民泊新法について、市民のくらし守る立場で対応を(2017年6月22日/まちづくり委・都市計画局・やまね)

◆やまね/今日は民泊新法についてお聞きしたいんですが、まずあのー5月議会で可決をされました市会決議、えー「違法民泊対策の一層の強化を求める決議」についてですけれども、決議のなかではですね、「宿泊施設における市民と旅行者の防災・防犯・公衆衛生面での安心安全の確保、周辺の生活環境との調和が大前提」であるということが指摘をされております。あのまず、都市計画局として、この市会決議について、どのように受け止めておられるかをまずお聞かせいただきたいと思います。

(→歯黒・建築指導部長)はい、今あの、先生ご指摘がございましたあの5月市会においての、えー決議でございますが、えー63名の、えー議員の方からの決議ということで、非常に重く受け止めております。えー決議の中では、えー4点の取り組みを強化ということで、えー決議がされてございます。えーそういった中で、えー私ども京都市では、えー関係課と連携しまして、えー昨年度の夏に、えー「民泊通報相談窓口」を開設し、え、また、この6月には保健福祉局のほうが、えー民間の調査委託をするということで、まあ、市民のみなさんからいただいた、あー情報を、えー効果的効率的に、いーあの、活用してですね、えー違法民泊の、取り締まりの強化に、今努めているところでございます。えー当然あの違法民泊は、えー、けして許さないと、いう強い決意のもと、えー関係課と連携を図って、えー取り組みを進めているところでございます。

えーあと民泊新法の関係に関しましてはですね、えーあくまで、えー地域と調和をした、えー宿泊環境になるように、いーあの、国のほうに、今までから、あー、京都市の独自の規定を設けられるような形で、えー法の整備をお願いしてるところでございます。えー現在、政省令が、あの検討されておりまして、えーそういったなかでも、再度、国のほうに、そういうようなことを、えーしっかりと国のほうに、要望してると、いうところでございます。以上でございます。

◆やまね/あのー今おっしゃっていただいたように、ま、そのー、対応のですね、十分・不十分はあったとしても、京都市としてですね、「違法民泊は許さない」という立場で、あのー取り組みをされていると思います。でーあの、都市計画局に関わる、この「用途違反」についての対応・指導については、4月26日のまちづくり委員会の中で、少しお聞きしまして、えーまあ「物件の特定がなかなか難しい」という課題がありつつも、「それが特定できた場合は法務局へ行って建物の所有者を調べてそこにアプローチをしている」というお話がありました。それからあの、件数についてはですね、「観光MICEのほうが毎月集約」して、「用途違反が疑われるものに限って情報をいただいている」と、いうご答弁あったと思うんですけど、そこであのお聞きしたいんですが、あの市会決議の中にもある直近の数字ですね、平成29年3月末、で、延べ2143回の現地調査をされてる中で、このうちその都市計画局が関わった、まあ一緒に調査に行ったとかですね、関わりのあるものは何回ほどあるのか、教えていただけますでしょうか。

(→歯黒・建築指導部長)今あの先生がおっしゃいました2143回の調査回数と、完全にちょっと重なるかどうかちょっと定かではございませんけども、昨年度私ども建築基準法で、えー違反という容疑でえー現地を調査して指導した件数が、137件ございます。

◆やまね/えー建築基準法の関係で137件と、いうことであります。えーもう一つですね、あのーこの4月26日の委員会で、「そもそもなぜ用途地域が決められているか」「なぜ都市計画で制限されているか」というのを、我が党の西野議員が質問致しまして、えーそれについてはですね、「健康で文化的な都市生活、及び、機能的な都市活動を確保する、という趣旨の中で、適正な土地利用制限を行なっている」という、こういうまあご答弁ありまして、それからあの、京都市の上質宿泊施設誘致制度について、「そういう提案がされたということは、これまでの(用途地域、利用制限の)考えが変わったのか」と、こういう質問についてはですね、「従来の考え方から方向転換したものではない」と、こういうお話がありました。そこであらためてお聞きしますけども、この先の国会で成立したこの「民泊新法(住宅宿泊事業法)」によってですね、都市計画局に関わる部分、で、特に用途地域に関わる部分では、これまでとどういう点が違ってくるのか、あらためて教えていただけますか。

(→谷口・都市景観部土木担当部長)はい、えーっと先生今あのー、えーと、えーご指摘ありましたようにあのえー都市計画理念そのものが、あの今回のえー住宅宿泊事業法によって変わるものではございません。あのまったく同様の中で、えーこれからも都市計画行政を進めていきたい、このように考えております。で、えーと具体的な実態的な、あのーええと影響といいますか、ええと事象で申しますと、えーと今回の住宅宿泊事業っていうものは、あの、ええと我々都市サイドにおきましての、あの建築基準法ではあくまでも「住宅」と、いう取り扱いになりますので、えーと住宅が建築可能なエリア、立地可能なエリアにつきましては、えー住宅宿泊事業が適宜と名乗れることになるのかなと、いうふうに考えております。以上でございます。

◆やまね/えーまあ理念、都市計画の理念そのものは変わらないと、それであのー、建築基準法上その「住宅」ということになれば、その住宅が建てられるところでは可能になる、まあ法律と、いうことですね。で、あのーつまり、民泊新法というのはですね、あのすでに報道でも伝えられておりますように、「180日以内であれば、これまで認められていなかった住居専用地域でも人を泊めてお金を取る『宿泊事業』ができる」という中身になります。で、しかし、先ほどもおっしゃっていただいたように、そもそもなぜ、この「用途地域」「土地利用制限」が定められているかと言えば、あの委員会でお答えいただいたようにですね、「健康で文化的な都市生活、及び、機能的な都市活動を確保する」ためと、こういうまあ理念といいますか、元々のものがあると。だから、簡易宿所は住居専用地域には認められてこなかったと、いうことで、しかも今おっしゃっていただいたようにですね、京都市としても「用途地域についての考えは変わらない」ということなんですけど、しかし、法律上は、民泊新法ではですね、そこがあの実際は住居、住宅専用地域でも宿泊事業ができるということになると、いうことです。

で、加えて、あのー人を泊めてお金を得るというのは、あの私はやはり「命を預かる仕事」だと思います。ですから、衛生・防火・防災など、一般の住宅よりも厳しい安全基準が設けられて、「簡易宿所の許可」を得なければいけなかった、これは所管は保健福祉局に、あのーなりますけれども、で、それがまあ「届出制」ということでですね、今度なると。で、私はこの点を見ればですね、これはあの市会決議で、最初、冒頭に読み上げましたけれども、これは市会決議にある「市民と旅行者の防災・防犯・公衆衛生面での安心安全の確保」、そして「周辺の生活環境との調和」という点で見れば、えー「後退」ではないかと、思うんですけども、その点での認識はいかがでしょうか。

(→歯黒・建築指導部長)はい、あの当然今あの先生がおっしゃったあのー、えー周辺との調和、えー宿泊者の安心安全、また、えー地域のみなさんの生活環境を担保する、これ当然のことと思っております。あのー新しくできました住宅宿泊事業法の中でもですね、えー法の中で、「生活環境の悪化を防止するため、必要があるときは、政令で定める基準にしたがい、条例で定めることができる」という規定がございます。えー現在この政令の中身が、えー国のほうで、検討されてると、いうところでございまして、えーそういった、あー中で、京都市のほうとしても、えー地域独自で、そういったあの条例が、出来るような形で、えー国のほうに要望してると、いうといころでございます。

◆やまね/であのー、ま、これからの議論がかなり重要になってくると思うんですが、あのーほんとにまじめな業者さんもおられましてですね、あのー人が常駐をしている、法をしっかり守ると、そして今言っていただいたような「周辺との調和」、あー信頼を得ながら、あのーがんばっておられる事業者のみなさんともこの間、私どもはお話を重ねてきましたけれども、あのその一方でやはり違法民泊の実態というのは、あのー大変な深刻な問題があると。で、都市計画局の、ま、指導に関わるところでもですね、やはり「所有者がなかなか特定できなくて難しい」というところあると思うんですよね。

で、私今非常に危惧しておりますのが、えー現在ですね、まあ、現在でも合法の「簡易宿所」、であってもですね、えー例えば、あのー計画を示す看板が設置をされますね、で、そこにですね、「設置者」の名前があるんですけれども、「所有者」はそれを見ただけではわからないという場合があると、で、住民の方が登記簿を調べられて見てみるとですね、オーナーは外国の方で、えーその住所を見るとですね、南の島になってると。あのー私も初めて今回、セーシェル共和国という、あのまあタックスヘイブン、租税回避地としても非常に有名な場所に住所があって、で、まったくその顔が見えないオーナーがいると。で、そういうなかで、いまその簡易宿所の施設の建設の強行がですね、ま、強行というか、住民への説明が不十分なままに、行なわれようとしていると、いうことで、とてもまあ「周辺との調和」ということでは言い難い状況が実際にあるわけですよね。で、そういう時に、京都市がこれまで「許さない」と、「違法だ」としてきたものまで、この法律が変わったことによってですね、住居専用地域でも今後は認められていくということになれば、はたして住環境が守られるんだろうかと、こういうやっぱり不安がですね、やっぱり市民の方のところにあると、いうことだと思うんです。

で、あの京都市の今後の動きについてちょっとお聞きしたいと思うんですが、あの市長は、「マンションなど集合住宅での民泊は認めない」ということで言っておられます。具体的には、あの「マンションの管理規約」などで制限をしていくっていうことになろうかと思いますが、あの一つお聞きしたいのは、なぜそういった「制限」が必要だと京都市では考えておられるのかと。それから、これは私の意見ですけれども、やっぱり「防災・防火対策」、それから「住環境を守る」といった場合にですね、住居専用地域ってことはもちろんなんですけど、やっぱり「住宅密集地での営業は好ましくないのではないか」と、こういうふうに考えますが、その点についてお考えを聞かせていただきたいと思います。

(→歯黒・建築指導部長)え、まずあのー、えーと、旅館業法の許可を取って営んでおられることに関して、まああのー、周りのほうへの、えー説明が不十分と、いうことでございますが、えー保健福祉局のほうで、えー再度ですね、旅館業法の許可を取得された施設に対しても、えーその、周りの方にしっかりと説明をして、住環境を担保するようにというような、あーあのー依頼をですね、事業者のほうに、されておるところでございます。

でーそれと、あと、あのま、市長が、「マンションは基本的に制限する」、したほうがいいということでございますが、基本的には、あのー、昨年度、えー民泊通報の窓口のほうに寄せられてる、えー、苦情の声というのが、マンションで「オートロックがかかってるマンションやのに全然わからん人が入ってきてる」と、「非常に防犯上不安だ」と、いうような苦情がかなり多ございます。ま、そういったことと、本来、いーマンションというのは、えー住宅が集合したものでございまして、それ以外のまあ業種が、混在するというのは、基本的には、あー好ましくないと、思っております。そういった認識から、あー、共同住宅、マンションについての、おー制限という話が出てるものと認識しております。以上でございます。

◆やまね/あのー、えー、窓口に寄せられる声で、ま、特に、マンションの方からの苦情が多かったということでありました。で、あのまあ、もう一つのその、最後私お聞きしたのが、えーそれに加えてですね、住宅密集地での、あのまあマンションはもちろんそうなんですけども、住宅が非常に密集している地域での営業も、あのー好ましくないのではないかなあと、私は思っているんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。

(→歯黒・建築指導部長)ま、あの確かに、あのー新たに事業を営まれたら、あー防災の負荷っていうのは多少変わってくるかと思います。えー我々、えー所管している都市計画の中で、そういった住宅の密集地の中の規制について、どういったことができるかというのは、まだあの検討を始めているところでございますので、今あのこれ以上の、えーご答弁というのは、ちょっとできない状況でございます。以上でございます。

◆やまね/えーまああの今後の議論だということになると思いますが、で、それでもう一つ、あのーお聞きしたいと思います。あのー、えーその「周辺地域や生活環境との調和」という時にですね、私はやっぱり大事なのは、あの建物の外観だけではなくて、まさにそういう周辺住民のみなさんの納得や合意ってのが決定的だと思うんですが、この点に関わってですね、市民の方からご意見が寄せられました。で、えー、「集合住宅での民泊は認めない、管理規約の改正でそれが制限できるというのであれば、地域の町内会や自治会の規約等の改正で『この地域では民泊は認めない』と地域住民が決めたら規制が可能にはならないんだろうか」という、ご質問というかご意見というか、いただきまして、で、そういう点でその制度とか法的に、今、まあどういう仕組みがあるのか、そういう市民の方が言っておられるようなことが可能なのかどうか。ちょっと教えていただけますでしょうか。

(→谷口・都市景観部土木担当部長)はい、えーと、今先生あのご指摘ありました地域住民が主体的にあの町のルールづくりをするという制度でございましては、あの主だったものとして「地区計画」、あるいは「建築協定」っていうものがございます。で、今回の住宅宿泊事業法につきましては、えーと現在くり返しになりますがあの詳細な中身、につきまして国で今検討されておるというふうに聞いておりますんで、えーこの状況も踏まえながら、えーこういう手法が今後活用できるのか、きちっと見定めていきたい、このように考えております。以上でございます。

◆やまね/えーまあ「建築協定」や「地区計画」というのが今のまあ制度の中であって、まあ詳細な中身は今、まさにこれからの議論ということですね。またあの今後議論させていただきたいと思います。で、あのー、私どもがですね、最後に申し上げますが、あの民泊施設の実態調査に入った東山区の六原学区、ここはですね、平成29年度まちづくり月間・まちづくり功労者国土交通大臣表彰を受賞された地域ですし、それからあの、私のまあ地元・伏見区のですね、えー藤ノ森学区では、この地域は京都市の「地域力アップ学区活動連携支援事業」で選定されている地域であります。で、こういう地域のみなさんが、いま「住んで良かったと思える地域をつくろう」ということで、えー、ま、民泊問題もですね、取り組んでおられて、えー「周辺地域との調和」、あるいは「周辺住民の合意」を求めてですね、業者の方とかなり、あのー突っ込んだ議論、やり取りをされているんですよね。ですからあの住民の自治の力で、市民の力で今そういう形で生活環境を守っておられると。で、あのーなかには一人で悩んでおられる町内会長さん、あるいは市民の方々もたくさんおられると思いますので、あらためて京都市・行政が、あの市会決議も受け止めていただいて、市民のくらしを守る立場で、ぜひ力を尽くしていただきたいと、あのまた引き続き議論させていただきたいと、申し上げて終わります。以上です。

2017年6月22日【まちづくり委】都市計画局/一般質問「民泊新法について」

(更新日:2017年06月22日)