京都の世界遺産を守れ!(2017年7月6日/まちづくり委・都市計画局・やまね)

◆やまね/あのー先ほどですね、お話をうかがっておりまして、えー例えばその「重要な寺社やその周辺一部で、景観に影響を与えかねない事例が発生しています」という関連のお話で、えー、ま、「具体的な場所は控えたい」というようなお話もあったかと思うんですが、ま、この間上がっている梨木神社だとか出世稲荷以外ではですね、例えばどういう場所があるのか。あのもしお答えいただけるんであれば教えていただきたいということと、それからその、下鴨神社、あるいは二条城、このところはですね、景観問題ってのが問われているか、それとも問われていないと思うのか、その辺の認識を聞かせていただきたいと思います。

(→山本・都市景観部長)はい、えー具体例を、ということなんですけれども、えーそうですね、例えば、例えばですけれども、えー数年前にありました仁和寺の門前のガソリンスタンドとかコンビニエンスストアのような問題。これ立ち消えになっておりますけれども、かつてはそういうのがあったりしてるのが、あたると思います。え、それから、えー下鴨神社、あるいは二条城の計画についてでございますけれども、えー下鴨神社のマンションについては先月、えー竣工ができまして、えーもう完成できております。えー私どもも随分あの協議をさしていただいたなかで、えー下鴨神社、「世界遺産である下鴨神社の価値をさらに高めるような計画にしていきましょう」と、いうことで協議をずっとさしていただいて、えー御影通の歩道の部分広げていただいたり、えー南北の歩道、参道空間についても、緑豊かで、水のせせらぎが聞こえるような、そういう空間をつくっていただいて、結果として、えーいい景観ができたと、えー世界遺産周辺にふさわしい、えー景観ができた、というふうに、え、認識をしております。以上です。

◆やまね/二条城はどうですか。

(→山本・都市景観部長)えー二条城につきましては、えー、そうですねあの必要に、えー必要だということを、ベースに、えー検討を積み重ねた、られたうえで、え、駐車場の計画が、されたというふうに思っております。えー私ども景観の、えーセクションと致しましては、「そこでやってはダメ」という基準は、一切持っておりません。「やるならこうしてください」という基準は持っておりますけれども、「そこでそういう行為をしてはダメです」というような基準は持ちえませんので、えーそういう意味では、えー今の枠内でベストの、えー選択をされたのではないかなと、いうふうに考えています。以上です。

◆やまね/んーまあ私はその姿勢では大変弱いんではないかと、ほんとに世界遺産守っていけるのかなと、いうのが率直なところです。あのー「世界遺産条約」の第11条はですね、ま、危険にさらされている世界遺産について書かれているわけですけれども、ま、そこではどんな危険があるかっていう時に、あのー戦争や災害っていうことだけではなくて、「大規模な公共事業若しくは民間事業又は急激な都市開発事業若しくは観光開発事業に起因する減失の危険」、こういうものが含まれると、ですから、我々はですね、常にそういう、あの事業について、えー考える必要があると思うんですね。で、あのー、で、先ほど来から議論がありますように、やっぱり市民の声を聞くと、いうことがほんとにカギだと思います。で、2012年の、「世界遺産条約採択40周年最終会合」で国際社会が合意しております「京都ビジョン」というのがありますが、ここではですね、「世界遺産保護のためには、地域社会と先住民を含むコミュニティが重要な役割を果たしている」と、コミュニティの参加がですね、いま戦略的に、世界遺産を守っていく上では大変重要だと、位置づけられております。で、あのー、ま、京都ビジョンにふさわしいですね、当然、京都市として行動計画が求められていると思うんですけど、京都市としては、そういうユネスコであったり、あるいはこういう京都ビジョンの考え方、こういう立場に立って、進められているということでよろしいでしょうか。

(→山本・都市景観部長)はい、今回の、寺社等の景観を守る取り組みの中で、柱2、あるいは柱3の中で、えー市民・事業者、京都市も入って、えーそれから資産の所有者も入っていただく中で、この、えーみなさんで、共に取り組む景観づくりというのを、えー位置づけています。えー京都市としてはそういう、えー取り組みを、えー強力に推し進めていきたいと、いうふうなことで考えておりますのでよろしくお願いを致します。

◆やまね/で、まあ、いま柱2、柱3のところをおっしゃいましたが、実際に、起こっていることが何かということなんですよ。でー、あのこれ昨年11月10日付の毎日新聞の記事ですけれども、えー下鴨神社が昨年9月に、これコアゾーンのところですけど、「大型倉庫建設についていったん取り下げた計画を再度申請して京都市は許可」してると。で、このことについて、住民側のですね、代理人弁護士の方が、えー「神社側は新たな申請の際は事前に説明すると言っていた。今回の申請は背信行為だ」とこういうコメントを、まあ記事になっておりました。で、また、「世界遺産・下鴨神社と糺の森問題を考える会」、それから「糺の森未来の会」のみなさんが、インターネットで公開されているニュースがあるんですけれども、それ見ますと、昨年11月に京都市都市計画局へ申し入れをされております。で、えー、そこではですね、「新たな倉庫建設にあたっては、事前に予定地周辺の住民に十分説明し、了解を得るよう要望してきたところであり、京都市もこの要望は神社側に伝える旨約束していた」と。にもかかわらず、新しい計画の建築許可申請が出され、それが、許可を出したことをですね、周辺住民のみなさんが、一切知らされないままだったということを、あの非常に怒っておられる。で、この間の経過を見るとですね、先ほど柱2柱3のお話されたんですが、およそ「市民や事業者、寺社等との協働による景観づくり」というふうには、この事例をもって言えばですね、言えないんではないかと。その辺の認識はいかがでしょうか。

(→山本・都市景観部長)はい、えー下鴨神社の倉庫の件については、えー、ええっと、神社のほうからいろいろ、いろんな、そうですね、あのちょっと今、手元に資料がないのであれなんですが、えー何回かに渡って、えー説明を、えーされて、えー、協議が、話ができる状況、できなかった状況と、どうもいろいろとあったみたいなんですけれども、神社側としては、「説明をする」ということで努力をされているというふうに、えー思っております。えー、なので、えっとー、そうですね、あの、下鴨神社のケースが、えー、あ、があるので今回の、歴史的景観の周辺でうまくできてないじゃないかということが、ご指摘をされてるのかなと思うんですけれども、えー、ま、でも、えー価値を、共有をして、共に景観づくりをしていこうというのは本当に大事なことだと思いますので、えー、これから、しっかり取り組んでいきたい、というふうに思っております。以上です。

◆やまね/あのーまあ時間もないので、最後に申し上げますけれども、あのー、同じく世界遺産の二条城ですね、で、これはですね、二条城北西角への大型バス駐車場整備、これはまさに世界遺産のコアゾーンになるわけですけれども、私はですよ、私はこの、世界遺産を観に来る人たちのためにですね、世界遺産を壊して駐車場をつくるというのは、もうほんとに本末転倒な話だと、思っております。で、しかもこれは、あの、民間の事業者に「こうやってください」っていうお願いをする話ではなくて、京都市が自らやっていることですから、やっぱり京都市が自らこういう形でコアゾーンに手を付けているってことはですね、しっかりと見つめ直さなければいけないのではないかと。

で、この素案、資料を見ておりましたら、「はじめに」というところであるように、平成26年度に、えー、「総点検」を行なって、それから28年の12月に「取組方針の策定」がされて、で、この間議論されてきたわけですよね。で、ということはですね、下鴨神社の話も、二条城の話もですね、まさに時を同じくして、あの問題になってきたものなんですよ。ですから、現にそういう問題が起こっているなかでですね、なかなかそれが、ほんとに景観守られてるのかっていう疑問が、残るようではですね、やっぱり京都市の本気度が、あの問われてるんではないかと。で、ほんとに、各委員のみなさんがおっしゃったように、景観保全っていうのはしっかり進める必要があると、思いますし、そこは私同じ気持ちだと思ってるんですが、同時に、やはり市民に景観の保全を求めるんであれば、京都市の、えー、姿勢も問われると、京都市がやってきたことについてですね、しっかりと襟を正す必要もあるのではないかと、いうことを、あの最後に申し上げて、終わりたいと思います。もし最後にご見解いただけたらと思います。

(→松田・建築技術・景観担当局長)はい、あのー、先ほど、ユネスコの、おー関係のことを、えー、おっしゃっていただきました。あのー私どもが、世界遺産にのぞむ姿勢は、まさにユネスコに書いてる通りでございます。世界遺産が、あー、危機に陥らないように、えーそういった事態が、回避する方法、それをいろんな方法で考えていくと、これはもちろんなことでございます。えーそして、えー、世界遺産、これを、おー、しっかりと維持管理していく、これも、おー、大事なことだと思ってます。で、その維持管理、えー周辺も含めた、あー環境、景観の形成、これは、あー、当事者、あー、例えば下鴨神社ですと神社さん、二条城ですと京都市、こういったところが、あー、まず、やる、あのどういうふうにしていくのを、かっていうのを考えるのは当然でございますが、その周辺の方々も、その環境にどう協力できるのか、ないしはどう形成していくのか、こういったことを関与していただくのは、も、必要なことかと思ってます。そういう意味では今回、柱の2、柱の3では、共に考える環境をつくっていきましょう、考える機会をつくっていきましょう、ということで、えー、で、そういったあのーまあ、あー動きといいましょうか、取り組みを進めていきたいと、いうふうに思ってるところでございます。

先ほど指摘されましたように、下鴨神社の倉庫の件、それから二条城の件、これは、あのー、世界遺産を維持管理していくうえでも、必要な事柄かと思っております。そういった中で、えー、そういった環境が、どういうふうに周辺のみなさんと共に、えーつくられていくのか、これを、おー、お互い話をしながらやっていく、これは、あー両施設においてもやってこられたことかと思っております。そういったことで、えー次の環境、景観をつくっていく、これがいまつくられていることではないか、というふうに思ってるところでございます。

2017年7月6日【まちづくり委】都市計画局/理事者報告「歴史的景観の保全に関する具体的施策(素案)に対する市民意見の募集について」

(更新日:2017年07月06日)