小栗栖地域の土砂災害対策は住民の命最優先で対応を。トン土のう再設置の検討を(2019年7月26日/産業交通水道委・産業観光局・やまね)

◆やまね/えっと私からは伏見区小栗栖石川町・大谷池の浚渫作業についてお聞き致します。で、まあご承知のとおり、昨年7月の豪雨で、えー伏見区・大岩山の山頂付近が崩落を致しまして、それが土石流となって谷筋を流れて、えーこの小栗栖石川町のため池・大谷池に流れ込んだと、いうことであります。で、このため池のもう10mほど先はですね、住宅があって、えーまあ大惨事になっていてもおかしくはなかったと、まあこういう事態で、この間あの、緊急策とそれから抜本的な対策・恒久対策が同時に並行して進められてきたと思います。で、あのーまあ恒久的な抜本的な対策についてはですね、都市計画局なんかが中心となって、今、あー進められていると思うんですけれども、えーまあ都市計画局だけではなくて、産業観光局や醍醐支所とかですね地元の、こういうみなさんも情報共有されてきたと思います。

で、ちょっとこれはあの前提の話ですので、えー申し上げておきたいんですが、この恒久対策についてはですね、えー要は土砂崩落の原因ともなった大岩山での違法開発を行った事業者に対して都市計画局が、本日7月26日を期限とする命令を出していると。で、この命令というのはですね、土砂崩落の危険をなくすための、まあ是正工事の計画書を提出しなさいと、そして是正をしなさいと、まあこういう、えー命令なわけですけれども、ところが昨日の時点でも、正式にはこの計画書が提出されていないと。ま、今日どうだったかというのは私知りませんけれども。えーですので、現状はですね、危険な状態がまだ解決をしていない状況にあるというところが重要なあの点だと思っています。で、昨日のまちづくり委員会での答弁では、えー「京都市による代執行」についてですね、えー要は事業者がいつまでたってもやらないとなればもう京都市がやらざるをえないということになるわけですけれども、この代執行についてもですね、さらに「5か月間の猶予期間」を経なければできないと、いうことでありました。で、手続き的にはですね、確かにそうかもしれないんですけれども、しかし5カ月も先となると、もう雨の多い時期終わっちゃうじゃないかと。で、本当に住民の命が最優先にされているんだろうかと。ま、こういう状況があるということをまず申し上げておきたいと思います。

で、産業観光局の所管である緊急対策の部分、「ため池の浚渫作業」のところについて聞きたいと思います。で、6月5日頃だったと思うんですが、産業観光局から「大谷池に流入した土砂等の浚渫及び搬出作業の完了について」というメールをいただきました。で、えー実はあの、昨日ですね私もあの現場をもう一度ちょっと見に行ってまいりました。で、そうすると、先日の雨の影響でですね、地面が柔らかくなっているところもたくさんありましたし、それから気になったのは青い葉っぱの竹がですね、けっこう倒れてるんですよ。ですからやっぱりまだね、えー崩れてきているところがあるんではないかというふうに思いました。それで、まあお聞きしたいのはですね、現場を見てもう一つ気になったのが、ため池の浚渫作業やっていただいたんですけれども、そのため池というのは、元のようにいま水は溜まっていない状態と、いうことであります。で、随分浅い状態として、えー今なってると。で、要は産業観光局からいただいたメールの中には「土砂900㎥を撤去」ということだったんですけれども、この浚渫作業というのは、池に流れ込んだ土砂を全て撤去するというものではなかったんだろうかと。で、えー、元々こういう、今回対応されたような計画だったのかですね、それとも何らかの途中で検討があって、計画がこういうふうに変更になったのか。その辺りはどうなんでしょうか。

(→内田・農林政策担当部長)はい、えー大谷池の浚渫工事についてでございます。えー、いまご紹介ありました通り、昨年7月の土砂崩落によって大谷池が埋まったわけでございますけども、え、今回の工事は、えー緊急対策として、えーため池の機能を回復するための工事ではなしに、え、下流部におられます住民のみなさんの安心安全を確保するための、えーくり返しになりますが緊急工事として行ったものでございます。えーですから当初から、えー元のため池の状態に戻すということは考えておりませんでした。えー実際あのため池、ため池につきましては、え、下流で以前使っておられた農業者の方、「今後は必要ない」という確認をとって、農業用のため池としては廃止をしております。で、その中で、今後一番安全な形ということで検討した結果、えー今のまあ浅いですけども、広い範囲で土砂を撤去したと、いうことで、えー工事を実施したものでございます。以上です。

◆やまね/えーっとなるほど、あの、ため池の機能回復のための工事ではなかったと、いうことですね。で、えーっとちょっと今お聞きしたところではその、農業用ため池としては廃止されてるということですかね。ちょっともう一度確認したいと思いますが。

(→内田・農林政策担当部長)はい、えー農業用のため池としては廃止をして、京都府のほうへ届出が済んでおります。え、まあこれは農業者の方、あの以前は農業者の方がため池の維持管理担っていただいていたんですが、ま、こういった事故を受けまして、ま、責任を今後負い続けるのは、まあ水を使っていない中でですね、負い続けるのはもうちょっと困るということで廃止に踏み切られたものと考えております。

◆やまね/わかりました。それで、もう少しお聞きしたいんですけれども、あのーそしたらですね、この昨年の、7月の豪雨で、発生したこの土石流が、ま、このため池の場所でストップしたわけですね。で、その原因というのは、ま、どんなふうに考えておられるのかですね。たまたま土砂の量が、そこでそこまでにしか到達しなかったということなのか、ため池で水があったからそこに入って土砂がストップしたのか、この点どんなふうに分析されてるんでしょうか。

(→内田・農林政策担当部長)はい、えーちょっとあの、そもそも上からどれだけの量の土砂が流入したかということもはっきりとしておりませんが、ええ、上部の違法造成が、原因の一端であろうということは、えー考えております。えーその中で、え、ま、たまたまといいますか、池の容量に収まる土が、池のところまで流れてきたということで、あふれることなしに、えー済んだと、いうふうに考えております。以上です。

◆やまね/そうすると、たまたま池の量に収まる、そういう容量だったというお考えですね。わかりました。でーあのーそこでですね、もう少しお聞きしたいのは、えー地質学の専門家の方がですね、「土石流というのは水の中に入ると止まる」と、いうふうにおっしゃっている、そういう方がおられまして。で、そのメカニズムとしてはですね、「土石流というのは砂・泥・石ころが混じり粘性の流体である」「それが水に入った時に泥の部分が流され石とか砂がぶつかりあって摩擦が起こることで勢いが止まる」と、ま、こういうことをおっしゃってるわけです。

で、えーこの農林水産省が、えー出されている、えー資料の中でですね、あの農林水産省のホームページにため池の特集のようなページあるわけですけど、その中でダウンロードできる資料ですけれども、その中に、これ2018年6月25日付のものですが、「ため池の多面的機能」ということで、「降雨時には雨水を一時的にためる洪水調整や土砂流出の防止などの役割を持つ」と、いうふうにあるわけです。「豪雨等により山間部の土砂が崩壊した際に、ため池が土砂や流木を留めることにより、下流域の被害を軽減している」ということで、えー兵庫県丹波市や京都府福知山市のため池の写真が紹介されているわけですけど、ま、写真見たら昨年のこの大谷池の現場で見たのと同じような光景が写ってるわけですね。

で、2つ、ここでお聞きしたいんですけれども、こういうふうにまあ専門家の方やあるいは農林水産省のホームページでも紹介されているようなですね、この「ため池に土砂流出防止など減災機能がある」ということについてはどういうふうに認識をされてるのか。これが一点。それからこの大谷池について言えばですね、池に流れ込んだ土砂を撤去したうえで、えーしっかり補強工事をしてですね、水をためて、で、ため池の役割を保全する、減災機能を回復する、そういう整備のしかたもあったのではないかと、思うんですけど、この点は検討されたんでしょうか、いかがでしょうか。

(→内田・農林政策担当部長)はい、えーまず一点目のため池の減災機能についてでございます。えっと今ご紹介ありました専門家の先生の見解というのについては申し訳ございませんちょっと私、あの私把握をしておりませんので、答弁ちょっと、できませんが、えー農水省のホームページ等で公表されてます「ため池の土砂流出防止機能」についてでございますが、えーこれはですね、ため池の貯水スペース、これを、これが、えー流入土砂を受け止め、受け止めることができるという効果をねらったものと考えております。えー水があるから止まるのではなくて、スペースがあるから止まると、いうふうなことで、えー、流出防止機能があるというふうに考えております。

で、実際問題ですね、いま災害が予想される場合、ため池の管理ていうのは、水をできるだけ抜くと、いうふうな管理の方法が、国からも指導されておりますし、京都市でも農家のみなさんにお願いをしているところでございます。

えー、で、次にですね、えーもう一つは何でした………もう一個何でしたか………あ、あそうですね、すいません申し訳ないです、えーっと、えーため池の状態に戻して補強するいう検討はなかったのかということですね、で、あの、先ほど申し上げましたように、えー農業用には水を利用する必要がもうなくなっている池でございます。で、ため池、水を貯めることによる弊害ってのも当然あろうかと思っています。えーため池についてはあの、もちろん転落事故ってのが全国で毎年起こっておりまして、毎年20人以上の方がため池で、えーお亡くなりになっているというような事実もございます。えーそれともう一つは、えー先ほどご紹介ありましたですけれども、えーため池、あの大谷池については特に谷池という形で谷を堰き止める形で、えー水がたまる構造になってございますけれども、その堰き止める堤体と呼ばれる部分ですね、この部分の決壊の原因ていうのが、えー、一つがその堤体を超えて水があふれると、その時に堤体の外側を削ってしまって堤体が決壊するというのが一つの大きな原因ということで、えー考えられております。ま、そういったことから考えましても、水をためずに、えー従来のため池の容量、を確保するということで安全性については確保ができたできるものと考えております。以上です。

◆やまね/あのー最初のほうで「水があるから止まるのではない」と、「スペースがあるから止まるんだ」って、これはあの農林水産省がそう言っておられるということでしょうか。

(→内田・農林政策担当部長)はいえー、実はですね、昨日ちょっと農水省のほうに、えー見解、あのはっきりとお聞きしたいいうことで求めておりますけど、ちょっとまだあの返答がございません。ただ、先ほど申し上げましたように、えーため池の管理、災害予想時には水をためないという原則については従来からの指導がありますし、えー災害防止機能を発揮するためには、水ではなしにスペースの問題かなというふうに考えております。

◆やまね/それであのー水が止めるわけじゃないということをおっしゃったんですけれども、例えばですね、あのー静岡県の富士川市であるとか、あるいは広島県のほうでは、土砂止めの池というのもありましてね、やっぱりそういうあの土砂災害を防ぐために池をつくっているところもありますので、あのしっかりそこはきちんと分析・検討していただく必要があるんじゃないかと思うんですよ。

でーあのー、農林水産省が昨年11月13日付でこれも出しております「平成30年7月豪雨等を踏まえた今後のため池対策の進め方」、もちろんこういう文書に基づいてみなさんも進めておられると思うんですけれども、ここにもですね、「ため池の廃止を検討する際は、ため池が洪水を一時貯留するなど、下流域への被害を軽減することもあることを踏まえ、防災・減災施設としてのストックの有効活用について検討されることが望まれる」と、いうことになってますので、あの廃止される時もですね、こういう減災機能というのを十分に考えたうえで、えー廃止しなければならないということになっておりますので、やはりきちんとした分析が、えー今のお話聞いているとですね、もう少し必要なんではないかなと、いうふうに思いました。

で、もう一点気になる点をお聞きしたいんですが、あのこのため池のですね、すぐ上流部に置かれていたトン土嚢、大きな、1トン1袋のですね、黒い、そういう土のうがですね、全て撤去されているということなんですね。で、これはあの上流の先ほども私申し上げたように大岩山の恒久対策が、全く進まない中で、なぜこのトン土のうが全て撤去されたんでしょうか。いかがでしょうか。

(→内田・農林政策担当部長)はい、えー大型土のうの撤去についてでございます。えーこの土のうにつきましても、当初から、えー完了時には撤去する予定で設置と、設置したものでございます。えーそもそもあの、え、緊急工事、昨年の7月に、えー土砂崩落が起こってから、えーいろいろあの地権者等との協議とか、えー時間を要しておりました。えーその中で、えー、出水期を迎える中で、まあ住民のみなさんの不安を少しでも払拭するために、えー土砂完了が終わるまでは、トン土のうで少しでも被害を軽減しようということで設置したものでございます。えーですから当初から、えー土砂完了と同時に撤去する予定であったものでございます。で、またあのトン土のうを置いて、置いて、置かしていただいていた場所につきましても、これは私有地でございまして、えーやはりその、工事が終わった段階で、現状に戻して、お返しすべきものと、いうふうに考えております。以上です。

◆やまね/あのーまずその最後に言われた、その私有地だと、いうとことですよね。えーまあ協議の一定時間もかかったと、最初ね、いうお話もあったんですけど、これー地権者の方からですね、トン土のうについては、「撤去してくれ」という強い要請なんかがあったんでしょうか。いかがですか。

(→内田・農林政策担当部長)はい、えー撤去については、えー地権者からの要請ではございません。京都市として、私有地にいつまでもトン土のうを置いておくことは不適切というふうに判断した結果でございます。

◆やまね/あのーでしたらねえ、私こういう「私有地だから」と言ってね、これを撤去するっていう、ちょっと聞こえ方によっては地権者に責任押しつけるようなね、そういう発言はどうかなといま思います。「私有地だから安全対策ができない」ということにしていいのかと、いうふうに思うんです。

で、先ほどあの「当初からの予定だった」と言うけれども、あのーまあ上流にはですね、布団カゴも設置をされましたね。あの崩落した現場の崩れたところに。で、あのただ、先ほども申し上げたように、何度も申し上げてますように、恒久的な対策っていうのがこれからなんですよ。何にも解決していない。そういうもとで、あのー、これ、現場は本当にみなさん見られたんでしょうか、あの山頂に積み上げられた土砂の量ってものすごい量ですよ。で、あれがもし崩落したらですね、布団カゴなんてすぐ埋まってしまうし、恐らく下流にもっと来るだろうと。そういうこと考えれば、私は、布団カゴも設置するし、トン土嚢も設置するし、そして池の浚渫もするしですね、こういう二重三重に緊急策を重ねてこそ、安全性っていうのがより高まるのではないかと、あのこのようにも思います。

で、あの最後ちょっとお聞きしたいんですけど、これもしですね、再び斜面崩落や土石流が発生した場合、ま、それを止めようという時にですね、このトン土嚢が設置されていたら、何か不都合な点でもあるんでしょうか。いかがですか。

(→内田・農林政策担当部長)え、不都合な点というのは、ないかと思います。ただ、え、トン土のうってのは恒久施設ではございませんので、ええ、その維持管理というのは当然必要になってきますし、置きっぱなしでいつまでも、ということにはならないのかなと思っております。で、と、あの一番最初に申し上げました通り、あの、今回の工事というのは、恒久的な安全対策ではございません。えー従来のため池が、果たして、まああの、え、実際に果たした機能っていうのを少なくとも回復するための工事というふうに認識をしております。ですから、えー従来あの元々の大谷池600㎥ほどの貯水機能を持っていたわけですけども、ま、それの1.5倍にあたる900㎥の、えー土を運び出したということで、えー以前の大谷池よりも安全性が高まっているものと、考えております。

◆やまね/あのちょっと、ため池が果たした役割を回復するものではないという最初お話だったんですけど、今のお話だと、ため池の機能を回復するというお話、これどちらなんですか。

(→内田・農林政策担当部長)はい、えー従来のため池が持っていたであろう土砂流出防止機能っていうのが600㎥と考えております。で、それ以上の土を運び出しましたので、それ以上の土砂流出防止機能を果たすであろうという考えでございます。あ、て、けして水をためるということでは考えておりません。以上です。

◆やまね/でーまああの、まあ確かに恒久的な対策ではないというのは、これ私もうかがってきましたし、あの土のうというのはずっともつものではないと。しかしやはり数年程度はもつんではないかと思いますから、やはりそれだったらですね、まだ緊、上のほうの抜本的な対策、恒久対策が進んでないもとでね、やっぱりこれは緊急的な対策であったとしても、やっぱり残しておくと。一つ二つ三つとこういう緊急策をしっかり講じてですね、えー同時に恒久的対策も行っていくというのが当然の私はやり方だったんではないかと、今からでもあらためて考えるべきだと、いうふうに申し上げておきたいと思います。

で、やはりあの、ため池の問題を所管している局として、えーやはり土砂災害、土石流への対策という点でですね、先ほど「土石流が水に入って止まるのかどうかもわからない」というふうなお話あったわけですけれど、やはりもう少し緻密に、分析・検討もしていただきたいと思いますし、あらためて開発指導を担当する都市計画局、それから防災危機管理・土砂災害を担当している行財政局、その他の関連部局ともですね、しっかり連携をして、えー住民の命を守るために、がんばっていただきたいと思います。終わります。

2019年7月26日【産業交通水道委】産業観光局/一般質問「伏見区小栗栖石川町・大谷池の浚渫作業について」

(更新日:2019年07月26日)