京都市はなぜできることをやらない?京都府は「学校や保育所周辺100m」で民泊規制へ(2017年12月4日/まちづくり委・都市計画局・やまね)

◆やまね/私からも民泊についてお聞きしますが、えーまずですね、あのー国交省のホームページを見ますと、「市町村マスタープランは、住民に最も近い立場にある市町村が、その創意工夫のもとに住民の意見を反映し、まちづくりの具体性ある将来ビジョンを確立し、地区別のあるべき『まち』の姿を定めるものです」と、いうふうにあるんですが、で、ちょっと大変初歩的な質問で恐縮なんですが、そもそもこの都市計画の「用途地域」を定めるのはですね、国かそれとも地方自治体なのか。それで、これもですね、永久不変のものというよりも、えー場合によっては「用途地域の見直し」ということもあると思うんですが、それはどのようにされていくのか、まずちょっと、あのご説明をいただきたいと思います。

(→谷口・都市景観部土木担当部長)はい、えー、先生あの、えーとご質問のようにあの都市計画の中でもいくつかあの決定権限が分かれてる部分がございまして、えーと先生ご質問のあの用途地域につきましては、あの京都市決定、えー地方自治体の決定事項となっておるという状況でございます。えーそれと仮にあの変更する場合の手続きでございますがあの、えーこれ通常の都市計画手続きの中で、えっと一定あの市民意見を反映させるいうことで、あの地元説明会なり、あるいは案を縦覧したり、ていうふうな、えーことを踏まえたうえで、えー都市計画審議会のほうに諮問さしていただいてご了解を得て変更していく、このような手続きになってございます。以上でございます。

◆やまね/えーとそしたら、あのー、用途地域については自治体が決定をして、で、その変更の場合は、市民から意見も聞いたうえで、都市計画審議会の中で議論をする、ということですね。で、それであの、今度のですね、えー住宅宿泊事業法、国は、えーこれまで旅館業が禁止をされていた住居専用地域でも宿泊事業をOKにしたと。私たちは「してしまった」と思っているんですが。それで、あのー、ま、京都市は、えーこの住居専用地域における営業制限、営業規制というのを考えておられて、ま、国よりも、規制を考えてると、いうことだと思うんですが、ま、それでも、これまで宿泊事業ができなかった地域で一定できるということになるというのはですね、えーこれはやはり規制緩和の側面が非常に強いということは間違いないと思うんです。で、そのうえでですね、えーこの、住専地域を、住居専用地域の区域を広げるということも、そうすると、えー、いまのご説明とちょっと重なるかもしれませんけど、京都市の判断や裁量で可能だということなんでしょうか。

(→谷口・都市景観部土木担当部長)はい、えーとあくまでもあの決定権限はあの我々京都市のほうにございます。ただし、あの我々だけであの決めるということではなくて、あの先ほど申し上げました、あのきちっとした、あの都市計画の手続きを踏まえて変更していく、こういうことになっていくと思います。以上でございます。

◆やまね/わかりました。えっとですね、それからあの、11月24日に京都府の「条例骨子素案」が明らかにされております。で、その点で、えー京都府とは足並みを、えー揃えるような何か議論はされているのか。それとも、より深刻な事態が起こっている京都市として、「京都市独自で、より厳しい条例を、規制を」というふうに考えておられるのか。その点はいかがでしょうか。

(→歯黒・建築指導部長)えー京都府さんの動きについても、えー所管局である、えー保健福祉局のほうが、あのー、え、そういった検討会議のオブザーバーとして、えー参画していると、いうところでございます。えー、ただ、内容につきましては、ちょっと私どもそれ以上の内容の詳細なところまで、いまご説明するような、あれは持っておりません。

◆やまね/えーとそしたら保健福祉局のほうがオブザーバーとして、えー参加をされて、しかし、都市計画のところでは詳細まではということなんですかね。

(→歯黒・建築指導部長)この、えー新しい、えー条例につきましては、都市計画局、当然あのー、この条例の枠の中に参画しておりますが、例えば、えー管理運営の話とか、そういった、あー実際に届出の事務そういったことは全部、えー所管局のほうが、あーあの窓口として、京都府さんとも連携してるということでございますので、えーそういった中身については、えーちょっと私どものほうなかなか承知してないということでございます。

◆やまね/えと管理運営については保健福祉局のほうになるということですね、はい。で、それでですね、この京都府の条例骨子素案について見ますと、11月25日付の「読売」に記事が出ていたんですが、えー「対象となるのは京都市を除く府内市町村」と。それから、住民の生活環境を守るために「住居専用地域での制限」ということで、この点はちょっと京都市ともあの重なると思うんですが、で、それに加えてですね、「学校や保育所、認定こども園などの周囲約100mでは休業日のみ営業を認める」と、いうことが議論されてると。で、私はこれはあの、生活環境を守るために「学校など教育施設」「保育所など児童福祉施設」の周辺を規制するというのは当然考えられる話だと思ったんですが、京都市はこういう検討はされてないんでしょうか。

(→歯黒・建築指導部長)この内容についても、えー私どもが、えー直接ということではございませんが、えー保健福祉のほうの観点から、えーそういった当然検討はしておりますが、ただ、えー、現在、ホテルとか旅館の、宿泊の許可をする時にですね、こういった範囲内の、おーところに、いー新しくホテルを建てるという場合に、「学校照会」を、えーされております。えーそのなかで、えー今まで、えーこういった学校照会をしたうえで、えー支障があるというような事例が、あー一つもないと、いうことで、えー今回の宿泊事業法、えーMAXで180日しか業をしないという中で、365日宿泊業をされる、うー業態でも、えー支障がないということで、えーあえて、えーあのー、こういった、っていうえっと、学校からの規制ということは、今回の条例には定めてないと、いうことがございます。

◆やまね/すいませんちょっと確認なんですが、保健福祉局の観点でということもおっしゃったんですが、都市計画局として、こういう問題を、考えておられるのかどうか、いかがでしょうか。

(→歯黒・建築指導部長)えーこれはあのー、先週の金曜日にも申し上げましたが、今回この、えー宿泊事業法という法律は、えー法の21条に、この用途について、「建築基準法上、住宅・長屋・共同住宅と見なす」と、明確に法で規定されておりますので、用途規制上は、何らあの、宿泊事業法でも、建築基準法上の判断としては「住宅」ということしかございません。

◆やまね/そのーいまホテル・旅館の話をおっしゃったんですけども、んーホテル・旅館とは明らかにこれ違うと思うんですけどね。あの、京都府がなぜそしたらこういう提案をされているかっていうのは都市計画局としては、あの認識というか、つかんでおられるんでしょうか。

(→歯黒・建築指導部長)えー承知しておりません。

◆やまね/ちょっとそれはひどすぎるんちゃうかなと思いますけど。あのー同日の「産経」によればですね、「関係業界や府内市町村からは、制限地域として新たに図書館や公民館、住居専用地域に隣接する第1種住居地域などを加える」、こういうことについても意見が出たと、いうことですが、そしたら、どうなんでしょう、こういうこともやはり考えられてないと、いうことでしょうか。

(→歯黒・建築指導部長)えーっとこの、え、仮に、旅館業法のこの学校からの100mの意見照会についても、これは、旅館業法上の話の中で、所管局が、あー行われることでございまして、我々、旅館業の中で、そういった、あー規制というのは、都市計画部ではしておりません。同様に、この宿泊事業法についても、おー同じ考えかと思っております。

◆やまね/あの、ま、旅館・ホテルの話を再三されるんですけれども、旅館とかホテルはですね、やっぱり人が常駐をしていて、しっかりと対応できる人がいるわけですね。で、いま起こっているこの民泊施設というのは、やっぱり住宅の密集地の中にできるという可能性があると。これは、あのー、ここがですね、非常に大きな、生活環境への悪化という問題が、発生する可能性があるということだと思うんです。で、あの住居専用地域でなくてもですね、住宅密集地というのは存在をすると。で、私は「生活環境の悪化」という問題を考えた場合に、明らかに不適切な地域・場所があるんではないかと。住宅が密集している、あるいは細い路地裏、袋路になっているところにそういう施設ができていく。しかも常駐する人がいない可能性がある。こういうことがどんどん増えていったら、いったいどうなってしまうのかと、いうのは多くのみなさんが心配しているわけですが、少なくとも京都府はですね、「学校や保育所周辺での規制」を考えているわけです。なのに京都市が、これ何もしないとなったら、「京都市は市民生活を守る気があるのか」と、いう声が出ても当然だと私は思いますが、いかがでしょうか。

(→歯黒・建築指導部長)えー京都府さんのまああのー、この新しい、いー条例の考え方、まあ大きく分けてそういった、あーところもございますが、あー私ども、えーこの新しい、いーこの、えー、ルールづくりの中でですね、駆け付け要件とかですね、えー管理者の要件を、非常に、いー厳しく制限をしております。こういったことで、えーしっかりと、運営をされて、えー周りの住民さんと、えー、ま、顔の見える関係ですね、そうしたことを、えーしっかりと構築していただく、そういうような、あー新しいこの、えー民泊ですね、届出住宅にしていこうというのが、大きな考え方でございますので、えー規制のその、ま、えー、一部分だけをとらまえて、えー云々かんぬんじゃなしに、えー前段の、管理運営を、きちっと、かなり厳しい規制をかけようと、しているものでございますので、えーその辺が総合的に勘案して考えていただくことかなと思っております。

◆やまね/で、ま、これまでの議論でですね、あのー、ま、「住居専用地域だけだったら、やっぱり京都市内の中心部はなかなか規制がかけられないじゃないか」という、こういうですね、いろんなご意見あったわけですよ。で、学校周辺、あるいは保育所周辺ていうことで考えればですね、それも可能になるということがね、京都府のこういう提案を見ても私は分かるわけで、これはぜひ検討をやはりするべきではないかと、思います。

で、もう一つ、ちょっとお聞きしたいのはですね、あのー地域の実情を一番わかっておられるのは、やはり地域住民のみなさんだと思うんです。したがって、地域住民のみなさん、例えば町内会や自治連のみなさんから意見があった場合ですね、「うちの地域は非常に住宅が密集していてやはりふさわしくないから規制をしてほしい」と、こういうような要望があった際にはですね、京都市や、あるいは第三者機関などで、現地にも行って、「制限する区域に指定するかどうか審議をする」と、こういうことも考えられるのではないかと、私は思いますが。で、そのほうがですね、京都市が上から一方的に指定するよりもですね、地域の実情を反映できるのではないかと。今のままだと、「周辺との調和」というふうに言うんですけど、しかし地域住民の声を反映するしくみってのがほとんどないのでね、やはりそういう何らかの形で地域住民の声を反映させるようなやっぱりしくみづくりをですね、するべきではないかと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。

(→谷口・都市景観部土木担当部長)はい、えーっと先生あのご案内のように、我々も、あの地域が主体となっていろんな取り組みをしていただく、これは非常に重要ではないかなというふうに考えております。で、今回の11月15日の市民しんぶんのあの折込にも入れさせていただいておりますが、えーと従来からある制度の中で、えー都市計画による「地区計画制度」ですとか、あるいは建築基準法による「建築協定」、こういうものが、地域のみなさんが自主的に、えーまちのルールを考える、あるいは、えー、いろいろな建物を規制をしていくと、いうふうなことに活用できるルールがございますので、えーそういうような、声が仮に地元からあった場合には、えー我々行政としては丁寧に対応させていただきたい、このように考えております。以上でございます。

◆やまね/えっとこの点は引き続き議論をさせていただきたいと思います。それからもう一点、あのー共同住宅についてなんですが、このパブコメ資料、私も拝見しましたが、えーこの3ページにですね、えー「分譲マンションにおいては、管理規約により住宅宿泊事業の営業の可否を決定できる」と、そして「管理規約に明記されていない場合は、管理組合により住宅宿泊事業の営業が禁止されていないことを確認できる書類の提出を求める」というふうにしているわけですが、これは要は、「営業してもいいですよ」という書類ではなくて、「禁止されていない」「民泊について何も書いてない」書類であれば営業がOKになってしまうというふうに思うんですが、でー、あの、ま、禁止するためにはですね、その管理規約の改正ですとか、えー組合の決議などが必要だということなんですが、実際にはやっぱり高齢化で、なかなかそのそこまで、えー持っていくのも大変だと、運営に苦労されているマンションも多いと思うんです。で、そもそも、居住のためにつくられたのがマンションですから、えーそこで宿泊事業という「事業」を新たにするのであれば、「営業を認める規約」というのを、やっぱり新たにつくらない限りですね、認めるべきではないと、私は考えるんですが、えーその点はいかがでしょうか。

(→上田・住宅室長)はい、あのー、住宅において、まあ、あー、宿泊事業をやっていく、あのーこのー今回の住宅宿泊事業法は、まああくまで住宅において、そういった、あー、民泊、宿泊と、いうことをやるということでございますので、えーこれを業であるから営業の、えー、「明確に管理規約に明記しない限りできない」というのは、あのー、法の趣旨をかなり超えているのではないかと、思ってございますけれども、ただ、あのー、管理規約に、いー、明記をされる場合が、営業の可否を明記される場合がもちろん一番いいわけでありますけれども、管理規約に明記されていない場合でも、この管理組合が営業禁止していないということを意思決定をする、その総会でありますとか、あるいは理事会でありますとか、そういったことで、えー、あのー、民泊の営業を禁止をしていないという意思決定を確認することによって、えーそういったことを添付書類で出していただくことによって届出のそれを要件にしたいと、考えてございますので、ま、必ずしもあの、管理規約に明記をしていなければと、おー、明記を、「営業できることを明記していなければならない」ということではございませんが、あくまで、えー管理組合、住民の、おー自治的な、あー組織によって、営業を禁止をしていないということを確認をして進めていきたいと思ってございます。

◆やまね/んー私はですね、やはりこの共同住宅で、このー住宅宿泊事業がされればですね、あの騒音であるとか、いろんな問題がですね、発生する可能性があると。で、多くのところでそれが心配されてるわけで、住民にとってはやっぱり大きな負担になる可能性があるわけですから、やっぱりそれはですね、その業をやるという側が、あのしっかりと責任を果たせるように、そういう規約をつくらない限りですね、認めないということにしないと、それはやっぱり担保されないと思うんですけど、いかがでしょうか。

(→上田・住宅室長)あのーマンション、共同住宅、あるいは分譲マンション等において、民泊があの行われた場合、あの周辺住民に与える影響が大きいというのは我々も認識をしてございますので、ま、だからこそ、住民のみな様方によって、しっかりとこの民泊というものをどうしていくのかという意思決定をしていただきたいと思ってるところでございます。

◆やまね/ま、いまのご答弁の中にもですね、非常にだから大きな矛盾があると思うんですよね。やっぱり住民に、住環境に影響を与える可能性があるのにですね、その住民ががんばらなければ規制ができないっていうのはね、非常に私は、あのーそこに矛盾があるなとあらためて感じます。

それからこのパブコメ資料の6ページのところに、「旅館業法に関するルール」というところがあってですね、えーそこでは、あの「住宅宿泊事業法に係る本市独自ルール(案)と同内容のもの」としていくつか書かれているわけですけれども、ここでは分譲マンションについて、「管理規約に明記されていない場合は、管理組合が旅館業の営業を認めていることを確認できる書類の提出を求めます」となっていると。こちらはですね、「営業を認めていることを確認できる書類」を求めているわけですよ。で、これはあの住宅宿泊事業のルールと同じ内容と言いながら、明らかに違うんではないかと思うんですけど、ちょっとこの辺り説明していただけますでしょうか。

(→上田・住宅室長)えー住宅宿泊事業法におけるこの民泊については、まあ、届出制ということになってございまして、えー旅館業法に基づく簡易宿所、これにつきましては、まあ、許可制ということで、元々のまあ法体系が、えー、まあ違う、えー住宅宿泊事業法のほうは、まああのー、規制緩和の方向に働いておると、いうことでございますので、そういった元々の法の方向性、違いを踏まえて、えー、えー住宅宿泊事業法の場合は、禁止されていないこと、で、えー、旅館業法のほうは、まあ、えー認められて、えー認めていること、というような違いを設けているところでございます。

◆やまね/あのー「規制緩和なのでその法の方向性を踏まえて」こういうことにしてると、いうことなんですけれども、私はそれは非常に問題ではないかと思いますよ。あの許可制の旅館業と違ってですね、それこそ住宅宿泊事業というのは届出を受け付けたらそれ認められてしまうんですから、住宅宿泊事業法の場合にこそですね、届出時に厳しい要件を課すというのが当たり前なんじゃないでしょうか。どうでしょう。

(→上田・住宅室長)えー法の趣旨としては原則「届出」でございますので、ま、ただし、あの先ほど来申してますような、こういった共同住宅では、周辺住民に与える影響も大きゅうございますので、そういったことを住民の、おー意思決定で、禁止をしていないということを確認をする、これについてはしっかりとお願いをしたいと思ってございますが、えーそれ以上に、えー・・・規制をすることは、その「届出制」という趣旨を逸脱するものかと考えてございます。

◆やまね/もうあの最後に申し上げるだけにしますが、あのー、地方分権改革の議論の中ではですね、「地方自治を阻害するような法律をつくってはいけない」とか、「自治体の自主性を尊重する」ということが議論されてきました。総務省のホームページを見ましても、「地方分権改革の推進」として、「各地方公共団体は自らの判断と責任により、地域の実情に沿った行政を展開していくことが大いに期待されています。現在、日本国憲法の国民主権の理念の下に、住民に身近な行政は~」と、こういうふうにあるわけですけれども、今回その「18条しか委任されていない」ということをもってですね、「厳しい」「厳しい」ということを再三おっしゃるんですけれども、「委任されていないことは一切規制できない」ということではないということは、もう明らかですし、あらためてですね、住環境をどう守るかというこの京都市の姿勢が問われているというふうに思います。で、市長も「法律の限界に挑戦」ということをおっしゃっているんですけれども、しかし営業規制するのは結局住居専用地域だけにしてしまってですね、自らその枠をどんどんどんどん小さなものにしてしまっているのは、大変な問題だということを指摘をしておきたいと思います。あの引き続き議論させていただきたいと思います。以上です。

2017年12月4日【まちづくり委】都市計画局/一般質問「民泊に係る京都市の新たなルール案について」

(更新日:2017年12月04日)