「ワークライフバランス」というなら、「待機児童解消」「ブラック企業根絶」に本気の取り組みを(2017年3月17日/くらし環境委・文化市民局・やまね)

◆やまね/えーといくつか疑問点がありますのでお聞きしたいと思います。あのーまず資料1のp22なんですが、推進計画改訂版(案)の最後にある「推進体制等」の「数値目標」というところがあります。でーここではですね、「計画の進捗状況を把握する目標値として、次の指標を掲げます」ということで、「真のワークライフバランスという言葉の周知度」があげられているんですが、私は率直に言って、このことが果たしてどれだけ実効性があるのかと。で、言葉を知っているかどうかという問題なんだろうかと、いうふうに思っています。で、実際はですね、このワークライフバランスという言葉を知っていたとしても、なかなか実現が難しいというのがですね、あの率直なところではないかなあと、いうのが私のまず感想です。これはあの答弁はけっこうです。

で、お聞きしたいのは、えーいまご説明いただいた概要のp6のところでですね、「計画案に反映する主な内容」というところで、えー、インターネットアンケートで寄せられた声をもとに修正文が提案されているんですけれども、えー待機児童の問題なんですが、えー元の文章では、「保育所待機児童の解消を図るとともに」とあったものがですね、「保育所等の待機児童ゼロを継続するための取組を引き続き進めるとともに」という表現に変わっております。でーこれはね、あのー、ただ単にちょっと表現が変わったという話ではないんですよ。「待機児がいる」という認識が「いない」という結論に変わってるわけです。で、あの、京都市の言う「待機児ゼロ」というのはですね、あくまで「国基準で見た場合の4月1日時点の数字」のはずです。これは京都市が言っておられる。その国基準で見てもですね、「10月1日時点」で見れば、あの今年度ですけども、「74名」が待機児となってるわけです。せめてですね、「国基準で見た場合4月1日時点でゼロ」というものが、文言が付くんであれば、まだわかるんですが、これ待機児がですね、ずっといないかのような表現になっているのは私は問題だと、思います。市民の実感とも事実とも違うと。で、寄せられたこのインターネットのアンケート、意見を見ますとどれも子育て支援の充実を願うものですよ、ここで書かれてあるのは。で、なぜその声を受け止めた結果が、「待機児ゼロ」というふうになるのか。これなぜこのように表現が変わったんでしょうか。

(→吉田・共同参画社会推進部長)あのー待機児のまあ統計については、まああの今委員おっしゃるように、あの国、えー国の統計等それから、あのー、えー、まあそれぞれの条件であの保育条件ございますので、えーそれによってのカウントの仕方が違うと、いうふうには聞いておりますが、いま、えー私どものほうが、あのー、えー、関係局のほうとも調整をしているなかでは、ま、京都市、待機児童ゼロに向けて、いまその整備等を行ってるところでございます。あのー、えーその、その状況状況によりまして、えーその待機児の状況等も変わってまいりますので、えーそのいまの待機児ゼロと、いう、待機児が生じているかどうかっていう、そこの詳細までは、えー私のほうは把握はしておりませんけども、その待機児ゼロに向けての、えー整備をしている、と、え、ために、施策を推進をしていると、いうことを含めまして、この待機児ゼロを継続する取組を引き続き進めると、いうことでの表現にしているところでございます。で、また、あの、子育て支援ということに、いうことでございますが、そのまたおっきな柱という部分での、やはりあの保育所入所等の対策が必要だと、いうふうに思っておりまして、こういった表現にしてるところでございます。

◆やまね/ゼロに向けて取り組んでおられると、で、詳細は把握されていないと、おっしゃいました。そしたらね、こういう書き方はおかしいと思うんですよ。で、これあの、市の公式文書になるわけですから、正確に記述していただきたいと。この点については修正を求めたいと思いますがいかがですか。

(→吉田・共同参画社会推進部長)あのー、えー、いまの保育所の、えー、保育所の待機児童のあの解消につきまして、えー私どものほうの、あの関係局のほうとも、あの十分に協議をしたうえでの、えーこういった表現にはなっているところでございます。あのーいま、あーすぐにその訂正というところでの、あのご意見についての、あのお答えは持ち合わせはしておりませんけども、あのいまの、えー待機児童と、いうことの、解消の施策ということももう一度、えー確認をさしていただきまして、この文章につきましては、あの確認はさして、あの、えー、の、あり方については、もう少し考えさしていただきたいと思います。

◆やまね/あの関係局と十分協議したうえでやってるとおっしゃいますけども、その保健福祉局、みなさんの側が、「国基準で見た場合の4月1日時点だ」と言ってきたんじゃないですか。それがなぜ書けないのかと、いうことです。で、私はあの、現状をしっかり認識できないようではですね、「真のワークライフバランス」といくら言ってもね、私はスローガンだけになると思うんですよ。でーあのー、京都市は、先ほどあの企業の補助金の話出ました。で、これ私はあの大変いい取り組みだと思うんですね。この、えー、「真のワーク・ライフ・バランス推進企業支援補助金」、ですね、これ実施されてきたと。「育休」などの環境整備に取り組む市内の中小企業に補助金を出すと、いうことなんですが、で、これ過去の実績を見ますと、「短時間勤務制度の導入」などを行った企業が申し込まれていると、いうことです。で、ただですね、まあこれはいいと思うんですけども、その一方で、いま京都市で何が起こってるかと。保育所入所がポイント制になっているために、育児休暇や育児時短を取ると保育所に入りにくくなると、いう実態があるわけです。これが現実なんです。で、これ、学校の先生からこういう声が寄せられました。「職場に電話がかかってくる」と。「保育所の申請書に育児時短は取らないと書いてあったが、本当に学校で育児時短を取らないことになっているのか」と、職場に電話がかかってくるというんです。で、これまでね、学校現場っていうのは、担任を外したり、あるいは部活を外したりですね、ま、いろんな制度も使って、短時間勤務を保障されてきたわけですけれども、いま学校現場はもうほんとに忙しい。大変な状況で、なかなか難しい現状があるという話も私聞いておりますが、そういうなかで職場に電話がかかってきてですね、「本当に育児時短しないのか」という、「まるでウソをついてるのではと疑っているような電話だ」というお話を聞きましたが、これ、こういう電話を京都市はやってるんですか。

(→吉田・共同参画社会推進部長)あのーえー、え、ま、あの保育、う、所の、その、えー中で、えーどういった、まあ連絡が行われているのか、えーどういった対応されているのかと、おーいうことについて、あのーいま私のほうが、あのーえー、答える、うー、ものは持っておりません。ただ、あの先生、委員おっしゃるように、そのー、えー、保育所の入所等に関しての、まあ様々なご意見があって、どういったまあ制度をして、えーしてほしいのか、あーどういったものを求めたいのか、ていうことについて、えーやはりしっかりと、まああの市民の方のご意見を聞かなあかんのかなというふうには思ってます。で、ちょっとすみません、総論的な意見にはなるんですけども、まあそういったところで、あの先ほど言いましたように、その、あの、これから、あの常時、あのこういったご意見を、まあ聴取ができる、まあウェブなどの整理もしていきます。で、そのうえで、えー事業計画を策定をさしていただきます。その事業計画の策定の際に、まあそういったことも我々のほうからもしっかりと、あのー、所管をしてるところにも伝えまして、えーその制度の、制度等については我々も一緒になって検討さしていただきたいと、いうふうには思っております。

◆やまね/で、これ、どういった対応されてるのかですね、これはあのぜひ所管の保健福祉局にも聞いていただいて、えーちょっとどういう対応されているのか、もし資料でいただければと、思います。で、あの、この「育休」はですね、労働者の権利として、あのー勝ち取られてきたものなんですよね。で、多くの人がね、取りたいと思ってると思うんですよ。自分の子どもとやっぱり小さな時はですね一緒に過ごしたいと、思ってるはずだと思うんです。で、子どもが小学生でも取れるようにするというのが世界の流れなんです。しかし実際には、えー取れるのに取れない、取らなかった人もいると。「子どもと一緒の時間を過ごしたい」という思いを持ちながら、育休を切り上げざるをえない、あるいは、時短をせずにフルでスタートする、職場復帰する方もおられる。で、その理由は何かと言ったら「保育所に入れないから」なんです。ポイント制や保育所が足りないことによって、お子さんを持つご家庭でそういう怒りや悲しみが京都市の中で、生まれているということはぜひ認識をしていただきたい。で、こういう声もいただきました。「がんばっている企業がある」と。先ほどあの補助金の話もありましたけれども、「がんばってる企業もある中で、むしろ育休や時短を取りにくくしているのは京都市の保育課だ」と。「企業を表彰する前にまず京都市の保育課を『化石賞』として選んだらどうか」と、こういう厳しいご意見もあるわけですけども、その点についてはいかがでしょうか。

(→吉田・共同参画社会推進部長)あのー当然あの、えー、行政でございますので、えー市民サービスの向上に向けてということで、取り組んでおります。えー、え、ま、他局のことにはなりますけども、あの保育課の職員も、えーけして、えー、えーその、どう言いますか、あのー、えー、えー、職員、えー・・・、も、あのー、どう言いますかね、制度の、しっかりと運用を行うために、えーと仕事を行ってるもんだと、いうふうには思っております。えー当然、その制度、それぞれ保育制度そのものがございますので、その制度をしっかりと、あのー進行、実施をしていく、それが市民サービスにつながると、おーいうことの認識のもとに、えーその制度の運用をしていると、いうふうには認識はしているところでございます。あのただ、市民の方からそういった、ご意見がある場合には、あの私どもにあった場合には、また、そこには伝えてはいきますけども、えーそこの誤解があるという部分もあると思いますので、えーそこの部分については、しっかりとご説明をさしていただかなければならないと、いうふうには思っております。

◆やまね/誤解とおっしゃいましたけど、私はやはりこれ制度の問題だと思うんですよ。ポイント制によってですね、育休や時短をすれば、保育所に入りにくくなるというのが、そういう制度になってるわけですよ。その苦労をぜひわかっていただきたいと思います。

で、もう一つ、あのー、先ほど「長時間労働の是正が大前提」だというお話がありました。これは私はその通りだと思うんです。で、そこで、このワークライフバランスと言うんであればですね、やはり「ブラック企業の根絶」という問題にもう少し踏み込んでいただきたいと。でー、子どもと一緒に晩御飯も食べられない、どころか、過労死や過労自殺につながるような長時間労働が社会的問題となっております。で、これを放置して、ワークライフバランスなど実現はできないと。企業の社会的責任として、やはり、この「ワーク=仕事」と「ライフ=個人の生活スタイル」、これが両立できるように、企業になるようにですね、行政の働きかけが大事だと思うんです。で、その際に、あのー、「ブラック企業の根絶」という言葉がやはり、この中に、あのぜひ出てきてほしいなあと、いうこと思いますし、それから先ほど他局との連携の話もされたんですけど、私はぜひですね、京都ブラックバイト対策協議会、こういうところとも連携をすべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

(→吉田・共同参画社会推進部長)あのまあ、あのブラック企業、まあブラック企業のその規定そのものというのは、まああの、何かこう、法で何か定まっているという、ものではないというふうに思っておりますが、一般的なものとして、労働者に対して極端な長時間労働とかノルマを貸すですとか、あのー、えー賃金の不払い、パワーハラスメントなどの企業主体のコンプライアンスの意識が低いなどといった、まあ企業だと、いうところでございます。あのー当然、あのこのブラック企業、いわゆるブラック企業と言われている企業に対しましては、あのー、えー、いわゆるええと、労働基準法等に基づく、あのーいわゆる規制、指導・監督というのは、まあ労働局のほうになります。えー私どものほう、しっかりとその労働局とも連携も取りながら、えーそういった企業のまあ、そちらのほうは権限を持ってるそちらのほうにまあ、ほうで、えー対応していただくという形になると思いますが、私どものほうは、そういった、あの企業にならないように、支援をしていくということが、えー私どものほうの役割だと、いうふうには思っております。あの、いろんなあの制度を活用、いろいろ企業に聞いておりますと、あの、えー私どものほうの、あの制度そのものを十分に知らないと、いう企業、中小の企業の方の声も聞いております。あのその制度を周知を、しっかりと行いまして、えーこういったブラック企業等にならないように、しっかりと我々は支援をしてまいりたいと、いうふうには思っております。ですので、この、関連をして、連携をしている、ところが、団体があれば、あーそういった団体とも連携は取っていきたいというふうに思っておりますけども、この推進計画の中で、えーブラック企業等についての記載については、あのそういった意味から、あの特に、えー必要はないと、いうふうに考えてるところでございます。

◆やまね/えーまあぜひそういう労働関係機関ともですね、連携は取っていただきたいと思います。それからあのー、いま大きな焦点になっているのが、残業時間の規制の問題です。で、労働者の健康確保のために、えー「残業時間の上限は月45時間」というのが厚生労働大臣告示であります。しかしいま政府が言ってるのがですね、「月100時間」と、まあ厳密に言えば99時間59分までは月残業してもかまわないということが言われてるわけですが、で、これに対してですね、電通で過労自殺に追い込まれた高橋まつりさんのお母さんが怒りのコメントを出されました。少し紹介しますが、「月100時間残業を認めることに、過労死遺族の一人として強く反対します。このような長時間労働は健康にきわめて有害なことを、政府や厚生労働省も知っているにもかかわらず、なぜ、法律で認めようとするのでしょうか。全く納得できません。(中略)人間は、コンピューターでもロボットでもマシーンでもありません。長時間働くと、疲れて能率も悪くなり、健康をそこない、ついには命まで奪われるのです。人間のいのちと健康にかかわるルールに、このような特例が認められていいはずがありません。繁忙期であれば、命を落としてもよいのでしょうか。命を落としたら、お金を出せばよいとでもいうのでしょうか。娘のように仕事が原因で亡くなった多くの人たちがいます。死んでからでは取り返しがつかないのです。どうか、よろしくお願いいたします」という、コメントであります。で、私は、労働者の命を現に奪った月100時間という時間外労働を法に書き込むということはですね、絶対やってはいけないと思います。で、そこで、ワークライフバランスを推進する局として、過労死ラインを超える「月100時間」という残業時間が法律で決められようとしていることについては、どう考えておられるでしょうか。

(→吉田・共同参画社会推進部長)いまあの、えー、・・・えっと、あのー、んー、え、「特に忙しい時期」の残業時間のまあ上限の100時間等について、いまあの報道等で私どものほうも聞いております。いまあの、えー、そういった、まああの審議が行われるというところがございますので、私のほうから、それについてのまあコメント等については、あの特に控えさしていただきたいというふうには思っておりますけども、ただ、あのー、えーいわゆる、えー使用者責任、また、あの長時間の働くことでの健康を害することと、いうことにつきましては、大変大きな課題だというふうには思っているところでございます。えー国のほうの動向も見極めながら、えーそういったあの、特にその長時間抑制への、あの具体的な、具体的にそしたらどうしていくのかと、いうところについてが、今後の課題だというふうに聞いておりますので、えーそういったあの国の動向、それから社会の動向等も十分に見極めて、えー私どものほうも、できる限りの支援はしてまいりたいと、いうふうには思っております。

◆やまね/いままあ「特に忙しい時期の話」かのようにおっしゃいましたけどね、これ医学的に、根拠に基づいて厚労大臣の告示として言われているのが45時間なんですよ。それをもう倍以上も上回ることを国が認めようとしてると。で、あなた方がやってるのは、ワークライフバランスてのはじゃあ何のためにやってるのかと、いうことになると思うんですね。私は国にもしっかりとモノを言っていただきたいと思います。で、最後に、もう一つだけお聞きしますが、あのがんばっている企業を表彰するのは、あの大変けっこうなことだと思いますが、同時に先ほども言われました、労働法令違反をした企業、こういう企業についてはですね、やはり実名で公表すると、こういう取り組みぐらいが必要ではないかと。市長も「ブラック企業根絶」と言っておられるわけですから、ぜひそういう取り組みもやってほしいと思いますが、いかがでしょうか。

(→吉田・共同参画社会推進部長)え、えー、あのーえー、まあいまの、ご意見等につきましては、まああの、公表するかどうかということにつきましては、えー私どものほうで、いまあのー、できる、その権限、そういったものはいま持ち合わせてるところではございません。あの、あの、ワークライフバランスの、実施、いー実現に向けての取り組みについて、そしたら何の権限もないんではないかと、いうふうに、というご意見もあるかもわかりませんけども、えー先ほどから述べておりますように、我々一つの文化市民局だけで、何かできるものではない、何か法に基づいてというものではない、えーただ、各局のほうの、各局との連携、施策を持ってるところとの連携、また、えー京都市だけではなくて、えー労働局、それから商工会議所、京都府ともしっかり連携をとって、えー行っていかなければならないと、いうふうに思っております。あのそういったところで、そういうブラック企業の解消についても大きな課題だと、いうところではあると、いうふうには認識をしておりますので、そういったところとしっかりと連携を取って対応してまいりたいと、いうふうには思っております。

◆やまね/あの、ワークライフバランスというこの取り組み自身は、私たちも大変大事な取り組みだと思っておりますので、ぜひいま言っていただいたように連携を強めていただいて、実効性ある取り組みにしていただきたいと思います。以上です。

2017年3月17日【くらし環境委】文化市民局/理事者報告「『真のワーク・ライフ・バランス』推進計画」改訂版(案)について

(更新日:2017年03月17日)