◆やまね/私からは今日は民泊問題についてお聞きします。まず、民泊新法についてなんですけれども、えーこの数日ですね、政府がいよいよ「詳細なルールを固めた」ということで、「10月24日に閣議決定」という報道もありました。で、その中身がですね、えー「民泊普及のため、自治体による規制を最小限とするのが柱」ということなんですが、ただ京都市では、木造密集地の問題、細街路の問題もありますし、8月に行われた国への要望のなかではですね、「住民の悲鳴のような苦情が押し寄せ」と、いうことで訴えられていたと思います。で、そこで、政府は「自治体による規制を最小限に」ということで言っているんですけれども、京都市は、えー住環境を守るために、規制するところはしっかり規制すると、こういう立場に変わりはないのかどうか。まず、お答えいただきたいと思います。
(→村上・副市長)住民の皆様の住環境、非常に大事なものでございますし、この間寄せられた、えー様々な、えー課題、あのしっかりと捕まえて進めていきたいということで、ただいまあの、条例をあのつくるということにつきまして、えー有識者会議も開催しながらですね、えー非常にあのー密な議論を重ねております。ただあの先ほど議員からもおっしゃられました国の動きというのは、えーございます。で、やはりあの日本の中の京都でございますので、国全体の動きも見据えながら、えーそれと矛盾しない形で、ただ最大限地域の実情を生かしていきたい、ということで。えーどういったことができるのかというのをいままさに有識者の方々の知恵を集めて、議論をしているところでございます。
◆やまね/えーまあ住環境は非常に大事だと、いうことでありました。ただ同時に、国全体の動きに矛盾をしない形で、ということもおっしゃったわけです。でーあの、これはですね、10月24日の記者会見で石井・国土交通大臣が何を語っているか。「健全な民泊の普及を図るもので、地域の実情に配慮したサービス提供が期待される」と、まあ述べているんですけれども、私はこれ京都市の実情を考えればですね、大きな疑問が残るわけです。でー昨日、「第2回 京都市にふさわしい民泊の在り方検討会議」が開かれておりますが、この中でも様々な懸念が示されてると。例えば、えー「京都市の住居専用地域は、住宅と観光地が混在し、このような地域で住宅宿泊事業の実施を認めれば、無秩序な民泊の乱立につながる可能性が高く、良好な住環境に悪影響を与えるおそれが高い」と。それから「管理者が常駐せず、本人確認やカギ渡しのための面接が行われないケースが多い」と。他にもですね「共同住宅では、静謐で穏やかな住環境への影響が懸念される。オートロックの形骸化でセキュリティが低下し住宅としての価値が下がる」と。まあこういう懸念が示されているということで、私はこれサービス提供どころかですね、不安材料ばかりじゃないかと。住環境をやっぱり守るための、しっかりとした規制が、どうしても必要だということは、あの申し上げておきたいと思います。
で、次にですね、えー「周辺の生活環境との調和」の問題についてお聞きします。でーこれあの簡易宿所の、えーよく住民説明会でですね、えー住民のみなさんから、「なぜこんな静かな住宅街に宿泊施設をつくるんですか」と、こういう質問が出た場合にですね、事業者は「日本人の生活を体験したいというお客さんのニーズがある」と、こういう説明することが多いんです。ただこれは私は、ある意味一方的な話ではないかと。そこに住んでいる人たちの気持ちは、考慮されてない。もちろん歓迎されない地域もあるわけですから。でーいまどういうことが起こっているかと言いますと、例えばNHKのローカルニュース「京いちにち」ではですね、東山区の事例が紹介されてましたが、「簡易宿所の騒音被害で睡眠導入剤なしで眠れなくなった」と、こういう健康被害を訴える声。それから私の地元伏見区ではですね、えー伏見稲荷に近いある町内会のお話ですが、「観光地に近いので1軒2軒くらいなら宿泊施設ができても仕方ないと思っていた」と、そういうみなさんがですね、3軒目4軒目の計画が明らかになって、「このままでは町内会、コミュニティが壊れてしまう」「消防車も入れない住宅密集地になぜ京都市は次々許可を出すのか」と怒りの声が起こっています。
で、えーこれは10月17日付の京都新聞ですが、中京区の男性の投書が載っておりました。これは民泊新法の条例についてのご意見なんですが、「地元向けの事前説明会や、町内の代表者との合意を示す書面の写しを提出しない限り、設置を認めない内容にしてほしい」「地元合意を条件にし、住民の不安解消を図り、同じコミュニティでの共生につなげ、無許可民泊の歯止めにする。京都市が日本のモデルとなる条例を作ってほしい」と、こういう意見で私も同感なんですが、で、そこでですね、お聞きしたいのは、あの旅館業施設については、安心安全要綱つくっていま指導もされているわけですけれども、そこにとどまらずに、えー民泊新法や旅館業法に関わる条例で、「住民説明会の開催」、あるいは「協定書の締結」、こういうものを位置付けて、強制力を持たせることができないのかどうか。その点のお考えはいかがでしょうか。
(→村上・副市長)えーただいまあの、議員からもございましたような、あのー問題点、あのーこの間、多くの先生方からも承っておりますし、またあの市民の皆様からもたくさん私どもの窓口には、あのー寄せられております。それであのー、ただいまおっしゃいましたような、強制力、これがあのー、まあ法と照らし合わせてですね、どこまであのこの条例に持たせられるのかというのが、あの先ほどご紹介しました有識者会議等でいままさに検討しているところでございまして、えー、条例はあの法を超えられないという限界がございますので、えーそこを踏まえながら、いかに地域の実情に即してやっていけるか。それからあの、またあのー、観光客の皆様にとりましても、地域から歓迎されないというのは、あのけして望ましい観光の姿ではないというふうに思っておりますので、観光立国日本、その方針にも沿うような形というご提案もしながらですね、えー法と条例の関係について、えーしっかりと検討していきたいというふうに思っております。
◆やまね/であのー、まあ法と照らし合わせて、この強制力がどこまでできるかというなんですけれども、例えばですね、これ保健福祉局の質疑の中では、「憲法上『営業の自由』を制限するのは難しい」というような答弁もあったんですけどね、私はこの憲法の問題で考えればですね、「生存権」という立場こそいま大事ではないかと。で、「営業の自由」のためだったらですね、健康被害、あるいは町内会が壊れてしまってもいいのかということが、いま問われてると思うんです。で、あの局別質疑の中で、共通の問題意識となりましたのが、「違法民泊でも簡易宿所でも様々なトラブルが起こっている」ということであります。で、これはたくさんの委員の方もおっしゃっていたんですけども、やっぱり昔からそこに住んでいる人たちの、えー住環境が脅かされていいはずがないと。これは私もその通りだと思っています。で、特にいま、えー住民のみなさんの要求として多いのがですね、「24時間常駐体制」、せめて「営業時間中の従業員常駐」と、これ求める声が多いわけですが、すでに東京の台東区や千代田区などでですね、えー従業員の常駐を義務付けている自治体もありますし、で、事業者もですね、「法令に書いてあれば当然それに従う」ということを、説明会なんかでも答えるわけです。で、これあの我が党の平井良人議員が行った本会議質問の中で、「(旅館業施設の)苦情対応など、管理のあり方も検討を進めていく」と、市長答弁されておりますし、一昨日の教育福祉委の中では、「営業時間中に管理者を常駐させることなど、宿泊施設の管理のあり方については、検討課題の一つ」という答弁がありました。これぜひ検討を進めていただきたい。そこでお聞きしたいんですけれども、この従業員が常駐している千代田区の担当者が、語っている中身なんですけれども、「新型インフルエンザやエボラ出血熱が問題になった際に、病気発生国から来た人が泊まる場合、検疫所のほうから連絡が来て対応するが、無人営業の民泊ではそういう緊急時の細かな対応ができない」と。それからまた別の話で、「宿泊客が脳梗塞で亡くなったホテルが裁判で負けた事例もある。だから我々は宿泊者の安全を守っているという認識を持っている」ということで、「従業員常駐」の意義を語られたんですね。で、いまその常駐問題をですね、「検討課題の一つ」とされているということなんですけど、それであれば、このいま私が申し上げた医療・衛生の視点、こういう問題意識というのを京都市も持っているということなのか、その点はいかがでしょうか。
(→村上・副市長)えーもちろんあのー持っておりまして、えーこれまで旅館やホテルの、えー衛生指導をしてまいりました保健福祉局におきましては、その点を最重視して、えーこれまで監視・指導等をくり返してきたわけでございます。従いましてこの新たな住宅宿泊事業法だけでなく、従来の旅館業法に基づきます指導・監視等が非常に重要であるというふうに思っておりまして、え、旅館業法につきましてもですね、これまであのー3万円であった無許可営業者への罰金の上限額を100万円に引き上げるなど、えー厳罰化も行っておりますし、それからこれまでは、あのー適正化の指導しかできなかった施設に対しまして、立ち入り調査や営業停止命令も行うことができるなど、監督権限の大幅な強化というような、あのことも図る、法改正が予定されているというふうに聞いておりますので、こうしたことに基づきまして、あのきちっとした、あのー指導をしてきたいというふうに思っております。安心安全が大事であると、いうのはあの本当に私どもの共通認識であるというふうに思っております。
◆やまね/あの医療衛生の視点もちろん持っていると。で、最重要視をして、指導・監視についても非常に重要と、いうお答えでした。で、あの、まさに私たちもその通りだと思います。で、感染症の危険がある際にはですね、あのいま申し上げたように無人営業で、お客の様子を見て観察することも難しくなると。で、だから私たちは共産党はですね、24時間、宿泊施設に人がいるのは当然というふうに考えております。で、ま、そのうえでね、あの現時点では京都市は、簡易宿所に「従業員常駐を求めていない」わけですけども、その理由としてですね、これまで言われてきたのは、「旅館業施設は構造設備で安心安全が担保されている」との答弁がくり返しありました。ところがですね、ここがですね、あの局別質疑では、それさえもね、そのチェック体制さえもいま、あのなかなか追いついていないってことが明らかになったと思うんです。でーあのこれ本会議質問のなかで、市長が「旅館業許可施設には定期的な査察を実施している」と、「引き続き着実に監視指導を進めていく」と答弁もされているわけですが、この定期監査についてですね、局別質疑の中で聞きますと、「これまで京都市内に存在する旅館業施設が1000件」ほどあって、それを「1年かけて回ってきた」ということでした。ところが、ここ数年、簡易宿所が激増しておりますので、わずか2年で3倍近くに簡易宿所が増えてると。簡易宿所だけで1849件、これが今年8月末時点の数字なわけですが、で、これ考えますとですね、この旅館業施設の定期監査の目標・実施数として「1000件を1年間で回る」ということであれば、あのーとても間に合わないんじゃないかと。で、国の「旅館業における衛生等管理要領」に基づいて、これまで京都市が行ってきた、安全・衛生に関わる定期監査がですね、いまこれまでと同じようにできなくなってると、この現状については、どうお考えでしょうか。
(→村上・副市長)えー確かにあの、非常に急激に様々な施設が増えましたので、で、それらを許可する時にも、あのかなり、えー労力がかかりますし、またその後もですね、定期的にチェックをしなければ、その営業状態が保たれているかということがわからないわけでございますので、これはあのしっかりと体制をとっていかねばならないなということで、いまいろいろと相談をしています。で、またあの、その中でもただ単純に人を増やすというのではなくて、これまで、えー、それぞれがあの査察等に入っておりました衛生部門と、それから消防部門がですね、それぞれ連携を致しまして、えー情報交換等もしながら、あの効果的な査察ができないかというような相談も、あの始めておりますし、えーそれ以外に、あのどんな工夫でですね、体制強化していけるのか、ということは、いまあの庁内でも真剣に議論をしているところでございます。
◆やまね/えーまあくり返しになりますけれども、無人営業がそもそも危険だと。で、加えて、定期監査が、これまでやってきたことが、あの十分にできないってことであればですね、私はこれ二重三重に危険ではないかと。で、これはおもてなしどころかですね、命・安全に関わる問題が、いま京都市の宿泊施設の現状だと、いうふうに思うんです。で、京都市内に違法民泊が3000件推定されて、市民からの苦情対応やJTBへの委託調査でですね、行政指導の対象施設も増えていってると。それで、それに加えてですね、医療衛生センターの窓口では、事業者の方の開業相談も中心にですね、1日60〜70件対応されてると、そこに加えて年間1000件の定期監査。まあ1000件ではとても足りないわけですけれども、それをですね、今回まあ衛生センターを「2名増員し20名体制になった」としてもですね、これはやっぱり圧倒的に足りないのではないかと。で、私はあらゆる努力で、いま違法民泊根絶のための、いまあのいくつかの方法おっしゃっていただきましたけれども、体制を強化することがですね、必要だと。で、この医療衛生センターの人員についてはですね、あの様子を見てどうこうってことじゃなくて、今、すぐですね、やっぱり決断をすべきじゃないかと。これは明らかに人員が足りてない。医療衛生センターのさらなる増員が必要ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
(→村上・副市長)はい、あのー、先ほど来、申し上げてます通りですね、あのー十分な監視体制というのが必要であると、いうことを認識しておりまして、えーどのような形でそれができるのか、ということを、あのいま検討しているところでございます。
◆やまね/あのーとてもですね、足りてる状況だとは思えないので、あのぜひともこれは、あの医療衛生センターについては、さらなる増強をですねしていただきたいと、申し上げておきます。で、最後に、あのー申し上げたいんですが、10月20日付の、これ京都新聞にですね、上京区・下清蔵口町の住民のみなさんが「建築協定」を定めて、京都市から認可を受けたという報道がありました。で、これ、あらかじめ決められた用途以外の建物を制限できる協定ということなんですけれども、この記事を見ますと、「市建築指導課は『民泊にもルールを適応できる事例となる。建築協定を知らない人も多いので関心がある地域は相談してほしい』」と、まあこういうことだったんですね。で、私はこの記事見ましてね、あのーそれだったらですね、こういう住民が主体となって規制・制限するやり方としてですね、「建築協定」という方法があるんであれば、これをやっぱりもっと市民のみなさん、あるいは自治連や町内会のみなさんに広く周知をしてですね、えー各行政区の区役所・支所で、そういう相談にものれるようなね、窓口があってしかるべきじゃないかと。で、事業者の開業相談はやってるわけですよ。対面で。それだったら住民の相談にもですね、あのしっかり乗るような窓口をつくるべきだというふうに思うんです。で、局別質疑の中で、各行政区・区役所・支所への窓口設置・人員配置を求めたところ、えー「効果が疑問」「優先度が低い」「住民のみなさんと直接顔合わせる必要はない」と、まあ、けんもほろろにというか、はねつけられたような形だったんですが、一方で、あのー「町内会で取り組みを進められるような場合は、各区・支所の地域力推進室のまちづくり推進担当で支援していただく事例も多い」と、いうことが答弁でありました。そういう対応ができるんだったらですね、私はこれまちづくりの角度から住民の相談にのるってこともね、ありではないかと。で、それに加えて、もちろん医療衛生の角度からですね、えー業者を指導できる人員も含めてですね、やっぱりしっかりと各行政区にこういう人員を配置していくということが、あの求められております。あらためて京都市が住環境を守る立場に立って、その体制を抜本的に強化をしていただきたいと、このことを強く求めて終わります。最後、答弁を求めて終わります。
(→村上・副市長)はいあのー先ほど西山議員(公明)にもお答え致しましたけれども、こういった問題が起こるということが、町内の力を強くするという観点で、各区役所の地域づくりのほうで、あの、えー、も、ありまして、あのー町内会の支援というのを一生懸命やっていくと、えーいうことでございます。あの地域自治推進室中心に致しまして、あの区役所は頑張っていくと、いうことでございます。
◆やまね/すいません終わろうと思ったんですけど、あのね、「町内の力を強くする」とおっしゃいますけどね、やむにやまれずやってるんですよ、住民のみなさんは。「行政がもっとなぜ動いてくれないのか」と、こういう思いでね、おられるということをしっかり受け止めていただきたいと思います。終わります。
2017年10月26日【決算特別委・市長総括質疑】民泊問題について
(更新日:2017年10月26日)