの、おー、まあ、あ、調査という形ですべくですね、まさに今協議をしているところでございます。

ただ一方で、あのー今、あの先生もあの、私からも先生からもあった通りですね、そういった個別にですね、えっとー、まあ宿泊施設、まあ旅館をですね、回ってですね、その経営状況については把握しているところでございます。そういった中でですね、あのきめ細かなですね、支援をしていくことが必要だと考えておりまして、えーそういった中で、例えば、あの旅館においてもですね、まあ一律に一つの旅館ではなくてですね、それぞれ様々なタイプがございます。あーそういったですね、そのタイプごとにですね、きめ細かなですね、えー支援が必要になってくると思いますので、そういった対応を今現状としてPRですとか、そういった話をしているところでございます。

◆やまね/まああの稼働率をどう把握するのか、この点については今協議もされているということなんで、ぜひともあのしっかり検討していただきたいと思います。それであの、直接私も伏見区の旅館の経営者の方にお話をうかがってまいりましたので、少し紹介をさせていただきたいと思いますが、

「民泊・簡易宿所が増え始めた3〜4年前からお客さんはガクッと減りました」「同じ町内に2軒、簡易宿所(同じ事業者)ができましたが、これが悪質で近隣の評判も悪い。営業開始前の説明もない。慣れない狭い道を車で通るのでうちの店の角や壁に何度もあてられています」「毎年伏見稲荷にお参りに来ていた常連さんは『もう伏見稲荷は人がいっぱいでいけない』と言う方、『近隣の簡易宿所が夜中に騒がしくて眠れなかったので今年はやめておく』と足が遠いた方もおられる」と、いうことでした。それから、「近隣の簡易宿所のお客が『カギを開けられず泊まれないのでここに泊めてほしい』とやって来ることもある」「つまり管理者が常駐せず対面でのチェックインもされていないということです」「10分で駆け付けるといっても火事が起これば住宅密集地ではすぐ燃え広がってしまう。私たち旅館は常に人が常駐しています。だからすぐ対応できるんです」と、まあこういう形で、旅館の役割や今困っておられることを切々と語られました。で、「周辺環境との調和」ですとか、あるいは「近隣住民や旅行者の命・安全」を軽視するようなですね事業者がはびこって、で、こういう昔ながらの落ち着いた雰囲気の旅館が苦境に立たされてしまうと、いうことがですね、京都市の実態とすれば、私は重大な事態ではないかと思っております。で、既存の旅館のみなさんから、こういうような苦情っていうのは、あー実際寄せられていないのかどうか。その点はいかがでしょうか。

(→福原・観光戦略担当部長)はい、えーとですね、あの旅館さんの方々とですね、意見交換は様々しております。まあそういった中でですね、あの特にお声を頂くのはですね、やはりその、まああの競争環境が激化しているという話ですとか、あとはその雇用、人をですね、そういったまあ働き手・担い手のですね確保といったところがですね、非常に多く頂いているところでございます。まあそういった中で、あのまあ先ほど申しました、ああいったあの専門家の派遣の事業の中ではですね、やはりその、あの同じあの簡易宿所ですとか、あのそれぞれの特徴があるわけですから、同じ土俵で、えっとたたかうのではなくて、「旅館は旅館の良さを際立てて」まあ「差別化」してですね、えっとーたたかっていく必要がある、えっと必要があるんじゃないか、ですとか、あとは、あの旅館の魅力を感じていただいてですね、えーよりお客様に泊まっていただく、まあそういったことが必要じゃないかと、そういったことを意見交換させていただいて、お互いにですね、まあ「そういった形でいろいろ知恵を出し合いましょう」ということで、あのーいろいろ議論さしていただいているところでございます。

そしてまた、あのーまあ簡易宿所をはじめとするですね、あのーえーと、まあ、あのトラブル等につきましてもですね、あのーえー、我々としてもですね、あのー民泊PTですとか、あのー庁内連携してですね、取組を進めておりますし、あの今保健福祉局がですね、中心となりましてですね、徹底した指導を行っております。まあそういった形でですね、一定の評価をですね、そういった宿泊業者の、あのー宿泊事業者の方からも頂いていると、いうふうに認識をしております。

やまね/あのー今言っていただいたね、「旅館は旅館の魅力がある」と、「差別化」が大事だと、これもうおっしゃる通りだと思いますよ。ただ、今私が申し上げたのは、そういう話ではなくって、簡易宿所、悪質な事業者がどんどんできることによって、周辺の環境が悪化してると、それによってですね、常連さんも離れてしまうと。こういうことが起こっていることについてどう思うかということをお聞きしたわけなんです。ぜひともですね、そういう点をしっかり考えていただきたいと。

で、あのー例えば今、「上質な宿泊施設をつくるんだ」ということも、盛んに言われてるわけですけれども、あのーただ今起こっている問題はですね、上質な宿泊施設ができれば解決するという話なのかということもちょっと一点お聞きしたいと思います。それはあの地価高騰の問題でして。えー東山・中京・下京など、宿泊施設の激増で地価高騰が起こってですね、この間若い世代が住居として住宅・土地を買えずに市外へ流出してると、いう問題が指摘されてきました。それから伏見稲荷周辺の土地価格の上昇というのも、まあ報道されている通りであります。

で、その中でね、今何が起こっているかと。宿泊施設が「投機的な商品」として扱われてるんじゃないかと。で、えー私はですね、宿泊業というのは、当然ながら、お客さんを泊めて、そしてお金をいただくと、これが本来の当たり前の姿だと思うんですが、今増えてるのはですね、宿泊施設をつくってそれを売って儲ける事業者だと、いうことであります。で、伏見区で今住民に大変高圧的態度をくり返している事業者が、自分のホームページで何と言ってるか。「投資家側は手間を掛けずに高利回りを狙うことができます」「ゲストハウス投資は、(中略)不動産投資商品の中でややハイリターン(期待利回り6~12%)を期待できる商品」「ゲストハウスとしての運用は、(中略)売却がしやすく出口戦略が立てやすい」と、こういうことうたっているわけですよ。もう売ることを前提にしてね、つくってると。

で、そういう中でじゃあ地元では何が起こってるかと言うとですね、「あなたの家を売ってください」というビラがね、頻繁に入る。あるいは「駐車場になってる所を売ってください」という不動産屋がですね、頻繁に訪ねてくると、いうことが起こっていると。で、やっぱりそういう事態に直面をして、地元の旅館経営者の方もですね、「私たちは昔からここに住み営業しているのに、まるで追い出されるような気分。ここに住んでいてはいけないのでしょうか」と、こういう思いになられているわけであります。ですから若い人だけではなくて、この宿泊施設激増、地価高騰の中で、昔からお商売をされている方々も出て行かざるをえないような、非常に困られている状況があるわけですけど、私これはですね、京都市の住環境、そして京都経済のあり方としても、この宿泊施設が投機商品として売買されて地価高騰がどんどんどんどん、えー起こっていくと、これは好ましいことなんだろうかと、大変疑問に思っているわけですが、産業観光局としてはどのように認識されているでしょうか。

(→福原・観光戦略担当部長)はい、えっとですね、まずですね、あの一点、こちらからあのご指摘したいのはですね、我々としてはですね、あのー「宿泊施設拡充・誘致方針」でもそうですけれども、先日のあの市長のあの、代表質問の答弁からございましたけれども、我々としてはあの、「市民生活との調和」ですとか、「市民と観光客の安心安全を最優先とし、地域の活性化や京都の文化の継承につながる施設は歓迎」いたしますが、あー「そうではない施設は控えていただきたい」というのが我々のスタンスでございます。

まあそういった中で、先ほどのくり返しになりますけれども、あの保健福祉局をはじめとしたところでですね、あの宿泊施設についてですね、トラブルですとかそういったものは徹底的に指導しているところでもございますし、また、あの宿泊施設がですね、地域と調和、地域と連携できるような制度っていうものもですね、つくりましてですね、そういった、あの質をですね、向上できるようなですね、取組を進めているところでございます。あのー地価の上昇については、まあ一部の報道ではですね、まああのこれはあのあの報道でございますのであれですけれども、一部の報道ではまあ沈静化に向かうだろうと報じられているところでございますが、まあこういった地価につきましては、観光という側面だけではなく、まちづくりなど様々な観点からも、あのー、ま、考察する必要があるのかなと、いうふうに考えております。まあそういった中で我々としては、あー旅館につきましては、旅館旅館のですね、利用促進のための様々な支援を行うことによってですね、えー旅館の、えー一番初めに私が申しました、旅館の良さっていうものをですね、え、観光客の方にも知っていただくと、あ、そ、知っていただいて、京都を楽しんでいただく、そういったことが必要なのかなと考えております。

◆やまね/あのーまあ資本主義の世の中なんで、投資っていうことでですね、お金が集まってくるっていうのは一定起こるでしょうそれは。しかし、この宿泊施設っていうのがね、投機商品になるっていうのは、それはこの宿泊施設っていうのは不特定多数の人が来るわけですから、周辺の住環境とも密接に関わってる存在ですよ。で、それがね、住民の生活、周辺環境との調和を無視されて投機的商品として取引をされるという、この事態について好ましいと思うのかどうか、この点を私お聞きしたんですけどいかがですか。

(→福原・観光戦略担当部長)あのーすみません、あのこちらについてもですね、私も述べさせていただいているんですけれども、そういった住、住民生活ですとか、あー調和しない施設については控えていただきたいというような答弁もさしていただいていますので、その通りだと認識しております。

◆やまね/でまあ、住民生活、市民との関係、生活との調和、最優先にしない事業者は控えていただきたいと、まあこれは今もお話がありましたけれども。で、問題はですね、もう一つお聞きしたいのは、これが自然現象なのかどうかと、いうところも少し認識うかがいたいと思います。

京都市は平成12年(2000年)に「観光客5000万人構想」を宣言して、この時からまあ数値目標を掲げてると。で、平成22年(2010年)(※正確には平成20年2008年)にですね、観光客5000万人を突破したと。私は本来ならここで立ち止まる、あるいは大きく政策転換すべきだったと思いますが。ところが、平成26年(2014年)の「京都市観光振興計画2020」ではですね、外国人宿泊客この当時113万人だったものを「300万人」目標にすると。まあ3倍近い数字ここで掲げられている。さらに施策の一つにはですね、「クルーズ船」今世界で大問題になってますけど、「クルーズ船による観光客誘致推進」ということもあってね、観光客誘致を加速させる中身になってると。そして平成28年(2016年)の「宿泊施設拡充・誘致方針」で、当面の施策として「客室を2020年までに約1万室新設する(計4万室)」という、さらなる宿泊施設の拡大方針が掲げられました。で、その後どうなったかと言えば、客室数はですね、昨年度末で2020年の目標とした4万室を超えて4万6000室になっています。で、来年には5万3000室を超えると。で、この間起こった宿泊施設の激増というのはですね、やはりこの京都市の施策がもたらした結果ではないかと思うわけですけれども、これは間違いないでしょうか。

(→福原・観光戦略担当部長)はい、えーとですね、あのー京都市ではですね、あの先生ご指摘の通り、観光客5000万人を達成して以降でございますけれども、あの観光客の人数を求めるのではなくて、観光の質の向上を目指して、そして市民生活と観光との調和を大前提に、観光客の満足度の向上、そして市民の豊かさにつながる観光消費額の増加などに重点を置いて、観光政策を進めてきております。あのー先ほど、先生のご指摘の通りですね、ま、近年、特定の観光地でのですね、混雑が発生する一方でですね、あの観光客の減少から誘客をあの望まれているエリアも数多くあるのが現状でございまして、京都市全体を一つのエリアとしてとらえて、年間の観光客数だけでもって判断するのではなくて、それぞれの地域や時期、時間ごとの状況をきめ細かく把握したうえで、適切な施策を実施していくことが重要だというふうに考えております。なので我々としてはですね、そういったあの考えのもとにですね、進めてきた取組だというふうに認識しております。

◆やまね/うんまあちょっと私の聞いていることと若干かみ合わないんですけど。私が聞いたのは、京都市が進めてきたこういう観光、えー「宿泊施設拡充・誘致方針」こういう中で、やっぱり宿泊施設が増えてきたんですねということをまあ確認したかったわけですけれども。で、あらためてですね、私この問題がね、自然現象として起こっているのか、それとも京都市の施策の中でですね、これだけ宿泊施設が激増してきたのかというのは非常にね、今後の対策考えるうえで大事だと、いうことを言っておきたいと思うんです。

で、最後にもう一点だけお聞きしたいんですが、あのーオーバーツーリズム問題に詳しい龍谷大学教授・阿部大輔先生がですね、京都新聞に寄せたコメントで「市民生活が保たれ、観光客も再訪したいと思うには、どれくらいの宿泊ベッド数がふさわしいか、地域の考えも踏まえつつ京都市全域の構想を策定するべきだ」という指摘をされています。それから同じく龍谷大学教授の白須先生ですね、あのもうご存知の通り、元京都市の産業観光局長をつとめられた方で、現在は「伏見稲荷大社周辺の住みよいまちづくり会議」の座長もつとめられている方ですが、この方も京都新聞のコメントで「京都市内にもう新しい宿泊施設は必要ないのではないか。政策的に観光に偏っている」と、こういう指摘をされているわけですけど、こういう指摘についてですね、重く受け止めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

(→福原・観光戦略担当部長)はい、えっとですね、あの宿泊施設の施設数についての、おー、えー、質問でございますけれども、えーこちらにつきましてはですね、こちらもあの、今年の5月のですね、あの代表質問のほうでですね、あの市長のほうからご答弁させていただいている内容にはなるんですけれども、あーまあ近年のですね、えーっと、あの、ま、ま、外国人観光客等のですね、増加等によりですね、まあそういった旺盛な需要を踏まえましてですね、宿泊施設が増加してきております。まあそんな中でですね、えーっと我々としては、あの現在計画されているですね、ものも含めまして、「施設数としては満たされつつある」と、いうような認識でございます。

ただ一方でですね、えー我々として考えてますのは、あの宿泊施設がですね、その多くが京都駅周辺ですとか、あー市内中心部に集中するなどですね、地域的な偏在が課題になっているということ、そしてまた、北部山間地域等における農家民宿など、地域と調和した宿泊施設、地域固有の歴史文化自然の魅力を生かした施設は必ずしも十分ではないというふうに感じております。そういった観点ですね、我々としては認識をしているところでございます。

◆やまね/もう時間がないんで最後に申し上げて終わりたいんですけれども、あのーまあ「施設数は満たされつつある」というふうには確かにそういうふうな発言はされています。ところがですね、「拡充・誘致方針」にはサブタイトルで、「観光立国・日本を牽引する」と、いうことでまあ政府の「観光ビジョン」の牽引役になることもですね、宣言をしていると。で、そうすると安倍政権が今掲げてる目標どうかっていいましたら「訪日外国人旅行者数2030年6000万人」ですよ。今の倍は呼ぶと。で、そのことについてもですね、そのどう対応するかどうか今後考えないといけないということも、「宿泊施設拡充・誘致方針」の中に書いてあるわけでね、で、もしですね、あの今よりさらに倍の数の観光客が来る。ま、そういうことが実際もし起こるなら、いくら「分散化」ということ今努力されてるけれども、やってもですね、これまで比較的静かだった季節、静かだった時間、あるいは場所、こういうところにもどっと人が押し寄せるということなりかねないんじゃないかと、私は思うんです。ですから、あらためて今必要なのはですね、本当に京都のまち・住民が受け入れられる、そのキャパシティーにふさわしいレベルに観光客や宿泊施設の総量をね、いかにコントロールしていくか、こういうことをホントに考える時期にきていると、いうことをあの申し上げて、終わりたいと思います。引き続き議論させていただきたいと思います。終わります。

2019年10月4日【決算特別委】産業観光局/旅館の現状と京都市の観光政策について

(更新日:2019年10月04日)