住環境守るために京都市独自の民泊規制を(2017年8月10日/まちづくり委・都市計画局・やまね)

◆やまね/住宅宿泊事業法に関わって8月8日、京都市から国への要望をされたということで、資料をいただきましたが、あのーま、資料をまとめたのは産業観光局ということになってるんですけれども、えー当然そのー、保健福祉局だとか、都市計画局、消防局なんかもですね、プロジェクトチームや、あるいは行政指導等のなかで関わってきたと思うんですけども、でー今回その、ちょっとまずお聞きしたのは、この産業観光局の単独の資料になっているのはなぜなのかと。で、今回のこの要望をまとめる、えー過程で、保健福祉局や、あるいはこの都市計画局、あるいは消防局というところは関わっていないのか。ちょっとまずその辺り教えていただきたいんですが。

(→歯黒・建築指導部長)えー、一昨日の国への要望のご質問でございます。えー、あのー、産業観光局が、あのー窓口となって、えー要望書を取りまとめた、ということで、えー現在、えー民泊、違法民泊の関係のプロジェクトチームがございます。えーそれの取りまとめが、えー産業観光局ということでございますので、えー当然、えー私ども都市計画局、保健福祉局、えー消防局という関連する、えー局が、この要望について、えー中身を、あのー議論した上での、えー取りまとめを、産業観光局が行っていただいたというところでございます。

◆やまね/えー当然、中身も関連する部局でも議論をしていただいていると、いうことでした。それで、えーあのー、非常に興味深く拝見をさせていただきまして、で、この「要望」の中ではですね、えー「民泊施設の管理者は24時間常駐を原則とすること」と、いうことなどを求めておられてましてね、で、私はあのー政省令待ちになるんではなくて、あの京都市が、この段階で、国に意見をあげていくと、いうこと自体は非常に、あの大変大事なことだと受け止めております。で、特にその前文のところで、えー、「住民の悲鳴のような苦情が押し寄せ、一自治体では対応しきれない状態となっております」と、いうことで、大変切実な形で、えー京都市の実態を訴えておられます。で、まさにこれは住民のみなさんであったり、市職員のみなさんの実感ではないかと、受け止めました。そして、えー、「住民と観光客の双方にとって安心安全~が必須」「地域の実状を踏まえた運用を可能とするための政省令制定を」ということも強調されておりますので、このタイミングで今回のような要望をされたということはですね、やはりこの住宅宿泊事業法の内容が、何もしなければ、市民の住環境や地域を守れない、だからこそ、この京都市独自での規制がですね、必要だというふうな、認識、危機感を持って取り組んでおられると、いうことが伝わってまいりました。

そこであの都市計画局に関わる部分についていくつかお聞きしたいんですけども、1の(2)のところで、「宿泊者と住民の安全安心確保のため」「住居専用地域や共同住宅など住環境に応じた宿泊者数の上限を設定する」と、いうふうにありますけれども、えー新法によってですね、「住宅」で宿泊事業ができるようになると、いう時に、やっぱり用途地域におけるこの住居専用地域や、あるいはこの共同住宅では特別なやっぱり配慮が必要だと、こういう認識に立っておられるということなんでしょうか。

(→歯黒・建築指導部長)いまあの現在明らかになっております、あの新法、6月に明らかになってる新法だけをとらまえますと、えー、まあまずあの、えー「建築基準法上は住宅として扱う」というところがはっきりしてるだけでございます。えーいま議員ご指摘のように、えー住専地域でのこの新法のあり方等については、あの今後、政省令等が、あー出た中で、えー関係課踏まえてですね、えーどういった形の規制ができるかということを、いま現在、検討してるところでございます。

◆やまね/そのこれから検討されるということなんですけども、そのなぜ、住居専用地域ではそういう検討が必要なのかということを、ちょっと認識をうかがいたいんですが。

(→歯黒・建築指導部長)えーあの、えー、昨年度ですね、えー10月に、京都市が、あのー「宿泊拡充誘致方針」という大きなあの方針を、えー定めさしていただきました。あーその中で、えー、あの、住民の住環境を、えーしっかりと確保し、まああの宿泊者の安心安全をしっかり担保した上で、良質な宿泊を、えー誘導すると、ゆう大きな方針がございますので、えー当然、住居専用地域、えーっと、良好な住環境を保全するという、まあ都市計画の定めがございます。えーそういった観点の中から、この新法と、都市計画の制限の中でどういったことができるかということを、えー検討すると、いうところでございます。

◆やまね/そしたらやはり、住民の安心安全、で、都市計画における住環境保全と、いうことで、そこがまあ非常に、どういうことができるのか、というのが重要だと、いうことでした。で、そこで、えー、もう少しお聞きしますが、1の(4)のところでは、木造住宅についての記述がありまして、「木造住宅の密集市街地や集合住宅における防火対策は極めて重要であるため~」ということで、えー、ま、ここでいうこの「木造住宅の密集市街地」というのは、どういう地域を想定しておられるのかということで、例えば平成24年7月に「歴史都市京都における密集市街地対策等の取組方針」、それから、えー「京都市細街路対策指針」がまとめられていると思いますが、そこではですね、密集市街地の分布状況、あるいは細街路の分布状況なども示されて、「優先的に防災まちづくりを進める地区」というのも選定されていると思うんですが、そういったところがまあ対象になりうるということか。ちょっとその辺り教えていただけますか。

(→歯黒・建築指導部長)えーいま議員がご質問された、あの密集市街地、細街路対策の中の、えーモデル地区11地区がございます。えーあと、それ以降にも、えープラス3地区を、えー京都市のほうが、あの地域に入って、えー対策を進めてるところでございますが、えー今回の、えー新法の、あのーまあ、対象に重なる部分、当然これも、当然参考になるのかと思いますけれども、えー現在、どういった地域を具体的にエリアを定めているというところは、まだあのー検討でございまして、ただ、この、えー、モデル地区等も、参考になると、いうことは、あのー考えてるところでございます。

◆やまね/えーその、「密集市街地対策等の取組方針」を見てもですね、大変大事なことが書いてあるなとあらためて思ったんですが、「木造密集市街地や細街路は、地震等の災害時には避難や救助に支障をきたすとともに、火災時の延焼拡大につながるなど、都市防災上の大きな問題を抱えている」というふうにありますし、えーまあ6月の委員会で、お聞きした時もですね、えー「住宅密集地のなかでの営業は好ましくないのではないか」という、えー私の質問に、えー「確かに新たに事業を営まれたら、防災の負荷は多少変わってくるかと思う」と、こういう答弁もありました。ですので、やはり防災の観点に立てば、えーしっかりと、そういう辺りは規制をしなければいけないのではないかと、思っています。

で、ちょっと続きですけれども、あのこの「木造住宅の密集市街地や集合住宅における防火対策~」というところで、えー「旅館業施設において最低基準として定められている防火対策や宿泊者の身元の確認を義務付ける」と、いうふうにもありますが、これはいわゆるその、簡易宿所等で満たさなければいけないとなっている、旅館業法・建築基準法・消防法上の構造的な基準、帳場の設置とか、自動火災報知機、あるいは誘導灯など、ま、こういうものをですね、住宅宿泊事業の中においても求めるということなのか。もしそうであれば、それはどのようにして担保しようと考えてるのか。いかがでしょうか。

(→歯黒・建築指導部長)えーただいまのご質問でございますが、あのーいま法の中で、えー、一定のあのー、安全の措置をするということが、法の中でもうたわれておりますが、今後政省令の中で、えー具体に、あの中身が決まると、いうところでございます。えーそういった政省令を、踏まえたうえで、えー旅館業法、建築基準法、消防法、関係する、えー局と連携してですね、どういった、あーあのー、対象が規制がいいかということを検討していきたいと思っているところでございます。

◆やまね/まあその、まあいわゆる簡易宿所ではそういう基準が、満たさなければいけないわけですね。で、まあ、私が聞いたのは、その、そういういま簡易宿所に求められているような、最低限の基準が、このいわゆる木造住宅の密集市街地なんかでは、やっぱりそれは京都市としてはぜひ義務付けていきたいと、そういうふうに考えておられるのかと。どうでしょうか。

(→歯黒・建築指導部長)えーくり返しになりますが、あのーいまそこまで踏み込んだ形ではなくってですね、えー政省令を踏まえたうえで、えー関係課、関係局、えー関係法令を、えー所管する局で、今後検討していくと、いうところでございます。

◆やまね/まあ、もちろん政省令が出た段階でってのはよくわかるんですけど、あのーこの書きぶりを見ますと、あのーそれが大事だなあと、考えておられるのかなあと、私は受け止めましてね、それは非常に大事なことだと、思いましたので、あのちょっとお聞きしました。

それからその、えーもう一つですけれども、京都市のやはり特性、地域の実状という視点がですね、やっぱり本当に大事だというふうに思ってまして、でーその「密集市街地対策等の取組方針」にはですね、なるほどなあと思ったのが、「京都には昔から『自らの町は自らが守る』という自主防災に取り組む生活文化が息づいています。密集市街地対策や細街路対策を推進するためには、そのような地域コミュニティの力を尊重し、いかすことが求められます」と、こういうふうにもありました。ところが、まさにこれがいま脅かされているということで、えー投資目的で民泊施設が増えていくと、それで民泊施設ができたことでですね、これは違法民泊に限らず、簡易宿所等の許可を取っていたとしても、いろいろ騒音被害が、起こっているということが、この前あの、NHKの「京いちにち」という夕方のニュースでも特集をされておりましたが、結局睡眠導入剤がないと眠れなくなってしまった、こういう方のことも紹介をされておりましたけれども、ま、その他にもですね、あまりにうるさくなってそこには住めなくなった方もいると、いうお話も聞きますし、また、別の観点で言いますと、どんどんそういう宿泊施設ができていって地価が高騰して、若い世代のみなさんが住宅として土地を購入することができない、手が出せない、そういうなかで、地域コミュニティがどんどん壊れていくと、いうこともあのお話が伝わってきてるんですけれども、そういう意味では、えーやはり、民泊施設がどんどんどんどん増殖していくなかで、これまで自らの力で守っていた、そしていま、京都市も力を入れている、この京都の防災の取組がですね、やはり後退してしまうという側面もあるのではないかと、思います。

で、「密集市街地対策等の取組方針」では、細街路についても記述がありますが、「郊外部では道が十分に整備されないまま無秩序・無計画な開発が行われた地域もあることから、細街路が市内各地に偏在している」ということも書かれておりまして、やっぱりその無秩序・無計画な開発というのがですね、都市の防災にとっては、非常にマイナスの面もあるのではないか、ということで、この国への要望についてはですね、もちろんあの法の関係でもそうなんですけど、運用においての規制というのがもちろん大事だと思うんですが、それと合わせて、やっぱり不特定多数の人が出入りする宿泊施設をですね、できるかぎり住宅密集地にはつくらせない、そのための条例や規制、探究もですね、えーやっぱり大事になるんではないかなと、思いますけれども、その辺のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

(→歯黒・建築指導部長)はい、あのまず密集市街地・細街路対策というのは、あの、別に、えーこの、新しい新法ができる以前から、京都市が独自に取り組んでいるところでございまして、現在も、それを継続してると、いうところでございます。で、今回新たにこの、えー、住宅新法ができた中でですね、まああの、えー、昨年の7月に、いーあの、えー民泊の通報窓口を、えー設けさしていただいたなかで、ま、いろいろな苦情、または相談が、あー2000件超えるような、あー相談・苦情が来ております。まあそういったなかで、えーあの、ま、事業者さんの管理運営の話がかなりのウエイトを占めてると、いうところでございまして、えー昨年の12月に、えー保健福祉局さんのほうで、既存のあの宿泊施設の開業にあたって、えーいろいろなあの事前の、えー、地域への説明とかですね、えー苦情対応とか、そういったことをしっかりと、えー構築したうえで、えー業をやってくださいという要綱を定められております。えーそういったことを踏まえて、えーこの新しい新法についても、同様なことをできないかと、いうことが、まあ大きな、あの考え方ということで、この要望に掲げてるというところでございます。

◆やまね/まあその苦情がたくさん寄せられる中で、地域への説明なんかをこの指導要綱でされて、それを新法の中でもどうにかしてできないかということはよくわかります。やはり住民の合意というのが、あの何よりも重要ですので、ぜひ引き続き探究をしていただきたいと思います。

で、最後にこれは申し上げますが、あのーこれも都市計画のほうからいただいた資料で、「平成28年2月29日 観光庁・厚生労働省 第6回『民泊サービス』のあり方に関する検討会資料」からの抜粋ということで、「マンション管理組合側から見た民泊の問題点」ということでまとめられたものを拝見しまして、で、ここもですね、非常に重要なことがまとめられているなと思ったんですが、「静謐(せいひつ)で穏やかな住環境を破壊する」と。民泊がですね。マンションにおいて。「職場や学校(ON)とは違い、住居(OFF)は穏やかに暮らす場所。マンションに暮らすほぼすべての住民は、自宅の隣人が毎日入れ替わることを望む人はいないし、許容できない。騒音を事実上防止できない。『うるさい』とクレームを入れても次の日に違う人が入るなら無駄」と、こういうふうに書かれてありました。それから、「セキュリティの懸念がクリアできない。オートロックの意味がなくなる。ストーカーや犯罪組織に悪用されかねない」ということもあげられておりましたし、「マンションは不特定多数のゲストを受け入れる構造になっていない。ホテルとマンションは全く構造が違う。受付カウンター機能が存在しない」ということがいろいろ書かれてあるんですけれども、私はあの本当にいずれもよくわかる話だなあと思いまして、で、同時にですね、これはそのマンションだけの問題なんだろうかと、いうことも思いました。マンションでなくても住宅は穏やかに暮らす場所だと思いますし、隣人が毎日入れ替わることを望む人はいないと思いますし、それから、マンションでなかったらセキュリティがじゃあ安全になるのかと言ったらそうではないし、犯罪組織に悪用されないのかと言えばそうでもないと思いますし、不特定多数のゲストを受け入れる構造になっていないというのはですね、住宅密集地でも、私は同じだと思うんです。ですから、これはいずれも住宅密集地でも起こりうる問題が、あのいくつも書かれてあるなあというふうに思いました。ですので、まあ先ほども申し上げてくり返しになりますけれども、運用面での規制だけでなくてですね、マンション以外であっても、やっぱりそもそも民泊施設、宿泊施設は、ふさわしくない地域があるのではないか。そこにはできるだけつくらせないってことが大事ではないかと思いますので、まあ引き続き、議論をさせていただきたいと思います。以上です。

2017年8月10日【まちづくり委】都市計画局/一般質問「住宅宿泊事業法に係る国への要望について」

(更新日:2017年08月10日)