「西陣地域の活性化ビジョン」は、何よりも職人の声と地元の声を反映すべき(2018年10月18日/総務消防委・総合企画局・やまね)

◆やまね/私からはですね、地元のくらた共子議員からお話うかがっておりまして、いくつかの問題についてお聞きしたいと思います。で、えーいま、やり取り(自民・中村議員の質疑)の中で、えー結局そのー「どこを重点的に考えているのか」と、いう質問に対してですね、「あえて申し上げるなら職住一体」、そういうところで「働く場を生み出していきたい」と、で、その中では「新たな産業」「新たなプレーヤー」と、まあこういうお話あったわけですけれども、あのーそこで私からもあらためてお聞きしたいんですが、この「西陣地域の活性化」という時に、ま、何をもって、えー、どうなったら、「活性化」ということになるのか。この点についてのご認識まずうかがいたいと思います。

(→平井・プロジェクト推進室事業推進担当部長)はいあのー、どうなったら活性化と、いうようなご質問でございます。これ非常に難しい、えー、テーマだと私は思っております。あの、えっと、いろんなところにその大きなハコモノができて、たくさんの人が集まるような集客施設ができてドカーンと人が来るっていうような、そんなものが、あー活性化とか賑わいとかいうようなことではないと、西陣においては絶対に違うというふうに考えてございます。先ほど来ご説明させていただいておりますように、あーこの地域につきましては、様々な、あー多彩な、魅力があります。で、そういった魅力がですね、それぞれその地域のこの魅力、この特色を生かして、そのうえでですね、産業や商業の振興とか、景観とか町並みの保全とか創出、それから生活文化の継承、えーなどなど、この地域の資源、魅力、そういったものが最大限に発揮されることです。その最大限発揮されたうえで、それに伴う賑わい創出されている状態、そういうふうになることが私は活性化ではないかなと、いうふうに考えてございます。

◆やまね/あのー、まあ西陣の地域においては、まあ何か大きなハコモノがドンとできて、そこに人がバーッと来るような、ま、そういうものではないんだと、いうことを一つおっしゃられて、まあただ、何をもって活性化というのは非常に難しいということも今言われたわけなんですが、あのー先ほどもですね、あのお話があったように、あのーやっぱり西陣地域の活性化ということで言うと、「西陣織産業の活性化」というのがですね、やっぱり必要不可欠ではないかと。で、これ抜きにして、えー観光産業、伝統産業の発展もやっぱりあり得ないと、いうふうに思うんです。で、ちょっとその点で私は気になったのがですね、資料の2の11ページの下のところにですね、えー「地域を支える産業の不在」という丸があって、で、その下にですね、「西陣織産業に代わり、地域を支える産業が生まれていない」と。こういう書き方になってると。で、あの西陣織産業の、例えば「他に」とかですね、西陣織産業に「並び立つような」と、いうようなことではなくて、「代わり」にと、いう表現になっているのがなぜかと、いうことをちょっとお聞きしたいと。でー要は西陣織産業というのは「別の産業に取って代わられるような存在」なのかですね、いやそれとも京都市は、「西陣織産業というのは絶対守っていかなければいけない」、そういう産業として考えておられるのか、ちょっとその認識をうかがいたいと思うんですが。

(→平井・プロジェクト推進室事業推進担当部長)はい、えっと、西陣織産業についてでございます。西陣織の産業につきましては、いまお話しいただきましたように、あのー低迷している状況ではございますけれども、えー「ポテンシャル」のほうに私どもあのあげております。これまでの長い歴史の中で職住一致、近接のまちを形成して、地域の経済を支え続けてきた重要な産業、こういうふうにあのもちろんとらえてございます。で、今後も活性化には欠かせないものと、いうふうにも考えてございます。ですのであのこの活性化の検討委員会の中には、西陣織関係者の方にも2名、えー参加していただいておりますし、西陣織の工業組合ともずいぶんあの膝もつめて話もしてきたところでございます。ただあの、え、いまちょっとですね、「西陣産業に代わり」というその表現のところあの強くあのお話いただきましたけれども、あのかつて本当にこのまちが西陣織、本当に強い強いあの西陣織の産業であったと、いうたところで、もちろんあの思いとしては「それに加えて別の産業が出てきてほしい」という思いでございますけれども、あの、あの大きなその西陣織に取って代わるくらいのですね、「新たなムーブメントが起きたらいい」という思いを込めてですね、この「代わり」というものを文章をつくってございます。だから、「西陣織がもうあかんよ」と、「次全然別のもの出てきてほしいよ」と、そういう意味ではなくて、これは「加えまして」という意味ですけれども、思いを込めて「代わり」という表現、使わせていただいております。以上でございます。

◆やまね/ま、そうすると、これは「西陣織産業に加えて」と、ま、そういう意味であるということですよね。で、伝統産業としてはしっかり、やはり残っていただかなければいけないということであると、あのーわかりました。で、そうするとですね、このーやはり、その、ま、しかしその中でまあ「いま低迷している」んだというお話もあったわけですが、その課題解決の進捗とですね、えー合わせた議論がやはり不可欠だと思うんですが、このやはりビジョンの中では、んー、やっぱりその、どうもこの現象面のみの話になってはいないかと、うー、いうことが、あのーちょっと感想として、えーあるというかですね、ま、西陣織の産地が置かれている厳しい現状への危機感と少し、んー、乖離しているのではないかなと、いうようなことをちょっと感じます。

で、あのいま検討委員会にですね、西陣織関係者の方にも入っていただいていると、いうようなお話あったんですが、で、確かにですね、経営者の方に入っていただいているわけですけれども、あの私はそれに加えてですね、その、ものづくりの現場で働いておられるみなさん、職人のみなさん、こういった方々の声がやはり重要ではないかと、いうふうに思うんです。で、あの地元ではですね、これくらた議員からも紹介をされたんですが声ですけれども、例えば、賃機(ちんばた)、出機(でばた)、こういう方々が頼りにされている「機料店」「機料品店」、えーこういうところの存続がですね、ほんとに危ぶまれていると。要は、機(はた)の修理、あるいは部品を扱っているような、こういう方々ですけれども、ここがあの存続していけるのかどうか、これが本当に危機感をですね、強く持っておられるということなんですけれども。こういうリアルな実態についての議論が、あー検討委員会でもしっかりとされてるのかどうかですね、それをちょっと教えていただきたいということと、それから資料2の11ページの同じ11ページのところですけれども、えー、ま、「自宅で製造業に従業する者の割合」とか、「出荷額」「企業数」「従業者数」、それから「卸売事業所数」「小売事業所数」の、ま、減少しているというような傾向が書かれてあるわけですけれども、あのー要は「つくり手」や、そういう「修理をされる方々」、あーそういうところがですね、実際にどれだけおられるのか、そういうところをですね、数字としてもう少しこのビジョンの中でも明らかに示すべきではないかと思うわけですけれども、えーそうしてこそ必要なですね、方向性というか施策が、もっとより見えてくるんではないかなと思ったんですが、その2点お聞きしたいと思います。

(→平井・プロジェクト推進室事業推進担当部長)はい、えーっと2点お話いただきました。1点目はあの西陣織の、えー組合など産業の方々が抱えている危機感をどうきちっと共有できているかと、いうようなことでございます。あのー、えっと、検討委員会に参加いただいている委員っていうのは経営者でございますけれども、あの、自分とこの会社に、あの職人も抱えておられる方で、職人の声も聞いたうえて、あの検討委員会に参加していただいておりますし、で、あの検討委員会とは別にいろんな方のヒアリングしてる中で、職人さんとも実際私あのお話、話ずいぶんさせていただいております。そういった中で声は今まで聞いてきたつもりでございます。

で、そのうえであの、えっといま、このビジョンの中のあのえっと先ほど資料2をお話しいただきました21ページのところにも「西陣織をはじめとした伝統産業の振興」といったところで、ここでもずいぶん掲げさせていただいております。特にその、一番下のところにある「西陣織を西陣で生産し続けられる体制づくり」という、ここはもう非常に重要なところだと思いますし、これにつきましては西陣織の工業組合ともずいぶん話させていただいております。こういうふうな文言でここに書いていこうよというような話もしてございます。で、そのうえで一番最後の行のところですけれども、「西陣織の技術を生かした製品開発等の新たな展開を推進する」、これカギやと思うんです。先ほどあの中村委員(自民)からのご説明にもありましたように、帯をつくっている方がですね、新、新しい素材でチャレンジをされていると、そういったことというのはいまどんどんどんどんされているところでございます。そういった中で先ほど賃機・出機の方、のところにもですね、仕事が回っていく可能性もございますし、あの新たなチャレンジをすることによって、西陣織の産業が、あの新たな展開を迎えて、盛り返していくことができるようなことにならへんかなと、ならないかなと、いうふうなところで、ずいぶん議論していまここにあの記載さしていただいていると、いうふうなところでございます。

であの、そういうあの、えー苦しいその職人さんたちの、ことも数字で、えーどっかにこう記載したほうがどうかという2点目のご質問につきましては、あのえっと、本当にたくさんの資料を今回のアンケートとかも取ってございますので、それは私どもホームページのほうには、載せさせていただいております。で、今回、この西陣織のことにつきましては、あのこういうふうにページあの、ここのページ、えーあの記載しておりまして、課題のところも書かさしてもらってます。その代表的なもののこの数字入れさしていただいておりますので、一定この辺の読んでいただく中でですね、あのー西陣織の状況というのはご理解いただけるかなって、ご理解いただけるのではないかなあというふうに考えてるところでございます。以上です。

◆やまね/あのーそしたら、その職人さんの、そういう方々とも実際にお会いして、お話も聞かれていると、いうことですので、またですね、その中身については、あのー個別でも結構ですので、また教えていただけたらと思います。それでいま、お話があったようにですね、まあ製品開発なんかがカギではないかと、いうこともおっしゃられまして、で、私もそれは一つのカギだと思うんですね。で、ここで言われているような「販路開拓的な取組」ですとか、それから「起業の推進」ということとか、「事業者の呼び込み」「魅力発信」、でまあいま言われた「製品開発」なんかもですね、非常に大事なカギになってくると思うんですが、で、ただあのー、私大事だと思ったのは、先ほどもおっしゃられたんですけれども、「西陣織を西陣で生産し続けられる体制づくり」と、ここがですね、まず何よりも、あのー大事ではないかと。でーやっぱりこれまで伝統をつないで来られたみなさん、にーですね、まずは事業を続けていただかなければですね、途絶えてしまったらそこで消えてしまうわけですから、それをやっぱり継承していく、そして後継者を育成していく、ここが、やっぱり何よりも重きが置かれなければいけないのではないかと、いうふうに思います。で、そのためにはですね、私あの産業観光局との連携なんかも不可欠だというふうに考えますが、このビジョン作成にあたっては、産業観光局は、まあどう関わっておられるのか、例えば事務局なんかに入っておられるのかどうか、その点はいかがでしょうか。

(→平井・プロジェクト推進室事業推進担当部長)はい、えっと産業観光局との連携ということでございます。えっと私どもいまえーっと、西陣の、西陣の関係の庁内の検討会議、設けてございます。そちらのあの検討会議の中には産業観光局入っていただいております。あの伝統産業のチャンネルと中小企業のチャンネル、それから観光のチャンネル、新たな産業のチャンネル、そういったことをお話しできる方に、産業観光局からは出ていただきまして、情報共有して、意見交換しっかりしてるところでございます。

◆やまね/えー産業観光局ともそういう形でそしたら連携は取っていると、いうことでありました。そしたらあのー引き続きやはりね、産業、伝統産業に関わるところですので、あの連携はしっかり図っていただきたいと思うんです。

で、もう一つですね、えー、元小学校など公有地の活用の話なんですけども、3つの元小学校の名前が出ているわけですが、でーあの資料の中にはですね、「地域の意向等にも配慮しながら」というふうにあるように、えーあのこれは非常に大事だと思うんです。で、地元合意がやっぱり得られない活用は認められないと思いますし、何よりも地元のご意向というのが、あの大前提になると、考えるんですけれども、その点はいかがでしょうか。

(→平井・プロジェクト推進室事業推進担当部長)はい、えっと西陣の活性化に向けての西陣の空間資源を有効に活用していきたいと、いう思いの中で、えー学校跡地を例にですね、えーここに掲げさしていただいておりますけれども、学校跡地についてはもちろん、その学校教育活動とか地域コミュニティ活動に配慮をしながらですね、本市の活性化とか地域振興に資するような有効活用を図ることが重要と、いうふうに考えてございます。えーですので、えー、早い段階から、あーいろいろこう提案を受けました時に、事業者とのあの調整を行いまして、地域の意向をお聞きすると、いうようなことはもちろん考えていかなければならないという、ルール上もそうなってございます。で、えーっと、跡地活用の計画に地域の皆様のご意向を的確に反映させるようにしなければならない、それはもちろんさしていただきます。で、またあの、事業者の選定する委員会につきましても地元の代表の方にも参画していただきますし、そういうあの学校跡地の活用のルールにのっとりまして、各段階において、えー地元の意向をしっかり確認しながら、進めてまいりたいと、いうふうに考えてございます。

◆やまね/あのー、ま、もちろん地元の意向はあの非常に重要だということなんですが、あのーこのビジョンの案をですね、読むと全体的にですね、ま、「西陣の良さを守る」と、「守りたい」と、いうことはですね、あの伝わってくるんですが、ただその、活性化のじゃあ「土台」ってのが何かと、いえばですね、えー「空間資源の有効活用」と、で、「新たな担い手の創出」ということも書かれてあって、で、まああの冒頭にですね、お聞きした中で、えーその、まあ「この西陣にはハコモノをつくって何かドーンと人が来るようなそういうものではないんだ」と、いうようなお話あったわけですけれども、ただその一番気になるのはですね、あのやっぱりそういう話になってしまわないかどうかと、いうのはちょっと心配をしておりまして、あのーやっぱり西陣の良さが失われるようなことになってはならないと。で、この間、あの学校の跡地活用ということで京都市がされてきたのは、えー元清水小、あるいは元立誠小もそうですけれども、東京資本がやってきてですね、まあホテルができると、地域のみなさんが使っていた場所が、あーそういう形で変わってしまうということが起こってまいりましたので、その点は心配をしているということであります。

で、あのー地元のくらた議員によればですね、これまで地元からは、「学童保育所や地域体育館などの設置」を求める声や、えー「西陣織の工程を体験できる工房」の提案などがあったというようなお話もうかがっております。で、同時に今も、元小学校というのは地域コミュニティの核としての重要な役割を担っていると、いうことで、えー跡地活用という時に、えー地元の意向に反していたり、地元の議論がまとまらないような段階で、京都市がですね、上から強引に方向性を決めるようなことがあってはならないと、思います。で、あらためてですね、確認をしておきたいんですが、この元小学校の跡地活用については、住民の主体的な意思決定を尊重するということがあの大事だと思うんですが、えー先ほども少し言っていただいたとは思うんですが、この地元の声は、どのように反映していくような、仕組みになっているのか。いかがでしょうか。

(→平井・プロジェクト推進室事業推進担当部長)はい、えっと、活性化を進める上で、この活性化ビジョンの方向性にはいろんな分野のことが書かれております。で、一つの形じゃなくてその三つの小学校の場所、場所それぞれの場所においても、求められるものが違うでしょうし、えー対策取っていくこと全てが変わってくるかと思います。で、その中で、えーここのエリアにはこういったものがいいのではないのかなと、いうようなことでですね、広い視点に立ってたくさんの方の意見を聞きながら、あの進めていきたいと思っております。で、そのうえでですね、地域の声については、いろんなその提案をいただく業者さん、事業者、事業者が、これから出てきた時に、早い段階からですね、この事業者の提案概要をお知らせして、地域の意向を聞くっていう場を設けてまいりますし、それを事業者に周知していくと、いうようなことももちろんルールとしてもございます。で、えー、そこの段階で、あの地域の声をしっかり届けると。ただ、その地域の声と、その活性化の方向性と合うか、というようなことについてもずいぶんいろんな各方面、えーいろんなことで検討していかなければならないかなと、いうふうに考えてございます。あとはその地元の代表者に入っていただくとか様々な場面でですね、えー声を聞くような準備はしてございます。

◆やまね/まあもう最後にしますけれども、あのーいま、結局ですね、こういう跡地活用の問題については、「事業者が出てきた時に、できるだけ早い段階で地域にもお伝えをして」ということなんですよね。ですから、あのーまあいろいろそういう何かですね、検討会議というか、立ち上がる際にはもちろん地域の方々も入っていただくとは思うんですが、ただその、民間のまあ提案を受けてそういう場をつくって、えーということになりますと、事業者からの提案があってやるということになるとですね、やはりはじめから一定は方向性が決まっている、そういう段階で住民の方々に入っていただくということになるんではないかと、いうふうに思うんですね。だからその点ではやっぱり地元の皆さんが地元のことを本当に決められるというような仕組みづくりが、非常に大事ではないかと思いますので、あの今後の、ビジョンの議論の中でもぜひその点を十分に考えていただきたいと思います。

で、合わせて、えーあの西陣、まあこの上京の問題で、この間起きてきたのはですね、えーまあ、歴史的な景観を醸し出している路地の暮らしを脅かすようなですね、民泊・簡易宿所の問題もありますし、それから大宮消防出張所の廃止問題もあるし、京都こども文化会館の存続が危ぶまれている、ま、こういった問題もありますので、ま、こういう点もですね、しっかり地域の声、聞いて受け止めて、やっていただきたいと思います。終わります。以上です。

2018年10月18日【総務消防委】総合企画局/理事者報告「西陣を中心とした地域活性化ビジョン(案)」に関する市民意見募集について

(更新日:2018年10月18日)