文化庁移転を盛んにアピールしながら、子どもたちの芸術活動の場を失うことは許されない。京都市は「こども文化会館」存続の立場に立つべき(2017年10月5日/決算特別委・子ども若者はぐくみ局・やまね)

◆やまね/私はですね、京都こども文化会館についていくつかお聞きをしたいと思います。えーこの京都こども文化会館(エンゼルハウス)は、1979 年の国際児童年を記念をして、市有地に府が建物を整備し1982年に開設されたと。それで、えー京都府と京都市が共同で運営費負担をしてきたものだと、いうことでありまして、その目的はですね、「青少年の健全な育成を図るため、優れた文化芸術に接する機会を多くする」と、それから、「青少年自らが文化芸術を創造し発表できる場を提供する」と、いうものだと思います。それでまずお聞きしたいのは、えー京都市として、このこども文化会館が設置された歴史的な意義、果たしてきた役割について、えーどう認識をされているでしょうか。

(→上田・子ども若者未来部長)はい、えーっと、設立経過、年度等につきましては、いまご案内された通りで、その当時、えー、まあ、あのー、文化施設も少ない中で、えー、ま、子どもを、主な対象にした、えー会館として、えー開設されたと、おーゆうことだと、おー思っておりますが、えー、ま、それ以降、かなり年数も経っておりますので、えー、ま、あのこれまでから、まあ、運営法人や京都府とも、えー連携を図りながら、施設運営上の課題分析や、利用者の増加策の検討を行ってきました。あーけども、いまあー会館ら30年以上が、えー経過しております。えー、まあ、建物の本体のみならず、まあ音響・照明などの舞台設備の老朽化もありますし、えー建物の継続利用の可能性を把握するために、えーまあ昨年度、えー耐震診断調査も実施しまして、耐震性能が不足していることが判明しておりますので、えー施設のあり方について、えーまあより踏み込んで、検討・議論深めるため、28年12月に府市協調で、学識経験者や、えー関係者で組織する「京都こども文化会館あり方懇談会」を設置して、えー、ま、あり方を検討しているところでございます。

◆やまね/えーまあその子どもたちの、ために、つくられたものですけれども、まあ年数が経って、だんだんと老朽化もして、えー耐震性も、えー問題があると、何とか、その辺がですね、非常に課題だということなんですけれども。それであのー、例えば、あのー、京都府と京都市の運営費補助というのがですね、えーこれは府議会でも議論をされているんですけれども、平成6年には合計1億620万円ほどあったものが、年々削減をされて平成27年には 5548 万円、半額近くになってですね、平成28年度の京都市の決算を見ますと、2988万円。で、まあこういう運営費の補助が削減されてきたことがですね、えー会館の運営をかなり苦しくしてきた側面もあるのではないかと、いうことは思っています。

それで、えーこの会館でいま、えーまあどんな事業がされてるかってことなんですが、あのー子どもたちに、芸術・文化活動の舞台を提供する貸し館事業のほか、エンゼル音楽会などの自主事業や絵画や習字、合唱などの文化教室事業を柱に運営をされていると聞いております。で、えーこれは、あのー、ま、施設を利用されている文化団体の方、あるいは、子育て世代の方に私もお話うかがってきたんですけれども、えーこういう声がありました。「会場と舞台が一体となっている。施設の玄関にもステージにもスロープがあるので障害者の方も使いやすい、車いすでも利用しやすい施設」「ホワイエもたいへん広い」「親子ルームがあるので乳幼児を連れたママも子どもの泣き声を気にすることなく一緒に鑑賞できる。子どもを連れて行く時にとても気持ちが楽なんです」と、こういうお話がありました。ですからあの、他の施設にはない設備的な特徴も持っていると思うんです。で、さらに、えーこの施設の名前に「こども」というのが、頭に付いていますようにですね、こういうまあ文化芸術施設というのは全国的にも大変貴重ではないかと思っていますが、えーそういう意味ではまさに子どもたちのための施設だと思うんですが、えーその点で、京都市は、この施設の、先ほどちょっと経過というのはお答えいただいたんですけれども、その歴史的意義・役割に加えて、現在果たしている役割、こども文化会館ならではのこういう設備的な特徴、こういうものについてはどういうふうに評価をされてるでしょうか。

(→上田・子ども若者未来部長)はい、この会館の運営費につきましては、えー必要なものを府と市で分担して、対応しております。えーただ、えー利用者数がピーク時の半分程度になっていると、えーゆうことがございます。ま、確かに「舞台が広くて使い勝手が良い」というご意見もあるんですけども、ま、一方で、地下鉄などの公共交通機関からの便が悪くですね、えー駐車場もないと、いうことで利用しにくいというような評価もありまして、ま、比較的、施設の近くの団体を中心に、まあ利用が、あーまあ、えー固定化されているかなということが、えー現状としてはございます。えーまあさらに、えー30年以来ですね、京都市の文化会館、えー京都府の施設も含めて、様々な文化施設ができております。ま、その中でこのこども文化会館が、えーいまご案内ありましたように、どういう役割を果たしているのか、まあどのようにあるのかということを、いまあのー懇談会の中で、えー議論をして、えー検討を進めているところでございます。

◆やまね/あのーまあいろいろ、ピーク時より利用が半減してるとか、えーまあ公共交通の利用の便がちょっと悪いということですね、まあこういうこともおっしゃられたんですけれども、私はですね、この施設が、これまで保健福祉局、現在は子ども若者はぐくみ局が所管していることにですね、非常に大きな意味があると思うんですよ。で、ただの貸館施設とは違うと。やっぱりね、「子どものための施設」ということでできて、ずっと運営をされてきたわけですから、あの単純にね、収益があがるかどうかだけで見るような施設ではないというふうに思うんです。で、京都市は、それこそ今年度から、この子ども若者はぐくみ局を創設して、子ども・青少年のための施策により一層力を入れようとしている時だと思うんですけれども、例えばですね、子どもの貧困問題が、大きな社会問題になって、子どもたちが家庭の状況・事情、まあいろいろ経済的な事情に関わらずですね、文化芸術に触れたり参加したりする機会を保障するということはとても大切なことだと思います。で、いま京都市の進めようとしておられる施策から言ってもですね、こども文化会館の果たす役割というのは、むしろより一層大きいのではないかと。これはどのようにお考えでしょうか。

(→上田・子ども若者未来部長)えーまあ子どもに特化した施設が必要なのか、あるいは、いろんな世代との交流で、えー、まあ活用していくという、いろんな、えー特徴、メリット・デメリットあると思います。まあそういうことも含めまして、まあ懇談会でも議論を進めているところですけども、えーまあいずれにしましても、ま、老朽化もしておりますし、まああのー施設を継続する場合は大規模な改修が必要になりますから、えー、まあ、えー、アンケートの結果や費用効果等、様々な角度から、まあ懇談会で検討いただいているわけでございますし、えー、まあまた、さらに京都府のほうでも、えー府立文化芸術会館も含めて、まあどういうあり方が良いのかというようなことも、まあ、ゼロベースで検討もいただいているところです。まあ府市で、えー連携して、まあ検討していく課題だというふうに考えております。

◆やまね/あのーこの施設が、えー老朽化している問題なんですけどもね、ま、それなら私は、やっぱり利用者や市民の声、文化芸術団体の声もよく聞いてですね、えーまあ意見が多いのは例えば「トイレが和式で洋式にしてほしい」と、ま、こういう声もあるわけですけれども、こういう改修を、えー耐震改修も合わせてですね、しっかりと行うべきではないのかと。でー例えばですね、こういう声をお聞きしました。あの「定期演奏会」なんかでよく利用されている合唱団の方にお話をうかがったんですが、「客席のあるホール、ステージに立って演奏する機会に恵まれるかというのは、子どもたちにとって大きい。ホールでないとその感動は持てない」「料金も比較的安く気軽に借りられる場が京都にあるということが非常に重要だ」というお話でした。ですから、そういう本来の目的がより果たせるようにですね、しっかりと支援を行って、利用者が減っているんだったら利用者の増に力を尽くすことこそ京都市の責任ではないのかと、いうことは申し上げておきたいと思います。

それであの京都府の話も出ましたので、えー申し上げますが、京都府議会の中でですね、山田知事がどう答弁しているかと言いますと、「府市協調でやっているので、見直しに当たっては京都市の意向も踏まえ、両方の意見の合致を見ていかなければならない」ということをおっしゃっておられるわけです。えーですから私はですね、やっぱりこの子どものための施策に力を入れている京都市としては、「施設を残す」と、いう立場に立ってですね、えー京都府にも働きかけていくべきではないかと、思いますけれども、いかがでしょうか。

(→上田・子ども若者未来部長)えーまあ京都市の、えー様々な子ども・青少年の施策、いろんな施設もございますし、まあそのような取り組みとの関係、あるいは京都府で検討される、まああの視点、そして懇談会のご意見も聞きながら、えーあり方を引き続き検討してまいりたいと考えております。

◆やまね/あのー、ま、あり方懇談会ですね、それからまあいろんな識者、団体のみなさんにですね、利用者のみなさんに声を聞かれて、考えるってことはそれはね、もちろん大事にしていただきたいと思うんですが、しかしやっぱり京都市の基本的なスタンスとしてですね、これ「残したい施設なんだ」と言えないっていうのはね、私は非常に情けないと思いますよ。あのー「国際文化都市」だと、それから「文化庁移転」ていうことでね、あれだけ盛んにアピールしながら、お金も投入しようとしてると、その一方で、子どもたちが芸術・文化にふれる、表現するための施設がですね、万が一失われるようなことになればね、私は本当に恥ずかしい話だと、いうふうに思います。あの、子どもたち・青少年の育成、芸術文化を大切にすると、いうことで京都市が臨んでおられるのであれば、ぜひこれからもこの「こども文化会館を残す」という立場に立っていただきたい、表明をして終わります。以上です。

2017年10月5日【決算特別委・第2分科会】子ども若者はぐくみ局質疑「京都市はこども文化会館を存続させる立場に立て」

(更新日:2017年10月05日)