陳情審査:京都駅前再開発はスクラップアンドビルドでなくリノベーション型で行うべき(2026年6月11日/まちづくり委・都市計画局・やまね)

〇委員長/次に委員の皆さんにお諮りいたします。本日までに陳情第4623号の陳情者から趣旨説明を行いたいとのお申し出がありました。そこで、陳情者から趣旨説明を聴取するかどうかについて、委員の皆さんのご意見をお聞かせ願いたいと思います。

◆自民党/必要ありません。

◆維新・京都・国民/はい。必要ないです。

◆共産党/そもそも民主主義の議会という立場からすればですね、住民の声を聞く、住民の立場を尊重する、住民が主人公のまちづくりをするんだという京都市の方針からしてもですね、きっちりと一人ひとりの声を聞くこと。民主主義というのは人の意見をちゃんと聞き、お互いを尊重し合うということが大事だという風に思います。特に今回の場合は現場の声でありますから、私などは伏見区ですから現場の声を色々ね、見ていくという点では、そういう意味では、他地区であるものが、議員が参加している場合もたくさんありますから、その点であればやっぱり現場の生の声を聞くということは、私たちの議会を運営をしていく上では非常に大切なことだと思いますので、是非この点、明らかにしていただくという点でも私は、これは受け入れるべきだと、賛成いたします。

◆公明党/必要ないと思います。

◆無所属しげ議員/必要ないと思います。

◆無所属平田議員/必要ないと思います。

〇委員長/お聞き及びの通りであります。それでは、これより採決を取ります。陳情第4623号の陳情者からの趣旨説明を聴取することに賛成の方の挙手を求めます。(挙手少数)少数であります。よって、陳情者からの趣旨説明は聴取しないことといたします。以上、ご了承願います。

それでは、都市計画局関連の陳情審査を行います。初めに、陳情第4623号「京都駅前開発における躯体温存型リノベーションによる再生」を審査いたします。ただいまから通知する資料をご覧願います。それでは、理事者説明願います。

(→吉田・まち再生・創造推進室長)それでは陳情第4623号「京都駅前開発における躯体温存型リノベーションによる再生」につきましてご説明申し上げます。陳情者につきましては、記載の通りでございます。

次に要旨でございます。陳情内容は、京都駅前の中央郵便局の建替計画について、高度集積を目指すのではなく、建設資材高騰・人材不足下での経済合理性、CO2排出削減による環境負荷低減、環境影響評価における風害検証の不備、昭和モダニズム建築の保存による景観・文化的価値の継承といった観点から、スクラップアンドビルドを前提とするのではなく、現局舎の躯体を活用したリノベーション案を比較検討することを京都市として事業者に求めることを願うもの、というものでございます。

その理由として4点挙げられております。1点目は、建築資材高騰や深刻な人手不足の中、従来のスクラップアンドビルド方式より既存躯体を活用するリノベーション方式のほうが、構造体コストの削減、工期の大幅圧縮、早期収益化など経済合理性が高い。2点目は、新築工事は資材製造や建設段階での大量のCO2を排出するが、リノベーションの場合、CO2や廃棄物の排出量を大幅に削減でき、2050年カーボンニュートラル、「しまつのこころ条例」、地球温暖化対策計画の理念にも合致する。3点目は、現中央郵便局は昭和モダニズム建築の優れた意匠を持ち、欧州でも事例があるように、面積ではなく質で価値を生むモデルが成立するとともに、文化庁の文化財登録の対象になるポテンシャルも十分にある。4点目は、京都駅前は来訪者が最初に触れる都市空間であり、歴史と環境を両立させた再生は、京都の国際的評価を高める象徴的プロジェクトとなり得る、とされております。

この陳情に対する本市の考え方につきましてご説明申し上げます。本件に関しましては、現時点で事業者から都市計画の提案を受けておりませんので、あくまで一般論としてのご説明となります。

陳情にあります通り、経済的合理性への配慮やCO2削減といった視点は大切な視点であると理解しております。加えて、京都駅前という立地特性から、優良な再開発やそれに伴う公共貢献がもたらす都市機能のさらなる集積、交通結節機能の向上、ひいては京都のさらなる国際競争力の強化といった「価値の増大」という側面も重要な要素でございます。

京都中央郵便局は民間の所有物であり、法令等の範囲内でどのような事業計画とするかは事業者に決定権があるものの、都市計画の提案を受けた後、本市としては京都駅前ひいては本市全体にとっても価値のある計画となるよう、環境面、経済面、景観面をはじめとした様々な要素を踏まえながら、事業者と協議を行ってまいります。ご説明は以上でございます。

〇委員長/ただいまの理事者の説明について、何か質問はございませんか。やまね副委員長。

◆やまね/よろしくお願いいたします。あの、まず冒頭ですね、本日も趣旨説明を求める市民の方、陳情者の方がありまして、冒頭諮られました。で、傍聴者の方も来ていただいてる中で、趣旨説明を認めないということ、そしてそれも理由も述べずに、我が会派以外の皆さんが主張されたことには大変残念であるということは、まず冒頭申し上げておきたいと思います。

それで質問に入りますけれども、京都駅前の再開発に関わってこの間ですね、高さ規制緩和などの方向が示された、打ち出された、有識者会議の意見まとめ案、この議論が、配付資料の扱いを巡っても不公平ではないか、その中身を私は明らかにしてきたわけですけれども、今回はですね、この陳情で指摘されておりますように、経済合理性とか環境負荷という観点から、いくつかお聞きしたいと思います。

で、まず陳情理由の1つ目にありましたけれども、建設コスト高騰、それから人手不足下での新築方式のリスクについてなんですけれども、これまでも資材高騰、人件費の高騰ということが言われてきましたけれども、加えて、中東情勢の悪化の影響もあると思いますけれども、資材価格の高騰、建設労働者不足で、今その全国的にですね、駅前の再開発が頓挫する事例が相次いでいるわけですけれども、まず京都市としてその全国の動向をですね、どこまで掴んでるのかですね。具体的にこういう都市ではかなり見直さざるをえなくなっているとか、こういう具体的なちょっと事例、もし掴んでるものがあれば教えていただけますか。

(→吉田・まち再生・創造推進室長)はい。ご質問の趣旨に合致してるかちょっと分かりませんけども、全国的に議員ご指摘の通り、建設コスト、あの、資材コストの大幅な上昇、それから人件費、担い手不足というような大きな流れの中で、全国的に大小を問わず、建設業界、大変厳しい状況にあると思います。で、それにつきましては本市における、公共工事についても同じ状況でございます。

で、今、ご質問の内容が、あの再開発、京都駅前の再開発の話かと思いますけども、ま、様々なところで再開発事業が計画されておりまして、その中では順調に進んでいるところもございますし、例えば、例えばですけども、最近の事例で言いますと、名古屋駅のところの再開発につきましては、事実上の中断というような、情報も入手しております。様々な事情の中で、それぞれの、都市においての再開発が進められているという認識でございます。

◆やまね/はい。ま、あの、再開発順調に進んでるとこもあれば、事例としては名古屋駅前の話をあげられましたけれども、これ中断の事例としてはね、あげられました。で、6月8日放送のNHK「クローズアップ現代」では、「一等地でも再開発が進まない」と。で、「相次ぐ計画見直しはなぜ」と題する特集が組まれました。で、これNHKの調査に回答した100余りの自治体のうち7割が計画見直しなどを迫られていたということなんですね。私は本当にこれ大変な事態だと思いました。順調に進んでいるところもあるという風に先ほどおっしゃったんですけれども、全国的にはもう7割が自治体レベルで見ると見直しせざるをえなくなっているということであります。

で、日本建設業連合会相談役の方がインタビューに応じまして、「再開発ってのは期間が長い」と。で、「今再開発が現実のものになってるものは10年も15年も前から計画しているもの」で、「そうするとその時に比べると確実に値段は上がっている」と。「長くかかればかかるほど当初の予算と実際の建設費が合わなくなって大変になる」などとコメントをされておりました。ま、その通りだと思うんですけれども。ですので、デフレの時代と違って、物価が高騰していく時代にあってですね、時間がかかる、どうしても時間がかかるこの再開発事業というのは、費用の総額が見通せないということ。その点で非常にリスク案件になっていると、こういう認識は京都市はお持ちですか。

(→吉田・まち再生・創造推進室長)えっと、あの再開発、ま、どこまで言っても一般論ですけども、再開発時間がかかる、当然でございます。で、その中で事業者のほうが様々な観点から事業化に向けて、検討した結果として事業がスタートするというものでございます。ですので、時間がかかるからリスクが上がるっていう側面も当然ながらありますし、その中で総合的な、判断を事業者のほうがされているという認識でございます。

◆やまね/あの、局面がね、やっぱり違うと思うんですよ。デフレの時と物価高騰の時と。デフレの時だったら、むしろ長期的な事業っていうのは事業者からしたら安定的に仕事が来る美味しい話なんですね。しかし物価が高騰していくということになると、事業の総額が、事業費の総額が見通せない。逆にこれ企業にとってリスクになる。これ当然のことではないかと私は思うんですけど、そういう認識は京都市にはないということなんでしょうか。いかがですか。

(→吉田・まち再生・創造推進室長)え、繰り返しになりますけども、ま、インフレ、デフレ、様々な要因、のことが、事業者の開発について、開発計画に影響するのは当然でございます。で、え、ま、逆に、時間がかかる事業であるからこそ、様々な都市作りについてはビジョンを、行政としても示し、事前明示性でルールを、事前に見せ、提示しなければ都市の発展なり、更新というものは、進まないという認識でございます。

◆やまね/それで、先ほど紹介したNHKの番組の中ではですね、再開発問題に詳しい明治大学の教授、先生が登場されまして、「従来型の再開発がままらなくなってきている以上、プランBを考えざるを得ない」ということで、「建物の再利用や小規模開発を組み合わせる」ということとか、それから「既存の建物をリノベーションしながら長期的な時間軸の中で街を育てていく重要性」を指摘されまして、私まさに今回の陳情で訴えておられる中身と重なるなあという風に思って番組を見てたんですけれども。これからの時代はですね、やはり環境負荷ということを考えても、今ある建物を長持ちさせてどううまく使っていくかということが、そういう発想がいるんじゃないかと思うんですね。その点ご認識ちょっと伺いたいのとですね。

それからその番組の中で、この明治大学の先生はですね、「これまでの都市再生は規制緩和をして民間主導で開発をしやすくしようということだったんだけども、それが積み重なってどうしても画一的であったり、収益が最大化するようなものを目指すことが増えたという反省もあると見てます」というコメントをされてました。つまりですね、この、まさに京都駅前で今やられようとしてるような規制緩和で大きな建物を作れるようにしようっていうのは、ちょっと時代的にもう古い考え方になってきてるんじゃないかと思ったんですが、この点でのご認識いかがでしょうか。

(→吉田・まち再生・創造推進室長)えっと、ま、あの、建物の更新、再開発において、リノベーション、既存建物を活用したリノベーションという観点というのは、当然ながら環境等の、観点からも、重要な要素だと考えてます。

ですけども、事業を進めるにあたって、全てがすべて、リノベーションで済むのかということも、様々な側面がございます。えっと、ま、あの、具体事例で我々が喋れるというのであれば、この本庁舎の建替事業、再生整備事業につきましても、文化的な価値があるということで、この間、建物の更新しておりますけども、この本庁舎だけでも4年強の、ま、議会の審議もいただきまして、工期延期もして4年強の、事業期間を要しております。そういう期間の間でいろんな、要素が失われていく部分もあれば、現する部分もある中で、様々な、観点から議会のご指導もいただきながらこの事業が成立したということでございます。ですので、単純にリノベーションが全て、王道だということは、ま、それぞれの事業で、分析して、選択すべきだと考えております。

それから規制緩和に対して、大型建物を建てる時代が終わったというような、利益誘導型の再開発が終わったのではないか、破綻してるのではないかという、ご指摘かと思います。名古屋の例を挙げさせてもらいましたけど、ま、これも本当に一般論の話ですけども、例えば今、今回の陳情にあります京都中央郵便局の建物規模から言うと、名古屋の場合はもう4倍強の規模の建物で、高さについても3倍ほどの、もう本当に大規模で、ま、京都の中では中央郵便局、大規模だというお話もありますけども、その規模差もだいぶ違うものでございます。

そういった中で、本当に何が必要なのか、ま、我々としては、京都駅前の更新の中で京都の玄関口としてふさわしい、ま、都市作り、都市空間が形成される方向に向かって、協議をしていくという形で、考えております。以上でございます。

◆やまね/はい。ま、名古屋とは建物の規模が違うんだということおっしゃいましたけれども、しかしちょっとね、それは乱暴な話じゃないかなと思うんですよね。全国でもう7割の自治体で、再開発事業が見直さざるをえないようなことになってるという中で、京都ではうまくいくんだということに本当になるのかですね。で、ただ一方では、当然環境面からリノベーションの、既存の建物を利用するというのは重要だということも、おっしゃられたということです。

そこで、もう少しだけお聞きしたいんですけれども、4月15日に提出されました有識者会議の意見まとめなんですけれども、京都市全体の課題としてですね、「働く場としてのオフィス空間が不足」と。で、「特に若者や学生が働きたいと思えるような時代の潮流に合う魅力的なオフィスが不足している」という風にあるんですけれど、私は極めて漠然とした中身だと思いまして、で、もう少し資料を詳しく見ますとね、「※」を見てさらにびっくりしました。こう書いてあるんです。「魅力的なオフィスとは、開放的な空間を有し、多様な働き方に対応した柔軟性のあるワークスペース、共同作業スペース、休憩やリフレッシュのスペース、最新のテクノロジー、高い環境性能などを備えた、従業員にとって魅力的かつ高い創造性、生産性を提供するオフィス」と。ま、こういう風にあるんですよ。で、これ、高さ規制とは何の関係もない話じゃないかなっていう風に思うんですね。おしゃれな最新のオフィスのイメージを並べただけであって。

で、今日は京都駅前の郵便局の建物の話ではあるんですけれども、やはり今京都駅前で、31mだったものを60mに高さ規制緩和をしなければならない説明には、この意見まとめの「オフィス不足」のところで全然そういう説明にはなっておりません。わざわざ駅前を高層化しなくてもですね、既存の建物をリノベーションすることで、こういう魅力あるオフィスというのはもっと作れるんじゃないかと思うんですが、この点はいかがでしょうか。

(→吉田・まち再生・創造推進室長)有識者会議の議論の中でも提示させていただいてるんですけども、例えば現状の状況としまして、京都駅の800m圏内、徒歩約10分という圏内を、他都市等と比べますと、テナントオフィス、新大阪、京都駅の約1割の規模しかない。で、ま、さらに広島4割、岡山駅で言えば5割弱というような、のぞみが停まる駅の10分圏内のテナントオフィスの量というのが現在でも、他都市と比べても著しく劣っていると。

で、さらに空室率につきましては、5%を臨界値というか、値を5%を超えると、テナントとして入りやすいというところですけども、それにつきましても5%を切っておりまして、京都のオフィス不足っていうのは、そういう数値からも調査からも、顕著になってるというところです。

で、その時に、あと、ま、今回有識者会議で、オフィスが足りないところっていう指摘と合わせて、公共空間、駅前広場、それから、いろんなリノベーションを誘発する、促すための、新しい働く場所を京都に作ることによって、企業立地であるとか、働く場を提供していくことが大事と、合わせて、駅前の都市空間を魅力的なものにしていこうというのが、ご意見だったと認識しております。

で、そうして見た場合、やはり有識者会議としての結論として、結論の一部でございますけども、先ほど言った京都駅800m圏内で見た時に、もうすでに容積率の消化率も高位である。あと高さの使用の大きさももう高位であるということから、ゆとりある魅力的な都市空間でセットバックしてウォーカブルな環境を作るのに合わせて、民間の力を活用するためにインセンティブとして、床を増やせる手立てとしての高さの一定の考え方を、ご提案いただいたものと考えております。

◆やまね/あのつまり、京都市がオフィス不足、オフィスが足りないって言ってるのは、テナントオフィスのことですか。いかがでしょう。

(→吉田・まち再生・創造推進室長)えっと、あの、特に、テナントオフィスについては足りないというところと、当然ながら、本社機能を含めた自社ビル、企業の立地についても、様々なご相談を受ける、ことがございますけども、立地する場所が少ないということは、聞いております。

◆やまね/はい。今日はちょっともう時間がありませんので議論これぐらいにしたいんですけれども、最後にちょっと資料だけ求めたいと思います。このオフィス不足と言われている根拠ですね、意見まとめの参考資料にいくつか載ってはいるんですけれども、それも含めて、京都市がこのオフィス空間が、今京都市の中に足りないと主張されている根拠について、資料で提出いただきたいと思います。それだけ求めて終わります。以上です。

〇委員長/ただいまやまね副委員長から要求のありましたオフィス不足に関する資料について、理事者提出できますか。

(→吉田・まち再生・創造推進室長)提出させていただきます。

〇委員長/提出できるとのことですので、委員会資料として提出を求めることにご異議ありませんか(「異議なし」と呼ぶ者あり)ご異議がありませんので、委員会資料として提出を求めることに決定いたします。理事者におかれては、なるべく早く提出いただきますようお願いいたします。他にございませんか。なければ、本件は陳情ですのでこの程度にとどめます。

まちづくり委員会要求資料「オフィス不足の根拠」

2026年6月11日【まちづくり委】都市計画局/陳情審査「京都駅前開発におけるく体温存型リノベーションによる再生」

(更新日:2026年06月11日)