奨学金返済の負担は深刻!京都市は学生の声をつかむべき(2018年6月4日/総務消防委・総合企画局・やまね)

◆やまね/よろしくお願い致します。あらためて奨学金の問題についてお聞きします。あのー京都市の人口の約1割、えー15万人近くが大学生ということで、こんなまちはですね全国にないと。この人口の割合で言えば東京よりも高い数字だというふうに思います。で、その、人口の約1割にのぼる人たち、多くの学生さんにですね、自治体として独自の支援策がないというのがなかなか、これが重要な課題、問題ではないかということで、私はあらためて、学生のまち京都市としてですね、市独自に学生のみなさんにどんな支援ができるか、ぜひとも考えていただきたいと、いうふうに思っています。であの、5月議会の本会議質問で、えー教育基本法のですね、「教育の機会均等」について定めた箇所、第4条第3項に「国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学が困難な者に対して、奨学の措置を講じなければならない」とあると。いうことで、教育基本法では、この地方公共団体にも奨学の措置を求めているのではないかということで、えーその認識をお聞きしましたけれども、えー明確な答弁はなかったように思いますので、あらためてその辺りのご認識をうかがいたいと思います。いかがでしょうか。

(→塩野谷・大学政策部長)えーお答え致します。えーご指摘の通り、教育基本法第4条第3項におきましては、えー「国及び地方公共団体は」「奨学の措置を講じなければならない」というふうに規定されておりますけれども、えー同時に、えー同法第16条第1項におきまして「教育行政は国と地方公共団体の適切な役割分担、及び相互協力のもと、公正かつ適正に行わなければならない」と規定されるとともに、えー同条第2項におきまして「国は全国的な教育の機会均等と教育水準の維持向上を図るため、教育に関する施策を総合的に策定し実施しなければならない」とされております。えーこのことからもですね、えー京都市と致しましても、あのー全国で統一的に充実が図られるべき高等教育にかかる、えー奨学金制度につきましては、ま、公平性の観点等の問題もありますので、国において実施していただくと、いうことが重要であると考えておりまして、ま、当該施策の充実をですね、えー要望していくことが、あー必要であると、いうふうに考えてございます。

やまね/あのまずちょっと確認したいんですが、まず4条の問題です。で、「ご指摘の通りそこに書いてある」ということはお認めになると。で、その場合ですね、あのここで言う「奨学の措置」というのは私は当然、4条ですね、教育基本法の4条にある「奨学の措置」とは、当然「財政負担」のことを指すのではないかと思うんですが、その京都市の考えではですね、あの、「法に書いてあるのはそのとおり。できればやりたい」という思いでおられるのか、それとも「法には書いてあるけれども、自治体がやることではない」と、いうふうに考えておられるのか。その点いかがでしょうか。

(→塩野谷・大学政策部長)えーお答え致します。えー、あの第4条第3項におきまして「奨学の措置」というふうに規定してございますけれども、えー、ま、教育基本法その他、えー教育関係の法令、各種制度、各事業、えー、その、えー、におきまして、適切に、国と、及び地方公共団体において役割分担をはたしていくと、いうことであると思っております。そういったこともありまして、えー京都市と致しましては、えー京都市の現状を踏まえますと、京都で学ぶ学生というのは全国から来ていただいておりますし、えー京都の高校生は全国に進学していると、いう状況もございますので、公平性の観点から、えーここは国において統一的に充実が図られるべきであると、いうふうに考えております。

◆やまね/あのー、ま、「役割分担」ということをおっしゃるわけですが、あのその、そこでね、16条のところなんですけれども、そのー16条の3項で、地方公共団体について書かれてあるんですが、そこではですね、「その地域における教育の振興を図るため、その実情に応じた教育に関する施策を策定し、実施しなければならない」とあると。で、その後の4項ではですね、「国及び地方公共団体は、教育が円滑かつ継続的に実施されるよう、必要な財政上の措置を講じなければならない」というふうにありますから、私はこの教育基本法のこの教育行政の部分ですね、「実情に応じた施策」ということと「財政上の措置」ということで言えばですね、この法の趣旨から言えばむしろ積極的に、京都市においてもですね、独自の給付制奨学金など、されてしかるべきではないかと、あらためてこの点は指摘をしておきたいと思います。

で、そのうえでですね、あの私はまず、京都市としてやっぱり「調査」をすべきだと、いうふうに思うんです。あのー、これ実際にあの、総合企画局のほうが行われた調査があります。2015年3月に「大学生に対する奨学金の受給実態について」ということで、えー行われてると。これによりますと、市内の大学に通う学生のうち、当時の時点で、「奨学金を受けている学生は6万5125名」と。これ「学生数の40%」ということでありました。そのうち、給付型でない、「返済しなければいけない奨学金を利用しているのが6万201名」という結果だったと思います。で、これはですね、私は、あのー総合企画局がされたこの調査はですね、市内の大学に通う学生さんの状況を把握するうえで大変重要な調査をされたと思っています。あらためてこれ確認したいんですけれども、この調査はですね、どのような手法で行われたものなのか。それからもう一つは、それ以降は調査はされていないのか。この二点いかがでしょうか。

(→塩野谷・大学政策部長)えーお答え致します。えーご指摘いただきました平成25年度の調査におきましては、えー京都市内の各大学・短期大学におきまして、アンケート調査を実施し、それによって回答を得たものと、いうことでございます。で、えー、その後でございますけれども、あのー、現、えーその後でございますけれども、えー現在、独立行政法人日本学生支援機構より、えー京都府下のデータを提供していただいていると、いうことでございますので、引き続きそれによって状況を把握していきたいと、いうふうに考えてございます。

◆やまね/すいません、えーとこの「大学にアンケートを行った」というのは、えっと、郵送かなんかでやられたのか、電話であるとか、あるいは訪問、どういう手法で行われたか、ちょっとあらためてもう一度、えー説明いただけますでしょうか。

(→塩野谷・大学政策部長)えー平成25年度の調査につきましては、あ、あのー、え、各大学にアンケート用紙を、ま、メール等でお送りしてご回答いただいていると、いうことでございます。

◆やまね/各大学に、えーアンケート用紙をメールで郵送してると、あー送っていると、いうことでありました。えーということでですね、あのま、それ以降は学生支援機構の府下のデータをいただいているということなんですけれども、あのーただですね、以前のこれ本会議の副市長答弁でもありましたように、「奨学金返済の負担感が大きい」ということは、この間ずっと京都市もお認めになってきました。ですので、京都市内の大学に通う学生のうち、どれだけの学生さんが奨学金を利用しているか、また、負担感の大きい奨学金返済ですね、どれだけの学生さんが将来お金を返済しなければいけないことになるのかというのは、京都市にとっても非常に重要な数字であると、いうふうに思うんですが、あのーま、府下のデータをもらってるということなんですが、なぜ京都市独自で調査をされないんでしょうか。

(→塩野谷・大学政策部長)えー現時点におきまして、独立行政法人日本学生支援機構より京都府下のデータを提供いただいているというところでございます。それはあの、全体、国全体の調査、ま、独立行政法人ですけれども、国全体の調査が行われているというところでございまして、ま、大学に、ま、二重に調査をするということは大学にとっても負担感もございますので、そういった意味では、えー日本学生支援機構からきちっとデータをいただいて、それによって状況を把握すると、いうことでございます。

◆やまね/あのー、ま、「大学の負担」ってことをおっしゃいましたけれども、これはやはり学生にとってはですね、ものすごい負担になっているわけですから、うーちょっとそれはね、いまのご答弁はどうかなと思います。で、「学生支援機構からデータをもらっている」ということですけれども、それは京都府全体のものであってですね、京都市に限定した数字というのはわからないのではないかと思うんですけど、いかがでしょうか。

(→塩野谷・大学政策部長)えー京都府下のデータをいただいておりますので、京都市のみというデータはご提供いただいておりません。

◆やまね/ですので、やっぱりあの大学との連携はですね、引き続き強めていただきたいと思いますし、ま、学生支援機構からですね、府内のデータはもらったらいいと思いますけれども、やっぱり全国で一番学生人口の高い、割合の高い都市としてですね、毎年きちんと京都市自身が、市内の大学や学生の状況、生の声をつかんでいただいて、それを明らかにしていただくと、いうことが必要ではないかというふうに思います。しかも、この2015年3月の調査はですね、先ほど、ま、「アンケートをメールで送った」ということですので、あのま大学の負担ということをおっしゃいますけれども、ものすごく大規模なですね、経費をかけて行ったようなものとは思えませんし、ぜひ毎年継続して行ってですね、京都市の大学に通う学生さんがどうなっているのか、その推移をつかんでこそですね、京都市の学生全体の状況が改善しているのか悪化しているのか、わかると思いますし、国への要望の際にもですね、より説得力が増すのではないかと思いますので、ぜひ、継続したそういう調査をやっていただきたいと、これは求めておきたいと思います。

で、もう一点だけ。あのー共産党議員団から要求した、あのー「各政令市における大学政策及び大学生向け奨学金事業の実施部署について」という資料をいただきました。これはですね、えーこういう1枚のペーパーにまとめていただいたわけですけれども、これは、各政令市で大学政策や奨学金をどの部署が所管しているかという一覧であります。これを見ますと、あのー大学政策については、まちづくり政策局、都市戦略本部、総合政策局、市民文化局など、それぞれの都市で様々な部局が所管しているなあということがよくわかりました。一方、「大学生向け奨学金」ということについて言えばですね、ここに記載されているのは、札幌市、さいたま市、川崎市、新潟市、静岡市、浜松市、神戸市、岡山市、北九州市、熊本市についての記載があるわけですけれども、これはそれぞれどの部署が所管しているか、お答えいただけますでしょうか。

(→塩野谷・大学政策部長)えー先般あの提出させていただきました資料では、えー大学生向け奨学金事業の実施部署におきまして、えー、えー、では、教育委員会が、9市では教育委員会のほうで事業を実施されていると承知しております。

◆やまね/あのーま、いま言っていただいた通りですね、あのーこれ見ますと、岡山市はですね「岡山っ子育成局こども福祉課」と、いうとこで、まあ京都市でいえば、おそらく「はぐくみ局」のようなところにあたるのではないかと思いますが、それ以外の都市はいまお答えいただいたように、全て「教育委員会」だと、いうことであります。でー考えてみれば私はこれ当然のことだというふうに思います。あの「教育の機会均等」という視点で見れば、それを考える部局はやっぱり当然、教育委員会となるのではないかと、いうことで、で、そこでお聞きしたいんですけども、京都市においてはなぜ大学生の奨学金を総合企画局が所管をされているんでしょうか。

(→塩野谷・大学政策部長)えーお答え致します。大学政策、え、まあ、えー大学との連携や、えー大学・学生を生かしたまちづくりを意味しておりますけれども、大学政策を、えー京都市と致しましては、大学のまち京都、学生のまち京都の推進として、最重要政策の一つとして位置付けておりまして、まああらゆる施策との融合を図る観点から、ま、大学、広くは学生にかかることも含めまして、えー総合企画局で所管し、強力に推進しているところでございます。

◆やまね/ま、大学生、学生のまち京都と、最重要課題とと、いうことでおっしゃられたんですけれども、で、強力に推進してるってこともおっしゃられるんですけど、しかしじゃあ何やってるかって言えばですね、「国に強く要望してる」と、これがまあ中心なわけでね、あのー私それでほんとに十分なのかなあということを思います。あの5月議会の補正予算で可決された「修学困難な生徒に対する奨学費の給付」の制度、「子どもの貧困問題」「就学援助」などは子ども若者はぐくみ局の所管になりますし、その他に高校生までの施策はですね、教育委員会になるものも多いと思うんですが、で、私は、この「大学生向けの奨学金」というのは、「子どもの貧困」「教育の機会均等」といったものと別のところにあるものではないと。18歳になったらですね、貧困問題がじゃあ解決するのかと。いうことではないと思いますし、奨学金を利用する学生も、利用していない学生も、多くの学生にとっていま高い学費とこの奨学金問題が負担になっているということで、本来なら、この大学生の奨学金についてもですね、「子どもの貧困」の問題や、「教育の機会均等」という観点からの議論が行われるべきではないかと、思うんですけれども、その点のご認識はいかがでしょう。

(→塩野谷・大学政策部長)まああの、一般論と致しまして、当然あの、福祉施策と教育施策との連携、えーまあ初等中等教育段階と高等教育段階の、えー接続、連携について、えーしっかりやっていくことは重要であるというふうには考えております。

◆やまね/いまおっしゃられたようにですね、やっぱりそういう福祉・教育の施策、連携してですね、議論するっていうのは非常に大事だと思いますので、ぜひあのそういう観点で、えー今後議論をしていただきたいということを求めて、終わりたいと思います。以上です。

2018年6月4日【総務消防委】総合企画局/一般質問「大学生向けの奨学金について」

(更新日:2018年06月04日)