ごみ袋を値下げした自治体でもごみ量減!京都市の論理が破たん(2017年9月5日/文化環境委・環境政策局・河合よう子議員の質疑メモ)

◆河合議員/ごみ袋値下げの請願が出た際に請求した資料「有料指定袋を値下げした自治体のごみの推移」をいただいた。それに基づいて質問したい。14もの自治体の資料をいただき、調査されるのも大変だったかと思うが、最初にまず、調査される中で当局として思われたことをうかがいたい。

(→久保・循環型社会推進部長)有料化してる自治体が1100を超える。その中から値下げした自治体を探すという、時間の制約のある中で厳しい作業だったが、この分野に詳しい学識経験者からアドバイスをいただき14自治体が値下げしてることがわかったので、その14自治体について、ごみ量の状況、価格について調べた。それぞれの自治体の担当の方に直接聞き取りをした。ほとんどの自治体が「値下げ後もあまりごみ量が変わらない」、あるいは逆に「増えてる」状況がある中で、いくつかの自治体については「そのまま減量が続いている」ところもあるので、有料化以外にどういった手立てを打っているかを中心に聞き取りをしたが、あまり、こう言ってはなんだが、意識を持って取り組んでおられる状況が確認できないというか、「なぜだか減ってる」、あるいは「増えてる」というようなご意見がほとんどだった。ほとんどの自治体が、まだまだ1人当たりのごみ排出量が京都市に比べ非常に多いので、特段これといった施策を打たないでも減ってるところは減ってるというご意見であり、聞き取りの中で決め手になるようなところはなかった。我々としては、有料化だけではなく、あらゆる手立てを取って(平成)32年度39万トン達成に向けてやはりがんばらなければならない、そういった感想を持っている。

◆河合議員/たくさんの中から抽出して聞き取りもしていただき、大変貴重な資料だと思う。私の感想としては、前回の議論で「料金を下げることでリバウンドがある」とおっしゃっていたことが残っているが、そういう視点で見た場合に、おっしゃったようにそれほど大きくは変わっていない、たいていは横ばいで、いったん少し増えてもまた減ってるところが大半、また、そのまま推移してるところが大半だなという印象。リバウンド、前年度よりも増えてるところを見ても、例えば足利市では、有料化された翌年に705(g/1人1日)から715(g/1人1日)に増えているが、その後また減って、平成26年度では、値下げされた時よりもさらに下がっている。二度値下げをされている千葉県八千代市では、いったん下げた後、675(g/1人1日)が698(g/1人1日)、705(g/1人1日)と上がっているが、平成26年では605に減ってきている。他のところについても、そういう状況が見受けられる。「値下げをすることによってリバウンドする」という論は立たないのではないか。

私もいくつか電話で聞き取りをしたが、そのなかで京都市が様々な手法を使って努力していることもあらためてわかった。よその自治体さんなので口をはさむようなことではないが、京都市が実証してるようなことをされたらもっと減るなと感じた。八千代市では、近年二度下げられたけれども、いったん上がってまた減っている、それは「市民のみなさんのごみ減量や分別の意識の高さが進んできたものだと推測できる」というお答えが返ってきた。やはり市民に依拠してやることが本当に大事だとあらためて思った。市民に対する意識付け、さらに強力にやられるなかでごみは減量していけると思う。値下げについても検討の余地があると思うのでぜひ検討していただきたい。これについてのご見解を。

もう一つは、「有料指定袋」ということで議論してきたが、京都市は「廃プラスチック」「缶・瓶・ペット」は「資源ごみ」として、黄色い袋とは違いその半額で販売されている。名張市では、廃プラスチックは有料指定袋ではなく透明・半透明の袋(45ℓ以下)で出すようにされている。ペットボトル・缶・瓶については、一定の場所にまとまって置いてもらう手法をされているところ(自治体)もある。先日、東京練馬区に行った時、道路もそんなに広くない中で、折りたたみできるようなケースに入れて出されている状況もあった。そういうふうにすれば、資源ごみについては、ごみ袋を買わなくてもできるのではないかとも思った。やはり資源ごみは市民の協力で分別され再生される資源なのだから、有料指定袋はやめるべきではないか。

(→久保・循環型社会推進部長)最初の点、確かにここ2年、市民・事業者の皆様のご理解とご協力によって、ごみ減量が進んでいる。前回も申したが、我々はあくまでも3工場体制の中でごみ処理をしていくなかで、32年度39万トンまでさらに減らしていくという非常に高い目標、これは達成しなければならない目標でもあるので、それを実現していくためには、これからが正念場だと思っている。今回(資料)提出した自治体については、まだまだごみ減量の余地がある中で値下げに踏み切った。我々としてはここまで減量し、正念場を迎える中で、この時点でちょっと値下げということになると、ごみが増加に転じるという懸念を持っている。少なくともいま値下げのタイミングではないと考えている。

資源ごみについても、元々、廃棄物減量審議会等の答申をいただいて有料化してるが、あくまで「発生抑制」が第一。分別の促進という観点から燃やすごみの半額にし、出たものについてはしっかり分別していただくということで、「有料化」し「燃やすごみの半額」にしている。さらにごみ減量進めていくうえでも、資源ごみについても有料化は今後も継続したい。

◆河合議員/一つ確認したい。前回この議論をした時の「値下げするとリバウンドする」という話。他都市においては、値下げしたからリバウンドということはないと資料で示されている。その点確認したい。

(→久保・循環型社会推進部長)確かにリバウンドしてないところもあるが、多くの自治体ではやはり、値下げ後増加に転じているということで。その後、上下、乱高下と言ったら言い過ぎだが、ごみ量がかなり変動してるなかで、確たる根拠を示すことはできないが、やはりここまでごみ減量が進んだ、しかも大都市である京都市で値下げに踏み切った場合には、我々としてはやはり増加に転じるんではないかと、非常に懸念を持っているし、何度も申す通り、これからが正念場なので、この有料指定袋制を維持しつつあらゆる施策を打っていって、市民の方にもご理解をいただき、ご協力、実践いただくことが肝心なので、この価格での有料指定袋制を継続したい。

◆河合議員/私がうかがったのは、他都市について、「ごみ袋を値下げしたらリバウンドする」「多くの自治体がリバウンドしてる」とおっしゃるが、(資料の)数字をよくよく見れば、多くの自治体がちょっと増えても、またもどって減量が進んでる。そこに着目してほしい。だから値下げしたことでリバウンドだという論は、この資料のもとでは立たないのではないかと言ってるのだが、わかるか。

(→久保・循環型社会推進部長)おっしゃる通り、我々として確たる状況、分析ができてるわけではない。各自治体に問い合わせても、担当者の方が、なんで増えたんか減ったんかという明確な根拠をお持ちでもない。何度も申す通り、本市に比べ非常にまだまだごみ減量の余地がある自治体がほとんど。その中で値下げして減ってる自治体、減量を維持してる自治体、あるいは若干乱高下してるところもあるので、そういった状況を見ても、我々大都市と比べても都市の規模も小さめの自治体がほとんどなので、我々としてはあまり参考にならないのかなと。

◆河合議員/参考になるとかならないとかおっしゃったが、前回の議論では「値下げしたところはリバウンドしてるので」と一つの根拠にされた。はっきりとした根拠がないということであれば、値下げしたことによってリバウンドしたということも言えないということではないか。だからそれを言うべきではないということを私は言いたい。

(→山田・環境政策局長)ごみ処理経費、年間まだ229億円も要している。また、市内唯一の東部山間埋立処分場、これをできるだけ長く使わなければならない。そういった中でごみ減量、これは引き続き最重要課題の一つ。リバウンドというのは、我々が言ってるのは、値下げした年度、またはその翌年度に値下げした年度から増加に転じる、そういった表現をリバウンドという形で、これは従来からそういう表現をしているが、それは14都市中10都市、すなわち70%の都市がそういった状況にある。それから、いったん上昇したうえで、じゃあ次どういった形で施策を打っていくか、各都市は非常に苦労されたうえで一定同水準まで戻ってる。それを、減量幅が非常に少ない京都市で実効性ある取り組みができるかということでは、これは市民・事業者の皆様のこれまでのご協力・ご努力、そういった中で本当に厳しい状況。そういった中で、市民・事業者の皆様には、いまの制度をご理解いただいたうえで、ご協力いただきたいと思っている。現時点では値下げは考えていない。

◆河合議員/「値下げされた年度でリバウンドと言ってる」と、その定義を初めて聞いたが、施策はそのままで同じだけど値下げしたという自治体もあった。努力されているのはその通りだと思うが、しかし、値下げによってリバウンドということについては、何で減ったのか増えたのかわからないという話をされながら、「値下げしたからリバウンド」とおっしゃることについては違うというふうに私は思う。その点はくり返しになるが、申しておきたい。資源ごみについてはやはり考え直していだきたいという点は、以前より我が会派として申し上げている。

それから根本的には、市民の努力、分別の努力だけではなくて、発生源を抑えることが一番重要だ。そのための取り組みもされて来てると思うが、この間、排出、元からどう断っていくかという点で、ゴミにならないような製品をつくってもらうとか、京都市が事業者等に働きかけられた取り組みはどのようなことがあったのか。

(→久保・循環型社会推進部長)製造業では「拡大生産者責任」が以前から言われている。それをさらに進めていく。これは京都市だけではない。各自治体がそれぞれの団体等使い、当然国にも要望しているし、そういう業界の中央団体にも働きかけをして、できるだけそういった容器包装についても無駄を省く、そういうことに努めていただく、あるいは拡大生産者責任ということで、廃棄物になったものについても生産者の責任で処理していただく、そういった仕組みづくりについても、我々京都だけでなく、各自治体が共同で要望したり、そういった活動もしているので、今後もさらにそういった働きかけを続けたい。

◆河合議員/やはり市民の努力、京都市独自の努力だけではなく、根本的なところの解決が必要だ。さらに働きかけ強めていただきたい。いま国や各自治体とも拡大生産者責任という点で要望しているという話があった。それをどういう形で要望されているか、昨年度から今年度のところで働きかけられた状況、それによってどう前に進んでいるのか、わかるものを提出いただけないか。

(→山田・環境政策局長)この間、指定都市会、全国市長会、あるいは本市独自の国家予算要望、食品リサイクル法の改正等々で実現してきているが、いまおっしゃった趣旨の資料について取りまとめ、提出する。

2017年9月5日【文化環境委】環境政策局/一般質問「ごみ減量と有料指定袋値下げについて」

(更新日:2017年09月05日)