【なぜ自衛隊を特別扱いするのか、なぜ全国でも突出した対応をとるのか】
◆加藤委員/えっとまず一点目なんですが、あのあらためて聞きたいのはですね、あのーどうして自衛隊にだけ宛名シールを渡すという特別扱いをしようとするのかということなんです。まああの他の職種でもですね、人材不足が叫ばれているということでありまして、あの若者たちをリクルートしたい職場はいくらでもあると。ま、しかし、えー採用のためにですね、京都市がわざわざ宛名シールを提供しているようなことは、この他にはないわけであります。あのだからこそですね全国の自治体で、わずか4自治体ですかね、少し前にもいただいた「提供別市町村数」というのでいただきましたけれども、えー、シール提供というのは、あの4市長村しか29年度やっておられないと、いうことでありまして、あのそういうこう、全国としてはそういう判断をしておられると。でまあよく京都市はですね、あの政令市などと比較して、職員の数がどうなのかとか、福祉の水準がどうなのかとか、あの言われますけれども、この問題ではですね、明らかに、あの他の自治体と比べて、京都市は突出した対応になっていると、いうふうにあの思います。どうしてこの突出した対応をとられようとしているのか。いかがでしょうか。
(→米谷・情報化推進室長)はいあのー、自衛隊への、情報提供のあり方につきましては、業務所管課でございます、え、文化市民局において、えー利用目的に最も適した提供方法をいろいろと検討された結果、であると、いうふうに認識しております。まあ他の自治体の提供方法につきましても今ご紹介ありましたけれども、まあ、業務所管課である文化市民局が、まあ参考にしたとは考えられますが、あのまあ自治体の業務として、えー文化市民局が判断されものと、いうふうでございます。
◆加藤委員/あのーこれね、個人情報保護に関わる問題だと思うんですよ。その個人情報保護を所管しておられるのは、現局でありまして、あのーいまのご説明は、個人情報保護に関わる判断を現局としてはされないっていう表明ですか。
(→米谷・情報化推進室長)はいあの、自衛隊法施行令に基づくまあ以来とか情報提供につきましては、まあ適法に行われていると、我々も考えておりますし、あのー業務所管課でございます、えー文化市民局でも住民基本台帳法、それから自衛隊法の解釈についても検討されて、えーちなみに我々としても、あの国会の議論、国会の答弁書等、平成26年9月の、えー答弁書等も確認させていただいて、えー判断したものでございます。
◆加藤委員/私はあの総合企画局がですね、個人情報保護に責任を負う部局として、あのこれ明らかに他の自治体と比べて突出してるということも含めてですね、えーこれ妥当なのかということについて、「いや文化市民局です」みたいなことではなくてね、現局として正面から認識を示すという立場に立たれるのが当然だというふうにあの思います。そのことを強く指摘しておきたいと思います。
【プライバシー権の侵害という認識はあるか】
◆加藤委員/二点目です。えっと1月17日に、弁護士団体・自由法曹団京都支部のみなさんが、え、市長宛てに「若者の個人情報を自衛隊に提供することの撤回等を求める意見書」を、提出をされました。えーその中ではですね、「若者の氏名・住所・年齢が関連付けられればより利用しやすい情報となる」と、「個人情報が国家機関の勧誘活動に利用され私生活に立ち入られることは、プライバシー権や生活の平穏に対する侵害」だと厳しくあの指摘をされておられます。憲法13条の人格権の中に、プライバシー権が含まれているという認識をお持ちかどうか。それから今回の問題は、それに関わる問題だという認識はおありかどうか。いかがでしょうか。
(→米谷・情報化推進室長)あの憲法13条、えーに、規定されました、幸福追求権というものにつきましてはまあ当然に尊重されるものでございます。ま、プライバシーの権利が、えーそこに含まれるか否かにつきましては、まあ個人のプライバシーの権利の概念というのは抽象的でございまして、明文化もされておりません。ただまあそこに含まれるだろうというご意見もございます。具体的に権利につきましては、あのー法的にも、社会通念上にも必ずしも明確なものではございませんので、えー適切に判断をさせていただくと、いうものでございます。
◆加藤委員/あのー私ね、こないだの成人式の時にですね、新成人のみなさんとあのいろいろ対話をこの問題でもさせていただきました。で本当に率直にですね、えーこういうことを京都市が進めようとしているということを聞かれた新成人の方が、あの自分たちの個人情報、若いみなさんの個人情報ですね、本人の同意なく自衛隊に提供するということについては、多くの方が「おかしい」というふうにおっしゃいました。私ね、あの本当にそれが率直な思いですし、人権にかかわる問題だというのは、あのー若者たちの中でも常識になってるんじゃないかなあというふうにあの思います。これあのーあらためてですね、憲法13条の人格権に関わる、プライバシー権に関わる問題であってですね、こういう形で進めるということについては、重大だというふうに思います。
で、その上で、あのこの間ですね、えー「法令に定めがあるからできる」んだということを、あのくり返しご答弁の中でも言ってこられたと思うんです。で、その法令とはいったい何かといえば、自衛隊法97条、及び同施行令120条ということであります。あのえっと、あらためて言うまでもないかもしれませんけれども、「都道県知事及び市町村長は政令で定めるところにより、自衛官及び自衛官候補生の募集に関する事務の一部を行う」と、で、施行令では「防衛大臣は、募集に際して必要があると認めるときには、市長村長に対して必要な報告、または資料の提出を求めることができる」と、いうふうに、書かれていると。これが根拠だということなんですけれども、これについてはですね、あの別の、えー意見、見解もあると、いうことだと思うんです。あのーそもそもですね、この二つの規定については、自衛官の募集事務がスムーズに遂行されるための規定だと。なので、その募集に対する一般の反応とかですね、募集者数のだいたいの見通しとか、えー募集年齢層の概数、等に関する報告、統計等の資料の提出を求めるような中身なんだと。あくまでも地方の実情に、あの即した募集が円滑に行われているかどうかを判断するためというのが条文の目的じゃないかと。ですから、あの個人情報である個々具体的な、あの適齢者情報の提供を求めることはこれは許されないと。「違法の疑いがある」というこの指摘が識者から出されております。このことについてのご見解はいかがでしょうか。
(→米谷・情報化推進室長)はいあのー、自衛隊の募集に関する必要となるその資料でございますけれども、えー先ほど申しましたあの平成26年9月の、えー衆議院での、えー答弁書、えー質問主意書に対する答弁書でございますけれども、えー個人の氏名、生年月日等の情報に関する資料については、自衛隊法97条第1項及び自衛隊法施行令第120条の規定により、防衛大臣が市町村の長に対して提出を求めることができると解されると、さらにですね、その必要な資料を市町村の長が自衛隊地方協力本部に提出することは、これらの規定に基づいて遂行される適法な事務であると、いうふうな見解も示されておりますので、我々もそれを、えー参考として踏まえまして、えー判断さしていただいてるものでございます。
◆加藤委員/このあの施行令のですね、「必要な報告又は資料」というものが何を指すのか、この、いま京都市が進めようとしている、「宛名シールの提供」が「資料の提供」と言える根拠は何なんでしょうか。
(→米谷・情報化推進室長)えー先ほど申しましたように、個人の氏名、生年月日が含まれるのが資料でございます。その資料の提供にあたりましては、どのような手段をとるか、というのは、えー事業、事業所管課でございます文化市民局において検討されたものでございます。
◆加藤委員/あの別の見解も含めて、識者から指摘があるということを正面から受け止めるべきだというふうに思います。あの個人情報保護審議会で、委員の方々がどのようなこの議論をされたのかですね、判断するうえで、どういうこの法令についての議論が交わされたのか、あの早急に確認する必要があるというふうに思いますので、えーこれ推進をするということを決めたですね、審議会での摘録、あの急いで提出をいただきたいというふうに思います。
【市条例で規定されている「利用停止請求権」について】
◆加藤委員/最後にですね「利用停止請求権」について、あのうかがいます。ま、つまりあの個人情報を提供されようとしているご本人とかですね、保護者の方が、「自分の個人情報を提供してほしくない」と考えたときに、それを提供しないように求めると、それはもう普通に考えてそういう権利はあると思うんですけれども、そのことに関わっての認識を質しておきたいと思います。
2015年3月26日の参議院の外交防衛委員会で、井上さとし議員がですね、この問題取り上げておりまして、えー防衛省にですね、自分や子どもが、「ダイレクトメールを発送しないでと、申し入れがあった場合について、どういうふうに対応するのか」ということを聞いておりまして、その質問に対して中谷防衛大臣が、「意向を尊重して対応する」というふうに答弁をされているんです。あのこれを見てもね、先ほどあの国会の答弁、法令に関連してのあのご答弁ありましたけれども、国会、国レベルでもそういう判断をしておられるということですから、当然、個人情報について利用停止請求権はあると、今回の事例について。あるというふうにあの考えておりますけれども、もし事務が始められるような様相になればですね、えーそれぞれの市民に利用停止請求権があると、いう認識でよろしいんでしょうか。
(→米谷・情報化推進室長)はいえー、まず、ちょっと二つ論点がございます。一つ目がですね、えー条例の第30条に規定されました「個人情報の利用停止請求」、を求められた場合につきまして、あの利用停止請求というのは条例に違反して個人情報を目的外に利用した場合を想定した救済措置制度でございます。え、今回の自衛官募集に係る係ります適齢者情報の提供といいますのは、条例第8条第1項の「法令に定めがあるとき」っていうのを根拠に行っておりますので該当致しません。であのー、ま、停止されても、あのー、これは、えー、「条例に違反して提供したものではございません」ということは丁寧に説明していきたいと、いうふうに考えております。
あともう一つあのー、先ほどご紹介いただきましたあのー国会の議論の話でございますけれども、えー防衛、当時の防衛大臣の答弁でございますが、正確に申しますと、「防衛省に対して募集に係るダイレクトメールを送付しないでもらいたい等の申し出があった場合には、その意向を尊重して対応致します」と、いう答弁でございます。あのーダイレクトメール、私はいらないよということがございましたら、防衛省のほうにお申し出いただくものと、いうふうに考えております。
◆加藤委員/ダイレクトメールがね、発送された後に申し出てもそれは間に合ってないですよね。で、その私はね、防衛省に直接言ってもらったらいいかどうかということを議論しているのではなくって、ご本人がいやだという意向があればですよ、それを踏まえて対応するというふうに国が言ってるわけですよ。だったら京都市もそのような対応を京都市もすべきじゃないですか。
(→米谷・情報化推進室長)あのー堂々巡りのようになって申し訳ないんですけど、あの国の対応するというのはダイレクトメールを発送するのを控えるという意味でございまして、あのまあダイレクトメールがご不要でございましたら、郵便物の送付主体でございます自衛隊のほうに申し出ていただくものというふうに認識しております。
◆加藤委員/あの京都市の個人情報保護条例の第1条に目的が書いてあります。「この条例は、基本的人権を擁護するうえで、個人情報の保護が重要であることに鑑みて制定する」んだと。本市がですね、所有する個人情報の開示、訂正、利用の停止、消去、及び提供の停止を請求する権利を保障することにより、個人の権利利益の保護及び市政の公正かつ適正な運営に資することを目的とする」と。これあの条例の目的にそう書いてあります。権利なんだと。あの提供の停止を請求する権利があるんだってことをうたってるわけですよね。で、先ほど議論させていただいた通り、「法令に定めがある」かどうかについてはね、あの様々意見があると、議論があると。違う議論もあるわけでしょ。入口で請求権がないなんていうことは通らない話だと思いますけど。いかがですか。
(→米谷・情報化推進室長)あの「請求権がない」とは申しておりません。あの請求していただくのは、まああの、ご自由でございますけれども、本来的にあの国会の答弁引かれましたけれども、えー国会での議論におきましては、えー送付主体であるところに申し出ていただいて、申し出ていただくと、いうものでございます。
◆加藤委員/あの確認ですけれども、「個人情報の利用停止請求権」はあると、いうご認識ですね。
(→米谷・情報化推進室長)はいあの、その請求があのー適法かどうかというか、ちゃんと、えー、30条に合致しているかどうかっていうのは、まあ判断さしていただきますけれども、あの出されても、おそらく、これは8条に則った事務でございますので、え、適法であると、いう結論が出るかと思います。
◆加藤委員/もういっぺん聞きますけど、「個人情報の利用停止請求権はある」と、今回の場合ですね。そういう認識でいいんですね。
(→米谷・情報化推進室長)請求していただくことは、やっていただいて構わないと思います。
◆加藤委員/やるかどうかを聞いてるんではなくてですね、そういう権利があると、この条例に定められてると、いう認識でよろしいですね。
(→米谷・情報化推進室長)あの権利かどうかってのを含めまして、30条が全てでございます。
◆加藤委員/あのー「個人情報の利用停止請求権が発生しない」かのような説明を、委員会でも、またいろんな市民団体のみなさんとの対応でもしておられるというふうに聞いています。私はこの条例を素直に読んだ時にですね、請求する権利がないとは読めないんです。前提に関わる議論ですよね。そのことをお答えにならないというのは大問題だと思うんですけれども、重ねて聞きますけれどもご答弁いただけますか。
(→米谷・情報化推進室長)はい、条例30条におきましては、個人情報の利用停止請求をできると、いうふうに書いてございます。ただその利用停止請求の内容につきましては、条例に違反して個人情報を目的外に利用した場合を想定しているものでございます。中身を見させていただいて判断さしていただきます。
◆加藤委員/あのね、私が聞いてんのは、「利用を停止する権利」を聞いてるんじゃないんですよ。「利用を停止することを請求する権利」、もちろんありますよね。条例に書いてあるんですから。で、そっから先の判断、法令上どうなのかっていうことについては、様々意見が分かれてると、私どもはこれは法令に則ってやられているものだとは思っていないと。そういう識者の方もいらっしゃるってことを指摘しているわけでありまして、その前提についてはご答弁いただかないと、終われないですわ。
(→米谷・情報化推進室長)あの、利用停止請求ができると、いうふうに解しております。
◆加藤委員/あらためてあの確認をしておきたいと思います。ご本人やご家族が「個人情報の利用停止してほしい」というふうに思われた場合にですね、その利用停止の請求をすることはもちろんできると。権利だと。で、そのためにこの個人情報保護条例があるわけでありますから、その入口からまあ「できない」かのような説明は、あの今後やめていただきたいというふうに思います。
で、その上でですね、あらためてこの問題については、先ほども少し述べましたけれども、市民のみなさんのところでも大きな不安が広がっております。明らかに京都市の対応は、他の自治体と比べても突出した対応でありますし、その中身には重大な疑義があると、いうふうに思いますので、自衛隊に宛名シールを提供するという方針については撤回をしていただきたいと思います。終わります。
(→米谷・情報化推進室長)あのー先生おっしゃったご意見でございますけれども、えーひとつだけ誤った点が、えー先生あのご認識でございます。あのー本人やご家族の停止請求でございますが、本人の停止請求は認められておりますが、ご家族の停止請求は認められておりません。
◇河合委員長/ただいま加藤委員から要求のありました「個人情報保護審議会の摘録」について、理事者提出できますか。
(→米谷・情報化推進室長)はい、えー、次回のえー、個人情報保護審議会で、えー、委員の先生が、えーご意見を出されて確定致しますので、その後なら、提出できます。
2019年1月21日【総務消防委】総合企画局/一般質問「自衛隊への宛名シール提供について」
(更新日:2019年01月21日)